人狼物語 三日月国


145 【R18G】星仰ぎのギムナジウム2【身内】

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視点:


【人】 夢見る乙女 シャルロッテ

その朝、少女はすこしばつが悪そうに食堂を訪れた。
誰かを探すように、それでいて見つけてしまうことを恐れるように。
赤い視線が揺らめく。

――けれど。

彼は食堂のどこにもいなかった。
まだ出てきていないだけだろうか?
否――

『神隠しに遭った子供は治療のために酷いことをされる』
『それは今でも続いているかもしれない』


ふと、脳裏をよぎるのは、そんな。

「………………バラニは、どこ?」


掠れた声が、落ちる。
(1) 2022/05/04(Wed) 21:08:31

【人】 夢見る乙女 シャルロッテ

>>0
「………………エルナト」

少女はあなたの姿をみとめると、悲鳴にも似た、ふるえる声をこぼした。

「バラニはどこ?」
(2) 2022/05/04(Wed) 21:12:30

【人】 夢見る乙女 シャルロッテ

>>5 エルナト
「バラニは、――――」

あなたが窓の外ばかり見ているから、痺れを切らしたように、少女はもう一度、口を開きかけた。
刹那、ゆっくりとあなたが振り返る。
けれど、答えは返らない。

「バラニは、どこ」

三度、口にして。
ようやく、あなたが告げたのは。

――――ヒュ、と。
喉から漏れるのは声にもならない悲鳴。
(6) 2022/05/04(Wed) 21:24:27
シャルロッテは、朝食も摂らず、食堂から駆け出した。
(a0) 2022/05/04(Wed) 21:24:51

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

駆け出した少■は、いないと聞いたばかりにもかかわらず、あなたとエルナトの暮らす部屋へと向かった。
開かない扉を叩き、枯れた声であなたを呼んだ。
扉を叩く手は、あなたを呼ぶ声は、徐々に力を失って。
項垂れそうになって。
座り込みそうになって。
けれど、少■は再び駆け出した。
どこへ向かえばいいのかはわからない。
それでも、立ち止まってはいられなかった。

少■はあなたの姿を探して、施設中を駆けずり回る。

『いつも通り』を捨てて、懸命に。
(-9) 2022/05/04(Wed) 21:31:24

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

あんな別れ方をしたのに、どんな顔をして会えばいいんだろう。
朝、目覚めたときに抱いた不安は、今、別の不安に塗り替えられた。
あなたの教えてくれたあれが、もし、本当なら。
あなたが酷いことをされたのなら。
あなたが苦しんでいるのなら。
少■はそれに耐えることができない。
少■があなたにできることなど、何ひとつないのだとしても。
ただ、そばにいたかった。

授業にだって出席せず。
頽れそうになる脚を叱咤して。
少■はそれこそ、日が暮れるまであなたの姿を探すだろう。
それが無意味な行いだとしても。
何度だって同じところを確認し、狂ったように、ずっと。
(-15) 2022/05/04(Wed) 21:56:39

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

「————————」

それは、『シャルロッテ』であることをやめて『■■■■』になるか。
或いは、『シャルロッテ』のまま『お母さん』になることをやめるか。
どちらも、少■は想像さえしなかったことだ。
潤み、揺れる視界の向こう。
夜空のような瞳を見つめる。

「……そんなことが、ゆるされるの?」

これは償いなのに。
(-25) 2022/05/04(Wed) 23:33:25
シャルロッテは、バラニを探している。
(a7) 2022/05/04(Wed) 23:40:30

シャルロッテは、狂ったようにあちこちを駆けずり回る。
(a8) 2022/05/04(Wed) 23:40:44

シャルロッテは、校舎裏の防護服を見て、けれど、今は。
(a9) 2022/05/04(Wed) 23:41:13

シャルロッテは、そして、日の暮れる頃——
(a10) 2022/05/04(Wed) 23:41:43

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

立ち止まれば折れてしまうから、急き立てられるように、恐怖から逃げるように。
休まず走り続けて、そのうちに。
遂に枯れ果てたかとさえ思った涙が、再びこぼれる。
あれこそ探し求めた姿に違いない。
或いは、焦がれるあまりに幻覚を見ているのかもしれない。
それでも。

「…………バラニ、」
「————バラニ」

潰れた醜い声が、あなたを呼ばう。
(-26) 2022/05/04(Wed) 23:42:31

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

あなたの前へやってきて、ようやく少■は足を止めた。
荒く息をつき、その様子を確認する。
外傷はどうやら見当たらない。
あれはやはり噂にすぎなかったのだろうか。
けれど少■は、校舎裏に打ち捨てられた防護服を見た。


「……っ、そ、う、だよ、…………」
「バラニが、いないから」
「酷い目に遭ってるんじゃないかって、怖くなって」

あなたの様子は以前と変わりなく見えた。
昨日、あんな別れ方をしてしまったのに。
それは少■があんまりにも慌てているから、驚きが先に立ってのことだろうか。
けれどなにか、違和感がある。


「——————」

近付くことで顕著になったその違和感に、少■は首を傾ぐ。
そう変わらなかった筈の目線が合っていない。……たった一晩で?

「……ねえ、
なんだか、背が、伸びた、?」
(-58) 2022/05/05(Thu) 4:29:24

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

すぐには答えられなかった。
それは、今まで信じてきたすべてと対極にある。
けれど、何かがおかしいことからも、もう、目を逸らすことができない。
ハンカチを握るばかりだった手を、そっとあなたへ伸ばす。
星に触れようとするみたいに。
大好きなお姉さんが味方でいてくれることを心強く思いながら。
縋るように小さなからだを抱きしめて、少■は、それ以上何も言わなかった。……言えなかった。
(-63) 2022/05/05(Thu) 9:16:11

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

あの日あたたかかった少■の手は、今、酷く冷えている。
跳ね回る心臓が厭な音を立ててうるさい。
おんなじように手を握っているのに。
それは、勇気を出して触れたあの瞬間の心地よさとは、あまりにもかけ離れた感覚だった。

「……『酷いこと』は、なかった?」

やっぱり先生お父さんは、いつも正しい。
————本当に?


「家族に認められると、バラニはうれしい?」

望まれるなら、それはいいことだ。
————本当に?


「バラニの病気って、何?
早く治ると、バラニはうれしい?」

跡を継ぐためには病を治さなければと、そのためにあなたはここへ来たのに。
快方へ向かっていると言うのなら、それは喜ぶべきことの筈なのに。

————本当に?


息がくるしい。
(-83) 2022/05/05(Thu) 13:08:33

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 高等部 ラピス

少■はただじっと、あなたに抱きしめられていた。
ひとりでなくてよかった。
あなたがいてくれてよかった。
まだ答えは選べない。
――それでも。
ひとりではきっと、選択肢すら見つけられなかったのだろうから。

そうして、ちいさく目映いお星さまを抱いているうち、空にも夜の帳が下りてくる。
「戻らなきゃ」と、シャルロッテはようやく、少しだけ笑った。
(-112) 2022/05/05(Thu) 20:06:16

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

あなたはやっぱり優しい。

酷いことがなかったのなら、それに越したことはない。
言えないにしろ、言いたくないにしろ、それならそれで、無理に尋ねるつもりはない。

けれど。
冷えた指先に力を込めて、きゅっとあなたの手を握る。

昨日のことを気にしている風でもないのに、どうして今日、あなたはこんなにも違ってしまっているのだろう。
未来の話をするあなたは、昨日、もっと強い想いを、確かな意志を持っていた筈だ。
少■へ向けてくれた感情はともかく、それさえ見当たらないのはどうしてだろう。

「――バラニ、やっぱりへんだよ」

病が早く治ることをうれしいのかどうかもわからないだなんて。
これでもよかったのかもしれないだなんて。
そんな曖昧な言い方しかできないのなら、それは。
少■には、納得できないことだった。
(-113) 2022/05/05(Thu) 20:18:01

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

/*
こんばんは!
ところでこちら、反魂師ですので反魂される準備をしておいてください。

今のところ考えている手段は、シャルロッテが大人に働きかけて回り、そのうちの誰かがたまたまお願いをきいてくれて、バラニの治療が中和されるといったような方向です。
シャルロッテの独断によって断行されるので、この秘話がどう転がっても反魂は行われる見込みです。
(-114) 2022/05/05(Thu) 20:20:03

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

/*
やった〜♡

なんかココ性別がベキボキになっててサイコーですわね……サイコーですので、何も問題ございません。
反魂の方法についても、より都合のよいものがあればエモやら何やら追求して参りましょうね。

こちら常に置き気味ですのでゆっくり考えて下さいまし。
お付き合いありがとう……kiss……。
(-147) 2022/05/06(Fri) 0:18:29

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

視線が下る。
握り合った手を、滲んだ視界に映す。
あなたがあなたの意思によって考えを変えたのなら。
立派な跡継ぎになるために、まずは病を治し、それから学ぶことに集中するのだと、そう決めたのなら。
それは、仕方のないことだと思う。
けれど。
少■はかぶりを振った。
結局のところ。
あなたを案じるふりをして、期限付きの蜜月の終わりを先延ばしにしたいだけかもしれない。
それでも。

(-192) 2022/05/06(Fri) 13:18:02

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

「――ううん」

あなたを見つめて、少■は微笑む。
腫れた瞼で。涙に濡れた頬で。乾いた唇で。潰れた声で。

「だいすきだよ、バラニ」

少■シャルルは、あなたを愛している。

(-193) 2022/05/06(Fri) 13:18:37

【秘】 夢見る乙女 シャルロッテ → 中等部 バラニ

「でも、昨日までのバラニの方がかっこよかった」
「今のバラニに、大切な話はできない」

あなたが先生たちと話をしてこうなったのなら。
先生と『話』をしよう。『お願い』しよう。

あなたの手を引き寄せて、甲に口付けをひとつ。
それは覚悟の宣誓。
(-194) 2022/05/06(Fri) 13:19:18

【秘】 恋の呪い シャルロッテ → 中等部 バラニ

「——
、やることができたから、行かなくちゃ」

戸惑うようなあなたの視線を、真正面から見つめ返す。
泣きじゃくっていた少■は、もう、どこにもいない。

「明日また、話をしよう」
「またね、バラニ」

少■は再びあなたの手を離す。
けれどそれは以前のように、そうしていられなくなったからではなくて。
成すべきことを成すために。
少■は踵を返すだろう。

あなたの心は、きっと、今ここにはない。
だから、それを取り戻しに行かなくちゃ。
(-230) 2022/05/06(Fri) 19:47:16
シャルロッテは、浅はかで愚かな■の子。
(a30) 2022/05/06(Fri) 20:43:14

【置】 恋の呪い シャルロッテ

日の暮れる頃、バラニと話した後。
少■は一度シャワーを浴びて、服を着替え、それから学舎へ。
先生お父さんに授業を欠席したことを叱られながら、いつものように穏やかに笑っていた。

「ごめんなさい、先生お父さん
「あのね————」


『少女』は囁く。
家族お父さんが教えてくれたから、どうすれば許してもらえるのか知っている。
家族お父さんが教えてくれたから、どうすれば男の人お父さんに優しくしてもらえるのか知っている。
家族お父さんが教えてくれたから、どうすればお願いを聞いてもらえるのか知っている。

やっぱりなにかがおかしい。
おかしいことに気が付いて、けれど、それを利用することにした。
少■は大人たちお父さんの間を渡り歩く。
たくさん頼めば、誰か一人ぐらいは気まぐれを起こしてくれるだろう。


————さあ、美しき時を取り戻そう。

あなたがそれを望まないとしても。
あなたと大切な話をするために、その心を取り戻さなければ。
(L7) 2022/05/06(Fri) 20:44:21
公開: 2022/05/06(Fri) 20:55:00
シャルロッテは、その日、夜遅くまで部屋に戻らなかった。
(a31) 2022/05/06(Fri) 20:44:44

2022/05/06(Fri) 20:48:01