エレンさん……でしたかしら、貴方のお名前。
　不思議ですわね。わたくし達、間違いなく初対面のはずですのに。貴方が王子様だと知っても、わたくしの心は凪いだまま。
　何故なのでしょう。
　盲目のわたくしには、見えないものがあるから？
　でも、確かに感じておりますわ。
　そこにある、確かなものを。
　

-こちら刑事エロンボ

腐敗は国全土に拡大
王家そのものが人狼に侵されているものと思われる

現在王城内にて謎の集会が開催中
数刻前、王城内兵士約５０に襲撃されるがこれを撃破
また、場外に巨大なデーモンを発見、既に死亡
その体躯から侯爵級と思われるが、先行していたイエティ刑事がこれを撃破

しかし敵の勢力は強大であり、現場の戦力での制圧は不可能と判断
至急、応援を求める-

そう、ですわね。そうかも知れませんわ。
人の『運命』は最初から決まっていて、わたくしたちはそれに従うだけの奴隷なのかも知れません。
ですけれど、少なくともわたくしの隣にいる間だけは、退屈なんてさせませんの〜！！！！

ほげぇー？！　踵がビカァー！！　ってなりましたの！！　ビカァー！！　って！！

ご、ごめんないですの〜！！！！　わたくし門限につき失礼いたしますわ〜！！　行きますわよ〜ネズミちゅわ〜ん！！！！

走るのに邪魔ですわ〜！！！脱ぎ捨てて行きますのよ〜！！ポイポイですわ〜！！！

おほほ！！　人間なんてそんなものですわよ〜！！　わたくしも、そして貴方も！！！！

おほほ！！　ごきげんようですわ〜！！！！