人狼物語 三日月国


29 【2IDソロル+ペア混合】交換日記【完全RP村】

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【人】 世界の中心 アーサー



  ──香りが良いだろう?
  特に紅はいい。 僕の色だ。

  元々百合園だったのだがね、僕は好かなかったんだ。
  息苦しいような気がして──

 
(189) 2020/05/19(Tue) 21:45:49

【人】 世界の中心 アーサー


[ “リドル”の家の証は、百合であった。
  二十年前、前“リドル”が死んだ時まで、
  薔薇の咲き誇る屋敷になったのは、つい最近のこと。

  ──知らない、というのが、
         心地良いときだって ある。

  外に出ない以上、新しい景色を見ることもない
  そんな男にとって 目の前の彼女は、


        ──確かに、目であるのだろう。
        碧の、 未来以外を映す、 ]
 
(190) 2020/05/19(Tue) 21:46:32

【人】 世界の中心 アーサー



  この薔薇は食用だよ。
  パンの代わりに薔薇を食べるのだって良い。


  [ ──大して腹には貯まらないけれど。
    そうわらいつつ。
    窓を薄く開け、いくつか花弁を手折ったなら、
    硝子と、マグにひとひらずつ、香りを足すように。]
 
(191) 2020/05/19(Tue) 21:47:20

【人】 世界の中心 アーサー


[ 花弁を喰んだくちびるは、
  薔薇色を塗るには向かないようだ。
  ドレスも、 なにも。
  服だけでなく靴だって不自由だというから、
  拷問というのも強ち間違いではないのかも知れない。

   ──嗚呼、それこそ、 黄薔薇が良いか。

  白には紅が映えすぎる。]
 
(260) 2020/05/20(Wed) 11:21:29

【人】 世界の中心 アーサー


[ ぬるりとした陶器の白。
  冷め始めた水面は薄く張った膜が波打っていた。
  ──花弁は、乗っているだけに見える。
 
  口をつけると乳膜が付いてくるから、
  赤いばかりの舌が唇を這った。

  薄く、色味のないくちびるだ。
  これだって 滅多に彩られることないもの。]
 
(261) 2020/05/20(Wed) 11:22:22

【人】 世界の中心 アーサー



  ──ふふ。
  さすがの僕も“読み聞かせ”ははじめてだな。

 
(262) 2020/05/20(Wed) 11:22:47

【人】 世界の中心 アーサー


[ 手渡された薔薇の背表紙は、童話集であった。
  薔薇の話ばかりを詰めたものだと言うので、
  古書を持ち込んだ行商より買い求めたもの。
  実は、完全に“積み本”だ。

  ──話は、そう難しくないが、
    古書ならではの読みにくさがある。

  数頁をめくった後、ひとつで手を止めた。]
 
(263) 2020/05/20(Wed) 11:23:09

【人】 世界の中心 アーサー



       ──世界一うつくしい薔薇の話。

 
(264) 2020/05/20(Wed) 11:23:33

【教】 世界の中心 アーサー



   むかしむかし、とってもえらい男がおりました。
   男は世界一うつくしいと言われる薔薇園と、
   世界一うつくしい妻と、 
   世界一うつくしい娘を持っていました。
   彼はとても幸せでした。
   世界一うつくしい日々を送っていたのです。


    ────……

 
(/11) 2020/05/20(Wed) 11:23:59

【人】 世界の中心 アーサー


[ 男は、低い声をしている。
  こどもに聞かせるよな、優しい声ではなかったろう。
  遠回しに読めと言い出した彼女にむけての、
  届けるよな語りでもなく──
          まるで 己を語るかのような、]
 
(265) 2020/05/20(Wed) 11:24:31

【教】 世界の中心 アーサー



   ある日、彼の妻が重い病気にかかってしまいました。
   お医者様を3人呼びましたが、3人とも、
   彼の妻を助けることはできませんでした。
   彼は悲嘆に暮れました。
   毎日、薔薇園の真ん中で泣いてばかりです。

   流れる涙はやがてちぃさな池になりました。
   ちぃさな池には蝶々が集まって、
   彼の悲しみを聞いておりました。

   「ひとつだけ、おくさまを助ける方法があります。」

   そう話しかけたのは、
   ぼろぼろの羽をした、
   今にも堕ちてしまいそうな蝶々でした。


    ────……
   
 
(/12) 2020/05/20(Wed) 11:25:22

【人】 世界の中心 アーサー


[ 挿絵を向ける。
  うつくしい庭園に、蝶々の絵。
  今、満月に照らされたこの中庭に、
  何処となく 似ている。]

 
  この話が一番好きなんだよ。
  ──結末は童話らしい教訓なのだけどね。
  “金で買えない大事なもの”っていう…

  僕には今のところ、この話でしか身近でないけれど。

 
(266) 2020/05/20(Wed) 11:26:09

【人】 世界の中心 アーサー


[ ──自分で読むかい?

     揶揄する響きは 無い。
     “読み聞かせ”に飽きただけの話だ。

         …おそらく。 **]
 
(267) 2020/05/20(Wed) 11:28:22

【独】 世界の中心 アーサー

/*
アンデルセン童話に世界一うつくしいばらっていうのがあるけど
ままではない

時間かかってしまった…すまない…
(-72) 2020/05/20(Wed) 11:30:25

【教】 世界の中心 アーサー



  ──才能があるんじゃないかい?

 
(/18) 2020/05/20(Wed) 21:56:31

【人】 世界の中心 アーサー



      [ そう、揶揄する響きなんて なくて。
        本をそのまま預けたのだって、
        そういうことだ。*]

 
(306) 2020/05/20(Wed) 21:57:41

【人】 世界の中心 アーサー




        *


[ そりゃあもう、不機嫌を貼り付けている。
  “捕まってしまった”というバツの悪さなんてない。
  だって此方は悪くないもの!]
 
(307) 2020/05/20(Wed) 21:58:37

【人】 世界の中心 アーサー


[ 割合、屋敷の中であれば、男は温厚で、
  怒ることだって、不機嫌を露わにすることだって
  ほとんどないのだ。 珍しいと言える。
  貼り付けた笑みも、今回ばかりは剥がれ落ちている。

  随分と“御行儀の良い”おひめさまだった。
  ──折角おとうさまが直々に招待したのに!
  まあ、要約すればそう言った文脈だった。
  知らん。 誠に遺憾である。
  そんな態度を欠片も隠しもしない主人に、
  物腰穏やかな執事も諦感を滲ませている。]
 
(308) 2020/05/20(Wed) 21:59:24

【人】 世界の中心 アーサー



  それで今日は何を?


  [ ──文句を言いにいらしたので?
    冷え切った問いかけは、どうやら油だったらしい。]
 
(309) 2020/05/20(Wed) 22:00:04

【人】 世界の中心 アーサー


[ 部屋に戻ってきた頃には、脚がふらつく思いであった。
  キィンとした耳鳴りが未だ抜けない。
  耳が遠いような気もしている。

  後ろ手にゆっくりと扉を閉め、
       すぅ…と 音のするほど息を吸い、 ]
 
(311) 2020/05/20(Wed) 22:01:15

【人】 世界の中心 アーサー



  これだから“きぞくさま”は!


[ …部屋に人がいるかも、全く確認せず、
  扉を閉じた瞬間に恨み言だけを吐いた!
  全てが忌々しいって顔だ。
  鼻につく香水の匂いも、天気がいいことさえも!

  曇った薔薇色が、 ようやっと私室を映した時、]
 
(313) 2020/05/20(Wed) 22:01:59

【人】 世界の中心 アーサー



    ──…おっと、 失礼。
        全くうつくしすぎるのも問題だよ。


[ 執務机の卓上ミラーを覗き込み、表情の微調整。
  すこぅし経てばいつも通り、
    ──それでも何処か疲れたよな、 薄い笑み。]
 
(316) 2020/05/20(Wed) 22:03:25

【人】 世界の中心 アーサー


[ 男にとって、この屋敷は自分好みに出来ている
  そりゃあ面倒くさい書類は有れど──
  いざやり始めれば仕事と割り切れる。

  使用人も、 家具も、 花も何もかも、
  すべて思い通りの箱庭。

  だからこそ、だろうか。
  イレギュラーな“好まないもの”にとても弱い。
  “匂い”を持ち込まれるなど、以ての外であった。
  薔薇と 紅茶、 時折ミルクがあれば良い。]
    
(365) 2020/05/21(Thu) 0:33:11

【人】 世界の中心 アーサー



 ( 通常、来客がないわけではないが、
   必ず先に連絡があるし、此方も準備をしている。
   ──礼儀知らずは嫌いだ。
 
   今日の日記には罵詈雑言が並べられるに違いない。)

 
(366) 2020/05/21(Thu) 0:34:12

【人】 世界の中心 アーサー


[ これでも、見知った顔を切欠に、
  怒りの優先度はだいぶ下がっちゃいたのだ。
  それよりはずっと、疲れていた。
  どうにも引きこもりなので、人と会うと体力を使う。
  おんな相手だと尚更だ。 

  真白の上に足を揃えたその姿は、
  どうやら“他人”とも、“おんな”とも
  呼ばないものであるらしいが──……]
 
(367) 2020/05/21(Thu) 0:34:51

【人】 世界の中心 アーサー



  昼寝か、悪くないね。
  ベッドに寝ちゃうと“寝過ぎる”し…

 
(368) 2020/05/21(Thu) 0:35:17

【人】 世界の中心 アーサー



              ──……顔?

 
(369) 2020/05/21(Thu) 0:35:43

【人】 世界の中心 アーサー


[ 見上げるよな、 伺う視線に、
  男は心底不思議そうに、ぽつんと 呟いた。
  卓上の鏡に映るのは、すこぅし白いくらいの、
  “いつも”の 美貌──と 思っている。

  自分の何が違うのか、よく分かっていない。
  もにもにと頬を揉み回す動きさえ見せていた。]
  
(370) 2020/05/21(Thu) 0:36:43

【人】 世界の中心 アーサー



  ( ──己のことは、好きだ。
     寧ろ、何よりも優先している。
     …その 割に“微差”を察し難い節はあるが 
     “何の”──  
“だれ”
の せいか、 )

 
 
(371) 2020/05/21(Thu) 0:37:24

【人】 世界の中心 アーサー



  …またブランデーが必要かな…


[ 特に否定はしなかった。
  疲れていることは確かだし、
  “においけし”が必要なのも、確かだ。

         差された先、ソファに沈みつつ、
         手近な窓を 薄く開けた。**]
 
(372) 2020/05/21(Thu) 0:38:16