【人】 水分神[妾に食事は必要ない。 故に暇つぶしでしかないが 瑞々しい果実や甘い菓子は美味しく ほどほどに気を紛らわせてくれるので まあまあすきじゃ。 水ではない水は匂いにクラッとし 白い塊は硬い 葉っぱは苦いからすきじゃない。 一体何のために寄越すんじゃろうな? 先代は人間を大切にしていたから この屋敷には人間の家と同様の厨房は存在する。 そして、何人かの婿がそこで何かを調理して 妾に差し出してきたことがあるが 妾は終ぞ口にしてこなかった。 ────何か熱そうなんじゃもん。 果実と菓子の包みだけを 拾い上げ両腕で抱え込むと 未だ汚しておらぬ部屋へ移り ごろごろし始めた。] (114) 2021/06/16(Wed) 10:30:15 |
【人】 水分神[何も、妾のおる部屋に来ずとも 他の部屋から片付ければ良いのに。 そう思いつつ、意地悪な顔で笑う。 果物の皮を細い指先で剥けば 男に掃除され綺麗になったばかりの空間へ ぽいと投げた。 妾は、にたにたしながら次の果実を頬張る。 甘酸っぱくて、うんまいのう。] (117) 2021/06/16(Wed) 10:31:00 |
【人】 水分神[ぽいぽいぽいぽい。 菓子の包み紙や果物のごみを次々捨てるが それらも文句なしに回収されてしまう。 ふむ、中々手際が良いな……って 感心などしておらぬからな、断じて!] (119) 2021/06/16(Wed) 10:31:26 |
【人】 水分神[狙いは妾の菓子か? 果物か?] ……っやらぬからな! [ぷい、と顔を逸らすと 周りに散乱していた菓子たちをかき集め 再び抱え込んで部屋を出ていく。 襖は足で開け放した。 行儀? なんじゃそれは美味いのか?] (121) 2021/06/16(Wed) 10:31:56 |
【人】 水分神……む? ……むむ? む? [そうして屋敷の中を走っていると 違和感、違和感……のちに、気づいた。] な、んなななな……! 屋敷の中が綺麗になっておる……! ここも……、ここも……?! [もしや妾の寝ていた部屋以外すべてか? 否そんなまさか、と呟きながら走り回り その通りであったと確信してしまえば戦慄した。] (122) 2021/06/16(Wed) 10:32:07 |
【人】 水分神いやいや、幾らなんでも早すぎる……どれ [ジューバコの隅をつんつんしてやろう。 余談じゃが妾はおせちの甘い具が好きじゃ。 木製の窓枠を指でつーっとしてみる。 ……が、期待に外れ、埃はつかなかった。 よぅく掃除が行き届いておる。] (123) 2021/06/16(Wed) 10:32:27 |
【人】 水分神ぐぬぬぬぬ…… [どうやら、今回のは特に手強そうじゃ。 妾の好物の供物に手を出そうとするほど 肝が据わっとるようじゃし。 ……あ、葉っぱと白い塊は要らんから どーなろうと知ったこっちゃないぞ。] (124) 2021/06/16(Wed) 10:32:44 |
【人】 水分神(どうしてくれようかの……) [上段の間に戻りて 菓子をぼりぼりとつまみながら 彼是策を巡らせる。 不機嫌さを隠さぬ姿があった。**] (125) 2021/06/16(Wed) 10:32:54 |
【人】 水分神[……しかし。] (良い匂いではあるのう……) [妾の意思に反して、 鼻が独りでにすんすんと匂いを嗅いでおる。 直ぐ目を逸らしたが、黄色とか緑とか、 きれいな色合いじゃった気もするし……。 ちらりと、皿の上を確認した。*] (210) 2021/06/17(Thu) 0:54:08 |
【人】 水分神……う? [何やら、匙に息を吹きかけはじめた。 湯気の量が立ち所に減り 良い香りが強く舞い込んでくる。 程よく冷まされた匙が差し出されれば 男の顔と匙の間、視線を行き来させた。] (218) 2021/06/17(Thu) 9:40:37 |
【人】 水分神[向けられるは、優しげな眼差し。 なんじゃか胸の辺りがきゅうってした。 なんじゃ?] ……ふ、ふん。そこまで言うなら 食ってやらんこともない [何も言われてはいまいが、ほれ。 目は口ほどになんとやらじゃ。 妾は人間どものことわざも少し知っとるぞ。えっへん!] (219) 2021/06/17(Thu) 9:40:48 |