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【人】 田中 天美[黒々とした夜の森の空に星が広がる。 二人で空を仰ぎつつ、促されるまま弁当の蓋を開けると薄っすらと湯気が立った。 どの具を入れたか分からないおむすびが幾らかと、包みきれずに具になりそびれたおかずたち。目を楽しませる賑やかさはないが、急遽思い立って作り始めたハイキングのお弁当と思えば上出来だ。 ぱくと齧りつくとまだ温かく、中からじゅわりと甘辛い醤油の味が染みてくる。味付けは深江のいつものやつの筈だが、もう一口齧って貝も混ぜて咀嚼すると、何ともいえず旨みが増した。醤油か米が違うのかもしれない。最近はスーパーの特売で買ってるからそこらの差は出てもおかしくはない] ええ案だったの。 [あるいは、と空を見上げ、森の音に耳を傾ける。 雰囲気ってのが一味加えたか。夜の山歩きってのもいいものだ] (44) 2023/03/08(Wed) 1:45:33 |
【人】 田中 天美[弁当を空にすると天辺を目指すことになった。どうせここまで来たんだからついでとばかりの道行き、思いの外かかったのは予想外。 夜の青黒い裾が端から白み始めるのを笑って眺め] このままぼんやりしとったら、 お日さんまで天辺来てしまうなあ。 [そうして二人で道を降り、白んだ裾がちりちり色づく夜明けも迎え、コテージに辿り着けばすっかり朝の日差しが注いできた。 予想より長くかかってしまったが、絶対にやらないといけない予定もないのだから何も気にすることはない。風呂は起きてから、リュックの中身も明日整理すりゃいいと放ったらかして、早々に寝床に潜り込む] (45) 2023/03/08(Wed) 1:45:55 |
【人】 田中 天美まったく、仕方ないの〜。 [くわあ、と細長い口を大きく開けて鋭い犬歯を見せつけながら大あくび。でかいのは正義だと言うから、普段はやらない程度の大きさになってやった。 備え付けのマットを二人分広げ、その上をぐるぐると回ってからびびっときた位置でどしんと尻を落ち着ける。いや微妙に違うな。前肢でマットをいい感じになるまでぐにぐに踏みつけ、満足したところで改めてマットに寝転がった。 場所を定めたのを見計らって深江も潜り込んでくる] (46) 2023/03/08(Wed) 1:46:13 |
【鳴】 田中 天美[そうやって身を寄せた時、深江が促すように顔を近づけた。そういやそうだ、と鼻先でつつくように唇に触れると、自然に口が開く。長くざらついた舌が深江の口内に入り込み、気を唾液や舌や息ごと絡め取るようにして喰らっていった。 効率で語るなら血肉を喰らうのが最も早く保ちがいい。時間を気にしないなら何時間もかけて体を寄せてじっくり気を奪えば良い。だがこれはそのどちらにもあたらない方法だ。 深江に痛みの負担もなく、傍でちまちま奪うよりも早い。合理的な手段である――多分、最初はそういう感じだったはず。 “人”に慣れた今となっては、これがどういう意図のものか理解しているし、食事と異なる意味で交わすこともあるが……まあ、今は飯だ、今は。 明日もあるからと奪いすぎないように、あくまで一食の範囲で気を吸って] ごっそさん。 [二人分の口元をべろりと舐め、ふすと鼻を慣らして深江の首筋に顔を擦り付ける。片足を引っ掛けてこちらに倒れ込ませ、丸まる体の中にしまいこんだ。 先の白い尾で包み込みながら、ごろりと転がる顔を覗く] (=0) 2023/03/08(Wed) 1:47:12 |
【人】 田中 天美そんじゃあ寝るかあ……ふああ。 おやすみ、…… [腹がくちくなった満足感が眠気をあっという間に連れてくる。近くのぬくい体温を腹のあたりに抱えながら、すぐにぷすうと鼻を鳴らし始めた]* (47) 2023/03/08(Wed) 1:47:36 |
【人】 田中 天美[狐の姿で風を切る。山を駆ける。四足で大地を跳ねる。後ろで二足が遅れて着いてくるのを先で待ち、辿り着いた途端にまた弾む。きゅるきゅる笑って追いかけっこして、何度目かで服ごとがぶりと噛みつき、ひょいと背に乗せる。そうして山の高い高い所目掛けて走る背から名を呼ばれ――] んあ。 [ふっと目が覚めた。マットの上で伸びて寝ていた体を捩り、頭を上げて周りを見ると、腹の辺りでもぞもぞと動いているやつがいた] ふぁあ〜…… もう起きとったんかあ? [顔を覗くと寝起きにしてはしっかりしている。もしかすると起きて結構経ってたのかもしれない。 振り返って窓を見ればもうすっかり陽気に明るく、この様子だととっくにお日様も天頂を過ぎているだろう。仕方ない、起きるとするか。 体を起こせと促しながら狐から人に化け、改めてぐいっと背を伸ばす] (48) 2023/03/08(Wed) 1:47:53 |
【鳴】 田中 天美ん? ……血出とるんか。どこぞ引っ掛けたか? [鼻を鳴らしたのは薄い鉄の匂いを感じてのこと。少々低くなった鼻をすんと鳴らして元を辿ると、親指の腹が僅かに裂けている。傷は浅いが、元からそうなのか、治りつつあるからかは一目見ただけでは判別がつかない。 これが自分の寝相と関係があるとは露知らず、不思議そうにしながらも傷跡を舐めた。文字通り舐めれば治る傷だ。朝ごはんのつまみぐい程度のもので、心配には値しない。 そして近づきがてら、唇も舐める。ふ、と口を緩ませて触れ合わせただけの他愛ない挨拶だ] (=1) 2023/03/08(Wed) 1:49:48 |
【人】 田中 天美[二人でロフトを降りると、まずはざっと水を浴びてから、遅くなった昼食を用意する。デッキに出ればすぐなのだからバーベキューをしたってよかったが、手短に済ませたのはこの後の予定に時間を取りたかったからだ] 準備はこんなもんかの。 場所も思ったよか近そうでよかったな。 [ロッドに仕掛、ボックスや網等で昨夜のハイキングより荷は嵩張る。だが幸い、川も湖もこのコテージからそう離れた場所ではない。 夜に山から降りながら、バーベキューするなら魚釣った後に一緒に焼くかと話していた。坊主にでもならなきゃ、そう遅くない頃に帰れるだろう]* (49) 2023/03/08(Wed) 1:49:58 |
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