人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

ケーキ屋はメモすることが出来る。
通りに面した何の変哲もないスイーツ店だった、調べるとティラミスがちょこっとだけ有名。

『俺たちが何言っても休まない人なんで上の人がぶん殴る必要があると思います。
 勿論俺たちは殴れません、運よく引っ張れてベッドに連れてっても携帯離さないんです』

真面目なんですよね、と楽し気に言うのは愚痴として言ってるようではないらしい。

『いい上司は俺に猫のゲージは運ばせないと思いますけど心配です』
『でも猫の餌食ってないならよかった〜。
 食事抜かない人が何も食べない日が続くと何するかわからないんで!』

この部下くんは上司に似て正直者であった。

それじゃあ、ティッシュありがとうございましたと斜め45度ぐらいのお辞儀をすればラウルという部下くんは去っていった。
アレルギーは多分服を着替えてシャワーでも浴びれまマシになるだろうが、果たしてどうなったのかはわからぬままだ。
(-229) 2023/09/21(Thu) 18:53:22

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

店の情報を見れば、へえ、と片眉を上げた。
ついでに買って行こうか。

「あー……やっぱすか。
 ちゃんと寝てもらいたいもんですね……」

やっぱりか、と難しい顔をした。

「お前……言うね。身の振り間違えなきゃ出世するよ。
 個人的に応援したくなっちゃったな」
「あんたも無理しないでくださいね〜……」

手を振って見送って、ふむ。
踵を返して猫の近くに行けば、猫はなあおと鳴いた。
予め買っておいた餌があるはずだから、
とりあえず手ずからあげて。

「……飯持ってくか」

そうする事にした。
仕事云々は顔を突っ込めるかは怪しいものだが、
物資を押し付けて摂取を強要することはできるかもしれない。

居なければ仕方が無い。ティラミスを買って帰る。
居れば儲けもの。
エネルギーゼリーやら飲み物を持って、
教えてもらったケーキ屋に赴く事にする。
(-248) 2023/09/21(Thu) 20:31:00

【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ

お泊り会が無事にうまくいって、今日はいいことがあるだろうな、だとか。
またこうやって集まれたらいいな、だとか。
そういったことを考えながら、貴方を見送ったのだろう。

買い出してきたブラックコーヒーと指定された店のサンドイッチをソルジャーに渡して、ようやく殆どの荷物を下ろしたところだった。

「ロメオさん!
 いただいていいのなら、ぜひ!」

傍から見れば貴方に会えて嬉しくて笑ったのか、それとも甘味に釣られたのか分からない光景だ。
男からすれば見知った姿がいつも通りに話しかけてくれたことがただ嬉しいのだろう。
はたして貴方から頼まれた品はあっただろうか。あればそれらも共に持っていそいそと寄っていくことだろう。
(-253) 2023/09/21(Thu) 20:52:56

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

へんな気分だ。
全てをいいんだと許されていく。
それでもきれいなのだと告げられる。
昨日までは友達だったひと。
今日からは家族のように想うひと。

大きな腕の中に抱かれていると、安心した。
まるで昔からずっとそうしてほしかったみたいに。

「……ありがとう」

貴方もスラムにいたのなら案外、なんて。
ちょっと高望みしすぎか、それにそうじゃなくても。
嬉しい、の次に、己を想って告げてくれる言の葉たちと。
貴方自身が
そう
であると認めてくれたのだから。

それだけでもう十分で……なんでだろ。
酔っているせいかな、胸が締め付けられて。
先の貴方の笑みを思えば一滴だけ、涙が落ちた。


一度詰まってしまった声を抱きしめる力を強めて誤魔化す。
見えてないから、ないしょ。

[1/2]
(-257) 2023/09/21(Thu) 21:07:35

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「……へへ、うれしい。
 でも、逆だってそうだよ」

「オレも、ロメオにいの力になるよ。
 できること……多くないけどさ。
 それでも、オレが叶えられることならなんだって」

貴方のこと、多くを知るわけじゃない。
けれどきっと"家族"を多く知っているのは自分の方だ。
だから、と。

「ね、一緒に色々しようよ、これから」

ひとつひとつ、ぬくもりを教えられますように。
望んだものは夢などではないのだと告げられますように。

「友達じゃなくて、家族っぽいこと。
 ……いいだろ?」

ちら、と貴方を見上げ、いつもみたいに無邪気に笑う。
これから変わっていく明日に想いを抱いていた。
共に居られる日々は変わらないって、信じていたから。


[2/2]
(-260) 2023/09/21(Thu) 21:09:35

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「おう、もちろんいいよ。お使いのご褒美」

フィオレにもあげるんだ、と紙袋の中身を貴方に渡す。
簡単な個包装はしてもらったので安心。
貴方に頼んだコーラを受け取って交換の形とした。

「甘いもんはエネルギーになるからな。
 踏ん張りどきだろ。多分……」

「上が居なくなると俺達下っ端も忙しくなるからな。
 なんとかやろうや。愚痴なら聞くし」

受け取ったコーラのペットボトルはすぐに開栓された。
プシュ、と爽やかな音。

「出来ることが少ないってのは歯痒いけどな……」
(-272) 2023/09/21(Thu) 22:17:45

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

腕の中の友人は、今は弟と同じ。
ぎゅう、と回された腕の力が強くなれば薄く笑った。

もしかしたら幼い頃会っていたかもしれない。
逃げ回るように生きた幼年期のどこかであなたと会えたなら、自分はきっと今のような生き方をしていないのかもしれない。

例えば、一緒にマフィアになって。例えば、共に警察として。
結局はもしも話、なのだが。

「……オレの力に?」「頼もしいな」

後輩にも頼る事はあるのだ。きっと弟にも頼る事がある。
弟にしか頼れない事がある。

「家族っぽいこと……ってなんだ?一緒に寝るとか?
 それはちょっといいな」
「いいね。色々やろう。オレ、やりたいな……」

無邪気な笑顔と向けられた視線に、
こっちもいつも通りの笑顔を返した。
あの時の笑みは、あれきりだ。


何かが変わった。どう変わるかは、わからないけれど。
家族への憧憬、もう手に入る事のないと思っていた夢の断片。
今、確かに貴方の形をして共に居る。

「……グラスホッパー、頼むかぁ」

そろそろ少し酒も抜けたろ、なんて笑って。
これから起こる事なんて、今はまだ知らないで。
(-276) 2023/09/21(Thu) 22:48:09

【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ

「頑張った甲斐がありますよ。
 今はもちろん、皆が力を合わせるべきなんですが」

それはそれとして労われることは素直に嬉しい。
渡された中身をしっかりと両手に持って、ひとまず匂いを楽しむ。

「皆の帰る場所を守るって大事な仕事です。
 いつも通りにやりましょう、焦らずに。
 俺も、頑張るんで」

いつも通りに振舞うことを自分に許す。
拭えない恐怖や不安を持ちながら、好きな人と笑い、好きな物を食べることを許す。
大切な人が今なお暗い牢獄にいても、その人の帰還を笑顔で迎えるために、自分を大切にすることを許す。


ボンボローニを一口食む。
味覚はとっても正直なもので、甘味は疲れた体に染み渡った。
(-280) 2023/09/21(Thu) 23:30:15

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「……皆が帰ってきたときにここがいつも通りでなきゃあな。
 わかるよ。皆ちゃんと帰ってくるんだから」

「オレたちはここを守る……うん」

ちびちびとコーラを飲み、
……それでも尚、何か溜飲が下がらない物言いをして。

「……」
「弟捕まってんだよネ」「やだな〜……」

ポロッと、そんな事を急に言い出した。

「ボスでもどうにもならなかったら、
 オレ刑務所に火付けに行くから」
「その時になったら、まあ後はよろしく……止めないでね」

アハハ……と乾いた笑い。口元だけが笑っていた。
冗談交じりに貴方と話す事は多々あるが、
だからこそ、この言葉は冗談じゃないと
貴方は勘づくかもしれない。
(-322) 2023/09/22(Fri) 8:14:10

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

先程の笑顔はもうそこにはない。
普段よりよく見えるいつもの笑みを見上げながら。
やりたいの意志を隠さずに示してくれることに眦を下げる。

「作ったご飯一緒に食べたり、とか。
 ……一緒に寝るならロメオにいの家行きたいな、そのうち。
 だめ?オレの家、ちょっと厳しいから」

尋ねながらもゆっくりと身体を離していく。
このままではグラスホッパーが頼めないし、と。
けれど、離れ切ってしまうその前。
少しだけ貴方の頬を掠めるように撫でては、悪戯をした幼子みたいに笑った。

「眼鏡さ、ないほうがかっこいいね」

それだけ告げて、姿勢を正したことだろう。
次いでマスターにグラスホッパーを注文して、…………。

……そういえば店の中だったんだよな、とか、今更のそれだ。
今になってちょっぴり恥ずかしさが湧いた。
誤魔化すように水に口を付ける。
(-335) 2023/09/22(Fri) 9:46:16

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

昼間の人通りが多い目立つ煉瓦道。
その一角に赤のオーニングテントが目立つケーキ屋がある。
おススメが乗っている看板にはティラミスの絵、
他にも棚にはタルトにパイにシュークリームが並ぶ甘い香りが漂う人気店だ。

『いらっしゃいませー、あら……?』

カウンターの中の女性店員がやってきたあなたと目があった。
数秒瞬いたあと、一度すぐ横の路地をじっと見てからまた目をしっかりと合わせた。

『ケーキはいかがですか?』

そうして貴方がケーキでも買えば渡されたのはおまけのクッキーの包みに紙切れ。
紙切れに書かれていたのは、直ぐ横にある裏路地を真っすぐ歩いた先にある最近閉店したバーだった。
(-344) 2023/09/22(Fri) 11:30:04

【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ

甘味を頬張りながら貴方の話を聞く。
いつもの貴方にしては様子が変だ。歯切れが悪いし、違和感がある。

「…‥弟さんが?」

初めて聞いた話だ。
弟がいることも、それがあのクソみたいな法律で捕まっていることも。
違和感がそこにつながれば返す言葉はひとつ。

「後はよろしくってなんですか。
 ボスでもどうにもならなかったら、一緒に行きましょうよ」

皆の帰る場所は大切だけれど、それは誰かが帰ってくるために守っておく場所だ。
男にとって帰ってきてほしい人が戻らないことが決まってしまえば、火を付けることに反対するような人間ではない。

「俺、無免許ですけど……車出しますから。
 皆でそのまま車に乗って、逃げちゃいましょう」

あいつらの追ってこないところ、どこまでも。
(-346) 2023/09/22(Fri) 12:11:56

【秘】 路地の花 フィオレ → 渡りに船 ロメオ

「本当に……本当に、ひどい……」
「近くで、笑ってるのも……将来の夢を語る姿も、見ていたはずなのに……っ」

あの男にとっては、それすら取るに足らないことだったのか。
何の意味もないただの音に過ぎなかったのだろうか。

自分がスラムにいた時から、臓器売買は行われていたらしい。
幼い頃の私や弟が無事だったのも、きっと運が良かっただけで。
被害がなかったから良かったなんて口が裂けても言えなくて。

頭をあなたの肩にくっつける。肩口をじわじわと濡らしてしまって。

「許せない……」
「許せないの……」


ファミリーの前でさえ、どんな仕事の後であっても。喜怒哀楽の喜楽ばかりを見せていた女の。
絞り出すような、怒りと悲しみの滲んだ声だった。
(-349) 2023/09/22(Fri) 12:16:39

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「ああ、いいな。オレ作れるよ、少しくらいは。
 オレんちに泊まりは……あー、多分大丈夫」
「いいよ。やろう」

急に仲間が尋ねてくることも殆ど無いし、
忙しい日に予定しなければいい話だ。
その時は折角だから、貴方の好きな食べ物を
作ってやれたらいいな、なんて。

頬をするりと撫でる手は、やっぱり自分より小さく。

「……伊達なんだよ。これ」

そう言って、肩を竦めて笑ってみせた。
ロメオは店の中でも素知らぬ顔で、
恥ずかしげもなくまたメニューを見て。

「また来ような」

カクテルの届かぬうちに、次の約束をするのだった。
(-409) 2023/09/22(Fri) 19:21:53

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

靴音は固く、人々の賑わいは相も変わらず。
表立っての用事でも無いので、今日は変装もしないでいる。
位置情報を片手にどこにあるか見渡しながら歩けば、
それは案外と分かりやすく建っていた。
良い店だ。外装も良く期待出来る。

「あ、ども……、?」

扉を開けた時に合った視線、
店員からの定型文の後に空いた妙な間。
それに自分もハテナをまた浮かべつつ、

「うす。ティラミスが美味しいって聞いて」

おすすめされるままに、今日の所は控えめに選ぶ。
店内に彼の姿は無く、ハズレだったかと思ったが。
思わぬおまけと共にもらった紙切れに気が付けば、
ふむ、と顎を擦った。

店員に礼を言い、「良い店すね」と愛想を撒いて、
少しばかりのチップをカウンターに置いて店を出る。

そこからまっすぐ目指すのは紙切れに示された先。
傍からは人気の無いそのバーの扉を、
ひとまずはノックしてみた。
反応があればそれで。無ければそのまま薄く扉をあけよう。
(-413) 2023/09/22(Fri) 19:42:15

【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ


「ローメオ〜。ロメオ居るかあ〜?」

真夜中。

食事会の残りの缶ビールやら缶ワイン、
他つまみになりそうなもの、それから酒瓶を持って。
酒飲みはあなたを探してアジトをぶらついていた。
やっぱり飲まないとやってられなかったらしい。

が、さて、あなたの姿は見付かるだろうか。
(-419) 2023/09/22(Fri) 20:27:53

【秘】 渡りに船 ロメオ → 門を潜り ダヴィード

「ん。弟」「義理……?だけど」

説明が難しんだよな、と首を傾げる。
貴方の察する通り、歯切れの悪さの理由はそこにあった。
弟だけではない。今まで逮捕された仲間だってそうだ。
手段があればすぐにでも解放してあげたい。
けれど、手段はない。
できる事は現状維持、ボスの帰りを待つのみ。

それが嫌だ。

「……あんた、いい男だな」「ありがとよ」

我儘みたいに打ち明けた八つ当たりの一つを、
見送らず隣に立とうと言ってくれるのが嬉しかった。
無免許宣言に大丈夫かよと笑って。

「ボスの事信じてない訳じゃないけど。
 そうなったらあんまりにもやりきれないからさ」
「一人でやれば捕まったって迷惑かけない。
 皆逃げてくれれば、オレは別に」

「って、思ってるけど。あんたは怒りそうだし」
「一緒に来てもらうのも良いな」

今はまだもしも話にしか過ぎないそれを、
夢物語みたいに目を伏せて唱えた。
(-421) 2023/09/22(Fri) 20:32:39

【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ

濡れた肩口を気にすることも無い。
ただ貴女の哀しみが少しでも収まるまで、
横で寄り添っていようと思っていたのだ。

居たけれど。

「───へえ?」
「なんだ。あんたのそういう声、初めて聴いたよ」

興味深げに目の色を変え、重たい瞼を少し持ち上げる。

(-425) 2023/09/22(Fri) 21:00:03

【秘】 渡りに船 ロメオ → 路地の花 フィオレ

「そうだよなあ。許せないよな」
「許せないのは当たり前だよ……。
 あんたとあんたの大事なもんは踏みにじられたんだ」
「あんたは信じてたのに。そうだよなあ……」

途端に、寄り添い方を変える。声音を変えて囁くように。


「縄張りを荒らされたようなもんだ。
 善意を装って付け込まれたんだ。
 あんたの大事な場所は、アイツの目には金鉱山か、
 家畜小屋にでも映ってたんだろうぜ……」

貴方の肩に腕を回した。悲し気なトーンを持たせた。
いやに落ち着いた声だ。


「オレもスラムには僅かばかりの恩がある。
 あんたにはやる事がある。そうだろ?」
「なあ。どうしようか」

「──オレはあんたの力になりたいんだ」


この男は明らかに貴女を焚き付けるような真似をしている。
貴女の言葉の端に感じた火種の──熱のその先を見たい。
その興味と善意を薪にして、貴女の選択を見たがっている。
余計な真似と思われても仕方が無い。こちらが怒りを買っても仕方が無い。

男は貴女の答えを待っている。
(-426) 2023/09/22(Fri) 21:04:50

【秘】 口に金貨を ルチアーノ → 渡りに船 ロメオ

ノックに返事はなかったが扉が開けられると珈琲のような香りが漂っていた。
中に人がいる証拠だっただろうか、それ以外にも何やら人の気配はするようなしないような。

奥のもう閉じた店内まで行ってみると、昼間でも暗くなるほどの細いブラインドから漏れる僅かな陽光を浴びながら、三人がけほどのソファーに横たわるルチアーノの姿があった。
足元には未開封のクッキーの袋が何故か落ちていて、少し離れた場所にあるテーブルには冷めた珈琲がおいてあった。

「ぁー……?」

息はありそうだが、貴方を認識していないのか顔も体も上がってはこなさそうだ。
(-428) 2023/09/22(Fri) 21:07:23

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「やった!
 料理は……オレ、あんまりできないけど。
 でも手伝うから、火の番するとか……」

好きな食べ物を、なんて考えてくれていることも知らず。
おねだりを受け容れてもらえたのなら満足気。
マスターが早速作ってくれているのをちらと眺めたが。
それもすぐに貴方へと戻して、はたりと瞬いた。

「……なんでつけてたの?恥ずかしがり屋?」

……なわけ、ないだろうなあ。
ちょっとどきまぎした自分と違って、貴方は気が付いているだろうに涼しい顔だし。

「…………うん」

そうして続く、届いていない内の次の約束への返答は妙な間が一瞬空いた。
嫌だったとかそういうものではない、でもさっき聞いたばかりだ。
自分から誘うことはそうないって。
じわり湧き上がる嬉しさに口元がどうしたって緩むから、こてん。
気にしてないみたいだしいいかって、頭を傾けて貴方の肩にくっつけていた。
(-430) 2023/09/22(Fri) 21:14:37

【秘】 渡りに船 ロメオ → コピーキャット ペネロペ

「──はい、はいはい、オレですよ〜」

向こうから近付いてくる声。ロメオだ。
貴方の声を遠くに聞きつけ、ぱたぱたとやってきた。
仕事用の伸縮性のいい黒手袋を外しながら、
髪は一つに結わえたまま。

「どうしまし……酒持ってる」
「やっぱり飲むんじゃないすか……」

貴方の姿を見つけるなり、目に留まるのは酒。

「……どうしました?」
(-432) 2023/09/22(Fri) 21:19:54

【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ


「おう。時間あるか?」

言いつつ片手に持った酒瓶を揺らした。
あると言えば酒飲みに付き合わされる事になるだろう。

「ん〜……まあ特別どうしたって訳でもねえよ。
 ただ向こうさんの動きが結構素直だったからな。
 耳聡いカンターミネの次は顔の広いルーカス…ルチアーノ。
 んで順番通りに行けばそのうち俺達裏方の番だろ」

「その前に飲んでおこうと思ってな。
 ついでに愚痴くらいなら聞いてやれるぞ」

そっちも働き詰めだろうしな、と。
理由は至極真っ当とはいえ、結局の所は飲む理由に帰結する。
息抜きと言えば聞こえは良いが。
(-438) 2023/09/22(Fri) 21:38:25

【秘】 渡りに船 ロメオ → 口に金貨を ルチアーノ

店の中は仄暗く、喫茶店でもないのに珈琲の香りがした。
人の形跡はある。しかし姿はやはりない。

「…………」

く、と店の奥を見やった。となれば向こう側に居るのか、と。
レジ袋をガサリと揺らし歩を進める。
──ブラインドが掛かった窓の近く、ソファの上。

「あ。お〜い……」
「わかりますかあ。ロメオっす」

ふ、と貴方に影を作るように覗き込む。
癖のある髪が垂れて、薄明るい陽光を透かした。

「ヘルプに来ました」
(-441) 2023/09/22(Fri) 21:39:31

【秘】 渡りに船 ロメオ → 暗雲の陰に ニーノ

「なんなら教えようか。オレの作れるもんくらいは」
「そしたらお前もオレに作ってくれるかもしれねえし……」

というのもまた冗談だが、教えるのも楽しいんじゃないかと思ったのは本当だ。しかしあわよくばいつか、貴方の作ったご飯も食べてみたくは……ある。

伊達眼鏡の理由を聞かれると、少しだけ視線を巡らせて。

「ナイショ。」

なあなあにしてごまかすことにした。
ただのパン屋が変装する義理が無いのは本当だし。
おしゃれと言い張るにはこの眼鏡じゃ無理がある。

「ふ。よかった〜」

楽しみができたわ〜、と気の抜けた声。
預けられた頭の重さに心地良さを感じて、
随分居心地のいい空間だな、と思った。

直にカウンターに置かれるグラスホッパー。
ミルキーなグリーンが揺れて、どこか愛らしい。

「…………」
「乾杯でもする?」

本当は飲み初めにするものだろうが、
なんとなく自分たちの区切りにはいいと思った。
グラスを持ち上げて、貴方に持ちかける。
(-445) 2023/09/22(Fri) 21:54:40

【秘】 渡りに船 ロメオ → コピーキャット ペネロペ

時間はあると頷けば、
酒の席に自分も加わる事になるのだろう。
続く言葉には……頭を掻いて難しい顔をした。
歯痒い事だが、その通りだと思ったから。

「っぱルチアーノさん、持ってかれるんすかね。
 あの人は自分でもわかってるみたいですけど」
「あんたまで持ってかれたら声の通る纏め役が居なくなる。
 それは困る……」

「そういう事なら喜んでご一緒しますよ。
 あんたのせっかくの厚意ですもんね」

実を言えば、パッとした休憩が欲しくなっていた頃だった。
貴方のお陰で腰を落ち着けて休憩する言い訳ができたので、
ひっそりと喜んでいる。

「あんたの愚痴も聞きますよ。
 場合に寄っちゃあ、聞かなかったふりもできるんで」
(-448) 2023/09/22(Fri) 22:02:27

【秘】 コピーキャット ペネロペ → 渡りに船 ロメオ


「まああいつらに
荷物纏めとけ
って伝えたの俺だしな」

さらりとそのような事を言いつつ。
適当なテーブルに酒類とつまみを置き、
ソファにどっかと腰掛ければ缶ビールを開けた。

「最近
妙な夢
を見るんだよ。
 次は誰をやる、その次は誰を……ってな」

「あいつらの次はどうも読めんが…順当に行くなら、の話だ。
 俺は居なくなった所で上に話の通る奴が減るくらい…
 くらいでもねえか。まあ明日には引き継ぎしとかねえとな」

この地に於いて、そういった夢の話は笑い事にならない。
もしもの時を考えつつ、温め直したピッツァを齧る。

「愚痴、愚痴なあ。多すぎて何から言ったもんかわからんな。
 仕事が多すぎる、アホ、ボケ、Imbecile.
 この件が片付いたらぜってえ休みもぎ取る」

「お前の方はどーよ」

何ぞ愚痴でも無いのか、と。
指に付いた油を紙ナプキンで拭いつつ問い掛けた。
(-454) 2023/09/22(Fri) 22:38:49

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 渡りに船 ロメオ

「え、ほんと? じゃあおしえて!」
「作ってもらうばっかりもくすぐったいからさ。
 オレも作れるようになったら作りたい」

冗談、だとは受け取ることはなく。
貴方が少しでもその未来を描いてくれているならと男は笑った。
……が、続く、ナイショの一言を聞けば少しだけ頬を膨らませる。

「弟に内緒にするんだ〜」

意地悪な言い方だ、とはいえ本当に拗ねたのではないのだけれど。
代わりにぐいぐい……と寄せた頭で貴方を押すようにしていた。

そんなもちゃもちゃとしたやりとりののち、カウンターに置かれたグラスホッパーに気が付けばきらと目を輝かせて。

「わ、ほんとうに緑」

つん……とグラスを謎に突いて感動の声。
そのままそろっとグラスを持ち上げて飲む前に。
誘いを持ちかけられるときょとんと眼を丸くして貴方を見上げる。
込められた意図に気が付けば目を細めて、無意識に微笑んでいた。

「うん。
 じゃあ〜えっと……
 ……兄弟になった日に、乾杯?」

小首傾げつつ、こつん、貴方のグラスと己のグラスを合わせてみる。
改めて口にしてみるとなんだかやっぱり恥ずかしいな。
つい感じてしまえばそそくさと誤魔化すみたいにグラスに口をうけて一口。
思っていた以上にチョコミントだったので感嘆の声よりもいっそ、「えっ……」という動揺の声が出ていたとされる。
(-457) 2023/09/22(Fri) 22:45:34

【秘】 渡りに船 ロメオ → コピーキャット ペネロペ

「え、」

そうなんすか?と素直に驚いた声を出して、
貴方が座った後に自分も腰掛け缶ビールを1つ手に取る。
ごちそうさまです、と一言添えて。

「妙な……夢すか。それはまた」
「予知っつうか、正夢っつうか、そんなやつですか。
 ヤなもん見ますね……」

カシュ、とプルタブを押す音。

「あんた、働きすぎですもん。オレは別にいいすけど。
 使えるだけ使ってもらって全然構わないし」
「でもあんたがくるくる動いてくれてるから、
 オレらもそれに背を押されてるトコありますよ。だいぶね」

仕事に対する罵詈雑言に苦笑しつつ、
自分もピザを1切れ貰う。それから、フライドポテトも。

「惜しいな……カンターミネさんもそうだ。ヴィットーレの姐さんも、黒眼鏡の旦那も、ガイオさんだってそうだ。いつか終わる悪夢であって欲しくてね」

「オレの愚痴はそうなってんのに何も出来ない事くらいすかね。
 誰か殺して済む話ならすぐにそうするんすけど」
「そうじゃないからなー……」

あーあ、と重たい息を吐きつつ缶をベコベコして遊んでいる。
(-461) 2023/09/22(Fri) 22:59:37

【秘】 門を潜り ダヴィード → 渡りに船 ロメオ

「大切な人と言い換えてもいいです。
 関係性はどうであれ、そういう人なんですね」

男はとにかく、今のままであることに固執していた。
現状を守ってじっとしていれば、助けが来れば。
帰りを待つことに慣れていたのだと改めて思う。

「あんなクソみたいな法、嫌がってる人が大半ですよ。
 皆で逃げて、どこか遠いところで身を隠して、
 あったかいところでバカンスでもして……」

「俺は、ロメオさんが捕まっちゃうのも嫌です。
 一人で寂しいところに行くより、
 皆で一緒に逃げちゃいましょうよ」

だから、どうにかなってもならなくても。
貴方を一人で危険なところに追いやったりはしない。
(-462) 2023/09/22(Fri) 23:01:29
 


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注目:ロメオ 解除する

生存者 (4)

フィオレ
9回 残 たくさん

うそつき

エルヴィーノ
3回 残 たくさん

何処にも行けない

ペネロペ
7回 残 たくさん

何度でも見付けて

ロメオ
8回 残 たくさん

ひとのかたちは

犠牲者 (12)

ガイオ(2d)
0回 残 たくさん

 

エリカ(3d)
0回 残 たくさん

コバルト色を手に

黒眼鏡(3d)
47回 残 たくさん

Kovacs.

ニーノ(3d)
18回 残 たくさん

大丈夫だ

イレネオ(3d)
6回 残 たくさん

薄藍を想った

ニコロ(4d)
0回 残 たくさん

これからも一緒に

カンターミネ(4d)
1回 残 たくさん

いつでも傍に居る

ヴィンセンツィオ(4d)
20回 残 たくさん

白鳥は唄えない

アリーチェ(5d)
0回 残 たくさん

そうだ、わたしは

ルチアーノ(5d)
11回 残 たくさん

もう楽にしてくれ

リヴィオ(6d)
0回 残 たくさん

もうすこしだけ

ダニエラ(6d)
4回 残 たくさん

ほんとは、まだ

処刑者 (4)

ヴィットーレ(3d)
1回 残 たくさん

 

テオドロ(4d)
3回 残 たくさん

枯れない心を

ネロ(5d)
0回 残 たくさん

 

ダヴィード(6d)
4回 残 たくさん

また会いましょう

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