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【人】 惜別ハツナ*** [ 君を振り回してる自覚はあった。 でも、嫌って言われないから嫌じゃないんだと。 都合のいいようにとらえていたんだよ。 私といることが幸せだって。 そう感じてくれてると思いたかったし、 私は君といる時間が幸せだった。 幼い頃には、こんな感覚当たり前だったのに。 いつしか私の手から離れた幸せの時間。 ] (182) 2022/10/25(Tue) 16:45:23 |
【人】 惜別ハツナ[ そう、小学校一年生くらいまでは 仕事で多忙のお父さんはともかく、 お母さんは家にいるのが当たり前だった。 当たり前、だったのに。 友人の連帯保証人になったせいで、 借金を返さなければならなくて。 そのために身を粉にして働いてるのが 今の私の両親の現状。 私が顔も知らない人のために 私が受け取るはずだった温かい時間は、壊れた。 ] (183) 2022/10/25(Tue) 16:46:01 |
【人】 惜別ハツナ[ 私の家、普通じゃないから。 人恋しいって思うのはきっと仕方ないでしょ? 泊まってもいい?って両親に聞いてみたって お友達と仲良くしてね、ってそれだけ。 恋人の家に、とは言ってないけど 言ったとして止められたのかすら怪しい。 ] しないよ。放任主義、ってやつなのかな。 ……私にかまってる時間、ないんだよ。 [ 直球の質問には、そう返して。 ] (184) 2022/10/25(Tue) 16:47:08 |
【人】 惜別ハツナ君だって、…………ううん。 なんでも、ない。 [ 普通から離れているのは君だってそう。 でも、私はそれを聞くのをためらってしまう。 だって、もし、聞いたことで この時間が終わってしまうのなら、……。 私は聞かなければよかったって思ってしまうから。 聞かないのは君のためじゃない。 私のため。 わがままだな、私は。 ] (185) 2022/10/25(Tue) 16:48:06 |
【人】 朝日元親[ いままで言えなかった決意が 募る思いに合わせてキミへと渡る。 いつもボクを好きだと言ってくれたのに ボクも同じ気持ちを持っているのに ボクはキミに、好きだと全然言えていない。 そんな自分が嫌で ボクは自分を変えようとも思って。 ようやくここへたどり着いたんだ。] (188) 2022/10/25(Tue) 22:07:42 |
【人】 朝日元親[ すると突然遠くの道から知らない人の悲鳴と タイヤがアスファルトに勢いよく擦れる音が響いた。 ボクの決意も、言葉も、全て掻き消すように。] (190) 2022/10/25(Tue) 22:14:44 |
【人】 朝日元親[ 後ろへ振り向けば、ふらふらと車線すら守らない 乗用車が道路の中で獰猛に暴れながら こちらへとやってくる。 止まることを知らない乗用車が ボクらの立っていた歩道へ、突っ込んできていた。] (191) 2022/10/25(Tue) 22:15:35 |
【人】 朝日元親[ ボクはキミを突き飛ばした。 もしかしたら怪我をさせてしまうかもしれないのに。 ボクはやっぱりダメなやつだから こんな形でしかキミを守ることが出来なかったんだ。] (194) 2022/10/25(Tue) 22:18:16 |
【人】 惜別ハツナ[ ひとりぼっちの二人が寄り添う晩御飯の時間も そこから帰るのも、私達の日課になった。 夜とはいえ別に一人でも大丈夫、って 言ったことはあったけど 私だって離れがたいから。 強く断ることはしなかったんだ。 ] (195) 2022/10/25(Tue) 23:34:02 |
【人】 惜別ハツナ[ 静かな夜道。 街灯と月明かりが、私達を照らしていた。 昼よりずっと心地いい夜の時間。 守るように車道側に立ってくれる 君に優しさに甘えきって、 その立ち位置が当たり前になってた。 ] どうしたの? [ どこかいつもと違う気配を感じて 私はほんの少し首をかしげて 君の言葉の続きを待てば。 ] (196) 2022/10/25(Tue) 23:35:36 |
【人】 惜別ハツナ[ 嬉しかった。 ほんとうに、嬉しい。 だって私……ずっとさびしかったから。 君がずっといてくれるのなら 私、きっとどんなことだって耐えられる。 それくらいに、君との時間が大切で。 何よりも君が大切だったから。 ] (198) 2022/10/25(Tue) 23:36:52 |
【人】 惜別ハツナ[ でも、倒れてる君を見た誰かが 悲鳴を上げたから。 急に思考がクリアになって 私はポケットに入れていたスマホで 慌てて救急車を呼んだ。 ] (204) 2022/10/25(Tue) 23:42:00 |
【人】 惜別ハツナ[ 私は君に付き添う事になったけど。 この時後悔することになるんだ。 君の家族のことを ちゃんと聞いておかなかったことに。 ] (205) 2022/10/25(Tue) 23:43:40 |
【人】 惜別ハツナ[ 私と君が運ばれた後に残された、 突き飛ばされた衝撃で落とした鞄。 色とりどりのペンに、 水玉模様のシャーペン。 陽だまりみたいな色のペンケース。 鞄に入ってたものが ばらばらに地面に散らばっていた。 ] (206) 2022/10/25(Tue) 23:44:36 |
【置】 惜別ハツナ次のデート、いつにしようか? [ 二人の関係が当たり前に消えないって。 そう思っているからこその、文面。 まさか、消えてしまうとも知らずに。 ] (L3) 2022/10/25(Tue) 23:46:14 公開: 2022/10/26(Wed) 0:00:00 |
(n0) 2022/10/25(Tue) 23:50:29 |
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