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【人】 配信者 秋月壮真お口に合ってよかった ……桃以外に好きなもの、ですか [貴方です、の言葉は飲み込んだ。 うーん、と考えている間に 料理が運ばれてきて一度口を噤む。 空になった彼女のグラスには 先ほどとは別のボトルから 桃のジュースが再び注がれる。] (4) 2024/05/22(Wed) 11:20:53 |
【人】 配信者 秋月壮真[前菜、スズキのカルパッチョを ナイフとフォークで一口大に切って 口に運ぶ合間に続きを話す。] 何でも食べますけど 甘い味付けのものが好き……、 かも知れません [断定できないのは、食への関心が薄かったから。 スズキを口に含む。 ……うん。飲み込んで小さく頷く。 バルサミコ酢と言っていた、 この酸っぱい味付けも悪くない。 彼女に出逢うまではもっと酷かった。] (5) 2024/05/22(Wed) 11:21:40 |
【人】 配信者 秋月壮真ハツナさんは、何がお好きですか? 食べ物でもそれ以外でも ハツナさんのこと、知りたいです [真っ直ぐに見つめて、問いを返す。 SNSにあげられたことなら隅々まで知っている。 恐らく好物だと思われるものは、 この後のコースに盛り込んでもある。 それでも、 知っていたことを改めて彼女の口から聴きたいし 知らなかったことは素直に知りたい。 知らないところがなくなるくらいきみを知りたい。*] (6) 2024/05/22(Wed) 14:36:53 |
【人】 学生 初波華音[私の投げかけた一言が何か意外だったのか 綺麗な水色がぱちぱちと瞬く。>>3 かあぁぁあわぁぁあい〜〜〜〜〜!!!!! ……などと無遠慮に叫び出しそうな心を どうにかして落ち着かせて体面を保つ。] 毎年お取り寄せですか……!? ふふ、すごくお気に入りなんですね 貴重なジュースを飲ませていただけて幸せです この前の! ハピバーガーのピーチスムージー ソウマくんの配信を観てすぐ私も飲みましたっ あのスムージーも美味しかったですね! [高級ハンバーガー店のピーチスムージーと お取り寄せグルメの白桃ジュースの それぞれの味の違いが判るほど私の舌は肥えてない。 どっちも美味しい。 美味しいものは恙なく美味しい。 でもソウマくんがどういったものを 『美味しい』と感じるのかは全部知りたい。] (7) 2024/05/22(Wed) 21:56:07 |
【人】 学生 初波華音[あっという間に空いてしまったグラスには お冷の如く惜しみなくまた白桃ジュースが注がれる。 わざわざ取り寄せるほどに好きなジュースなら 正直、私の分も彼に飲んでもらいたいのだけれど…… ちらと見たソウマくんの手元のグラスの中身は まだそう減ってはいない様子だった。 ……ひょっとして 好きなものは少しずつ 大切にいただくタイプなのかしら? そんなことを考えながら口を付けた 二杯目の白桃ジュースは、 一杯目よりも甘く感じた。] (8) 2024/05/22(Wed) 21:56:24 |
【人】 学生 初波華音[そうこうしているうちに、 Moonstagramでしか見たことがないような おしゃれで映える前菜が粛々と運ばれてくる。 ちらとソウマくんの方を見遣れば それは優雅に慣れた手つきで ナイフとフォークを使いこなしながら カルパッチョを口元に運んでいる。 ただ食事をしているだけで こんなに絵になる男の人他に居る??? 私はソウマくんの他に知らない。] 何でも……! そうなんですね 甘い味付けのもの……あ、 そういえばてりやきハピバーガーも 甘辛い味付けでしたよね! もしかして、玉子焼きも お砂糖入りがお好きですか? [見とれてつい手が止まるのは許されたい。 とはいえあまりじろじろ見るのは失礼よね。 そう思えるだけの理性は、辛うじてまだあったし 目が合ってしまおうものなら どうしたって心臓は跳ねた。] (9) 2024/05/22(Wed) 21:56:56 |
【人】 学生 初波華音[ほとんど付け焼き刃のテーブルマナー力で 理想に現実が追い付けていたかは 定かではないけれど、] ……!! わ 美味しい……! これ、すごく美味しいですね! [食べ慣れない味わいの前菜にも 頬が落っこちそうになったのは、 カルパッチョそのものの美味しさはもちろん 誰と一緒に食べているかが大事だったと思う。] (10) 2024/05/22(Wed) 21:57:08 |
【人】 学生 初波華音[これ以上の幸せを望んだら きっと罰が当たってしまう。なのに、彼は こんな私にも興味を持ってくれようとする。] はぇっっ わ、私ですか!? ありがとうございます 私が好きなのはもちろんソウ──……ですね [外見だけじゃない 私を知ろうとしてくれている。 真っ直ぐにこちらを射貫くようなまなざしから 一瞬だけ逃げようとして、 少しの間を置いておずおずと目線を上げた。] ……食べ物なら 私も、桃が好きで [ソウマくんの好きな果物のようだったから、 と皆迄は言わず] (11) 2024/05/22(Wed) 21:58:40 |
【人】 学生 初波華音パンナコッタも好きです! 甘くてやわらかくて優しい味がして…… [これもソウマくんの配信がきっかけで 好きになったお菓子のひとつ。] 私も何でも食べる方で、 お豆腐とかお漬物とか、練り物とかきのことか 特によく食べるんですが 好きなのかって言うと少し違って…… ……小さい頃から、実家で 特別な日だけ食べられたお料理があって それがラザニアなんですけど 今も、ラザニアを食べるのは とっておきの日、って決めていて。 特別感も相俟って好きだな〜〜って…… ソウマくんにもそういうお料理、ありますか? (12) 2024/05/22(Wed) 21:59:24 |
【人】 学生 初波華音[SNSにもラザニアの写真を投稿したことはある。 大学の入学祝い、合格発表、誕生日…… 注意深く見ていれば、 何らかの記念日の食卓には必ずラザニアが映っている。 身近な友人や知人でもそれを知る人は少なく 自分から話すことも滅多にない。] 食べ物以外なら ソウマくんのピアノが好きです! ……な、な〜んて……! 面と向かうと、照れちゃいますね 私も、もっと……知りたいです 聴かせてほしいです ソウマくんのこと、何でも [動画を見尽くして何でも知っているつもりで、 私は実際ソウマくんのことをあまりに何も知らない。] (13) 2024/05/22(Wed) 22:00:11 |
【人】 学生 初波華音[今この場だけで彼のすべてを 知り尽くせるなんて思ってもいない。 たとえば一生を懸けられたとしても、 全ては知り尽くせないままかもしれない。 それでも叶うならぜんぶ知りたい。聴かせてほしい。 何が好きで、何が苦手で 何を心地良く感じて、何を不快に思うのか── 今すぐじゃなくたっていいから、 その瞳の奥でどんなことを考えているのか 教えてほしい。他の誰でもなく私に。 ……ずっと一方的に見つめてきただけなのにね。 こんなこと想うのは、やっぱヘンかな。] ──そういえば どうして私に会おうと思ってくださったのか お尋ねしても……構いませんか? [もし言葉を濁されるようなら無理には訊かない。 尋ねたい話題なら、山のようにあるのだ。*] (14) 2024/05/22(Wed) 22:00:42 |
【人】 配信者 秋月壮真[そう言えば、今日は自分が知っている 彼女に比べると随分大人しいような気がする。 テーブルマナーはきちんとしているし 上品な服装や髪型がよく似合っていて 素敵なお嬢さんそのものだ。 ただ大人しいと言っても 楽しめていないという訳ではなさそうで 「幸せです」「美味しい」など 喜びの気持ちを真っ直ぐに伝えてくれるから こちらまで嬉しくなる。 普段の元気な彼女。 気品漂う今夜の彼女。 どちらにも惹かれてやまない。 彼女への想いが膨れ上がっていくのを 自覚するとともに むしょうにピアノが弾きたくなった。 言葉を話すのが得意でない自分の第一言語だから。] (15) 2024/05/23(Thu) 10:22:44 |
【人】 配信者 秋月壮真[だけど今日は初めてのデート。 この時間だって何事にも代え難い。] そう、てりやきの甘辛さが好きで…… ……砂糖入りの玉子焼き? 伊達巻ではなく、玉子焼きも 砂糖を入れて良いんですか? ……それは食べてみたい きっと、絶対。好きな味です [食べ慣れた方も出汁が効いていて旨いが 彼女が予想するなら、気に入るに決まってる。 自分でも知らなかった自分に幾つも 気づかせてくれる彼女がこちらを見れば その度に見つめ返して目をそっと細くする。 この席は彼女の顔がよく見えて良い。] (16) 2024/05/23(Thu) 10:23:15 |
【人】 配信者 秋月壮真[彼女は桃とパンナコッタが好きだと言う。 好みが似ていて嬉しい。 豆腐、漬物、練り物、きのこは これまで余り意識してきたことがなかっ──、 いやいま好きになった。好きだ。] ラザニア、ですか 自分には……、特にないですが とっておきがあるのは素敵ですね [節目に必ず登場するから好きだと予想していた。 だけどそこまで特別なものだとは知らなかったから 狡いような気が、少しだけしなくもない。] (18) 2024/05/23(Thu) 10:24:01 |
【人】 配信者 秋月壮真[今度こそ不意打ちに好きなものに挙げられた。 自分自身ではなく、ピアノのことだけれど。 ……いや、自分自身のことも知りたいと、 彼女は言った?] ……どちらもありがとう その……、嬉しいです [そう願ってくれるのは嬉しい、事実。 照れと戸惑いを半分ずつ浮かべて 顔を俯かせて 短く気持ちを伝えた。] (19) 2024/05/23(Thu) 10:25:13 |
【人】 配信者 秋月壮真[前菜の皿が下げられ、次が運ばれてくる。 イタリアンの二品目はパスタ。] ……お呼び出しした理由、 気になりますよね。お話します けど、良ければ、ハツナさんには お話より先に次の料理を温かい内に 召し上がって頂けたらと思います 先ほど自分には特別な料理は ないと言いましたが……、 今日からはこれになりそうです [熱々のラザニアがそれぞれの前に置かれる。 貴方は、今日この日のことも とっておきに思ってくれますか。*] (20) 2024/05/23(Thu) 10:27:07 |
【人】 学生 初波華音少しお砂糖を混ぜて焼くと、 ほんのりあまくて 優しい味の玉子焼きになるんです! ソウマくんも機会があればぜひ! 伊達巻も美味しいですよね 普段の玉子焼きはどんなお味なんですか? [彼の配信はピアノの演奏がメインだから 食の好みについて伺い知れる機会は稀だ。 だからつい前のめりに色々訊いてしまう。 初めて知る好みはもちろん 元々見聞きして知っていた好みでも、 本人の口から聞けるのは格別だった。 何せ合法的にソウマくんの『好き』が聴ける。 あくまでも味付けやら果物やらに対する好きだと 頭では重々承知していても、 そのワンフレーズは恋する乙女に あまりにもよく効きすぎる。] (21) 2024/05/23(Thu) 20:48:53 |
【人】 学生 初波華音素敵、ですか……!? そんな風に言ってもらえたのは初めてです ふふ、嬉しい ソウマくんのとっておきは これから見つかるのかもしれませんね! 見つけたら、教えてくださいねっ [もし私の本性を知ってしまったら、 こんな風に微笑みかけてはくれないでしょうね。 今こうして向かい合って食事をしている最中でも 本当は、美しいコースのディナーよりも それを口に運ぶ人の方を見つめていたい。 隙あらば写真に収めてこの時間を永久保存したい。 料理の写真を撮るふりをして撮れば、 なんて考えなくもなかったけれど…… だめだめ、今夜の私は淑女でいるの。 第一印象は大事よ華音。 万が一ソウマくんに嫌われでもしたら 文字通り生きていけなくなるわ。] (22) 2024/05/23(Thu) 20:49:13 |
【人】 学生 初波華音ピアノのお話も、それ以外のお話も 今夜はぜひたくさん聴かせてください! ……あっ、もちろんソウマくんが お嫌でなければ、ですけど……! [失礼があっちゃいけない。 ベストを尽くしたい。 間違っても 「きゃーーーっっもしかして今 照れてくれたの!!?!!?!??」 などと声に出してはいけない。 終わる。人生が。 ソウマくんが望むことならなんだって叶えたい。 話より先に、と彼が言うのなら 素直に肯く以外の選択肢は最初からない。] へっ……? 今日からは……?? そ、それってどういう意味で (23) 2024/05/23(Thu) 20:49:29 |
【人】 学生 初波華音[意味深な一言を添えられた上で 運ばれてきたのは、 話題に挙げたばかりのお料理。] えっ、うそ! ラザニアだ……!! さっき話したところなのに!? わ〜〜〜!! 嬉しいです!! すっごく!!! えへへ お言葉に甘えて、 熱いうちにいただきますね! [とっておきの日の象徴たるラザニアに 美味しい白桃ジュースに テーブルを挟んだ向かいに大好きな人。] はふっ……む…… ──美味し〜〜〜!! [私の夢を具現化したような現実に、眩暈がする。] (24) 2024/05/23(Thu) 20:49:41 |
【人】 学生 初波華音[熱々のお皿に手が触れてしまわないよう 気を付けつつナイフを沈ませて、 ひとくち口に運んではソウマくんの方を見た。 ねえ、さっきのってどういう意味ですか? ソウマくんも同じ気持ちでいてくれてる……って 少しは期待しちゃってもいいんですか? 盆と正月と誕生日がいっぺんに来たとしても ここまでの感動を覚えなかったと思う。 今日は私にとって生涯忘れられない日になる。 間違いない。] しあわせ…… ソウマくんと一緒にラザニアを 食べられる日が来るなんて……! 夢を叶えてくださって ありがとうございま…… [すこぶる上機嫌で美味しいラザニアを 三分の二ほど食べ進めた頃だった。] (25) 2024/05/23(Thu) 20:49:50 |
【人】 学生 初波華音(……、なん……で…………?) [必死に欠伸をかみ殺そうとしても 冷えたジュースで身体を叩き起こそうとしても、 抗おうとすればするほどに押し寄せてくる睡魔。 退屈な授業中や暇で仕方ないバイト中でも ここまでの猛烈な睡魔に襲われたことはない。 ましてや生身のソウマくんを目の前にして この私が眠ってしまうなんて有り得ない。 有り得ない、のに──…… 瞼はどんどん重くなる。] ごめ、なさ…… なんか、……急、に 楽し、のに…… わたし……ど……して………… [ふっと全身の力が抜けてがくんと頭が落ちた。] (27) 2024/05/23(Thu) 20:50:39 |
【人】 学生 初波華音ソウマ、く………… [身体ごと椅子から崩れ落ちそうになった瞬間 誰かが抱きとめてくれたのを感じた。 最後の力を振り絞って瞼を抉じ開け 我が身の置かれた状況を察すれば] ヒィ ッ……[意識は強制的にシャットダウンされた。*] (28) 2024/05/23(Thu) 20:51:20 |
【人】 配信者 秋月壮真……幸せそうに召し上がりますね [ラザニアを美味しそうに頬張る彼女ほど 愛らしいものがこの世に存在するだろうか。 居やしない。 こちらまで幸せな気持ちになって、 いつまでも眺めていたくなる。 暫く見惚れてしまってから、 思い出したように自分も手をつけた。] 本当に、美味しいですね [一番上のチーズはこんがり焼けているし 平たいパスタと二種のソースが何重もの層になっていて 料理に明るくない自分でも手間のかかるものだとわかる。 祝い事のたびにこの一皿を用意されてきた彼女は ご家族に大切にされていたのだろうと想像した。] (29) 2024/05/24(Fri) 16:31:01 |
【人】 配信者 秋月壮真[互いの誕生日だとか、クリスマスだとか、 先の祝い事は二人でこの料理を頂こう。] 夢だなんて……、どうかしましたか? [ そう、夢は覚めるものだ。 ラザニアを半分ほど腹に収めたところで 彼女の方には異変が生じた。 どうやら効いてきたようだ。 膝に載せていたナプキンをテーブルに戻し 椅子から立ち上がる。 彼女の肌に火傷などさせられないし 彼女の髪を料理で汚させるわけもない。] (30) 2024/05/24(Fri) 16:32:02 |
【人】 配信者 秋月壮真[崩れ落ちそうになった身体を腕で支え そのまま横抱きに抱え上げた。 羽根のように軽くて吃驚する。 長い睫毛が伏せられた寝顔は美しい。 本当に物語のお姫様みたいだ。 ……などと間近にある顔を無遠慮に眺めていると 不意に目蓋が開いて。] えっ [いや、気のせいか? 目蓋が開いて目と目があった気がした。] (32) 2024/05/24(Fri) 16:33:26 |
【人】 配信者 秋月壮真[規則正しい寝息が聴こえる。 家族に大事にされてきただろう彼女は 今日から自分がそうするのだ。] ……連れが体調不良のため 料理の途中ですが失礼します タクシーの手配をお願いできますか? [惜しまれるのはドルチェまでいけなかったことか。 ほかのどの祝いの投稿よりも嬉しかった 桃のパンナコッタを再現して貰っていたのだけれど。 "暁ソウマ"のその先の己を知ったなら 彼女はもうきっと作ってくれないだろうから。] (33) 2024/05/24(Fri) 16:36:08 |
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