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【秘】 口に金貨を ルチアーノ → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ誰も訪れることがなくなった建物に、乾いた音が鳴り響いた。 時間が止まったようなその空間で長いコートは翻される。 その整ったシルエットから導き出された身軽さの違和感に気づけば疑念で眉をしかめつつも、 その出で立ちに圧倒されてしまった男は安々と席につくことなどできず、がら空きのソファを眺めるだけしかできなかった。 「どうも、ご丁寧に。 ……どこに行っても安心できない中嬉しいね」 「さてどうしてだって? 言ったとおり無罪のやつが放り込まれるのが嫌だったからだ。 でも其れが一番じゃあない」 「俺は例の法案の実行役を見つけるために情報を漁っていた。 その時にあんたの名前をあげたんだんだが……」 男の口から語られたのは貴方の身辺を詳しく調べようとした事実だ。 しかし妨害に遭い調査は中止、いくつかの連絡先は手に入ったが目立つ情報は集まらなかったという。 そして、あくまでも確率が一番高いとされる推測を男は続けた。 悪事を裁く執行の目がいつの間にか自分ではなく、貴方にターゲットを移したこと。 もし、自分が貴方を調べようとしなければ貴方は危険にさらされることなんてなかったのではないかということ。 「妨害を起こしてきた輩とあんたを嵌めようとしている警官は同一人物だ。 タイミングが良すぎる。その上で俺は……矛先が向いたのを自分のせいだって思っている。 これで捕まりでもしたら目覚めが悪い。 だから……こんな偽善、全部自分のためだ」 (-542) 2023/09/20(Wed) 5:11:20 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → pasticciona アリーチェ大丈夫、なんて言っても安心できない事は分かってる。 姿を見せずに言う言葉なんて、毛ほどの信用もないだろう。 あなたを悲しませたくないたくないのに、あなたを慰める手も声も 今は傷ついていて何も出来ないのがもどかしい。 「───アリーチェ、それは駄目。」 そうして、貴方が脱出の計画を練ろうとすれば。 ヴィットーレは冷静な声で、それを窘める。 「ここの警備をかいくぐって抜けるのは困難だし、 仮にできても、その後に行く場所もないわ。 アジトにも孤児院にも、行ったら迷惑をかけてしまう。 それに……万が一バレた時、あなたも酷い目にあってしまう。 お願い、アタシに頑張る意味を失わせないで……」 一つ一つ、現実を教えるように問題を上げて。 今の状況がただ、どうしようもない幸運の上に成り立ってることを教える。 ファミリーや、孤児たちや、貴方を守ってると思えるから頑張れるのだ。 ヴィットーレは、万が一にも貴方達を危険に晒したくはなかった。 「……困ったわね……どうしたら安心してくれるかしら? アリーチェ、アタシ、あなたには笑っていて欲しいの……」 妹のように可愛がってきた貴方を悲しませる今の状況が、 ただただ歯痒くて悲しい。 (-543) 2023/09/20(Wed) 6:12:50 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「……なるほどなあ、だからあんなに可愛がられてんのか」 自分が黒眼鏡の管轄から離れたあと、面倒を見られている子供がいる噂は聞いていた。 ペネロペの家族まで関わっているのは詳しく知らなかったが、見ていれば懐いているのもわかる。 経緯を知れば万が一もなさそうだと納得した。 それはそうと、一度顔を見ないと信用はしないが一瞬で終わるだろうとも思った。 男は後で結局そんなアソシエーテの一人をビビらすことになる。 (-544) 2023/09/20(Wed) 6:16:26 |
【秘】 徒花 テオドロ → pasticciona アリーチェ誰に似たんだかと肩を竦めては半目を向ける。どちらかといえば自分よりか兄貴分の方に責任を押し付けたくなる。 「俺は嫌な男No.1の自負がありますが、 それだって図々しく警察署にいますけどね。 あいつも、俺も、当然のことをしたまでだが…… 感謝の言葉で足りないのであれば、 当然のように受け取っていていいという訳です」 あからさまに機嫌がとれた様子を見て、 安いなあ、狙い通りだなあ、とぼんやり思い浮かべる、 その裏によかったという安堵をひっそり隠しつつ。 「見え過ぎちゃうから……そうか。 ……そういうものか。俺に正義感なんか無いとはいえ、 中途半端に知りすぎてしまうのは損なのかもな」 現状を打破できるのであればともかく、 そうでない時の至らない全ては毒にしかならないのだ。 「適材適所と思うならそれでいいんじゃないか。 自分でも向いてると思っただけで大した理由はないですから。 もっと辿ればこの目で信用できるものを確かめたい、とか、 守る力を得たいとかあったが、警察である必要はなかった」 それこそ──別にマフィアとかでもよかった。 選ばなかったのは、そちらが向いていないと思っただけで。 (-545) 2023/09/20(Wed) 6:24:38 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 法の下に イレネオ不快げに歪む顔を見る。 余程、悪人と同じに扱われるのが嫌らしい。 怒りというのは人の暴力性を上げ、冷静さを失わせる。 怒りに駆られたあなたが、聞き取りのためではなく ただの鬱憤ばらしに拷問をしてくれたなら…… それはきっと最高の事だ。 「でも、上はそうは思ってはないみたいじゃない?」 「貴方はマフィアの仲間だって、次誰かが入ってきたら 言いふらしちゃおうかしら。ふふ……。……っ」 だから、挑発を加える。 ヴィットーレにとって嫌なのは、 痛みを与えられることではなく情報を吐くことだ。 黙り続けるためなら、いかな手段でもとる覚悟がある。 とはいえ……痛みを消せる訳では無い。 肉が剥き出しになった指に痛みが走って、眉を歪めた。 (-546) 2023/09/20(Wed) 6:28:08 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 路地の花 フィオレ面会室。 ガラス越しに連れてこられた男は、 顔にアザを作り、頬には少し血が固まっていて。 手錠のついた両手は布に包まれ、それも赤く染ってる。 きっとそんな姿であったはずだ。 「……あら、久しぶりね キャシー 。このとおり、何ともないわ。貴方はどう?寂しくない?」 普段、あなたが使う偽名のうちの1つで貴方を呼ぶ男は、 そんな痛々しい姿のまま、にこりと笑みを浮かべて見せた。 (-547) 2023/09/20(Wed) 6:33:38 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → コピーキャット ペネロペ「死ぬ気はないさ、死んでもいいだけだ」 あまり変わらないだろうが大事なニュアンスであることを此処の連中は知っているだろう。 だが誰かに命を捧げるという言い方は敢えて誰にも言っていない。 しばらく静かな時間が車内に流れる。 男は昔の話が出たついでにいつかの頃の自分を思い出していた。 黒眼鏡の上司の突然の事件のあと、新しい上司に変わって暮らしも見える景色も何もかもが入れ替えられたような感覚に陥って。 「っ、……ぁ……?」 息苦しい、そんな感覚に陥れば自分の胸元を押さえて息を整える。 最近になって起こるようになったそれは、何故か過去のいなくなった上司の顔を思い起こさせる。 昔はただただ 大切な人間 を失った寂しさや辛さがこの発作を起こすのだと思っていた、周りにもそう見えていたはずだ。それは、今のルチアーノにとってそれはおかしいことであった。 「なん、で」 何故ならあの姿を思い出す暇なんて無い程、この時間や皆との暮らしで自分は十分満たされている。 ましてや今の今で誰かをぶち殺したい感情には目覚めど、昔の誰かで悲しむ隙も情もない。 「すまん、車停めて少し休ませてくれるかぁ。 5分でいい。……信じられんと思うが 頭の中 がおかしくなってきた」「? ペネロペ……俺、大分お前らのこと好きだよなあ」 あの頃と最近に起きた突然の奇行の発作、無心に猫を拾って来ていたのは誰かの真似事。 だが今となっては好きでもないことをさせられていたようにも思えた。 (-548) 2023/09/20(Wed) 6:48:53 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ「大事なことじゃないですか? せっかく綺麗な髪ですから、切ること無いといいですね」 無鉄砲に無計画に行くよりもよっぽどいい。 特にこんな仕事をしているのだから多少心配性な方が周囲も気を揉まずに済む。 勝手に周囲をうろちょろする奴は除くとして。 じゃれあいつつしっかりと磨いた歯を水で流し、鏡で確認して。 寝室に行くまでの間に予定されていた反撃は撫でられたことにより急遽取りやめとなった。 「ね、広いでしょう。 あーひとりでねるのはさみしいなー」 あからさまな棒読みだ。 ソファベッドがあると言っていたのはどこへやら。部屋に来てからの貴方の様子からして、断られないだろうと踏んで甘えているのだろう。 勿論今からでもそれを言い出せば、同じ部屋にいるからいいかとけろっとした顔をするのだろう。 (-549) 2023/09/20(Wed) 6:57:51 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 路地の花 フィオレ『そうかい、ならよかった』 他にもつかんでいる情報はあれど不安にさせるものばかり。 何でもかんでも話してしまうのは悪手であるとその身をもって学んでいる。 『逃げる準備をしてるから部屋も片付けることにしている』 『だから驚かせると思うが名前が上がらんことを祈ってくれ』 こんな時に突然抜け出したソルジャーとでも笑われてしまうかもしれない。 それでもやれるだけのことはやってあなた達に降りかかる被害を避けたいと考えている。 『お前いつかティラミスが気に入ったケーキの店があっただろ。 なにかあったらそこのお嬢さんに手紙でも物でも渡してくれ』 『捕まってなかったら俺に届くようになってる。 そしてお前宛にもなにか用意しておくよ』 泣くなとは言えないのは情けなかったが。 もうあなたのことは端から無条件に信じていたのだ、これぐらい許して欲しい。 『フィオレ、俺はお前を置いていかん。信じろ』 (-550) 2023/09/20(Wed) 7:18:58 |
【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 口に金貨を ルチアーノ男は静かにあなたの言葉に耳を傾けていた。 此処まで足を運んだ労力を無碍にするわけでもなく、経緯を聞き取る。 しかし、最後まで聞いたならばやはり男は低く唸るように笑った。 他人を青く見たような、威圧的で尊大な態度だ。 表立っての上級警部殿、の振る舞いとはまるで違った陰険さを男は持っていた。 「……確かに道理は適っている。矛先が向いたのは、お前のせいかもな。 けれども残念ながら俺は無罪の輩ってわけじゃあない。 大方、こっちを挙げたほうが成果になると踏んだんだろうさ」 立ち尽くす侭の貴方に対して、アタッシュケースが差し出される。 受け取らないのであったとしても、押し付けるように足元まで蹴り出された。 慎重に扱うべきものにしては、その扱いはぞんざいだった。 「このまま俺が持っていれば警察の手に渡る。 どうせ仔細に至らない程度には調べ尽くされているだろうが、 それじゃあお前たちの手には渡らなくなっちまうからな。 何、物騒なもんじゃない、唯の情報だ」 葉巻の一つでも吸おうかとポケットに手をやって、やめた。 閉鎖空間で目立つことはないだろうが、 どうせこのあと殴られでもするなら勿体ない。 「俺のことが知りたけりゃ古株の――……そう、オルランド辺りにでも聞きゃよかった。 それで俺がどんな奴だかわかる。 お前の上司の"港"を荒らした、ニ年間とおまけの記録だ。受け取れよ」 (-551) 2023/09/20(Wed) 7:19:07 |
【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ骨が軋み、肉が弾ける。 ヴィンセンツィオとの間にあった物質的交流なんて 大体はそんなものだったから、指先に触れる感覚にぱちぱちと、 瞬きだけを返す。 「旦那?」 困ったように頬をかく、けれど。 その立ち去る背中が、革靴の後が、恐らくはあなたの選んだ道なのだろうと思えば、 もはや伸ばす手も問う言葉もない。 「はー……」 くるりとその体を反転させて、がしゃん、と格子に背を預けた。 「あんたともっかい、 殴り合ってみたかったけどな」 ──ぽつり、と呟いた言葉を聞く者は、牢獄の中には誰もいない。 鉄格子の隙間から広く細い廊下へと残響して、 いずこかへと消えていく。 (-552) 2023/09/20(Wed) 7:24:49 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレぐち、ぐち、くちゅ。 唾液の音か、それとも愛液の高鳴りか。 水音をひたすらにかきたてて、 性欲の昂りはますます劈き、燻り続けている。 それでもただ奉仕し、注ぎ込むように 自らの口吻でそこを啄み、舌を潜り込ませることだけ。 「……ん、……ぅ、……」 寄せてはただ返す波のように、 一定のリズムを崩さない鼓動のように、 同じ場所を執拗に責め苛む。 掌はときたま腿をかりかりと刺激するように弄い、 溢れる体液はぽたぽたと肌を伝い落ちていくけれど、 「……っ、……っは、……ん、……」 くちゅ、と唇が吸い付く音。 黒く、けれど燃えるように硬くそこにある瞳は、 口淫を続けながらもあなたの瞳をじいとみている。 あなたの様子を窺うように、 あなたの快楽を探るように。 やがてあなたが達するまで、ときたま体位を変えながらも 腕は離れず、それは続く。 (-553) 2023/09/20(Wed) 7:32:53 |
【秘】 黒眼鏡 → 路地の花 フィオレ黒眼鏡の眠りは浅いほうだ。 あなたと共に眠りに落ちたとしても、 気が付くと起きていることが多かった。 ──そしてただあなたにぎゅっとしがみついて、何かに耐えるように眠るとき。 彼は、夢を見ていたのだろう。 多分、今日もそんな夢を見ている―― そういう時は決まって、起きたらしかめつらになって、 「夢見た」「忘れた」だのとぐだぐだ言っていたが。 「…アリソン?」 あなたの声にぴくり、と肩が震える。 ぼうと寝ぼけるような声で、 アレッサンドロはゆっくりと上体を起こした。 「……フィオじゃねえか。 お前どうした、こんな場所に、大丈夫か?」 驚いたように声が弾んで、がばっと身を起こす。 (-554) 2023/09/20(Wed) 7:37:52 |
【魂】 花浅葱 エルヴィーノ「僕に価値がなくなったとして、何が変わるっていうんだい。 初物は高いって言葉では聞くけど、別に、身売りしようなんて思ってない」 ただ、傷ついてもいいと、思っているだけ。 「わからないよ。身体は担保になるって話かい? そういう仕事を……してきたんだよね、キミはさ」 望まないし、要らない。そんなまやかしの三ヶ月は。 自分に甘くしてほしいなんて思ったことがないのだ、ましてや、夢にしたいなんて絶対に願わない。 弱みだって何も気づいてないけれど…… ただ、あなたに願うのは、置いて行かないで欲しい。 たった、それだけなのだ。 「キミを捕まえるのは僕だよ。 逮捕されるほどの……、正当な理由がないのに無理やり逮捕するなんて、間違ってる。 僕だってただで捕まえられるのは嫌だけど、アレの正体を掴んだなら、行かないわけにいかないだろ」 「捕らえられた後輩が居て、僕は先輩」 「キミは、たった一人の幼馴染で」 「僕は警察だ」 (_11) 2023/09/20(Wed) 7:41:38 |
【秘】 徒花 テオドロ → 口に金貨を ルチアーノ眉を顰める。決して鈍感な方ではない。今の答えが満足いくものかはともかく、何か琴線に触れたことくらいは察して、やはり物好きめと密かに心の内で詰る。 「裸の付き合いや同衾を通り越して、 更に裸でいるところを撮られるとなると…… 法外な金額でも貰わないと割りに合いませんね」 それならそれでいい。 人に好かれる性質ではないと認識していれど、 肯定されることが嫌いなわけでもなかったから。 「愚痴というか、苦言をそっくりそのまま言ってやっても別に構わないんですが……」 「少なくとも、あんたが扱い慣れているであろう、 女でも猫でもないことは確かだな。 逃げも隠れもしないさ、俺はただ選んでここに居る」 最初から変わらない。その報いとして何をされようと後悔することだってきっとない。 どうせ今更逃げ切れるものでもないのだ、なるようになればいい。 (-555) 2023/09/20(Wed) 7:44:11 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「ん」 くしゃり、と、前髪に手が触れる。 寄ってきたあなたの頭を、 格子を抜けた指先で弄うようにくしゃくしゃ、 どうやら撫でているつもりのようだ。 「わりい、苦労かけた。 メッセージくらい残すべきかと思ったんだが、 忙しくてな」 すまん、と何度か繰り返して。 口の端に浮かんだ優し気な笑みを指を伝い届けるかのように。 「…一応、例の店からはまだ俺のところに情報がくるようにしてある。 少し時間はかかるが、もし報告したいことがあればあそこを使え」 どうやって情報がくるのだろうか。 「それと、次だが――……」 そこで、アレッサンドロは、 なんだか悩むように言葉を止めて。 「お前、どうしたい?」 (-556) 2023/09/20(Wed) 7:44:20 |
【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 門を潜り ダヴィード「怪我は特に無いが……。まあ、そういうんなら。 ちなみにペネロペからもお前は大丈夫とのお墨付きだったんで喜んどけ。 今のこれは口を滑らせたんで本人には内緒な」 今真実を知っているものの中で、自分のせいと責めるのは大凡この男だけだ。 それでも無茶をさせるきっかけを与えたことには違いない。 「何と言うか、ダヴィードにはそのまま過ごしてほしいね。 俺がお前ぐらいの頃は……」 そう話しているとふいに口元を抑え言葉を止める。 なにか驚いているように何度が瞬きすれば深呼吸をして。 「……? ん、すまん気分が悪くなった。 水飲んだら治る。というわけで面会や後のことは頼んだ。 ……今のうちに俺に聞いておきたいことや相談はあるか?」 「多分俺はしばらく顔を見せん、これは明日には通じない俺の個人の連絡先だ」 何故か明日には通じないプライベート用の連絡を渡して苦笑いをした。 (-557) 2023/09/20(Wed) 7:59:54 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 法の下に イレネオ―――嬉しい? それなら、よかった。 耳に届いた言葉と殆ど同時に、首筋に柔く歯が立てられた。 抱き寄せられ、覆いかぶさるように抱きすくめられた状態では、抵抗どころか身動きすらできそうもない。 遠い子供の頃の記憶に一度だけ、ゴールデンレトリバーを飼ってたけれど、よくこんな風に乗られては顔中舐められたっけ、なんて思い出したりしてしまった。 そんな事を思い出してる間にも、首には歯型か鬱血痕がついてしまったかもしれないが、男は別に、それでも構わない。 「……っ」 それよりも。 手なんて繋いだことなかったから、あなたの手がこんなに大きくて無骨だってことを今まで知らなかった。 服のサイズも、何もかも、今までこちらに合わせてくれていただけで大きな差があるということを、初めて知った。 やり場のない手を、そっとその背に回してしがみつくようにして、僕は。 その背の広さも違うということも、やはり、初めて知った。 (-558) 2023/09/20(Wed) 8:05:11 |
【秘】 うたかたの ダニエラ → 黒眼鏡「…………。」 「……なんですかぁ…」 同じ言葉なのに、どうにも情けない声が出た。 どちらかというとあの車内の態度の方が近い。 へたくそだなんて思いながらも、口にしないで大人しくしている。 「…謝ったって、許しません ん 」本当に、苦労したんだ。今も、している。 それでも予兆があったからまだ耐えられた。 …そのことにだって、ありがとうなんて言ってやらない。 薄紅色のバスボムは、今も使わず置かれている。 短くSìを告げ少し落ち着く。 まだそうやって必要とされている間は地に足をつけていることができた。 「…あたしは」 「こんな悪法、とっととぶっ壊してやりたいですけど…」 顔が本気だ。本当に馬鹿な法案だと思う。 それを利用して今女は、もうひとつの摘発チームを解体させようと企んでいる訳だが。 「そういう話じゃ、ないですよねぇ」 「なんですかあ」 張り詰めていた分が随分と弛緩して、声音に反映されていく。 そこまで単純なつもり、なかったんだけどなあ (-559) 2023/09/20(Wed) 8:17:59 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 黒眼鏡「酷いツラだね、誰にやられたの?」 くすりと、笑う。 その様子では、クリアな視界ではないだろうから、どこまで自分の顔が見えてるかわからなくて。 男は牢の格子に手をかけて、その顔を寄せた。 「まぁ、答えずとも大体わかったけど……。 僕の大型犬の後輩が、随分と世話になったみたいだね」 正義感が強くマフィアを嫌う彼のこと。 自分が睡眠薬を買いに行った、それを見ただけで強い力で問い詰めてきたくらいだから、彼があなたを狙うのはおかしなことではない。 それでも、個人的な理由でもなければ、一人で突き進むなど。 こちらを止めておいて自分で行うなど、到底、許したくはないものだ。 「証拠なんてこれからいくらでも。……じゃあ、まずはひとつ」 「うちの大型犬……イレネオ・デ・マリアとはどういう関係なのかな」 (-560) 2023/09/20(Wed) 8:22:26 |
エルヴィーノは、今、牢屋の格子の前にいる。 (a21) 2023/09/20(Wed) 8:24:02 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレさて。 その挑発に対し、男は口の端を歪めて笑って見せた。 「はは。」 「そんな脅しが効くと思っているのか? 可哀想に。」 「俺は二度も同じ手には乗らない。」 それはつまり、一度そういう事にされたということを示していて。 そうしてなぜか、男がその嫌疑を免れたということを示している。 男の笑みは嘲笑だ。 効かない煽りを寄越す貴方を、哀れんで嗤っている。 そうしてその愉快さのまま、無骨な手を机に滑らせ。 するりするりと指先を覆う布地を解いていく。 「見え透いた挑発に乗るわけがないだろう?」 「北風と太陽の寓話を知っているか? そう、優しい方が効くんだよ。」 やがて顕になる爪先を。 ▽ (-561) 2023/09/20(Wed) 8:31:33 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ────ぎゅう。 握った。 「そういうことだ。」 「仲良くしよう。まずは握手からだな。」 「よろしく、ヴィットーレ。」 (-562) 2023/09/20(Wed) 8:35:03 |
【秘】 黒眼鏡 → うたかたの ダニエラ「だめかあ。 じゃあ謝るのはやめておこう、代わりに、なんか欲しいものをやるから。 それで許してくれるといいが」 即物的だ。 女性に対するできた態度とは思いにくい。 それでもあなたが望むなら、その望むままにするだろうとは なんとなく、悟ることができるだろう。 「──そうさなあ。 まぁこんな悪法、そう持たんさ。 すぐにどうにかなる」 あの署長も長くはなさそうだ、なんて笑い。 「未来の話だよ。 お前にはちゃんと、未来があるんだから」 くしゃり。 指先が髪先を僅かに撫でて、離れた。 (-563) 2023/09/20(Wed) 9:03:59 |
【秘】 月桂樹の葉 ニコロ → うたかたの ダニエラ/* お返事ありがとうございます! 余裕は大丈夫なので、是非是非! 流れとしてはそんな感じになると 運営ちゃんには送っておきます RPはこのまま始めても大丈夫そうでしょうか? (-564) 2023/09/20(Wed) 9:04:25 |
【秘】 月桂樹の葉 ニコロ → 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ/* お返事ありがとうございます! 描写の方、了解しました! そのような描写になる事を 運営ちゃん、波魔の方にお伝えしておこうと思います。 RPなどやりたい事があれば応じますので 此方こそ是非お気軽にお申し付けくださいませ…! (-565) 2023/09/20(Wed) 9:12:08 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ貴方が許してくれたから。 貴方が受け入れたから。 貴方が頷いたのだから。 それらは確かに理由だった。男がこの行為に及ぶ、理由。 けれどそれを言い訳にするつもりはこれっぽっちもない。 それを傘に着て無体を強いる気はなくて────、ただ。 ただこの男の性質がそうであるというだけ。酷く強引だ。 やはり嫌がられないことを確認すれば、あからさまに歯型をつけもする。 二度、三度。肉の柔さを、それとも薄さを確認するようなそれ。力は徐々に強くなり、貴方は痛みを感じただろう。 貴方の首元に埋まった男は、時々はちらと反応を伺った。 苦しいのでなければそのまま、服の上から貴方の腹あたりを撫でやって。 (-566) 2023/09/20(Wed) 9:18:36 |
【秘】 黒眼鏡 → 花浅葱 エルヴィーノ「転んでぶつけたのさ」 へらり、と笑う。 「ああ、あいつ。 お前ね、しつけはちゃんとしろよな。 どうにかなるならよかったが、 邪魔だから除かざるを得なかった」 ベッドの上であぐらを組んで、頬杖をつく。 その様子からは、どこか余裕のようなものすら感じられた。 「関係って話だとまあ…」 自分の頬をつんつん、とついて。 「被害者と加害者かな?」 嘲笑った。 (-567) 2023/09/20(Wed) 9:18:55 |
ニコロは、ハーモニカをデスクに置いた (a22) 2023/09/20(Wed) 9:21:28 |
【魂】 口に金貨を ルチアーノ「……一言言えば解決するがな。 言ったら怒りそうだから言わん」 始終貴方の混乱したような様子にくつくつと笑っている。 貴方に対して言いにくい隠し事などこのぐらいなのに、その一つが本当に大きいのだなと。 「そーいうってのが何処までかはしらんが、色んな奴の話は聞いてやったり斡旋はしたなあ。 自分の魅力もわからんで悩んてる宝石の原石がいたら磨いて一番いいところにあてがってやるのが俺の仕事だ」 ちっともわかってないと態とらしくため息をつく。 仕事の問題ではない、貴方の望みがはっきりとわからないのだ。 漠然とした祈りを捧げるにはこちらは自由気ままがすぎる故に。 「要するに、自分すら大切にできないやつが 俺をどうにかすると大口叩くんじゃないと言っているんだ」 「俺から何もいらんのならとやかく言うな」 その上、こだわりも強い。 こちらは貴方よりも難しいことは言っていないの忠告を聞かないではないか。 健康に過ごして眠って、元気な姿を見せてくれて飲めれば良い。 なにか自分たちの願いは違ったことはあるか? 「 ……その後輩が捕まった理由も知らんくせに 」「俺はマフィアだ、立派な悪党だ。 素直に捕まってやるわけないだろ、警察さんよ」 (_12) 2023/09/20(Wed) 10:13:27 |
【秘】 歌い歌わせ良く見聞きし カンターミネ → 月桂樹の葉 ニコロ/* わーい!ではそのような感じでよろしくお願い致します〜 RP的には大体流れで……後は暴力等必要であれば 振るって頂いて構いませんです。放送されちゃいますけど…… ともあれ襲撃、お待ちしております。 (-568) 2023/09/20(Wed) 10:27:01 |
【秘】 門を潜り ダヴィード → 口に金貨を ルチアーノ「ああ、よかった。 ……内緒にしておきます。俺は何も聞いてません」 何か企んでいたらすぐに露見する距離だからだろうか。 それとも俺はそんなにわかりやすいんだろうか…… そんなことはありえないと信頼されているのなら、それが一番嬉しい。 真実は得た人間がどういう切り取り方をするかによって形を変える。 男がそれを得た時に決めることだろう。 「……お疲れでしょうから。お大事にしてください。 それと……相談、ではないんですが」 一人の女性の顔が思い浮かんだ。 何かと優しくしてくれる人で、ここ数日は忙しさもありあまり言葉を交わせていない。 昨日の食事会での様子を見るに貴方とは親密そうであったから、一言くらいはお願いしてもバチは当たらないだろうか。 「フィオレさんに。 『ちゃんとご飯食べて、寝て、元気でいてください』と。 ……会うことがあれば、お願いできますか?」 連絡先を受け取って、そんなことをぽつり。 明日には通じないということはどこかに身を隠すのかもしれない。 少なくとも、貴方が無事でいてくれるなら良いと思った。 (-569) 2023/09/20(Wed) 10:39:18 |