人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【人】 暗雲の陰に ニーノ


──天気予報は当たった。

晴天の元、数日ぶりに見た陽光は眩しい。
一応迎えが来るらしい、とは看守からの言伝。
家に戻った後のことを考えると些か気が重いような、そうでもないような。
とりあえずは待つしかないかと行き交う人々を眺めていた、時間。

見慣れた長身は視界の端に掠めればすぐに分かるもので、「ぁ」と声を発した。
自然足がそちらへと寄っていく、聞きたいことがあるんだ。
貴方の罪状は知っていて、それが到底許されないものだと理解していて、尚。
怒り、よりも悲しかった。されど罪を裁くのは己ではないから。

──夕暮れの公園、二人並んで食べたパン。
──声を上げて笑った表情、全てが落ち着いたらの先の話。

だから、手の届かぬ遠くに行ってしまう前に。
ヴィトーさん、いつもみたいに名を呼んで、その先を、


──パン。


距離は開いていた。まだ数メートル先。
それでも見えた。胸から。落ちる。血が。
……なんで?


背後に居るのは誰。目深に被ったキャップ。
でも見間違えるはずがない。横顔は。
……なんで?


#BlackAndWhiteMovie
(29) 2023/09/26(Tue) 23:26:22

【人】 暗雲の陰に ニーノ



「………………なん、で」


止まる足。
立ち尽くす間に二つの人影は遠ざかっていく。

パレードが横切っていく。
全ては足音の元に掻き消されてなかったことみたいに。

心臓がうるさい。
熱は下がったはずなのに頭がぐらついた。


なんで。



──それしか言わないな、って、誰かが言った声が蘇る。
でも、なあ、だって。

それしか言えないだろ、こんなの。


#BlackAndWhiteMovie
(30) 2023/09/26(Tue) 23:27:20

【秘】 リヴィオ → 暗雲の陰に ニーノ

伸ばすまでで、触れる勇気のなかった左手は、
君の手が迎えてくれたからその熱を感じて。
そして君にもまた、男の異様に熱い温度が伝わる。

ふっと緩まる表情はきっと、君だけが見れたもの。
その熱に安堵したのだ、君という陽だまりのぬくもりに。

だから、男の心はここでまた少し
晴れた
のだろう。
雨と曇り空ばかりで陰り続けていた心は、
あと少しをもっと、確かに、頑張れそうだ。

だから俺はきっと、
大丈夫
だ。

まだ握り返し、その指先を撫でるには怖くて堪らないが、
君がくれるぬくもりから決して、逃げることはなかった。

「…うん、とても素敵な提案だね。
 是非、その散歩にご一緒させてくれ」

同じ向きに小首を傾け、更に表情を緩めて笑う。
未来を語る事もまた、逃げ出したくなる心はあるが、
それでも君を見る翠眼は揺れることなく、真っ直ぐに。

「……あぁ、待っていてくれ。
 俺に出来ることは、彼と少し異なるが………」

「──俺に出来ることを、頑張ってくるよ」
(-21) 2023/09/27(Wed) 17:19:08

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → リヴィオ

異様に熱い熱は己にも覚えがあるそれだった。
言いたいことが他にも増えそうになったけれど。
だとして成し遂げたい何かが其処にあるのだろう。

緩む表情が安堵したのを見る。
貴方の心を少し、暖めることができただろうか。
ならば今は抱く心配は抑え、伝えるべきは別のもの。

「…………うれしい」

こわくなんてない、大丈夫。
幾度でもそう伝えるように、同じ言を重ねて笑う。
指先が離れなかったことも、提案を受け入れてくれたことも。
今、この瞳を真っ直ぐに見つめてくれることも。
その全てがうれしくて堪らないんだ、だから。

するりと肌を撫でた指先は直に離れることだろう。
頑張って、大丈夫、せんぱいなら。
ひとつひとつ浮き上がる気持ちを最後、選んだ一言に載せる。
見せた笑みはこの牢獄の中で浮かべた、何よりも一番のもの。


「──いってらっしゃい、リヴィオせんぱい!」


たったひとつに込める願い。
どうか、どうか。
天気予報が、当たりますように。
(-50) 2023/09/27(Wed) 23:12:03

【人】 暗雲の陰に ニーノ

>>37 ルチアーノ

呼ばれる声で白昼夢から醒めるように。
ハッと貴方へ向けられた顔は憔悴しきったように酷く青褪めていた。

「ルチアーノ、さん」


それでも目の前の人が誰かは分かる、理解できる。
鉄格子越しではない再会に伝えたいことは他にもあったはずだ。
けれどどうしたって今、震えた唇が紡ぐのは。

「…………ねえさんが、ヴィトーさんを、撃った」


先の現実をなぞらえる言葉だった。
そうしてはっきりと形にしてようやく喉奥まで飲み込めた気がして、くしゃりと顔が歪む。
泣きたくはなかったのに涙が溢れてしまいそうで。

「……撃った、んだ」


なんではもう声にしなかった。
理由なんてわかっているから。
でも、わかっても、……わかっただけ、だった。

「…………ふたりとも、だいすきなのに…………」


#BlackAndWhiteMovie
(49) 2023/09/27(Wed) 23:14:33

【人】 暗雲の陰に ニーノ

>>52 ルチアーノ

なぜ貴方が謝るのか分からなかった。
以前のようにその理由を問い質す余裕はなかったけれど。
それでも語り掛けてくれる言葉を拾い上げていれば頭の芯が徐々に冷えていく。

誰に、何を。
言葉にせず胸で繰り返した直後、最後の一言にははっと目を瞠り。

「…………ううん」


幾らか落ち着きを取り戻した表情で、首を横に振った。
目を塞がないと決めた、己を責めて泣くこともまた。
此処はもう何もできない牢の内ではないだろう。

……誰に、何を。

もう一度、繰り返したところで解は不明瞭だ。
だが、そうなってしまう理由だけは明らかだったから。

[1/2]

#BlackAndWhiteMovie
(53) 2023/09/28(Thu) 18:09:30

【人】 暗雲の陰に ニーノ

>>52 ルチアーノ

「ごめんなさい、情けないところ見せて……」

「……あはは、ルチアーノさんさ。
 面倒見いいね、ほんとに。
 あの、手助け……というか、また、甘えていい?」
 
「いま、ひとつだけ」

少し遠くで見慣れたひとが自分を探す姿が見えた。
家からの迎えで、ならどうしても帰らなくてはいけなかった。
その先でないと、どれほど貴方の手を借りたところで解は得られないと分かっている。

だから今は、ただ貴方を見上げて乞う。
強く在りたいと願う。
されど気を抜けば目を塞いでしまいそうになる。
その弱さを見抜いてくれた、貴方にだからこそ。

「───"大丈夫だ"、って言って」

「……今のオレ、全然そんな風に見えなくても。
 それだけ、……言ってほしいんだ」

「おまじない、欲しくて」
「……だめかなあ」


[2/2]

#BlackAndWhiteMovie
(54) 2023/09/28(Thu) 18:11:27

【秘】 暗雲の陰に ニーノ → リヴィオ

──それは天気予報が当たった数日後の夜半。

その足は在るべきとされた場所から遠ざかり、人気のない路地を辿っていただろうか。
何時ぞやと違い空を覆う厚い雲はなく、星は瞬き月もまた同様に光を注ぐ。
それでも届く光がまばらな路地は暗く、黒く。
だからその色に溶け込み壁際でしゃがみ込む人影にもすぐ気づかないかもしれない。

だとして、「みゃぁ」、不意に猫の鳴き声がして。
「なぁに」、落ちた声は貴方にも聞き慣れたもの。

深く被った黒いフードの奥、翠眼は貴方の姿を捉えた。
驚いたように瞬きを繰り返したのもきっと見えなかっただろうが。
男は立ち上がり、手を伸ばした。

「──リヴィオせんぱい」

つんつん。
つついた腕は三角巾をしていない側だ。
貴方が視線を向けるのなら、パーカーのフード下には見慣れた後輩の顔があるだろうし。

「……そのカッコで散歩にしては、遅くない?」

ついでに割とすぐ下に白い子猫の姿もあった。
服の中に入れられて顔だけ出てる。
(-136) 2023/09/28(Thu) 23:27:46

【秘】 リヴィオ → 暗雲の陰に ニーノ



その日の夜、
男は友人の静止も聞かずいつもの徘徊を行っていた。

だって家にひとり、退屈は紛れない。
それなら晴れた外を歩く方が余程男の頭も冴えるというもの。
余計なことばかり考えてしまう時間は何より苦痛だ。

昼の活気を失い、落ち着いた夜の街を歩きながら、
ふと、足は人気のない路地へと迷い込むように曲がる。

暫く歩けば、猫の鳴き声。
ふ、と……海にも似た翠がそちらへと向かう。
向いたのは、猫の鳴き声がするからではない、けど。

「………おや、ニーノ。こんばんは」

右腕をつつかれながら笑みを浮かべて、
君と猫を交互に見やる。

「…いや、何。俺を呼ぶ可愛いの声がしてね。
 呼ばれてしまったならどんな格好でも出歩くしかない」

「……というのは勿論嘘で、こんな格好だからこそだよ。
 目立つだろう?両手が自由じゃないってのはさ」

だからといって出歩かない選択はないし、
医者に怒鳴られながらも入院は断固拒否した。
こういう所は強情だ、
な予感がするのだから仕方がない。
(-153) 2023/09/29(Fri) 1:54:33

【人】 暗雲の陰に ニーノ

>>61 ルチアーノ

その距離は普段なら恐れを抱くものであったのに。
声を望んだ今はどんなものより安堵を渡してくれた。
たったそれだけでよかった、一人で呟くよりもずっと。

見つめる真っ直ぐな眼差しが差し出してくれるのは、勇気と信頼。
それがいつかの夜と重なって喉奥が詰まる心地がして。

「……うん」

貴方の手に指先を重ねて、返す。


「オレは、"大丈夫"」


そうしてようやく、揺らめいていた水面が静寂を得た。

おまじないが無くても立てる強さが在れば本当はよかった。
だけど今はそれは叶わないから、あなたの手を借りさせて。
それでもいつかの先には自分がだれかに、それを与えられる人になれるように。


[1/2]

#BlackAndWhiteMovie
(64) 2023/09/29(Fri) 9:28:31

【人】 暗雲の陰に ニーノ

>>61 >>64 ルチアーノ

続いた沈黙は二呼吸分。
直に貴方の指先を離した男は、一歩後退ってやっと笑えた。

「……へへ。
 ありがとう、ルチアーノさん」
「すっごく助かった、どうにかなっちゃいそうだったから。
 オレさ、ちゃんと答えを見つけて……言いたいことを伝えられるようになるから」

姿に気づいてこちらに駆け寄ってくるのは年嵩の女性だ。
"坊ちゃん"と呼ぶ声にひらりと左手を振って、最後に貴方へと向き直る。

「──おまじない、大事にする!」
「今度はもっと落ち着いたところで話そうね。
 ……ヴィトーさんのこと、よろしくおねがいします」

もう一度だけ『ありがとう』を繰り返せば、じゃあとそのまま女性の元へと歩いて行く。
親し気に彼女へと声を掛けた男の姿は道脇に止められていた車の助手席の中へと消えて、車体もまた遠ざかっていくことだろう。

すれば今度こそ残るのは人々の賑やかな声と、時折宙を舞う鮮やかなリボンと花だけ。
其処に在った凶行など誰も知らないまま、晴天の元を白い鳩が一羽横切って行った。

[2/2]

#BlackAndWhiteMovie
(65) 2023/09/29(Fri) 9:30:31

【人】 暗雲の陰に ニーノ


「──坊ちゃん。
 ……旦那さまが夜、お帰りの後に話があると」

窓の外で流れ行く景色を見ている。
先程の光景は未だ瞼の裏に張り付いて離れはしなかったけれど。
心は、彼のお陰で幾分か落ち着きを取り戻している。

「……うん」

大丈夫……大丈夫だ。

沈黙が長く続いた車内で瞼を伏せ続ける。
口をようやく開いたのは信号待ちの時間。

ひとつを尋ねた、『かあさまはもう長くないの』。

声はない、それでも髪を優しく撫でる指先を感じた。
薄々勘付いていた現実の答えだ。
ならばこれは相応な時で、これ以上にない機なのだろう。

不思議と悲しさはなかった。
それよりも安堵が勝る。
その事実こそが何よりも苦しかった。

#SottoIlSole
(66) 2023/09/29(Fri) 9:50:47

【独】 暗雲の陰に ニーノ


一歩踏み出せずに、扉の向こうから覗き見た最初を覚えている。

初めてオレが見たそのひとはベッドの上で泣き続けていた。
傷だらけの腕が示すのは彼女がどれほどに自分を傷つけていたのか。
新たに血を滲ませようとする指先を握る彼の顔も痛みに満ちていて。


『ねえ、どこなの』


耳を打つ濡れた声は、頼る先を見失った幼子のそれによく似ていた。

#SottoIlSole
(-179) 2023/09/29(Fri) 9:52:17

【人】 暗雲の陰に ニーノ


「夜までは身体を休めてくださいね。
 食事も食べられそうになったら、いつでも」

変わらず優しい家政婦に声を掛けて、自室へと足を踏み入れる。
まず目に入ったのは扉近くの数箱の段ボール。
何が入っているのか一瞬思い出せなくて……でも、すぐに思い出した。
置きっぱなしだったからもうダメになってしまっているかもしれない、たくさんの果物。

……ああ、そうだったな、そういえば。

怒りも憎しみもやはり湧かなかった。
あるとするなら上手く騙してくれたことへの感心と。
最後、取り繕えなかった綻びへの好意だろうか。
やさしいひとだって、今でも思っているんだ。

……ぽすり。

誘われるように重たい身体を寝台に載せれば、毎夜目を通した本が其処に在った。
手に取り頁を捲れば幼い子供の字が書き綴られている。
うとうとと落ちていく瞼が最後読めたのは幾度も辿った一文。


おとなになったら、けいさつかんになる!!!


#SottoIlSole
(67) 2023/09/29(Fri) 9:53:24

【独】 暗雲の陰に ニーノ


学など無い子どもだったから、まず必死に文字を覚えた。
全ての遅れを取り戻すように寝る間も惜しんでペンを握った。

学校で話す友人はその場だけの付き合い。
遊びに誘われてもごめんねと答えて帰る。
そうまでしないと到底、
この頭では『夢』に追いつけそうになかったのだ。

あの頃を思えばなぜか、
社会に出てからの方が幾分も余裕のある生活で。

だからこそ、ずっと、ずっと。
道がぱたりと途切れたような感覚が、怖かったんだ。

#SottoIlSole
(-180) 2023/09/29(Fri) 9:54:12

【人】 暗雲の陰に ニーノ


──名を呼ばれて目を覚ます。

気付けば外はどっぷりと暮れて暗闇に満ちていた。
起こしてくれた家政婦の顔は晴れたものではなくて。
彼が帰ってきたことを知り、立ち上がる。

部屋を出て向かうのは居間。
普段通りの整ったスーツ姿で、その人はソファに腰掛けていた。
右手に巻かれた包帯に視線が寄せられたのは一瞬だけ。
後は、テーブルに載せた一枚の紙を見つめていて。

「……逮捕は誤認に近かったそうだが。
 お前がマフィアと関わりを持っていたのは、事実だな」


固い声、感情の読めない色。
目を細め、「はい」とひとつだけを返す。
これほどの騒ぎとなり彼が知らない筈がなく、だから予感は当たったのだ。

「なら、言いたいことは分かるだろう」


この人にとってどうしたって許容できないもの。
そのラインをオレは知らず飛び越えていた。

ならばこれは、当然の帰結だ。

#SottoIlSole
(68) 2023/09/29(Fri) 9:55:07

【人】 暗雲の陰に ニーノ



「ニーノ・サヴィアを
墓の下へと戻す



放られたのは黒い塊。
彼が見つめる紙の題名は死亡診断書。
記された名は見慣れた並びで。
死因は──『出血性ショック』。


「……選びなさい」



#SottoIlSole
(69) 2023/09/29(Fri) 9:56:45

【独】 暗雲の陰に ニーノ

一目見てオレを引き取りたいと伝えた男の人の後ろを歩いて行く。
遠ざかる養育院での思い出に後ろ髪を引かれながら、彼を見上げていた。

『これからはニーノと名乗ってくれ』

感情の良く見えない横顔だった。
何を考えているのか知りたいのに、わからない。

『……死んだ息子の名だ』

わからなくて、わからない間に、困惑した。

『彼女の前だけでいい』
『代わりをしてほしい』

……急にそんなこと言われてもな。
見たこともない誰かの代わりだなんて、気乗りはしない。
返事はできず、一度足を止めてしまう。
彼も足を止めて振り返る、やはりその眉はぴくりとも動かないまま。

それでもふと落とした視線の先に、強く握り込まれた拳が在った。

『…………これ以上は、もう』


震えたそれは表情よりもよっぽど、彼の感情を示しているようで。
オレはしばらく視線を注ぎ、もう一度歩き始めた。

#SottoIlSole
(-181) 2023/09/29(Fri) 9:57:43

【人】 暗雲の陰に ニーノ


……拾い上げる。

訓練で幾度か触ったそれは、最後まで人に放つことは無かった。
先輩に幾度か教わった撃ち方を思い出しながら左手に持つ。
利き手じゃないからブレそうだな。
ねえさんはどんな気持ちで、これを握っていたのだろう。

見つめて、見つめて、見つめて──その銃口を。
目の前の彼へと、向けた。

「────」


感情の良く見えない横顔だった。
何を考えているのか知りたいのに、わからない。
それでも彼が眉を動かすこともなく、静かに瞼を伏せた現実を見て。

「…………あはは」


……笑えてしまった。
ああもう、ずっとそうなんだ。

いつも、いつも。


#SottoIlSole
(70) 2023/09/29(Fri) 9:58:47

【人】 暗雲の陰に ニーノ



「……恨んでほしいなら」


「もっと、うまくやれよなぁ」




手は落ちる。
懐へとその重みを仕舞う。

『ねえ、かあさまに会わせてよ』
『それでおしまいにするから』
オレは笑って伝えられただろうか。
返る声はなく、彼は小さく頷いただけだった。

#SottoIlSole
(71) 2023/09/29(Fri) 9:59:32

【独】 暗雲の陰に ニーノ


『──ニーノ!』

花が咲いた、と。声を聞いて思ったのは初めてだった。
強く抱きしめてくれる腕は不思議とこわくはなくて。

『あぁ、おかえりなさい』
『心配してたの、ずぅっと待ってた……』

知らない誰かの名前で呼ばれて。
知らない誰かの帰りが喜ばれる。
困惑、動揺、ちがうのだと言いかけた刹那……けれど。

覗き込んだ表情は心底うれしそうに綻んでいた。
それがまるでようやく縋る場所を見つけた小さな己と重なった。
この世の掃き溜めの隅でも、絶え間ない愛情が降り注いだ理由。
だいすきな姉を置き去りに、陽光の元に己だけが拾われた理由。

それらの全てがもし、
この奇跡のような偶然に繋がるために在ったのなら。


『……ただいま』


声は自然零れ落ちる。
そのときから死んだ彼の生は引き延ばされ。
オレの人生はそこで止まっていた。

#SottoIlSole
(-182) 2023/09/29(Fri) 10:01:38

【人】 暗雲の陰に ニーノ

寝台の上で眠る、随分とやせ細ったその人の頬を撫でて囁いた、「かあさま」。
薄らと開いた瞳はオレとよく似た色をしていて、この姿を視界に入れた途端にほらまた、花が咲く。

「……ニーノ、ずっといなかったきがするの」

「そんなことない、かあさまが寝てただけ」

嘘を吐くことに胸は痛まず、騙すことに罪悪感も無い。

「ニーノ、手はどうしたの」

「転んで怪我をしただけ、大袈裟だよね」

願うのはどうか、彼女がまた迷い路に落ちてしまいませんように。

「そう……、…………ねえ、ニーノ」

「……うん」
「…………ニーノ」

「なぁに」

ただ名を呼ぶだけで体力を消耗し、また落ちかける瞼に微笑んでみせた。
この世はきっと、残酷でやさしい嘘に満ちている。
信じるには時に辛く、眼を塞ぎたくなる現実が其処にある。
だとしてこの身に手渡された祈りに偽りはなかったんだろう。

──オレが、この人の幸せを願うように。

閉じ切った瞳、冷えた額へと唇を寄せた。

#SottoIlSole
(72) 2023/09/29(Fri) 10:03:01

【人】 暗雲の陰に ニーノ



「……良い夢を」

愛してるTi amo.



──彼女の前で一番の本当を告げ、寝顔をしばらく眺めた後に部屋を出る。

自室へと戻って、着替えて、荷物を纏めて、居間を覗く。
彼の姿はもう其処には無くて、最後の挨拶なんて一言もないまま。
ならばと出て行こうとする背を呼び止めたのは家政婦で、差し出されたのは一枚のカード。
全部がへたくそな人だなと、やっぱり笑ってしまった。

軽くなった身体で夜の道を歩いた。
ひとり、星空を眺めていれば先のない孤独を見たような気がした。
だから『大丈夫』をまた形にする、それだけで不安が溶けていく。

向かう場所はどこにしようか。
……そうだな、今日はとりあえず。


#SottoIlSole
(73) 2023/09/29(Fri) 10:03:59

【人】 暗雲の陰に ニーノ



──みゃぁ、白い子猫が鳴いて擦り寄った。


「……んぁ〜なあに。
 新入りに挨拶しにきてくれた?
 そうだよお揃い、住所不定無職の名無し……ああいや、名前はあるな」

「今日はミルクはないぞ〜。
 朝になったら買いに行ってもいいけどさ」

深夜、誰も居ない公園の原っぱに寝転んでいたらすりとちいさなぬくもりに擦り寄られる。
頬を左手で撫でてやりながら、あたたかな存在に知らず目が細まった。

「これからどうしようかな。
 死人が歩いてちゃだめだよなあ、街は出ないと……」

それでもそうする前にやることはある。
解は見つかった、誰に、何を言いたいのかも。
けれどこの夜が明けるまではここで一人、空を見上げて居よう。
ようやくに訪れた彼の死を悼もう。

言葉を交わしたことのない、知らない誰か。
オレに今日までを与えてくれた、陽だまりの子ども。

#SottoIlSole
(74) 2023/09/29(Fri) 10:05:07

【人】 夜明の先へ ニーノ



「……おやすみ、ニーノ」


上手にらしくあれただろうか。
彼女が望むただ一つの太陽に。

陽は何れ落ちる。
夜は必ず訪れる。

されどまた、輝きは昇るだろうから。


その時は違い無く、己自身の光で誰かを照らせますように。


#SottoIlSole
(75) 2023/09/29(Fri) 10:06:07

【人】 夜明の先へ ニーノ

……ぼんやりと夜空を眺めて過ごした夜。
空が白んできた頃にようやく身体を起こした。
本当に仲間だと思ったのか懐かれてしまった子猫を、……悩んでとりあえず抱えて。

さて、しばらくはどうしようか。
『ニーノ』が死ぬとなればスマートフォンは置いてきてしまった。
手持ちにあるのは幾らかの現金と、少しの着替えと、それから入っている金額を聞いたときに耳を疑って笑ったキャッシュカードだけ。

他にはなんにもない、けれど小さなころよりはずっとましだ。
金があれば大体はなんとかなる、誰かも言ってた。
あまり顔を見られないようにとパーカーのフードを深く被り、ついでに黒いマスクもしておく。
不審者っぽいかな?合ってるからいいか……。


会いたい人にはこの足で。
場所がわからないなら連絡先だけメモをした紙はあるから。

「……行くか」

返事をしてくれるみたいに、子猫が腕の中でまた鳴いたのでひとり笑った。
(76) 2023/09/29(Fri) 10:50:22

【鳴】 夜明の先へ ニーノ


──早朝も早朝。

貴方のスマートフォンに着信が一件入る。
表示される名前は非通知、或いは『公衆電話Telefono pubblico』。

怪しいそれにあなたがもし出てくれるのなら。


『……あ、ろーにい?』

『…………ですか?あってる?』


聞き慣れた声が届くだろうか。
(=0) 2023/09/29(Fri) 10:51:08

【秘】 夜明の先へ ニーノ → リヴィオ

「昼に歩いたら目立つね、目立つよ。
 でもオレが言いたいのはそうじゃなくてぇ〜……」

鉄格子越しに面会をしたときより、貴方の口振りは普段通りだった。
それでもそんな姿でこんな時間に歩いていることを思えば、だ。

「……どう見たって重体なんだから。
 ちゃんと寝ていた方がいいってこと」

じっとするのを苦痛に思う何かがあるとは察せられた。
もう一度突いて唇を尖らせてみたが、ぱ、と話せば溜息ひとつ。
そうしてフードを取り去って笑う。

「会えたからうれしいけれどね。
 昼空の下だったらもっとうれしかったけれど」

「オレ、警察官やめたんです。そういうのって聞いてるのかな……。
 だからせんぱいにもどうやって会おうかって考えてたところ。
 まだ散歩は続けるつもりですか?」

ニーノ・サヴィアは死んだことになったから、実際に署で伝えられるのは訃報だが。
やめたのはやめたで事実だから、口調が砕けているのもそのせいだった。貴方も気にしないのだろうなと甘えて。
多分Uターンさせるべきなんだろうが、Uターンしたくなくてここにいるのだろうなと思う。
なら最後の問いは"話す時間がありますか"と同義だ、肯定が返るのなら場所を変えようと思って。
(-188) 2023/09/29(Fri) 12:49:47

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

『声でけえ〜』

電話口では貴方の大声に何やら笑っているらしい声。

『刑務所出たよ、ついでに家無し子になった』
『いや、今はそれいいんだ、あの、その』
『やっぱり困っちゃって……ええと……』

よくはなかったが、家が無いのは最初に戻っただけなので。
あまり深刻に捉えていなかった、今の一番の問題は別。
無期限、回数無制限、いつでも言っていい。
に、甘える最初がこれなのもどうかと思うが。

『ぁの〜、…………あのさぁ……』
『……よくないとは思うんだけど……』


よくないなあと思っているから声はちいさくなる。
犯罪だよなあ、わかってるんだけど。

『………………こ、』
『…………戸籍って……お金で、買えるかな……?』


身分を証明するものがないと、何をするにしても困る。
まだはっきりと貴方の素性を聞いたわけではないけれど。
想像がついている弟は、よくない頼り方をしているところだ。
(=2) 2023/09/29(Fri) 12:52:08

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

『ぶんせき、しゅうせき、ようしえんぐみ……』


呟きを復唱する声は正直あんまりよくわかっていないのが伝わるだろうか。
養子縁組ぐらいはぎりぎりわかる、他はわからない。
わからないから感心していた、あ、やっぱり詳しいんだな、と。
で、『Yes』の答えが返れば表情が明るくなる。貴方には見えないものだけれど。

『ほんと!?』

『よかったあ、スマホ無くてさ〜。
 新しく契約したかったんだけどそういえばなんもねえ〜と思って……』

『……あはは、ごめん。
 困ったの頼り方の一番最初、こんなで。
 お金はあるんだ、好きに使って』

もっと兄弟らしい可愛げのあるものだったらよかったのだが。
それでも手放しに頼りたいと思える家族がいることは幸福だと心から思う。
相変わらず包帯で固定された右手で、なんとなしに電話機を撫ぜた。

『今家?二度寝する?
 顔見たいな、ろーにいが良い時間に家行きたい』
(=4) 2023/09/29(Fri) 20:48:15

【秘】 リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



言いたいことはそうじゃない。
それはそうだろうねと口にせずに笑うのは、
恐らく確信犯故のこと。

「…眠っていたが目が覚めてしまってね。
 気晴らしの散歩ってやつだ、
 ずっと家にいると頭にキノコが生えてしまうよ」

嘘。君は察しているのだろうから、
敢えて今、嘘をついてまた笑う。
隠したい訳じゃないというのはその笑顔が物語っていた。

そうして、警察を辞めたと聞けば知っているよと頷いて。
実は俺も、有給届とともに叩きつけてきたよなんて、
自分の話はさらっと終わらせてしまう。

「俺も丁度、君に会いたいと考えていたところだった。
 これって運命ってやつかな?…なんてね」

「そして勿論、散歩はまだ続けるつもりだ。
 眠るにはまだ、早すぎる時間だからね」

君の無事は友人から聞いていたんだ。
だから、訃報を聞いたところで動揺ひとつもない。
理由を察することは難しいが、
どこかで元気にしているはずだと、その無事を祈っていた。
(-224) 2023/09/29(Fri) 21:04:05

【秘】 夜明の先へ ニーノ → リヴィオ

>>-224

「大丈夫だよ、キノコが生えてもせんぱいはかっこいい」

敢えてのそれであるとは理解できているから、こちらが返すのも軽口……ではなく普通に本心だった。
今でもやっぱり貴方のことをかっこいいと思っている、本当のこと。
さらっと伝えられた言葉には瞬きを一回、二回。
とはいえその簡潔さもまた敢えて選ばれたのだとしたら、「そっかぁ」と笑った。

「……じゃあ、運命ってことにしよっか」

「運命なので残りの散歩の時間をオレにちょうだい。
 せんぱいと話したいです」

あそこ行こう、あそこ、と貴方を連れて行こうとするのは二人で食事をした夜のベンチ。
今の状態で立ち話はさせたくなかった、場所もそう離れていなかったので丁度いい。

そうして歩調は貴方に合わせて、人の少ない夜道を二人で歩いて行く。
直にそこへと辿り着けば先に貴方を座らせたことだろう。
で、ちゃんと座ってくれたのを確認したらこちらも隣に腰掛ける。子猫をパーカーから出すとよいしょと膝の上に載せて、好きなようにさせながら。

「……せんぱい、なんで警察やめたんですか?」
(-233) 2023/09/29(Fri) 21:53:56

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

『ありがと、すっげ〜助かる!
 心配はどうだろ、連絡取りたいの職場のせんぱいとちょっと身内ぐらいだからな』

だからそう貴方が不憫に感じる必要はなく、というのは此方が知っていることでもないのだが。
早めに手に入れたい理由は生存報告がしたいそれだけだった。
『高くてもい〜よ』と値段については伝えたものの、安いままでも素直に甘えることだろう。
さっぱり入手経路なんてわからない自分にとっては大層なものだから、何らかの形で恩は返すつもりだが。

『今行く!』

『足ならあるよ、オレの足が。
 近場かな、わかんないけど。
 場所は覚えてる、のんびり歩いてたらそれぐらいにならないかな』

回答全てがふわふわしているが、道は覚えているのでとりあえず辿り着けそうなことだけ確かだ。

『だからだいじょうぶ、ゆっくり身支度しててよ。
 あ、猫アレルギーじゃない?
 仲間がいてさ、離れてくんないの』

伝え、切ろうとして、その前に思い出したように最後の確認がひとつ。
猫を家にあげてもいいかなの意。
(=6) 2023/09/29(Fri) 22:19:20

【秘】 夜明の先へ ニーノ → 路地の花 フィオレ


──貴方が初めて人を撃ってから数日後の夜。

其方のスマートフォンに着信がひとつ。
非通知、或いは『公衆電話Telefono pubblico』と表記されたそれに出てくれるのなら、聞き慣れた弟の声がしたことだろう。
用件としては短い、『今夜どこかで会えないかな』。

承諾してくれたのなら貴方が指定してくれた場所へ。
場所の指定が無ければ昔二人で遊んだことのある公園へ。

昼と比べれば人気のない場で、弟は貴方が来るのを待っている。
黒いパーカーのフードを被り、ぼんやりと月を見上げていた。
(-235) 2023/09/29(Fri) 22:28:02

【秘】 リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



かっこいいと返されて僅かに言葉に詰まったのは確か。
それが照れなのか、動揺なのかは不明だが、ともかく。
確かに男は君にそんな様子を見せて、
手が自由であれば頬でもかいているんではないか?
と思えるような形で少しそわそわと体を揺らす。

咳払いという誤魔化しをひとつ。
格好悪いなとは思うのだが、これが俺だった。
自分が言う分には何ら、そんな感情を抱くことがないのに。

「…あぁ、俺も。君の時間をもう少し欲しいと考えていた」

行こうかと、緩やかな足取りで君を追いかける。
追いかける、とは言ってもだ。きっと君は隣を歩く。
同じ速度で、人の少ない夜道を歩いていくのだ。
辿り着けば促されるままに先に座って、
次に君が座るのを見届けてから口を開いた。

「…この怪我が治った後、復帰したいかどうかを考えた。
 だけど、どうしてもその気持ちは湧いてこなくてね」

「…警察だとか、マフィアだとか。隔たりにも疲れた。
 あとはそうだね、……少し、自分の道を歩こうと思って。
 何がしたいとか、何をしていきたいとか、
 そういうものがあってのことじゃあないんだが」

もう少し生きようと思えるうちは、
レールを外れて歩くのも悪くはないかなって考えたんだ。
(-256) 2023/09/30(Sat) 2:18:28

【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ

公衆電話からの着信に、怪訝そうな顔。
怪しい相手ならすぐに切ればいい、と通話ボタンを押して。声を聞けばすぐに、愛しい弟のものだと分かったものだから。

あなたから会えないかと打診があったのならそれを拒むことは絶対にない。
公衆電話からかかってきたのだから、もし何かあったら連絡をこちらから取れないだろうしと。
場所の指定を結局委ねて。

夜、月を見上げるあなたの元に駆け寄る足音が一つ。

「───フレッド!」

名前を呼んで、駆け寄ってくる。
まだ顔も見えていないあなたを、そうであると確証があるかのように。
(-264) 2023/09/30(Sat) 3:41:26

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

>>=7

気遣いを感じる言葉には『ありがと〜』と嬉しそうな声、もちろん企みにも気が付かないままだ。
そうして猫については……

『え?飼ったの?やだーってしてたのに。
 あはは、そっか、でもならよかった。
 遊び相手になるかも、なー』

足元で丸まってる白い毛玉に話しかけてから、それなら問題ないかと一安心。
じゃあこいつも連れてくなとそれだけを伝えて、電話を切ることだろう。

まだ人々の活気は遠い街中を伝えた通りにのんびりと歩いていく。
ようやく会えるなあ、とか。どういう心変わりがあったんだろうなあ、とか。
考えながら歩みを進めていれば、目的地までは案外すぐだった。

いつぞやもお泊まりをした貴方の家の扉前。
左の指先を伸ばしチャイムを鳴らす、ピンポーン。

「ろーーにいーーー」

ついでに子供みたいに呼びかけながら。
(=8) 2023/09/30(Sat) 14:56:13

【秘】 夜明の先へ ニーノ → リヴィオ

以前だったらかっこいいを届けた後はそうだろうと言わんばかりに頷いていた貴方が、少しそわつく様を見ればなんだか微笑んでしまった。
咳払いも誤魔化しだと伝わってしまって、さらに笑みは深まっていたことだろうか。

ベンチ上では大人しく問いの返答に耳を傾けている。
最後までを聞き届けてから、目を細めて見上げる顔はやっぱり微笑んだまま。

「そっか、ならオレとお揃いだ」
「オレもさ、警官やめないといけなくなったんだけど……じゃあ戻りたいかって言われたらそうじゃなかった。
 何がしたいも、何がしていきたいもわからない、でも……」
「──
自分の道を、歩いてみたい


耳にしたばかりの言葉たちは、簡単に自分のものとしても形作ることができる。変な感じだ、だけどそれがうれしい。一人ではないようで。

「……ねえ、オレたちって本当に似ているのかも。引き取られた先に振り回された同士ってやつ、せんぱいもきっとそうでしょう?」
「がんばってきたんだよね、その中でオレにかっこいい姿もたくさん見せてくれてた。
 ……だから今もさあ、やっぱりせんぱいってすごいなって思うんだ。せんぱいがそうしてくれていたから、立つための勇気を貰えたオレがここにいる」

「ずっと感謝してる。
 ……改めて、ありがとうを伝えたかったんだ」

"大丈夫"を幾度繰り返したことだろう。手渡してもらえたおまじないは絶えず胸の内にある、きっとこの先も。
(-308) 2023/09/30(Sat) 14:57:21

【秘】 夜明の先へ ニーノ → 路地の花 フィオレ

名を呼ぶ声を聞けば弾かれたようにそちらへと顔を向けて。

「──ねえさん!」


珍しくこちらから両腕を伸ばし、駆け寄ってきてくれた貴方をぎゅうっと強く抱きしめることだろう。
伝えたいことがある、言いたいことがある。その為に呼んだくせに。
言葉はすぐに出てこなかった、ただ細い肩に顔を埋めて。

「…………フィオねえ……」


その存在を噛み締めるように、そのぬくもりを確かめるように、もう一度呼んだ。
抵抗がなければ少しの間そのままでいて、とはいえその内にはちゃんと顔を上げ貴方を解放することだろう。

「……あはは、話がしたくて呼んだのに、会えたの嬉しくて全部吹き飛びそうになっちゃった。ごめんね」

「ええと……あのさ。
 オレ、家を出たんだ。それでその内、街も出ようと思ってる。
 色々あって……なんていうか、ニーノは死んだことになって、それで今後はフレッドとして生きていこうと思うんだけど。
 死人が歩いてたらマズイからそのへんのね、調整、それから自分探し……?うん、とりあえずそんな感じで」

「だからねえさんともちゃんと落ち着いて会いたかった。
 ……急に、いろいろごめん」

ひとまずは随所奇妙なところがあっただろう理由の説明をして、とりあえずの貴方の様子を伺っては表情を覗き見る。
(-309) 2023/09/30(Sat) 14:57:56

【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ

「あら……珍しい、フレッドの方から来てくれるなんて」

あなたがぎゅうと強く抱き着くと、驚いたような顔をするけれど。
すぐに穏やかな笑みを浮かべて、少しだけ低い位置にあるその頭を撫でてやる。
フィオねえだよ、と優しい声で口にして。
あなたが熱を出してしばらく会えなかったあとに、久し振りに再開するとこんなふうに顔を埋めてくれたっけ。なんて懐かしく思いつつ。

「解放されたばっかりなんだもの、私だってこうしたかったわ」
「だから気にしないで、ね」

ちょっと座ろうか、とベンチを指して。
話が短くたって、まだ出所したばかりなのだ。体力が心配だ。

そうして落ち着いた状態で、あなたの話を聞くことになるのだろう。
うん、うん、と口を挟まずに相槌を打ちながら。だんだんと表情は曇っていく。

「そう」
「街を、出るんだ。……気軽には、会えなくなっちゃうのね」

寂しいな、と。飲み込めずにいた言葉は素直に口をついて。
しょうがないことだとは分かっているのだけれど。

「でも、フレッドが決めたことなんだもんね」
「お姉ちゃんなら、応援しないといけないよね」
(-320) 2023/09/30(Sat) 17:47:57

【秘】 リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



お揃い、果たして喜んでいいものか。
男は薄く微笑んだまま、君の話を聞き、頷いている。
やがて、緩慢に口を開いて。

「…君が、そうして笑って道を考えられるようになって
 多分俺は、凄く嬉しいんだと思う」

あの日もここで語り合いはしたけど、
あの日の君は迷路の中で、とても苦しそうで。
まるで、自分を見ているようだと思った。

「君なら大丈夫、そう思ったことも嘘じゃない」

「………本当に、俺達は似ているのかもしれないね。
 俺は尊敬や感謝を貰うような人間じゃない、けど。
 あの日の君の"希望"になっていたのなら、良かった」

振り回されたとは言わないし、あの日のように、
君の頭を撫でる手はない。代わりに少しだけ身を寄せて、
君の肩にトンッと少し触れようとする。

「きっと君はこれから大変だろうし、
 自分の道で歩む分、色々と考えることも増えるだろう。
 だから、大丈夫じゃないって少しでも心が揺れたら、
 いつでも──俺に甘えておいで」

どこまで頑張れるかは分からない。
だけどもう少し、頑張れる間は君を見守っているつもりだ。
(-329) 2023/09/30(Sat) 19:01:24

【秘】 夜明の先へ ニーノ → 路地の花 フィオレ

耳元で落ちる優し気な声は、昔から聞くそれとずっと変わりない。
この声がずっとあったからニーノを手放しても自分フレッドを思い出せる今がある。
その名を呼び続けてくれた感謝も込めて、抱きしめる腕の力は強かったのだろう。
同じ気持ちを抱いてくれていたと知れば安堵をしながら、指されたベンチに隣同士に座る。

「…………ううん」

「応援してくれたらさ、すっごくうれしいけれど。
 いやだなって怒ってくれてもいいんだよ。
 止めるのは難しい、んだけど……」

それでも感情に蓋をしていつか煮凝ってしまうのなら、今自分にぶちまけてくれたっていいとも思う。
自分だって寂しいから、隣に座る貴方の指先を左手で撫ぜた。

「……オレも弟だからって。
 ねえさんのすること全部に応援はきっとできないから」

そうしてぬくもりを感じながら開いた唇が伝えるのは。
あの日から貴方に話したかったこと、届けたかったもの。

[1/3]
(-353) 2023/09/30(Sat) 21:57:20

【秘】 夜明の先へ ニーノ → 路地の花 フィオレ

「ねえ、フィオねえはやっぱりさ……マフィア、なんだよね? 
 にいさんとおんなじ」

「あんまり何してるかって詳しくないけれど……誰かの命を奪うことも、あるんだよな。
 そういうのが必要なときがあったりとか。
 ……何かあったときに、そういう手段が取りやすかったり、とか」

脳裏に過るのは今でも思い出せる一瞬だ。
あの時酷く痛んだ胸がまだ疼く心地がする。
大事な人が、大事な人を撃ったこともそう。
……それから、もうひとつも。


「でも、オレはさ。
 そういうの、あんまりねえさんにしてほしくないって思う。
 人生の中で選択に悩んだときに……それが並ぶようになってほしくない」 

「オレは、そう思ってる。
 ……ねえさんが大事だから、思ってる」

綺麗ごとだけで生きていけないのは知っている。
憎しみや悲しみが簡単に片の付けられる感情ではないことも。
だからこれは貴方の行為を否定したいがために紡ぐのではない。
誰よりも大切に想う貴方の前だからこそ、これ以上を偽ることなどないように。

「だからねえさんのこと、応援できないこともあるんだ」
「…………でもね」

そうしてその先に、一番に伝えたいことを伝えられるように。

[2/3]
(-354) 2023/09/30(Sat) 21:58:15

【秘】 夜明の先へ ニーノ → 路地の花 フィオレ


「もしねえさんがこれから先、何をしたって。
 どんな罪を犯すことがあったって──」

ぎゅう、と。
今このひと時だけは、誰よりも近くに自分がいる。
その証明をするみたいに手を強く握った。

「──オレの "だいすき" は変わらないから」

「辛くて苦しいときは、傍に居たいし。
 涙だって拭ってあげたい。
 世界で誰よりも、ねえさんの一番の味方で居たい」

今までみたいには簡単に会えなくなる。
涙落ちるときに傍にはいられないかもしれない。
だけどもしまた、貴方の心が暗闇に落ちることがあるとき。
今のこの瞬間が微かでも光を届けられたらいいと、願って。

「そう思っている弟がいるってこと。
 離れてもずっと……忘れないでいてねって」

「伝えたかったんだ、今日」

そうして笑みを浮かべて、その顔を覗き込んだことだろうか。
受け取ってもらえるかなあ、そんな期待を込めた瞳を細めて。

[3/3]
(-356) 2023/09/30(Sat) 22:01:20

【秘】 夜明の先へ ニーノ → リヴィオ

「あはは。
 尊敬とか感謝は、勝手に手渡されちゃうんだよ。
 貰うべきじゃないって思っても……貰って?
 だってせんぱいがしてきたことの結果なんだ」

例えそれが貴方が本当に見せたい姿じゃなかったとして。
その中で救われた人間がいたことをどうか覚えていてほしかった。
肩に触れられるのを拒んだりしない、あの夜と同じ。
誰かに触れられるのはずっと怖かったけれど、今は目を瞑ることも震えることもない。
時計の針がようやく動いた気がした、だからこちらからも体重を少し返す。

「……うん、ありがとう。
 せんぱいの大丈夫のおまじないは、効くからなあ」

「でも大丈夫じゃなくなっても、すぐには来れないかも。
 オレ、この街を出ようと思っててさ。
 事情は〜……ややこしいんだけど、居ない方がよくって。
 顔を知ってる人に色々見られるのが困るっていうか……」

見回りだけは元気に行っていたものだから、警官としてのニーノを知る住人は多い。顔見知りも。
彼等にはニーノは死んだことにしないといけない、提出された死亡診断書が真実となるように。
だから。

「……だからね。
 今までみたいに毎日って会えなくても。
 忘れないでいてほしいし、……見守ってくれてたら嬉しいって、なんというか」
「こ、心で……?」


言葉通りの見守りというよりかは、心持ちというか、こう……言葉が少しふんわりした。
(-357) 2023/09/30(Sat) 22:20:19

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

そわりとこちらも扉が開くまでを待っていたところ、貴方の姿見えたのならわかりやすく瞳が輝いた。

「かっこいいろーにいだ〜」

眼鏡しててもかっこいいけれどね。
謎に付け足しながらありがとうとお邪魔しますを続けて口にし、中へと入っていく。
ちなみに子猫は腕の中ですやすやお昼寝中だった。

「え、今買って来てくれたの?」

気にしなくても良かったのに、を続けようとしたが。
何やらそわそわと貴方が嬉しそうなのが見えて……ああ、と納得する。
喜んでくれているんだなって気が付かないわけがない、だから言わなかった。

「……へへ、ありがと、うれしい。
 お腹減ってたんだ、そういえば全然何も食べてなかった」

言葉は感謝へと形を変えて、抱くのはいとおしいなという感情。
ちょうどおんなじ色の……なんなら子猫をおっきくしたかのような白猫が窓際に居たので、そっと並べて隣で寝かせてみる。よし。
好きなところの指定には「どこだったらろーにいの隣に座れる〜?」と尋ねたりして、貴方が嫌がらないのならそれを叶えられるようにしながら。

「にしてもさ、ほんとに戸籍どうにかできちゃうんだね」

などと口にする言外で求めているのは、貴方の口から語ってもらえる本当のことだ。ちら、と顔を見上げた。
(=10) 2023/09/30(Sat) 22:45:00

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

丁度よかったな〜に、うん〜と返して笑う声は陽気なものだ、訪れた平和を享受するみたいに。
飲み物についてはミルクがあればそれをねだり、横並びになれると分かればソファにぽすんと座る。
そうしてマリトッツォにはまだ指先を伸ばさず、返答を待って、待って。

「……そっか」

内容は予期していたものだから驚きはなく、答え合わせが済んだだけに違いない。
でも貴方の口から直接伝えてもらえたことに何よりもの意味がある。

「そりゃ〜中々言えないだろ、オレが同じ立場でもそうだよ。
 怖いの気にしてくれてありがとう、隠さず言ってくれたのも」

ふっと目を細めると其方へと少し身体を傾けた。
クッションとソファでは高低差があるだろうからバランスには気を付けつつ、とはいえ身長差を考えれば丁度いいぐらいなのかもしれない。
頬に当たるのはあの日とおんなじ、柔らかなひだまり色。

「……大丈夫、怖くなんかない。
 だから安心してね、変わらないから」

……で。
結局それだけじゃ足りなかったから、両腕を伸ばした。
貴方の頭を抱え込んで、それから左手でやさしく髪を撫でる。
抱いているこの思いがちゃんと真っ直ぐ届くよう。

「きれいじゃなくても、ろーにいがだいすき」

違法頼んだのオレだしな、とも、笑声を傍で揺らしながら。
(=12) 2023/10/01(Sun) 0:24:59

【秘】 リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



勝手に手渡されるものを突き返すのは難しい。
結局、こういうところが"悪役"になれないひとつなんだろう。
でもそれに後悔はない。後悔は、しない。

だから、君からの言葉贈り物。ちゃんと受け取るよ。

触れる肩。拒まれなかったことに安堵の息を吐き
海の色は視線だけが空に向いて、
少し、何かを考えるようにその双眸を閉じた。

「俺も、」

「………俺も、この街を出ようと考えているんだ。
 友人に頼めば、いい物件を探してくれそうなんでね」

A.C.Aに所属していた、それだけが理由じゃあない。
今の家は与えられたもの決められた場所で、職も与えられたもの決められた道で。
名前も、何もかもが"リヴィオ・アリオスト"のためのもので。

それは、愛されていたからじゃない。
引き取った以上、そうするしかなかったのだろう。
だから俺が俺として、彼らが彼らとして生きていくために、
今このタイミングで選ぶことが必要だった。

「………まぁ、だから」
「忘れることはないし、見守っている……が、」

(-370) 2023/10/01(Sun) 0:37:59

【秘】 きみのとなり リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



瞳を開き、深く、息を吸ってから。
吐いて、少し躊躇って、………それでも。

「──
暫く
、俺と一緒に暮らすかい?」

声にする。言葉にする。

自分を受け止めて受け入れてくれた人達のためにも。
抱いた本音や想いを語って、生きていこうと考えている。

これは、その一歩──のうちのひとつ。

「勿論、既に決まっているなら断ってくれて構わない。
 行き場がまだないならって話でね」

「……どうやら俺は、君のことが心配みたいだからさ」

ひとりで歩くのって、きっと大変だから。
その一時の支えを担い見届けて、満足に死ねたらいいなと。
狡い考えを笑顔に隠し、君の隣を
少しの間
歩こうとする。

「情けない俺も見せてしまうだろうけど、
 それは、……出来れば、許してくれると嬉しいな」
(-371) 2023/10/01(Sun) 0:39:15

【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ

「……フレッドは自分探しをするんでしょ?
 だったら、やっぱり姉さんは止められないよ」
「寂しいけど、ずっと会えないわけじゃないのよね?」

指先に触れるあなたの体温に、ずっと触れていられたらななんて思うのだけど。
無理をしているわけではない。
今まで気軽に会えた分、会えない時間が増えるのは心配になるというだけで。

「………何で」

知ってるの、と。
あなたの口から出てくるとは思わなかった"マフィア"の言葉に目を見開いて。
驚愕したような様子で、あなたの顔を見ている。
知らないでいてほしかった、なんて言えるわけもなくて。
そのまま目を伏せてしまうのだけど。

うん、と相槌を打った。
自分だって、出来れば殺しはしたくない。
そう思っていたのだけれど。でも、どうしたってマフィアである以上は。
避けては通れない。もう、引き返せない。
胸がぎゅうと痛むのだ。

(-377) 2023/10/01(Sun) 8:57:33

【秘】 路地の花 フィオレ → 夜明の先へ ニーノ


「……フレッド」

けれど、あなたがくれたのは否定の言葉ではない。
手に伝わる温もりも、真っ直ぐな言葉も。
自分がいつもそうするみたいに、寄り添うようなそれで。

「そんなこと言われたら……甘えちゃうよ、姉さん」
「忘れない、忘れるわけない。姉さんも、フレッドのこと大好きだもの」
「嫌いにならないでくれて、ありがとう」

だいすきなあなたが、自分を大好きなままでいてくれるというなら。
これ以上のことはない。
その顔は、眉こそ下がってはいるものの 笑みを浮かべていて。

胸を張れるような立場じゃなくてごめんね。
そんな言葉は飲み込まれた。
あなたはそんな言葉を望んでいないとわかっているから。
(-378) 2023/10/01(Sun) 8:58:57

【秘】 夜明の先へ ニーノ → きみのとなり リヴィオ

どうやら貴方も同じように街を出るつもりらしい。
そんなところまでお揃いなんだなあって不思議な心地に微笑んでいたのだが。
躊躇いがちに何か言葉を続けようとしているの気付けば、なあにとでも言うみたいにその瞳を覗き込む。

なんでも言ってくれて構わない。
なんだって受け止めるつもりだ。
どんな言葉だって、隠さずにおしえて。

そう願い、続きを待っていた……ら。

「────……、……」

刹那、双眸がまあるく見開かれる。
何も言えず、貴方を見つめたまま、固まってしまって。

……思い出し、過る。
家を出たあの瞬間、どこまでも続く星空に。
途方のない孤独を感じたことを、寂しさを。
それでもおまじないを繰り返し、歩こうとしたことを。


提案が嫌だったわけじゃない。
むしろとてもうれしくて、堪らなくて、だからこそ。

──『大丈夫』がほどけてゆく。

あの夜みたいに一粒、また涙が落ちていった。

[1/2]
(-381) 2023/10/01(Sun) 11:25:18

【秘】 夜明の先へ ニーノ → きみのとなり リヴィオ


「…………く、らす」


夜空を覆う厚い雲はもうないのに、
ぽたぽたと零れ行くそれは通り雨のよう。

「……せんぱいと、暮らし、たい」


感情が形となり溢れてからようやくに気付く。
本当はずっと、ずっと、苦しくて哀しかったんだ。

「オレ、……オレ、ほんとは、」


おまじないが解けた先にあるのはちっぽけな自分。
誰かの人生をなぞるために置き去りにされた、小さなこども。
そのありのままを隠さずに貴方に見せながら。


「………………ひとり、さみしくて、やだ……」



縋る先をようやくに見つけた指先は、
貴方の服の裾を強く握っていた。

[2/2]
(-382) 2023/10/01(Sun) 11:27:01
ニーノは、あなたと同じものを見続けていたい。
(a38) 2023/10/01(Sun) 11:27:22

ニーノは、だから、「いっしょにいて」とねだった。
(a39) 2023/10/01(Sun) 11:27:27

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

貴方が見せたいものがあるのならそれだけを見続けているのも良かっただろうか。
だけれどだいすきだと思うからこそ、全部知っていたいとも思ってしまう。
何かあったときも足元を揺らがせることなく、同じ言葉を紡げるように。

弱弱しく名を呼ぶ声に戸惑っているなと感じながら。
それでも嫌がられているわけではないから、抱きしめたままだ。

「……うれし」

貴方を甘やかしたいし、こうすることで自分だって甘えている。
柔らかな髪を幾度も撫でてはここに在る愛情を伝えるように。

「他はぁ……ええっとさ、街出ようと思ってて。
 オレ、ニーノって子の代わりしてただけなんだけど、死んだことになったから。
 死人歩いてちゃだめでしょ、だからそう……出るんだけど……」

「……それまでの家がないです。
 野宿でもしようと思ったんだけど」

お金はたくさんあるとはいえ有限だ。
節約するべきところは節約しようかと考えていたが。
抱きしめていた腕を少し緩めて、そぅと貴方の瞳を見つめた。

「街出る準備できるまで……ろーにいの家に泊まっちゃダメ?」
(=14) 2023/10/01(Sun) 11:49:35

【秘】 夜明の先へ ニーノ → 路地の花 フィオレ

「……甘えてよ。
 恩返しさせて、ねえさんがいたから生きてこられた」

大袈裟に言っているわけでは決してない。
貴方が居ないと本当に、生きてはこられなかっただろう。
早々に命を落としていただろうし、今も自分を見失っていた筈だ。
そんな大切な家族に少しでも返せるものがあるのなら。
躊躇うことなく差し出したいと強く願う。

「…………へへ。
 ちゃんと伝えられてよかった。
 オレもありがとう、言葉、受け取ってくれて」

「ずっと会えないわけじゃないよ。
 たまには帰って来ようって思ってるし……
 どこに行くか決めたら、ちゃんと伝えるし!」

まだ決まっていないけれど決まったその時には。
真っ先に貴方に伝えて、手紙を送り合ったりしてもいい。
会いに行ける距離なら遊びに来てもらったり、とか。
今はまだ見えていない先のことを思いながらも。

[1/2]
(-385) 2023/10/01(Sun) 12:17:06

【秘】 夜明の先へ ニーノ → 路地の花 フィオレ

「此処を出る前にはまた挨拶しに行く。
 あ、だから今日住んでるところ教えてね」

何を偽ることもなくよかった。
これからも、貴方の前ではずっと本当のままでいられることを安堵して。
圧し掛かっていた重荷が軽くなった心と共に笑い、そっと手を引き立ち上がるだろうか。

「……夜遅くに来てくれてありがとう。
 ええっと、送るよ、……ボディガード?うん。
 もうちょっと話したいし」

こんな夜道を一人で帰らせるわけにはいかないからと言葉を添える。
にいさんにだって、色々と任されたしなと頭の隅。
近くでずっと支えるのは難しそうだが、自分なりにできることをこれからも貴方へと贈っていきたい。
そんな考えは今は一先ず胸の内に秘め、貴方が了承してくれるのなら仲良く手を繋いだままに歩き始めることだろうか。
輝く月と瞬く星だけが、寄り添う姉弟の暖かな絆を見守っていた。


──例え、立つ場所がこれから先も違うところにあったとして。
それでも男は家族を、あなたを、愛している。
不変などないのが世の常だとして、
そんなもの関係ないって笑い飛ばせるぐらい。
この感情だけはいつか最期を迎えるそのときまで変わったりしない。

いつの日か貴方という花が教えてくれた愛の強さを胸に抱き。
男はこの先も塞ぐことのない瞳に世界を映し──生きていく。


[2/2]
(-386) 2023/10/01(Sun) 12:18:51

【秘】 きみのとなり リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



見開かれた双眸から落ちていく一粒を、
空に浮かぶ星々よりも綺麗だと感じたのは
君が君だからこそなんだろう。

「…あぁ──…一緒に居よう」

そうっと、大事な宝物に手を伸ばすみたいに
右手を伸ばして、君を軽く引き寄せようとする。

もしも君が拒まずにいるならきっと
間の子猫はにゃあと鳴いて、まぁるい瞳をこちらに向ける。
だから男は、少しだけ許して欲しいなと子猫に微笑んで、
夜空の下、二人と一匹で熱を分け合うのだ。

「哀しい時は泣いていい。苦しい時は吐き出していい。
 俺に抱えられるものはきっとそう多くもないけど」

「俺の前では大丈夫じゃなくて隠さずに甘えていいんだよ」

ほら、シンデレラも時間になれば魔法は解けるだろう?
おまじない魔法はあくまでおまじない魔法で、
『永遠』に続く万能さを持つものじゃあない。

しゃんとして、着飾っているのも悪くはないけど、
ひとりの人間である俺達は、本当ありのままであっていいんだ。
 
(-388) 2023/10/01(Sun) 13:31:45

【秘】 夜明の先へ ニーノ → きみのとなり リヴィオ


「……えっ、ぅ……う…………」


貴方の言葉が魔法を解いてしまったから。
涙と嗚咽は堰を切ったように。
溢れてやまない、いろんな感情が。

 とうさま、本当は抱きしめて欲しかった。
 かあさま、本当はオレを見て欲しかった。
 叶うことなら最期まで、ずっと一緒にいたかった。


浮かび上がる多くの言葉は声にはならず。
ただ大きな背に手を回し、肩を震わせるだけ。

 不安だよ、不安でしかたないんだ。
 これからなにをしたらいいのかな。
 探しても本当に、オレはオレの道を見つけられるかな。


誰かに言いたくて、でも誰に言えばいいかもわからなかった。
心配をかけたくなくて、あなたたちを大切に想えば想うほど。
寝台上の笑顔に平気だと笑った、あの癖がずっと抜けなくて。

 ひとりになりたくない。
 だれかといっしょにいたい。
 でも何を返せるかな、オレなんにもないんだ。
 後悔しない? ねえ、せんぱい。


やっぱり自信なんて全然持てないんだ、自分に。
だけどもうどうにも、ぬくもりから離れられそうにはなかった。

[1/2]
(-392) 2023/10/01(Sun) 15:15:58

【秘】 夜明の先へ ニーノ → きみのとなり リヴィオ


────ずび。


「………………」

涙が落ち着いた頃、鼻を啜って。
あまりに泣きじゃくりすぎて頭がぼんやりしている。
落ちてくる涙になんだこれとなっていた子猫もまた瞼を落としていて。
その姿をぼんやりと眺めた後、ゆるゆると顔を上げた。

「……いっぱい……泣いちゃって、ごめんなさい……」


とりあえず謝罪と、あと。

「あの……誘ってもらえたの、ほんと、うれしくて。
 だから、えっと……一緒、ぜひさせてください」

改めてお願いしてから、あと。

「いろいろ決めることあるよね。
 でもとりあえず、せんぱいの身体落ち着いてからかな。
 ……あ、しばらくって言ってたけれど、どれくらい?」

先程溢れた感情に引っ張られてできなかった確認をいくつか。
泣いて縋って、いたくなかったかな。
今更のように思えばそっと貴方の腕を撫でたりもしていた。

[2/2]
(-393) 2023/10/01(Sun) 15:17:10

【秘】 きみのとなり リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



君に手を伸ばしてしまったのは、
自分』を見てしまったからなのだろう。
多くの感情を隠し、縋れなかった先を知っている。
だから、そうなって欲しくはなくて。

君には真っ当に、真っ直ぐに、生きて欲しいと願って。
身勝手な願いのまま、
暫く
なんて半端に手を取って。
でも、後悔なんて、微塵も湧いてこなくて。

引き寄せた背を撫でながら、
逸らすことなくありのままの君を翠眼に映し出す。

誰に何を言えばいいのか分からない。
迷惑心配をかけたくない。
平気だと笑っていれば、きっと『大丈夫』だ。

本当の願い言葉を飲み込んで、
本当の不安感情を隠し続けて、
それでも『大丈夫』だと──真実を箱の中に閉じ込めた。

そんな人間を、俺はよく、知っている。
そうしてそれが"普通"ではないことも、理解している。

無敵だから『大丈夫』なんて、そんなこと、在りはしないのだ。
だけど、『何にもなかった俺空っぽでしかなかった自分』は、そうするしか選べなかった。


(-405) 2023/10/01(Sun) 18:32:03

【秘】 きみのとなり リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



涙が落ち着いて、君が顔を上げた頃。
男は君に気にしなくていいというように微笑んでいた。
謝罪にだって、首を横に振る。

涙というものはそうなのだと、知っているから。
泣かないことが強さじゃない。
だから、涙を流せるのなら我慢せず泣いたっていい。

「…勿論、一緒に行こう」

「決めることは……うん、少し友人に確認してみるよ。
 落ち着いてからだと君の暮らす場所に困るだろうし、
 それに、俺も今の家から早く移動がしたくてね」

ひとつひとつ、君の確認へ答えを返していく。
最後については少し、悩むように撫でられる腕を眺めて。

「それで期間は………そうだな、」

「…君が、一人で歩いていけるように本当に『大丈夫』になるまでかな。
 暫くとは言ったけど、あんまり詳しくは考えてないんだ」

1年か、5年か、あるいは10年か。

どれほどでそうなれるのかが分からない男は、
のんびりとした口調で、そんな答えを返すのだった。
(-406) 2023/10/01(Sun) 18:33:03

【秘】 夜明の先へ ニーノ → きみのとなり リヴィオ


貴方が嫌がる顔は想像していなかったけれど。
変わらず微笑んでくれていることにはやっぱり安堵してしまった。
だから泣いたばかりの顔は無理に隠したりしないまま。
ひとつひとつ返る答えには頷いたり、相槌を打ったり。
思っているよりも早くその日は来るのかなとか考えたり。

していたところ、最後の期間については少しだけきょとんと瞬いた。
何かの想定があるからの暫く、だったのかと思ったけれど。
そういうわけじゃなかったらしい、なんだ、なるほど。
それからもう少し瞬きを繰り返した後、唐突に。

「……あはは、それじゃあ」

声を揺らし笑えば、腕を撫でる手を止めて。
貴方の瞳をじぃと見つめて、笑って。

[1/2]
(-414) 2023/10/01(Sun) 19:34:42

【秘】 夜明の先へ ニーノ → きみのとなり リヴィオ


「オレが大丈夫じゃないままなら、
 ずっと一緒にいてくれるんだ?」

「…………なんて」

なんて。
そんなのきっと困っちゃうだろうな、わかってる。
目を細めてからもう一度、貴方の肩へ額をとんと押し当てた。

「……じょ〜だん」「…………でも、ほんとかも」
「オレって甘えたらしいから、気を付けてね」


勿論貴方が大切な人と共に生きていきたいと、
望むような日が来るなら止めたりはしないのだけれど。
そんな言い方をされたら、そんな風に返したくなってしまった。
だってオレ今、一人で歩ける未来なんてうまく想像できないから。

みゃあ、と目を覚ました子猫が鳴く。
ちょっとずるい顔しているのバレたかな、内緒だよ。
そう伝えるみたいにちいさな額を指先で撫ぜて。

「じゃあ、今日はとりあえず帰ろっか。
 落ち着いてからじゃないっていっても、ちょっとでも早く身体治して欲しいから」

「家まで送るよ、せんぱい、……
 …………リヴィオさん?」

そうしてぱ、と顔を上げた頃、濡れた瞳はそのままに。
変わらず微笑みを浮かべていたことだろう、うれしげに。
 
[2/2]
(-415) 2023/10/01(Sun) 19:35:32

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

「近場……かなあ。
 まだ決めてない、とりあえず知り合いあんまりいないところ〜って……」

貴方があんまりにも素直に寂しそうな顔をしたので。
寂しくさせるのが自分だってわかってるのに、なんだか笑ってしまった。
嬉しかったのだ、そうやって求めてもらえることが。
なのでもう一度、いや二度ぐらい、やさしく髪を撫でてから。
にま、向けられた笑みに更にこちらも笑みを深めていれば……むぎゅっと。

「ゎ」

貴方に抱きしめられると本当にいつもすっぽり収まってしまう。
あの牢の内に居たときからそうしてほしかったと、
望む心が満たされていくのを感じて、しあわせだ、と思った。

「へへ……
 ろーにいならいいよって言ってくれると思ってた」
「はぁい、鍵は失くしません、大事にするし」
「帰り遅くなってもいいよ。
 オレ寝てておかえり言えないかもだけど……」
「誰か来るのも大丈夫、だめなときは外に居るし。
 そうじゃなかったら家の中で大人しくもできます」

注意事項にはきちんと全てに返事を返す。
だって大事なことなんだろう、そして全部大丈夫。
ぎゅっと抱きしめながらも顔だけは上げて、貴方を見上げて。

「……だから、しばらくよろしくね?ろーにい」

無職なので家事はしまーす、と。最後に付け足して笑っていた。
(=16) 2023/10/01(Sun) 19:56:33

【秘】 L’ancora ロメオ → 夜明の先へ ニーノ




「なあ。フレッド」
「オレの事、兄ちゃんにしてくれてありがとな」



(-422) 2023/10/01(Sun) 20:28:52

【秘】 きみのとなり リヴィオ → 夜明の先へ ニーノ



何だか悪戯っ子のようだなと、
笑う君に少しだけ眉を下げて笑う。
答えは上手く返せなかったし、君もそれを分かってる。

自分はこの問いに困っているのだろうか。
それとも、それ以外もあるんだろうか。
なんだか綯い交ぜになったような感情に僅かに首を傾ける。
その間に肩にとん、と軽い衝撃を感じて。

言葉はまだ、返せない。
聞こえる小さな声に眉を下げたまま、また、笑った。

「………はは、…そうか」

そうしてそれ以上、言葉は出てこなかったから。
止まってしまった手でもう一度、君の背を撫でる。
自分は、そう長くその選択を取れないのだろうと思うけど。
だからといって、そうだと君に明かすのは、まだ先の話だ。

再び君が顔を上げる時、その言葉に頷いて。
回していた腕を外し、緩慢にベンチから立ち上がる。

「頑張って治療するよ、困ることも多いからね。
 君に迷惑をかけることもあるだろうけど……あぁそうだ。
 俺には色男で猫のエキスパートの友人がいてね。
 今度紹介するよ、家の話も彼にする予定だからさ」

「──それじゃあ、帰ろうか」
(-428) 2023/10/01(Sun) 20:37:56

【鳴】 夜明の先へ ニーノ

ちょっと力の強いハグは苦しさを教えるものではなくて、
貴方からの愛情を教えてくれるものだ。
兄弟としてのこれからは始まったばっかりだったのに、
すぐに遠くなってしまうことはこちらも寂しいけれども。

「そうだよ、ろーにいが帰ってきたらにゃんことオレがいる。
 へへ……競おうかな、この子たちと。
 どっちが早く玄関までろーにいを出迎えられるか……」

それでも、それまでの少しの間だけでも。
貴方に家族の温もりを与えられるのなら。
"オレでいいの"、と。
零された小さな声を未だ、覚えているから。


「…………────」

そうして腕が離れた頃。
そっと伝えられる感謝には目を瞠り。
呆けている間にマリトッツォを手に取った貴方を見て、眦を下げる。
すこしだけ、視界が滲むのを感じながら。

「…………それなら、オレだって」


[1/3]
(=19) 2023/10/01(Sun) 20:56:27

【秘】 夜明の先へ ニーノ → L’ancora ロメオ




「ろーにい」
「オレのおにいちゃんになってくれて、ありがとう」



[2/3]
(-432) 2023/10/01(Sun) 20:56:43

【鳴】 夜明の先へ ニーノ


「……溶けるのは、困る〜」

そうしてぐしと少し乱暴に目元を拭ってから、
己もまた同じように甘味を手に取る。
食べ終わったら何をしようか。
夜になっても貴方の隣に居られるのを思いながら。
久々に口に入れた甘味は幸福と呼ぶのが相応しい味がした。

──『ねえ、戸籍ってろーにいのと同じにできないのかなあ』
そうして食べている最中、そんなことを零していただろう。
難しかったら大丈夫、あんまりよくわかってないから、と添えてもいたが。

──『そうしたら、ほんとの家族になれるでしょ』
すれば離れたとして、貴方の寂しさも少しは紛れるかなって。
子どものような発想を声に載せて。

──『そうじゃなくても、ほんとの家族だって思ってるけどね』
貴方の弟は甘えただから、変わらずぎゅっと肩を寄せて笑っていた。


[3/3]
(=20) 2023/10/01(Sun) 20:58:24
 


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