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【人】 インタリオ[ 人に落とされることを許されなかった翠の星が、 悪魔の導きで闇の中へ堕ちていく、沈んでいく。 深く、深く、最奥 へと。 人の世で朽ちる権利を手放したのは魔術師本人の意思だ。 ] (13) 2022/05/22(Sun) 23:00:12 |
【人】 インタリオ[ 意識を取り戻した魔術師は、星一つ無い宵闇の空の下にいる。 視界の殆どが黒で構成されていた。 古びた作りの館の玄関に灯る翠色のランプだけが、 彼の視覚を保証する灯りとして存在している。 倒れていたのは敷地の中、振り返れば門は既に閉じられている。 その向こう側は魔術師の視界では何も見出すことは出来ない。 ――――暗黒の裂け目が口を開くばかりである。 庭園に植えられた葡萄の木の群れはどれも葉一つ付けず、 幹の形すらねじ曲がり歪んでいるというのに。 血のような鮮やかな色彩を持った鈴成りの実りを誇っていた。 遠くから見ればそれは、 巨大な赤蛇が木々を取り巻いているようでもある。 ] (14) 2022/05/22(Sun) 23:00:28 |
【人】 インタリオ[ それがかの悪魔の領域。地獄の最下層ゲヘナ。 魔術師がかつて過ごした館を取り巻く風景。 重厚な作りの両開きの扉は解き放たれたまま、 仔が自身の意思で踏み込む時を待っている。 何もかも、かつてと同じだ。 誘われるままに行動したのなら、背後でそれは重く閉まり、 外観よりも更に広い館の玄関ホールが迎えてくれる。 高い天井も壁も床も、全てが材質不明の黒色で 点々とあの灯りが吊るされている。 外と違うのは、数多の芸術品が彩りとなっていることである。 ] (15) 2022/05/22(Sun) 23:00:42 |
【人】 インタリオ[ 艷やかな黒のコンソールテーブルに置かれた壺は、 海のような碧を金の装飾で縁取られている。 時折不規則に波打ち、紋様は一定に留まらない。 壁に掛けられ翠色に照らされ、妖しげな雰囲気に見せる絵画たちは 薔薇園、雪原、何処かの都の風景、描かれたものは様々。 まるで額縁が世界の覗き窓かのように、 花弁が、雪煙が、行き交う人々の髪が風に乱され常に動きがある。 天井を見上げたのならそこにあるのは、 貴婦人のドレスのように優雅な広がりを持ったシャンデリア。 決して落ちはしないまま、踊る如く緩やかに回り続けている。 両階段の合間に置かれた振り子時計は、時を刻んでいない。 しかし、白蝶貝のような光沢を持った振り子が揺れている。 それすらこの館に飾られた美術品のごく一部でしかない。 ] (16) 2022/05/22(Sun) 23:00:56 |
【人】 インタリオ「全部オレが作ったんだ」 [ ゲヘナへと少年を連れ去って以降、 人が変わったように“態とらしいほど”優しく振る舞い始めた悪魔は 使用人など存在しない為に館の主でありながら自ら動き あちこちの品を説明しながら案内し、そう楽しげに語った。 ] 「お前はね、もう美品にはなれなくなってしまったんだよ」 [ 全ては不幸な人間の魂を地上から連れ去り、加工したものであると そう愉しげに嗤い、耳元で囁いた。 天には昇れず、意識無きただの物にもなれない。 それがお前の選んだ道であると、教えるかのように。 ]* (17) 2022/05/22(Sun) 23:01:13 |
【鳴】 インタリオ[ 実のところ、悪魔は少年に大した期待をしているわけも無かった。 駄々をこねたり帰りたいと泣き出したのならば、 適当に遊んで飽きた後、相応の使い道に回すつもりだった。 それでも時間を掛けることにしたのは、 間違えてもあの拙い誘惑に揺かされたからではない。 空腹に任せて悪魔すら喰らおうと思い至り、 敵わぬと思いながら他害行動をやめられなかった。 少しも悪びれることも無く、更に交渉まで仕掛けてきた。 そして何よりも、あの日々の中彼は―――― もう既にこちら側なのは確かだったから。 ]* (=0) 2022/05/22(Sun) 23:01:36 |
【人】 インタリオ[ かつて貴婦人の下で仔を出迎えた悪魔は、 その時の様子と、案内の途中の対話から>>20 彼の変化に目敏く気づき、それを快いものと認識した。 思ったよりは賢かったらしい。そうでなくては、と。 何度教えても立場も理解出来ない莫迦な仔共は要らない、 しかし、萎縮し自我も欲も失った唯の奴隷はつまらない。 無論、人間の倫理に基づき芸術品について語るなどは論外だ。 ] 「いいよ、君が過ごしやすいように教えてあげる」 [ 一先ず、何も教えられず切り捨てられる可能性は無くなった。 そして少しばかり、悪魔の機嫌は良くもなっていた。 召喚儀式を行ったわけでもない、今も何の力も無い仔 気に入られるように振る舞うことは大切だ。 弱者は強者を愉しませることでしか生き長らえられない。>>1:32 望むものを与えられることもまた、同じく。 ] (22) 2022/05/22(Sun) 23:41:46 |
【人】 インタリオ[ かの装身具の原型を此世に生んだのは人間。 悪魔信仰に傾倒した貴族に召喚された悪魔は、 思うがまま国を動かす手伝いを陰から行っていた結果 どうにも契約関係を越えて傾倒されることとなり。 貴族は抱えの芸術家に悪魔の姿を写し取らせようとしたが、 見えぬ者、見えても狂う者が多く。 最後に残り上手く働いたのは若き彫刻師であった。 ゲヘナと悪魔自身を取り巻く事情により 正しく召喚を行った上でも行動制限が多く、 人間に智慧を与えることを主軸とせねばならなかった。 しかし、 装身具と自己を定義で繋ぎ、魔術を志す信仰者らに与えることで 体現は容易に変わっていく。 そうして、より多く材料調達が可能となり 代わりに増えた期待に応えない魂は、 悪魔の姿を沈み彫られた幾つもの装身具へと化すようになった。 それはさながら神僕が十字架に縛られる様を揶揄するように。 ] (24) 2022/05/22(Sun) 23:43:50 |
【人】 芸術の悪魔 インタリオ[ さて、それから生活は始まった。 永久に闇に閉ざされ季節も時間も近づけない館の中、 誰が作ったかも分からないパンと温められたワインを与えられ、 少年は様々な学びを館の主から授かることとなる。 神の手の外にある術の取り扱い方、同胞との接触方法 人の世で生きる為の様々な教養に、教会を否定する新たな教え 他者に好ましく受け取られる振る舞いと、己を偽る演技 自分に火の粉が掛からぬよう潜むやり方も、駒を動かす方法すらも。 いかに人外が世界の歴史に干渉していたのかも。 全て悪魔が授けたものであった。 そうして過ごす日々の中、 少年の肌は滑らかに健やかさを取り戻す代わり、白く変わっていき 短い髪に宿していた万緑の色は 冬を目指すように枯れ色に近づいて、瞳に残るのみとなった。 ] (26) 2022/05/22(Sun) 23:45:06 |
【人】 芸術の悪魔 インタリオ[ 立ち竦む彼を迎える姿は無く、館は静けさを保っている。>>21 どれ程思い出に浸っても、美術品を眺めても変わらない。 もしあの頃の生活を覚えているのならば、 こんな時どうすればいいのか魔術師には分かるだろう。 灯る翠を辿った先にある食堂から、食料庫へ。 幾つも保管されたラベルの無い赤ワインの瓶の一番奥の品。 グラスと共に抱え左側の階段を上がり、 首と左手薬指が欠けた花嫁の彫刻の前で曲がり 最奥のその部屋――――彼の書斎で悪魔は待っている。 さて、その道筋で魔術師は気づくだろうか? 美しい品になる魂を求め、幾度も人の世へ体現する悪魔の館。 かつて無かった美術品が増えている一方、 存在していた筈のものが消えてもいるということを。 ]** (27) 2022/05/22(Sun) 23:45:28 |
芸術の悪魔 インタリオは、メモを貼った。 (a3) 2022/05/22(Sun) 23:46:27 |
【独】 芸術の悪魔 インタリオ/* 村名はこんなに爽やかなのに、悪魔と闇の精霊と正体不明の黒い翼の持ち主がいる 地獄で皆でオフ会しよ。オレの館でパーティーしよ! [※冗談です] (-21) 2022/05/23(Mon) 1:01:04 |
【人】 芸術の悪魔 インタリオ[ 書斎の扉は下僕が訪れれば音も無く開かれる。>>94 中は闇に包まれ、背の高い本棚が所狭しと並ぶ 世界中の、既に過去のものとされた言語の書物が揃っている。 人類が使用したことのない言葉で綴られたものも含み、 時代により材質に差があるが全て劣化などは無い。 それらの全てが、 魔術、悪魔、邪教、人ならざる存在たち、あらゆる邪悪に関する本 中には――――……館の主の信仰者達が綴ったものも存在した。 教育に使用した、人類との接触に必要な術に関するものは>>93 かつて魔術師が使用した部屋に保管されている。 合間を縫って灯りが漏れる奥へと進んだ先に、 L字を象るような形でダークブラウンの机が置かれていた。 大きな窓からは枯れ木に実る紅色の連なりを見下ろせる 向こう側に、奈落の裂け目も確かに存在するのが分かるだろう。 ] (95) 2022/05/24(Tue) 2:43:59 |
【人】 芸術の悪魔 インタリオ[ 胸像に掛けられた大粒の真珠のネックレスを覚えているだろうか。 少年が館に来た頃、 今一番のお気に入りであると悪魔が語ったものだ。 近くで祈りの形に手を組むと、 滲むように黒が沸き出て、見る見る内に黒真珠へと変わる。 戯けながら悪魔自ら神僕の真似事をしてみせた。 やってみるように、と言えば彼はどう思っただろうか するしか無かっただろう、主が命じたのだから。 お前はそれに縋る以外の選択肢を捨てたのだから。>>91 よく言うことを聞き、教えられたことを吸収していき 貪欲に糧を取り込んだ少年を、 悪魔は触れ合いで言葉で、さも可愛いとばかりに振る舞った。 その演技に絆されただの子供に戻ることはなく 与えられる役目の為に成長していく姿を、確かに見ていた。>>92 ] (96) 2022/05/24(Tue) 2:44:25 |
【鳴】 芸術の悪魔 インタリオ[ 哀れなものだとせせら笑っていた。 いつ気づくだろうかと愉しみにしていた。 魔女裁判を騙る残虐な略奪を繰り返した教会が民衆が、 火炙りにされた女達同様人間でしかないように どれ程歪みを得ようとも、少年の心も人のもの。 本能とは、朽ち果てる前に種を未来に繋ぐ為に存在する。 その楔から解き放たれて尚欲求だけを持ち続けるなど、 人の身で“こちら側”となるなど、 いつか限界が来るに決まっていたのだ。 ] (=3) 2022/05/24(Tue) 2:44:43 |
【人】 芸術の悪魔 インタリオ「 アレイズ=クローリー 」[ “Arrays-Crawly“ 過去と現在が重なるように、その名を呼ぶ。 人間の頭では追い切れない過去を語らない悪魔は、 その名の意味も語ることはしなかった。 だが、無知な少年の面影を殺した魔術師には伝わった筈だ。 例え館に揃うコレクションとなるには相応しくない魂であっても、 主の所有物であることに変わりはないのだと。 そう定義されても尚、 地を這い見下される立場たるお前は、悦ぶしかないのだと。 悪魔は祝福など授けない。 これは手を離れることとなる魔術師の心を縛り付けた枷である。 忠誠を誓う従者の喉を、黄色の爪が擽った日が遠く過ぎ去れども その錠前は今も外されていない。 ] (97) 2022/05/24(Tue) 2:45:20 |
【人】 芸術の悪魔 インタリオ莫迦な仔。 人間に虐げられてきた君に、飲み物一つやらない主だと思った? [ 共に杯を傾けたこともあっただろう、と。 悪魔はおかしいとばかりに小さく笑って見せた。 掌が宙を仰ぐように片手を傾けると、 もう一つ、従者が持って来たものと同じグラスが現れた。 その手が再び降ろされると、 机の端、空いたまま佇んでいた椅子が勝手に引かれる。 二つに注いだ後、座すことを許そう。 ] (98) 2022/05/24(Tue) 2:45:50 |
【鳴】 芸術の悪魔 インタリオ[ 形ばかりの笑いの向こう、 冷えた猛禽の瞳が下僕の所作の一つ一つを じっと射抜くように見つめ続けていた。 犯した失敗も、至った感情のまま人に堕とされようとしたことも 許していないのは明らかであった。 ] (=4) 2022/05/24(Tue) 2:47:24 |
【人】 芸術の悪魔 インタリオ[ 過ぎ去りし華美の王朝時代を思わせる意匠のグラスは、 血液めいた酒を注がれる程に、それそのものが真紅へと変わる。 赤き水面を揺らし、白い喉が飲み干してゆく。 その合間にぽつりぽつりと、悪魔は思い出話を始めた。 ] 覚えていないのかな ほら、君が随分活躍してしまって、 血相変えたオレが連れ戻しに来たこともあっただろう あれは中々逸材も揃っていたんだけどね 質の悪い魂も、それ以上に多かったな…… [ アレイズとなった魔術師を地上に戻したのは、 その生きるべき年月が過ぎ去り、魔女狩りが最盛期を迎えた頃。 短い期間に多くの争いが起きた時代であり、 彼にとっては忠誠心を示せる良いタイミングであった。 だが、あまりに多く魂を送ってきた時は 剪定の助けをしろと彼の傍らに体現したこともある。 ] (99) 2022/05/24(Tue) 2:47:51 |
【人】 芸術の悪魔 インタリオああ、そうだ これは返しておかないといけないね [ 二杯目も半ばに減らした頃だろうか。 話が途切れた沈黙に、思い出したように机の上の装身具を取る。 冷たい手が彼のそれに重なり、しっかりと握らせた。 ブローチが置いてあったそこには、 シェードの中で蝶が羽撃き続けるランプの他に、 魔術師が訪れるまで開いていたらしい本がある。 これは人の世で、数十年以内に記されたものである。 アレイズはよく、知っている筈だ。 ]** (100) 2022/05/24(Tue) 2:48:13 |
【鳴】 芸術の悪魔 インタリオ「かつてはあったとも言えるけれど、 今もある、と答えるほうが正しいだろうね?」 [ 白肌の下僕が傍らに馴染んだ頃、 魔術の教育の合間、悪魔は問いを投げられた。>>=5 含む躊躇い、どれ程前から疑問を抱きそして期を伺っていたのか。 少し意外そうに片眉を上げ、 笑って返すまでにはそう時間は掛からなかった。] 「ゲヘナが今の状態になったのは、争いによるもの 君が満足に視認し、立ち歩けるのは確かにこの館の範囲だけさ」 [ 語りながらも立ち上がり窓へ近寄る。 振り返り少年に目を向けるが、来なければそれでもいい。 ] (=6) 2022/05/25(Wed) 4:01:20 |
【鳴】 芸術の悪魔 インタリオ「オレと同じように沢山の名前を人類に与えられた強力な悪魔が かつて、地獄にはいたんだよ。 彼女は誰よりも美しい姿をしていたけれど、とても凶暴で 暴れ始めると化け物になり、手がつけられる者は他にいなかった」 [ 何しろ共に生まれた弟すらも殺してしまったくらいだと、 愉快そうに、同胞たる姉弟の結末を語る。 人の仔には見えぬ何かを見出すように、 窓の向こう、館の外まで遠くを見つめた黒黄は細まった。 ] 「死んでいないよ。あれは、今もゲヘナの更に奥底で眠っている それを抑え込む為にオレは動けないんだ」 [ 人間によって、共に 悪魔の王 とされた彼女その者を封印する鍵となって以降遥かなる時が過ぎる間、 悪魔は現在までゲヘナから移動したことはない。 信仰という定義で 魂により生み出された装身具と自己を繋ぎ、媒介とし。 一時の体現をかつてよりは自由に成しているのみである。 ] (=7) 2022/05/25(Wed) 4:01:40 |
【鳴】 芸術の悪魔 インタリオ「だから、魂が沢山必要なんだ 特に不幸な魂は一層に力となる……分かるね?」 [ 広がる永劫の暗黒から視線を外し、悪魔は翠の瞳を見つめた。 そう、芸術品として貯め込まれる魂はただの道楽ではない。 人間の言葉で表現するならばそれは非常食とでもいうだろうか。 拘りを持って選ばれ、加工されているのは事実だが その美しさはいずれ必要とする時にどれ程力になるかを示す。 向かう先は、剪定外となり装身具にもならなかった魂と同じ。] 「君がオレの期待に応え続け、契約を結ぶ時がいつか来ますように」 [ 大きな掌で、色褪せた緑を優しく撫で付け微笑んだ。 彼が数多の魂を悪魔に捧げる未来を願い、 最期には己自身を主の糧とする結末を思いながら。 ]* (=8) 2022/05/25(Wed) 4:02:06 |
【独】 芸術の悪魔 インタリオ/* サタンと同一視される十三の悪魔の名前をインタリオと名乗る悪魔と「彼女」が六個づつ所有し そこから取り溢れた一つを「彼女の弟」が持っていたが彼女により殺害される、そして彼女も封印を受ける こうして奈落の王は不完全となり、ただ鍵が残るばかりのゲヘナは崩壊したまま永遠に修復されない う〜〜ん厨二病! (-100) 2022/05/25(Wed) 5:13:10 |
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