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【赤】 高等部 ラピス【1日目の夜】 「………………」 こん、こん、こん。 夜も深まった頃にジャステシアの部屋を数度、ノックする。 「?」 「!」 片手に持ったお盆には色違いのマグカップ二つに、淹れたてのホットミルク。 赤い方──彼女のお気に入りの色──には蜂蜜たっぷりと、■■■を入れた。 味を誤魔化すために。 これから起きることを煙に巻くように。 甘くて柔らかくて温かい匂いが立ちのぼっている。 それを身体に纏わせながら、部屋の主に招き入れられて扉が閉まった。 *** (*0) 2022/04/30(Sat) 22:15:48 |
【赤】 高等部 ラピス──暫くして。 机の上には飲みかけのマグカップが残されている。 非力な己では彼女を運べない。 非力な己では命令に逆らえない。 だから眠らせて、皆が寝静まっている間に大人に運んでもらうのだ。 本当は眠らせずとも付いてきてもらえたら良かった。 でも彼女は察しが良い性質だから。この方が都合が良い。 (*1) 2022/04/30(Sat) 22:16:41 |
【赤】 高等部 ラピス「…………」 深く寝息を立てる同級生の横で手持ち無沙汰に、延々と手帳──大人たちの前だと黒板はうるさいと言われるから──に少し歪んだ文字を書き連ねる。 取り憑かれたように。 ずっとずっとずっとずっとずっとずっとずっと。 文字の上に文字を重ねて重ねて重ねて重ねて。 Justicia carnea, the Brazilian plume flower, Brazilian-plume, flamingo flower, or jacobinia, is a flowering plant in the family Acanthaceae. The perennial plant is native to the Atlantic Forest ecoregions of eastern Brazil. It is cultivated and sold as a decorative potted plant and is planted in landscaping as a feature plant in warm temperate and subtropical climates. (*2) 2022/04/30(Sat) 22:17:12 |
【赤】 高等部 ラピス「……。」 一頻り書き続けて、もはや読み取れなくなったページだけが残る。 吐き出した文字の分だけ思考が軽くなる気がした。 そんなことを続けていたら、広い歩幅の足音が近づいてくる。 そっと静かに扉を開くと、大きな影がぬるりと現れて。 《■■■■■■■■■》 ぐちゃぐちゃになった手帳の一頁について何か言われたけれど、覚えている必要もない言葉だったと思う。 《ジャステシアはきっと良い子になるからね》 ───調子が悪そうだった。だから選んだ。 《言いつけを守っていれば君もクロノもトットも、同じ班の子ども達も、いつか良くなる日が来るさ》 ───"治して"くれるんだよね。それが怖いことだとしても。 《君もそろそろ、治療を受けないと》 ───私のことは後でいい。 《声より大事なものを失うかもしれないよ》 ───後で、いい。 それから影が、眠る友人を抱えあげて。 そしてどこかに連れ去った。 これが昨日の夜にあったお話。 おしまい、おしまい。 "きみたち"はこれをぶぶんてきにしっているかもしれないし、はたまたしらないのかもしれない。 (*3) 2022/04/30(Sat) 22:18:52 |
【人】 高等部 ラピス「……」 結局、今日もジャステシアは食堂に来ていないらしいことは、周囲の様子からも明らかだった。 また代わりに年少の子たちを連れてきて、テラの配膳を待たせて、席につくまで世話をして。 浮かない顔のクロノの隣で努めて明るく振る舞って。 時折他の生徒の手も借りながら、朝の食卓を象っていく。 いつも通りの光景に、彼女だけがいないのがどうしても調子を狂わせた。 (12) 2022/04/30(Sat) 23:04:36 |
【赤】 高等部 ラピス【2日目】 「………」 今日も空き教室に人影がある。 かつ、かつ、かつ。 いつもの合図を鳴らしながら、仲間が来るのを待っている。 (*4) 2022/04/30(Sat) 23:38:39 |
【赤】 高等部 ラピス/* 重々RPしておいてなんですけれど 襲撃予告秘話も飛ばさなければですから、ここからは時間との戦いが始まってきますわ〜〜!!!!!!!!48時間はあっという間ですのよ。 今日からは吊りwhoもあるので被りを気にしないといけませんわね。 バットくん以外を引き当ててくださいまし サクッとwhoを振りたい狼お嬢様はおりまして!!!?!!? (*5) 2022/04/30(Sat) 23:39:29 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ「?」 不思議そうに手紙を受け取って。 「………」 文面に目を通す。 個人面談、の4文字。 受ける理由は思い当たらない。 しかし断る理由も見当たらない。 ペンを走らせて、授業の間につい、と返した。 便箋には承諾を示す丸だけが書かれている。 互いに打ち合わせた後日、指定された時間と場所に小さな最高学年は現れるだろう。 (-21) 2022/05/01(Sun) 0:19:08 |
【赤】 高等部 ラピス/* 了解ですわ〜! バットくんとはちょっとだけ仲良くしてますので他に希望者いなければ連行させてくださいまし……。 トットくんもwho振りたいかもですけれど今回はクロノちゃんに任せて明日振っていただきましょう。 (*8) 2022/05/01(Sun) 1:24:42 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ「……」 教室であなたと対峙して、ぺこりと一つお辞儀をする。 模範的な生徒の挨拶。 可愛い、と掛けられた言葉には少し反応に迷う。 『お褒めのお言葉、嬉しいです』 『アオツキ先生』 実習生でも、添える敬称はこれが正しいと思った。 『どんなお話をするんですか?』 黒板に文字を浮かべたまま、 手招かれるまま近寄っていく。 無表情の奥に見えるものは、まだわからない。 /* 了解しました! こちらこそよろしくお願いします! (-34) 2022/05/01(Sun) 1:29:24 |
【赤】 高等部 ラピス/* 己とのダイスバトルお疲れさまですの……。 イシュカさんを〜……ではお二人のどちらかに任せて他は襲撃パスを選択すれば確実にダイアログが担当者に決まるはず………ですわよね?襲撃担当の決定はトットくんを待ちましょうか (*15) 2022/05/01(Sun) 1:55:25 |
【赤】 高等部 ラピス「!」 労いの言葉には静かに笑みで返した。 『ありがとうございます。 昨日は上手く行きました。 今日からが本番と言えるでしょう』 心に残った疲れは見せず、また白い文字を連ねていく。 『大人たちはバットくんに目をつけているようですね。 彼には私が後で少しお話しをしに行きます』 「………」 『今日からは班の皆も、何かしら警戒をするでしょう。 足元を掬われることもあるかもしれません。 くれぐれも、気をつけてください』 あくまで自分たちは、同じ子どもなのだから。 (*18) 2022/05/01(Sun) 2:16:59 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ心配なこと、不安なこと。 いろいろある。たくさんある。 同室の子のこと。 少しは聞かせられるけど、内緒で話したくないなと思った。 クッキーを指先でつまんで頬張る。 小動物が餌を食べているようにも見えるかもしれない。 『先生は、先生になるんでしょう?』 先生みたいだ、なんて言葉には質問と一緒に首を傾げて。 学生時代のこの人と、今の振る舞いはズレがある。 それが少しだけ頭の奥で引っ掛かっていた。 『卒業までに、病気が治るのかなとは思っています』 何を話すか迷って、当たり障りのない悩みを。 きっとここで暮らしている生徒の大半が抱えているものを選んで出した。 (-43) 2022/05/01(Sun) 2:56:07 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バットてくてく、てく。 重さの足りない足音がどこからか近づいてくる。 学校のどこかにいるあなたを見つけて、少し早足に。 背の高いあなただから、立っていたら視線を下に向けて探さないと見えないだろうか。 『バットくん』 名前が書かれた黒板を持ち上げて。 何か話したそうに、じっと。 夜空を映したような瞳が見つめてくる。 『お時間ありますか?』 (-44) 2022/05/01(Sun) 2:58:24 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バットこくこく。 視線が合うとふにゃっと笑い。 こっちこっち、と言うように袖を握って引いて歩く。 華奢な背中が連れて行った先は、学舎の外、二人がけのベンチ。 丁度いいくらいの木漏れ日が差すところ。 少し視線を向ければ、遠目に森が見える場所だ。 そこに腰掛けるよう促して、自分もちょこんと座る。 あなたの顔を見て一度満足そうにしてから、黒板をかつかつ鳴らして文字を書く。 『バットくん は』 『自分の病気、治したいと思いますか』 どんな病気を、悩みを抱えているか。 お互い詳細を聞いたことはなかったかもしれない。 あなたと太さの随分違う指先が、同じく手袋に包まれた手を遠慮がちにつつく。 (-55) 2022/05/01(Sun) 7:47:01 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ『アオツキ先生なら、なれるように思います』 勝手に自分が思うだけ、だけど。 なんとなくそういう要領が良い人に見えたから。 『私も、このままでは治らないかもしれないと薄々感じていました』 「………」 じいっと、自分の手袋を見た。 特別隠すようなことでもない。 『身体の一部が、石に変わる病気です』 片側だけ外された手袋。 その下には、皮膚が部分的に何か硬い物質で薄く覆われた手が現れる。 深い青色。 生徒の瞳と同じ色をしたそれは、ラピスラズリによく似ている。 (-56) 2022/05/01(Sun) 7:48:48 |
【赤】 高等部 ラピス/* すやすやで偉いですわ〜〜!! 本来は噛み先だけが『生徒の選んだ犠牲者』らしいのですが、 吊り者から要望があるようなので今回はそちらの連行も狼がやりますの……。 バットくんはラピスが連れて行くとして、今は噛み先のイシュカさんをクロノちゃんトットくんのどちらが連れて行く(襲撃予告ロールをしに行く&システム襲撃設定をする)かですわね。 希望があればロールや挙手を是非どうぞですわ。 (*23) 2022/05/01(Sun) 8:06:44 |
【赤】 高等部 ラピス『寮長ですから』 これくらいはこなせなくては、と言いたげに。 『後は私たちの判断で選んだ人を連れて行くことになっています。 できれば、一人でいる時間が多い人や、居場所のわかりやすい人などが計画を立てやすくて良いですね』 もちろん例外もあるかもしれないが。 大まかな指標を示しつつ、秘密の会議は進んでいく。 (*24) 2022/05/01(Sun) 8:08:27 |
【恋】 高等部 ラピス学舎の外のお花畑。少し長めの休み時間。 園芸部が育てているのとは違う、自然にある場所。 年少の子達に混ざってシロツメクサの花冠を編んでいる。 手元を見せながら、ここはこう編むんだよと教えてあげる。 一人でできるかな。一人でできたね。 思い思いに作られたそれぞれの花冠に小さな拍手を送った。 そんな日常の1ページ。 (?1) 2022/05/01(Sun) 9:23:38 |
【赤】 高等部 ラピス『イシュカさんですか。 私も良いと思います』 うん、とひとつ頷いた。 交流があるのなら連れて行くのもやりやすいだろう。 今回連れて行く相手は決まりだ。 『それでは、今回はトットくんに任せましょう。 よろしくお願いしますね』 (*29) 2022/05/01(Sun) 13:42:23 |
【秘】 高等部 ラピス → 月鏡 アオツキ『好きでも嫌いでも、ないと思います』 硬質化した皮膚。 まるで鎧のように身体を包んで蝕んでいくような。 手を握って開く。 その度に少し軋むような感覚を訴えてくる。 今されている治療は、抑制効果のある薬を飲むだけ。 大人が言うには、それ以上のことは"研究中"らしい。 『ただ、手が動かしにくくなるのは困ります』 長い施設での生活で文字を書くことにも慣れてきた。 けれど、また進行して支障が出るのは困ってしまう。 病が進むとどうなるのかは自分でも確証が持てないが、今より不便になるのは間違いないだろう。 『治るかわからない子ばかりだから、治るかもしれない子を優先するのは仕方のないことなんでしょう。 私もそれが合理的だと考えています。 外の技術で治るかもしれないのなら、尚更です』 (-72) 2022/05/01(Sun) 14:22:06 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット『どの病気についてもです』 病気がいくつかあるのなら、全部。 あなたが抱えているもの全てについて。 『治ったら、外で気兼ねなく暮らせると言う子がいました』 『それをみんなが望んでいるかはわからないけれど』 『バットくんは外に行きたくはないですか?』 この施設に来てからというもの、自分たちは外を知らない。 外が良いものなのか悪いものなのか。 それも、見てみないことにはわからない。 ただ、未知への興味は少なからず己にもあった。 何かに困っているような顔。 真昼の陽だまりの中で、それを夜空色の瞳が映している。 (-74) 2022/05/01(Sun) 14:28:20 |
【秘】 高等部 ラピス → 雷鳴 バット両親は、病気を治してほしくて施設に自分を預けた。 そこには確かに愛情があって、だからそれに対する恩義がある。 できることなら、いつか元気な姿を見せたい。 『どちらかを選ぶなら、好きです』 『大きくなったら、先生になりたいです』 先生になって、悩む子どもたちを助けてあげられたら。 先生になって、彼らの居場所になってあげられたら嬉しい。 あなたは違うの? あなたは何になりたいの? そんな新しい問いを浮かべて。 言葉少なで、それでも思慮深く、誰かを傷つけないように言葉を選ぼうとしているその姿を見守った。 お互いに見えている景色の差を埋めるために。 きっと遠回りにでも、私の問い掛けに答えようとしてくれていることだけは、ちゃんと伝わっているから。 (-78) 2022/05/01(Sun) 15:23:43 |
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