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【人】 口に金貨を ルチアーノ背の低いしっかり者を見送ったあと、通知の鳴り止まない携帯を見る。 まだまだ自分は何処かで必要とされていて。 疲れても歩きを止めることすら許されないような気にさせられた。 「『ちゃんと答えを見つけて、言いたいことを言えるようになるから』……ねえ」 「俺もそれをしないとならんのだよな」 大きなため息をついて空を仰ぐ。 にぎやかなリボンを一つ空中でキャッチしてまた捨てた。 「それにしても今、あの旦那のことを頼まれたか……? どうせアレのところに行ったんだろ……人気者め……。 ……はあ、……俺が吹っ掛けておいて邪魔できるか」 あと何時間だろうか、と凡そ場所ももうわかっている。 片方の事は良く知らずとも、片方のことはよくわかっている。 あいつがやると言ったらやるやつだ、一番とは言わずともそこそこ理解者でいるつもりなのだ。 「アジトの様子見に行くか……あーあと牢屋の中の怪我人……。 忙しい、忙しいぞアレッサンドロ・ルカーニア! お前が放り投げた分全部俺が拾うことになってるの許さんからな!」 #BlackAndWhiteMovie (83) 2023/09/29(Fri) 23:14:10 |
【人】 路地の花 フィオレ>>78 ロメオ 悪戯小僧には、目を細めて悪い女ぶった笑みを返す。 こどもっぽい仕草が、なんだか今は一番似合う気がしたのだ。 「片っ端から気になるもの買ってみちゃう? 出来立てのお惣菜とか、お店の人の今日のおすすめとか!」 今なら何だかいいものと出会えそうな気がしたから。 あなたが運転席に戻っても、後部座席に居座ったまま。 体は起こして、白いクッションを抱きかかえる。 キャップをかぶり直して、アクティブなスポーツレディの装いをもう一度。 「うん、いつでも行けるわよ」 「安全運転で、でもぱっと済ませちゃいましょっ」 吹っ切れたような顔で、楽しそうに笑ってみせた。 #BlackAndWhiteMovie (84) 2023/09/29(Fri) 23:27:25 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「不安?」 ……足を止めた。 潮風で揺れる前髪が、深みのある翠の瞳を隠しては現す。 「オレは別に……」「いや」 「不安じゃないって言えば嘘ですけど。うん」 うろ、と視線が惑った。考えに迷っている時の癖だった。 自分の心について語るのは苦手だった。 誰にとってもどうでもいいもので在って欲しいから。 不安。欲しいもの。言ってどうなる。けれど問われている。 「……欲しいものなんかいっぱいありますよ。 でもオレは弁えてるんだ。 オレは聞き分けのいいゴミでいたい」 「そら使ってほしいのが一番だよ。 オレを使ってくれる人はいっぱい居る。いいことだ。 オレは便利な物か畜生扱いでいい。 利用価値があったら捨てられないでしょ……」 とつとつと、ぼそぼそと、 それでも波音には掻き消されないくらいの声。 内容はいつか貴方に話した、在り方の続きだった。 #ReFantasma (-242) 2023/09/29(Fri) 23:30:54 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「けど……どうせだったらさ」 「やっぱり好きな人に使われたいですよ。役に立ちたい。 オレを求めてくれる人が居たら嬉しい。 オレだって大事なものを大事にさせて欲しい」 「オレはゴミだが悲しいことに心がある。嫌だね。 贔屓 が出来ちゃうから……情があんだよ」「なくなったら嫌なものにしがみついちゃうんだよな」 みっともなくてすみませんね。 眉を下げて、へらりと笑った。 あんまり答えになっていなかった気もするが、 不安と欲求の種はこれなのだ。 「だからオレ、なんでもするんです」 人というには烏滸がましい。 でもゴミにも畜生にもなり切れない。 居場所にさせてくれる人が欲しくて、 型落ちの用済みになるのが不安だった。 #ReFantasma (-243) 2023/09/29(Fri) 23:33:42 |
【秘】 摘まれた花 ダニエラ → 歌うのが怖くとも カンターミネ「……うん」 震えた手と震えた手が重なる。 目を伏せた女はその手を持ち上げ、あなたの手に口付けた。 語る間、相槌を続ける。檻の中の言葉。預けられた荷物。 …事前に計画され準備は済んでいた。それは女の方が、きっとよく分かっていた。 「…うん」 そしてファミリーが彼を追うことだって。 面子にかけて逃がすわけにはいかないことだって。 頭の中で分かりきっていたことひとつずつ、言葉にされて形になって。 「………………うん。」 だから、そうやって。 ただ聞き分けのいい子供みたいに頷いて。 「…あたしは、」 (-244) 2023/09/29(Fri) 23:34:45 |
ロメオは、ひとのかたちをしている。 (a20) 2023/09/29(Fri) 23:35:07 |
【影】 摘まれた花 ダニエラ檻の中の言葉。渡された荷物。コーヒーの香りする紙片1枚。 …答えは出ているはずだった。 彼が自分を、どう思っていたかは知らないけれど。 …少なくとも。 (&1) 2023/09/29(Fri) 23:35:31 |
【秘】 摘まれた花 ダニエラ → 歌うのが怖くとも カンターミネ「……。」 言いかけた言葉を止めたミントブルーがあなたを映す。 それを口にする勇気のない意気地無しだった。 そうやって、やっぱり受け取ってばっかりだった。 そんな数年が、こういうときに、返ってくる。 「…言えるかな。」 そんなだから、あまり自信はなかった。 それが必要なことなのかも、全然判断できなかった。 ただ何が起きても隣にあなたがいてくれるなら。…逆にいえば、それしか確かなものはここになかった。 「………… いく 」それでも。 そうやって頷いたのは。 ずっと聞きたかったことが、ひとつだけあったのを、思い出したから。 (-245) 2023/09/29(Fri) 23:36:21 |
エルヴィーノは、イレネオの電話を鳴らした。 (a21) 2023/09/29(Fri) 23:38:24 |
エルヴィーノは、イレネオに通話が繋がる事はない。 (a22) 2023/09/29(Fri) 23:39:50 |
【鳴】 corposant ロメオ「おう。用意出来たら出来たって言うわ。 スマホに掛けたら繋がらないのは心配させるだろ、 早く安心させてやらねえとさ」 ついでにスマホも登録しておいてやろうかな、 なんて企みは口には出さないでおこう。 「そ? わかった、徒歩なら気を付けて来いよ。 ──あ。そうだ、猫」 それならこっちも色々用意できるな、とズレかけた思考は、 『猫』という単語ですぐに戻った。 「あのさ。飼ったわ、猫。家に居る」 「貰ったんだよ。白猫……」 だから大丈夫、と一言。 いつぞやは自分では飼わないと言った覚えがあるが、 結果として今、家に一匹いらっしゃるのだった。 (=7) 2023/09/29(Fri) 23:48:35 |
【人】 corposant ロメオ>>84 フィオレ 「アハ、それもいい。 余ったら家に持って帰って食えばいいしな〜」 すっかり機嫌が直った様子にこっちも気を良くして、 今から何を買ってやろうか計画立てて。 自分もキャップを被り直せば、 バックミラーの位置を調節してハンドルを握った。 「OK〜。んじゃ、行くか」 そうして車は走り出し、きっとどこかの店にでも そのまま向かうのだろう。 自分のカローンとしての役目も これで果たされた。 一つの銃声の犯人を連れて、リボン舞う青空からは遠ざかる。 仕事はきっと、これで終わりだ。 #BlackAndWhiteMovie (85) 2023/09/30(Sat) 0:00:19 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ「……そういうことかあ」 この化け物じみた努力ができる男がやっと人間らしく見えてきた。 自分から道具や畜生になろうとしたらこうもなるか。本当に涙ぐましい心意気と言えよう。 「俺もなあ、利用価値があれば捨てられんと思ってた。 便利で都合の良い人間になることが自分の為にも周りのためになるとも思ってたんだ」 「……半分ぐらいそれで上手くいくんだがなあ? もう半分はどうしようもなくてな」 知ってしまったのだ、必要とされる喜びを。 本当に好いている人に求められる時間は有象無象の何かを超えた満足感が得られるということを。 「あと俺はわかりにくい嘘はつかない主義でなあ」 あの時の自分も、自分自身なのだ。 本心しか言わない、馬鹿ほど素直で、おかしくなった姿だ。 「……はー」 言ったことも本当にしたいことで嘘も一つもなくて。 ただ心配だったのはそこに貴方の心があったのかどうかだけ。 誰かに言われた一人だけという言葉が脳裏に浮かぶ。 確かに、こんな事を言う相手人生に二人もいてたまるかも思った。 ▼ #ReFantasma (-246) 2023/09/30(Sat) 0:01:17 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → corposant ロメオ (-247) 2023/09/30(Sat) 0:02:26 |
【秘】 歌うのが怖くとも カンターミネ → 摘まれた花 ダニエラ「……。」 言葉を止める姿をライムグリーンに映す。 互いを映し、認める姿。 きっとどちらにも――震える女が映っていた。 子供の頃からあんまり変わらない二人。 我慢する方と、しない方。 わがままを言えない方と、言える方。 頷くあなたの言葉に、こちらも頷いてみせる。 「言えるよ。エリーなら……言える。 一緒に、言いに行こう」 勇気づけるように、あなたの手にくちづけを。 静かにしかし断言するその瞳には、あなたへの信が満ち。 もう、瞳に揺れはない。これはあなたの隣を行く。 (-248) 2023/09/30(Sat) 0:27:42 |
【秘】 歌うのが怖くとも カンターミネ → 摘まれた花 ダニエラ「……よし、そうと決まればエリーは少しでも休むんだ。 俺のチームが今、アレっさんの移動先を探してる。 最新の機器でフル稼働でだぞ?楽勝で見つけてやる。 見つけたらすぐ、かっ飛ばして現地に向かうからな。 後はまあ、なんだ。……ノープランだ!はは……」 弱く笑うと額を離して、壁際に座り込む。 護送車の床は少し硬いが、持ち込んだ毛布が2枚。 1枚は床に敷いて、もう1枚はあなたに。おいで、と手招き。 「……なんとかなるよ。なんとか、する。 俺が傍に居る。俺が支える。俺が守る。 ……安心しろ、は無理かもしれないけどさ、 ちょっとはマシだろ?それこそ、この毛布みたいに!」 へら、と笑っておどけたようす。傍らのラップトップには、 絶えず状況連絡の様子が流れ続けていた。 (-249) 2023/09/30(Sat) 0:44:57 |
カンターミネは、歌う。歌うのが怖くとも。 (a23) 2023/09/30(Sat) 0:45:33 |
【妖】 路地の花 フィオレじゃあ後で手伝うわね、なんて会話をしたかもしれない。 この女に任せると、捨てようと思っていた物をいくつか持って帰られるかもしれないけれど。 それはそれとして。 「お気の毒様ねえ」 「まあ、警察も上がああなった以上はドタバタ騒ぎもやむなし……っていうか。 それくらいで済んでよかったって感じじゃない?書類仕事で済むなら、それほどの痛手でもないでしょうしね」 署長代理とやらが捕まることで、丸く収まっているならいいことなのだろうけれど。 自分が撃ち抜いた彼の事も公になっている。結構な地位にいたらしいと聞いたから。 警察内部の事情に疎い女は、実際のところどうなの?と聞いてみている。 落ち着かない様子をちらりとみて、にまと悪戯っぽい笑みを浮かべる。 「怪我人は大人しくしてて下さ〜い」と楽しそうに口にして。 鼻歌まじりにデリのパックを開けていく。 チーズとろけるピザに熱々揚げたてのアランチーニ。ジューシーなポルケッタ、パリパリのパネッレにほくほくクロッケー……本当に片っ端から屋台飯を買ってきたようなラインナップ。 結局こういうものが一番おいしいのだ。 「まあそれもそうなんだけど。 テオが見せたくないものは、無理に見たくないってだけ」 嫌な思いさせたくないし。気を遣ってくれてるのを無碍にはしたくないし。 「できないことはないか、じゃないのっ」 「もし難しそうなら私の片手をテオだと思って乾杯するから」 どういう有様かは知らないけど。無理してグラスを落としたり、不安定になってもいけないし。 ちゃんと持てる状態でないと、この女は折れなさそうだ。 ($3) 2023/09/30(Sat) 0:56:35 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「え」 口からぽろっと零れたのは動揺の一音。 「……な」「なんで? 今なんて?」 それから疑問。 見た事無い仕草は、欲しかった言葉に添えられている。 理解が追い付いていない。確かに欲しいものを言った。 何故この場で、貴方からそれが与えられたのか。 これはめいっぱいに目を開いて驚いて、どっと汗をかいた。 嫌ではない。嬉しいはずだ。 与えられた言葉の一言一句は望んでいたものだ。 ただそれを、あまりにも簡単に貰ってしまったものだから。 「んで急に、 は? なんでもしてやるって言った?」 「オレに? いや、冗談なら……」「違、あ」「その」 「本気? マジで言ってる? オレだぞ? いや、あー」 「オレ別に見返りを求めてるわけじゃ……そうじゃない、 分かってる。嬉しいんだけど、嬉しいんだけどさあ、 使ってくれんの……? 欲しいの? オレを?」 誰にも見せた事無いくらい狼狽えた様子で、 それでも落ち着こうとしきりに後頭部をパシパシと叩いて。 ▷ #ReFantasma (-250) 2023/09/30(Sat) 1:02:31 |
【秘】 corposant ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ「……………………あの……」 「……クーリングオフ期間付けますけどお……」 「それ言われるとオレ本気にするんで……マズいから」 丁寧に飲み下して、本当に本気か、とそれでも問う。 言葉の杭が欲しいのは相変わらずだ。 #ReFantasma (-251) 2023/09/30(Sat) 1:03:25 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ貴方の足を捉えた。 身体が崩れた。 その腕を、男は落ちる途中で取って、 身体の向きを変えさせた。 机の角に叩きつけるのは身体の前面。 自重と落下の速度で肋骨に傷を負わせようとする 成功するなら貴方は呼吸すら難しい激痛に襲われるはずで、 踏ん張れずに落ちるならさらに床でバウンドする形になる。 そうなれば当然噛み付く追い討ちで痛むはずだ。 男がこうまでするのはある意味で貴方のせいだ。 大人しくしていれば後遺症まで残す気はなかった。 なんて、身勝手な話。 (-252) 2023/09/30(Sat) 1:44:46 |
【秘】 リヴィオ → 月桂樹の花 ニコロ心配されるような人間ではないと、 喉まで出かかってしまうのは変えられない性分で。 僅かに口ごもって、また、ため息ひとつ吐き出した。 「……こうして生きている、それが答えだよ。 でもね、ニコ。君は俺よりもまず、彼らを心配するべきだ。 それに君が色々と話をするのは大事だと思うんだが」 話したかい?話せたかい? これからのこと、今回のこと。どうするのかって話。 俺に問うよりもと思うのは少しのお節介。 だから、これから先を当たり前に語る君にもう一度、 深めのため息を敢えて零すのは、仕方のないこと。 「…さぁ、特に何も考えていないよ。 適当にもう暫く──…生きてみる、だけだ」 それが長く保てるかと言えば、分からない。 だけど出来れば、 その時は誰も彼もが手を離して欲しいと思う。 首にかかった縄はいつだって、ここにあるままだ。 誰かとともに落ちるのはきっと、耐えられないから。 (-254) 2023/09/30(Sat) 1:52:03 |
【秘】 法の下に イレネオ → 路地の花 フィオレ半端に立ち上がった姿勢では男の頭の位置も低かったはずだ。 身体ごと突進すれば胸あたり、或いは運良く顔面に入ったかもしれない。がつん、ともどすん、ともつかない音が大きく鳴って、男の身体がよろめいた。 けれど、それでも。重みの差というものは大きく。 そもそも筋肉量だって随分違う。よろめく以上のことは起こらず、しかし目論見通り携帯は軽い音を立てて地面を転がっていった。 男が顔を顰めたのが至近で見えたろう。鋭い犬歯が剥き出しになり、チ、と舌打ちが寄越される。 苛立ちにかっと燃える瞳は金で、温度の上昇がよく分かった。 貴方は男の胸元に埋まっているだろうか。 未だに組み付いて離さないでいるだろうか。それをラッキーだなんだと思う遊び心が男にあったなら、こんな出会い方はしなかっただろう。 生真面目で四角四面で実直な男は、貴方の両頬を両手で掴む。 けれどそれは整ったかんばせを眺めるためでも、勿論口付けのためでもない。 「動くなよ」 ────ごん。 声の直後、仕返しとばかりに硬い音と感触が響く。 額と額を打ち付ける音。貴方は上を向いていたから、首にかかった負担も大きいはずだ。 それで腕が緩むなら突き飛ばして立ち上がるだろう。じんじんとこちらの頭も痛んでいるけれど、背に腹はかえられない。転がした携帯、或いは手錠 ──今は持っていないのだが── を探す隙を見せた。 (-255) 2023/09/30(Sat) 2:07:53 |
【秘】 リヴィオ → 夜明の先へ ニーノかっこいいと返されて僅かに言葉に詰まったのは確か。 それが照れなのか、動揺なのかは不明だが、ともかく。 確かに男は君にそんな様子を見せて、 手が自由であれば頬でもかいているんではないか? と思えるような形で少しそわそわと体を揺らす。 咳払いという誤魔化しをひとつ。 格好悪いなとは思うのだが、これが俺だった。 自分が言う分には何ら、そんな感情を抱くことがないのに。 「…あぁ、俺も。君の時間をもう少し欲しいと考えていた」 行こうかと、緩やかな足取りで君を追いかける。 追いかける、とは言ってもだ。きっと君は隣を歩く。 同じ速度で、人の少ない夜道を歩いていくのだ。 辿り着けば促されるままに先に座って、 次に君が座るのを見届けてから口を開いた。 「…この怪我が治った後、復帰したいかどうかを考えた。 だけど、どうしてもその気持ちは湧いてこなくてね」 「…警察だとか、マフィアだとか。隔たりにも疲れた。 あとはそうだね、……少し、自分の道を歩こうと思って。 何がしたいとか、何をしていきたいとか、 そういうものがあってのことじゃあないんだが」 もう少し生きようと思えるうちは、 レールを外れて歩くのも悪くはないかなって考えたんだ。 (-256) 2023/09/30(Sat) 2:18:28 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ>>-214 >>-215 「あの二人は仲良くデートの約束だったんだろうよ。 脱獄したのと、色々あってなあ。……まったく」 「なんだと……別にお前だけ、のためではないがあ……? まだ色々勘違いさせてるかもしれんな、ちゃんと話してやるからな」 わかりやすく嘘をついて照れ隠しをした。 隣に来ることを了承すればため息を付いて肩にもたれかかる。 「依存は、わからん。 ……血の繋がりもないあいつらに、 既に俺はしっかりと依存しているのかもしれんし」 「会っていいやつなんてそんなにいないが……? 血の掟は聞いたこと無いのかお前、 ……本当は警察と俺たちは会っちゃならん。 関わることから禁じられてる、だから俺は……まあ」 ▼ (-257) 2023/09/30(Sat) 2:18:43 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 花浅葱 エルヴィーノ>>-214 >>-215 >>-257 「捕まるんならお前しかいないと思ってるさ。 だけど簡単には捕まらない、 それに大きな事をどうせなら起こすかもしれん」 この時点でもまた誰かをなぞっているだろうか。 それでも、何となく、いつかの終わりは来るような気がして。 永遠に平穏なんて続かないのを知っている。 「番狂わせを見せてくれるほど俺の幼馴染は面白いからな。 その時は絶対逃げ切ってやる、覚悟してろよエル」 逃げ切るということは、俺はその手を拒む日が来るということだ。 生きることをやめようとするかもしれないし、すべてを投げ捨てているかもしれない。 いつかそんな日を迎えても、最後は貴方の顔を見たいと甘えている。 あの日からずっと、貴方は大切な唯一の幼馴染で、かけがえのない人なのだから。 (-258) 2023/09/30(Sat) 2:20:09 |
【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ男はこの仕事が好きだった。 人を助けることが好きだった。 悪い人間から人を守れるのが好きだった。 純粋な誇りに、今は既に別のものが滲んでいる。 椅子を蹴飛ばした貴方を、男は怪訝そうな瞳で見つめた。 随分と悪そうな具合を不審に感じた。殺すつもりはない。 身体を折るその仕草だって、一応の心配を誘っただろう。 だから。 だからこそ。 男はその実際を見ようとする。 掴んだ手は離さないまま、もう片方で上半身を軽く押す。それは顔を見せろという合図だ。 従わないならそのまま再び床に押さえつけられることになるだろう。強制的に背を床に付けさせてしまえば、背ける以外の抵抗はできなくなる。 ぐ。押す。彼女にも聞かれた問いだ。 「五人ですよ。」 ぐ。押す。彼女にも明かした答えだ。 「そうですね。」 ぐ。押す。もう終わった話だ。 「それがどうかしましたか。」 さて。 顔は見えただろうか。 (-259) 2023/09/30(Sat) 2:20:59 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → リヴィオ「……本当に大事なんだな」 なんだか自分が警察にいたらそんな事を言っただろうか。 少しぐらい責任感がついて、後輩たちを思いやって、 格好つけて、無理をして、笑って、辛い姿なんて見せずに。 無茶をして、いつかその終わりを夢見て。 けれどそんな悪夢の中に貴方は囚われていて、助かり方が分からなくなっている。 「リヴィオ。 俺は……お前が望まなくとも俺はお前の家族を調べようと思う。 この間も言ったとおりな、だから。 今後、彼らについて知りたくなったら、 見られるようになったら俺に声をかけろ。 そして、一緒にぶっ飛ばしに行くぞ。 お前が行かないなら一人でいってくる」 全く笑えない話を楽しげに話す。 もう死んでいるというのなら墓石でも蹴りに行ってやろうか、なんて。 (-260) 2023/09/30(Sat) 2:48:42 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → リヴィオ「それまでは俺がたまに夢の番でもしてやる。子守唄を歌おう。 声をかけてやる、お前は確かにその時は憎まれていたが…… 今はこんなに望まれて、愛されて、必要とされている」 「それを隣で教え続けてやる。友達として、ずっと変わらない」 俺はお前のことを本当に助けたいと思っている。 一人で助けきれない分は他の誰かの手をいくらでも使ってでも、 何人もの絆を用意してお前を勝手に何処かに行かせんと心に誓った。 「な、リヴィオ」 似た者同士なのだ、いつかの終わりを求めるものとして。 それを否定などしないが、せめて今はもう少し。 終わりの日が来るまで緩やかに、平和に過ごして、酒を一杯また飲もうじゃないか。 (-261) 2023/09/30(Sat) 2:50:50 |
【秘】 リヴィオ → 幕の中で イレネオ保っていただけだ、不完全な仮面を被り直して。 保とうとしていただけだ、そうでなければ自らを守れない。 がくりと折った膝と曲げた体が掴む腕を離さない君と 反発し、折れた腕に相当な負担をかけていく。 離してくれた方がまだ、マシだった。 「ッ……なんだ、…そんなに、俺の、顔が……見たいかい」 照れてしまうなぁ、そんな軽口を返すものの。 あからさまに苦痛の声が混じっているのは確かだった。 動く右手で君の行いを止めようとする。 弱さを見せるのは苦手だ、笑顔で隠すのは得意だ。 だけど。 守るべき がない分、体調が崩れている分、守るべきものがある彼女より 脆さは出てしまう。「う、ぁッ……は、………そう、か」 ドッ と音を立てて背が床に付けられる。背けた顔は、抵抗する右手は君の力に敵いそうにもない。 「……いや、何…っ、流石にそれは、許せなくてね……ッ」 なんせこちらは病人だ。ここまで保っているのが異常で。 人の内を覗こうとするなんて無遠慮だなと笑いが込み上げた。 しかしその抵抗も長くは続かない。 君に見えるのは余裕もなく、苦しげに顔を歪め、 それでも笑っていようとする弱い男の姿だっただろう。 (-262) 2023/09/30(Sat) 2:56:31 |
【秘】 幕の中で イレネオ → アリソンに捧ぐ鐘 黒眼鏡小突かれれば丸めた背が更に前のめりになるだろう。 近づけた顔の位置が更に下がって、視線はずっと近くかち合った。 せせら笑う堅炭が間近に見える。嘲る漆黒が視界いっぱいに映って染めた。 「ならない」 ぐらぐらと煮える頭から考える前に声が出る。引き攣る程に震えた喉は思考より先に否定を返した。 「ならない」 「うるさい」「お前」 考える前に身体が動く。左の手が貴方の口元から鼻筋までに触れ、体重を掛けて瞼を押さえつけた。 「逃げるわけがないだろう」 「俺が!」 全て後手に回った理性の制止が効くはずもない。ペンを武器に握りしめた拳がついに振り上げられた。 にやついた笑みがずっと気に食わない。 見え隠れする怒りはもっと気に食わない。 お前に怒る権利なんてない。 平常に戻れとどこかが言った。 これが戻れるかと言い返す声の方が強かった。 振り下ろすのは黒の中心。 貴方の左の瞳に目掛けて。 命中せずともこれだけの勢い。それなりの痛みは伴うはずだ。 薄着の女よりも何よりも、 貴方の笑顔と言葉の方がこの男には効く。 (-263) 2023/09/30(Sat) 3:41:15 |
【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ公衆電話からの着信に、怪訝そうな顔。 怪しい相手ならすぐに切ればいい、と通話ボタンを押して。声を聞けばすぐに、愛しい弟のものだと分かったものだから。 あなたから会えないかと打診があったのならそれを拒むことは絶対にない。 公衆電話からかかってきたのだから、もし何かあったら連絡をこちらから取れないだろうしと。 場所の指定を結局委ねて。 夜、月を見上げるあなたの元に駆け寄る足音が一つ。 「───フレッド!」 名前を呼んで、駆け寄ってくる。 まだ顔も見えていないあなたを、そうであると確証があるかのように。 (-264) 2023/09/30(Sat) 3:41:26 |
【秘】 幕の中で イレネオ → リヴィオ絶え絶えの息に気を惹かれる。 様子を確認するだけ、それ以外の何かが男の瞳で閃く。 ぐ。幾度目かの力比べの結果は見えていた。力尽きるように倒れた貴方の腕から男はようやく手を離し、そのまま顎へと移動させる。 背けようとするのを無理矢理上向かせれば寄せた眉根の下の瞳に目が合った。 見たことのない歪み方をした貴方の表情が、男にとっては。 「ふ、」 愉快だった。 男は、貴方のことをよく知らない。 男にとっての貴方は、いつも何かよくわからないことに気を遣って、それでいて楽しそうでいる手のかからない先輩だ。 だから分からない。だから興味がない。 何故彼女を気にするかなんて気にならない。 気になるのはその顔色だけだ。 それがどう移り変わるのかは、興味があった。 ▽ (-265) 2023/09/30(Sat) 4:11:38 |