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【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ程なくして。 貴方を、強い眠気が襲うだろう。ぐらりと視界が歪み、身体も傾ぐはず。 しかしそれに追従することを男の手が許さない。 彼は貴方の肩を掴んだ。起こす仕草で椅子の背に強かに打ち付けさせた。 「外れか。」 「まあいい。」 眠らせない拷問というものもこの世にはある。 自白剤を盛るつもりだったが、違うなら違うで手を変えるだけのこと。 (-611) 2023/09/23(Sat) 13:15:40 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ味わいなんて分からない。 ただ、飲み込んだものを吐き出そうと咽せるのが先で。 何を飲ませたのか。 そう聞く前に意識が揺らいだ。 睡眠剤……尋問には明らかに不向きな薬。 訝しむ暇も無く暗闇に意識が持って行かれる。 かと思えば、肩に走る鈍い痛み。 起こされ叩き付けられたのだと理解するには まだ飲まされた睡眠剤は抜けない。 「い゛っ……おまえ、何を……」 ぐらぐらする意識の中 椅子の背もたれに押さえ付けられて。 ただ、貴方の動きを追うのでやっとだ。 (-612) 2023/09/23(Sat) 13:29:36 |
【秘】 法の下に イレネオ → 花浅葱 エルヴィーノ独占欲。支配欲。執着。マーキング。 どうとでも形容することは出来る。重なり連なったそれはほとんど首輪のよう。 それでも男にそんな意識はなかった。少なくとも意識の上にはなかった。思考より先、目的より先、食らいたいという欲求があるだけ。 貴方をまるごと腹に収めてしまいたいという強い衝動があるだけ。貴方の全てを貪欲に強欲に欲しているだけ。 「は、……」 荒い息を注げば細い髪が揺れるだろうか。赤い頬が美味そうで、また舌で触れていた。 貴方の胎の中にこれを必要とする臓器などない。それでも繰り返して穿つ。楔を打つように、熱と形ごと刻むように幾度もそうする。そうする。繰り返し。 求められることが心地いい。 与えられる刺激が心地いい。 貴方の何もかもが心地いい。 抽挿が激しく強くなる。 貴方は喉を、背を反らして喘ぐだろうか。 ならばそのまま追うように。身体をぴったりと合わせ喉元に噛み付いて、貴方の内側に膨れた欲を放とうと。 (-614) 2023/09/23(Sat) 13:36:15 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノ奇妙な可笑しさがこれの喉を転がる。 それは空気を揺らして笑いになった。 貴方の顔がさっと青褪める。 大きな双眸から涙が落ちる。 唇が開いて音もなく震えた。 男はペンから手を離した。 両手で包むように貴方の頬に触れる。大きな厚い手のひらだ。貴方とこの男では一回りも二回りも体格が違う。伴って当然、男の手は貴方の頭に比して大きい。 貴方の手は自由になった。 今なら抵抗することは出来る。 しないのであれば、再びの口づけが寄越されることは明白だ。 貴方にとっては目的も分からない、ただ恐怖を想起するだけの口づけが。 (-619) 2023/09/23(Sat) 13:53:25 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオ「ぎ」 真っ先に出た音は、それだった。 或いは、揺さぶられた脳と、やられるままでたまるかという、 微かな意地が見せた歯を食いしばる抵抗の音だった。 ことここに至って、女の口元は未だ形だけは笑んでいた。 それでも、例えこの女がマフィアであったとしても、 手足のように扱う機械ではないから。 鼻の奥から流れ込む血が喉に落ちていき、 踏み躙られる肩からの悲鳴はそのまま口から出ようとする。 女は拷問も担当していたから、今何をされたら不味いか、 手に取るようにわかっていた。だから、靴底から "緩急"が与えられた瞬間があったなら、 「あ、終わった」と。そう思う事だろう。 それでも、ほんの僅か。 「ぐ、あ、ぎぃ、ああ……」 その程度で済ませたのは、きっと意地と張り合いのおかげで。 しかし同時に"その程度"こそが、分の悪い根競べの敗北を、 即ち、天秤の傾きを意味していた。 (-621) 2023/09/23(Sat) 13:58:38 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロ「『何を』。」 ふん、と男は鼻を鳴らした。 歪む視界の真ん中で笑ったようだった。 「皆そう聞くな。やっぱり脳みそが足りないのか?」 「何も何故もない。法に則り、裁くための手続きだよ。」 「お前たちも従ってきたはずだ。どうしてわからない?」 ぐらり。ぐらり。眠気で頭が揺れる度。 男の声が反響する。判断力を失わせる。 瞼が重たく帳を降ろそうとする。 貴方が耐えられず首を振らすなら、 今度はその頬に男の拳が飛ぶ。 (-622) 2023/09/23(Sat) 14:03:10 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ揺れる、揺れる、ゆらゆらと。 飲まされたばかりの睡眠剤は意識を奪おうと誘って。 貴方の言葉すらも上手く聞けない。 「っ、う……こんな事、する訳ないだろ…」 頬を殴り飛ばされ、意識が戻される。 これは尋問と言うより、拷問。 許されるものではない、と。 貴方を、睨みつけようとする。 (-624) 2023/09/23(Sat) 14:08:02 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ引き絞れるような声が耳に届けば、男は口の端を軽く歪めた。 やはり不快そうだった。不愉快そうだった。 つまらなそうだった。 とはいえ、これは仕事だ。 快不快で判断して辞めていいものではない。 貴方の口が僅かも開いたなら。 男はその隙を見逃さなかった。 錠剤をひとつ。 手のひらで覆うようにして放り込む。こうすれば貴方はもう逃げられない。 口の中に入りさえすればこっちのものなのだ。飲み込まずとも溶け切るまでこのまま待つだけのこと。傾いた天秤は一層男に利する。 どうあれ長い根比べが始まるのは明白だった。 男は、貴方の口に入った薬の効果を知らない。 途中で一緒くたにされてしまった錠剤の見分けを知らない。 ただ、先程の警官の言葉によれば。 この場にあるのは 興奮剤 と自白剤 の二種類で、貴方が感じた効果によると────それは興奮剤の方だ。 (-626) 2023/09/23(Sat) 14:29:10 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 月桂樹の花 ニコロその通り。するわけがない。 貴方に対する男の行いは、平静なら一発で逮捕だ。 つまり、男だってそう。尋問の経験はあれど拷問の経験は浅い。 「……。」 顔を歪める貴方を見、男は思案するように顎に手をやった。 貴方を実験材料にして、男は学習している。 「さすがに向きませんね。」 「もっと時間があればいいんですが。」 首を右に、左に倒し。呟いた男は、再び錠剤を手に取った。そうして貴方の方へ手を伸ばす。眠気から緩慢になった動作は好都合だ。きっと難なく捕まえることが出来る。 そうして男の思うようになったなら、 これは貴方の鼻を摘んだ。 そこは人体が空気を取り込む場所の一。 もう片方を開かせたいのなら、ほかの入口を塞ぐのが近道だ。 (-631) 2023/09/23(Sat) 14:46:15 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオその表情に「煽り所」を見つけはしたものの。 口元を覆う手のひらが相手では、声もほとんど出せず。 どうせ一度開いたならもう変わらないから 喚きでもしてやろうかと思ったのに。 現状を考えれば。男が肩を踏み砕くような姿勢でなければ、 女に覆いかぶさって口を塞ぐ男という図式は、 強姦魔に等しいもので。或いはそこを突けば、多少なれど 男の動揺か、怒りか、その辺りを引き出せるかもしれないが。 今は煽りより、「何」を入れられたかだ。 普通は、薬は目で確認するのだから、色と形で薬を判断する。 だが手のひらに覆われた状態ではそれを判別は出来ず。 しかしケースに入っていたのだから、数種類までは絞れる。 処分しそこなったものなら、数世代前の物か。 味は知らん、飲んだことなど一度もないから。 どれにしろ、致死の薬はなかった。ならば――。 カンターミネは、考えをシフトした。 即ち、いずれ朽ちる『正義』と遊んでやる、と。だから、 ぴちゃり。 嫌がらせの念を多分に込めて、手のひらをぬるりと舐めた。 目元にまた、張り付かせる。痛みを越えて、にやついた顔。 目尻を下げて、掌の向こうで口角をあげる。 もごご、と口の中で僅かに溶けた錠剤と共になすりつける。 『雑魚が』。たった3文字、ただの笑み。 即効性のある薬なのか。痛みは少しずつ、和らぐ。 分泌されたアドレナリンが、恐れを削いで笑みを返した。 (-635) 2023/09/23(Sat) 15:14:51 |
【墓】 幕の中で イレネオがん。 がん。 がん。 それは憤りだった。 男の義憤が牢を打ち檻を揺らした。 食い締めた歯がぎりと鳴る。奪われ消された子どもたちのことを思ってまた心が逆立った。「────くそ野郎が」 呻きに似た響きが落ちる。 まったく男は正義の徒であった。 (+9) 2023/09/23(Sat) 15:32:26 |
イレネオは、真面目な警官だ。自他ともにそう認めるように。 (c27) 2023/09/23(Sat) 15:32:53 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ手のひらに濡れた感触。 それを感じた男は、反射的に貴方の頬をその手で打った。 まったく拷問官にあるまじき態度。口に物を入れさせておいて、あまつさえ吐き出させかねない真似をする。 男がこういった行為に慣れていないのは明白だ。そもそも感情的すぎる、筋道だってそう整えられていない。 そうしたとて貴方は笑っているのだろう。 優位を取ったと思っていた男は、再び鋭い舌打ちを。不機嫌そうに視線を一度逸らせば、唾液と共に吐き出された薬が目に入るだろうか。 (-640) 2023/09/23(Sat) 15:49:44 |
【秘】 歌い、歌わせた カンターミネ → 幕の中で イレネオプッ、とそれは男の平手と同じく反射だったに違いない。 吹き、転がった錠剤に首が向き、きっと眼鏡も飛んでいる。 しかして目だけは男に戻る。途端、破裂したように笑った。 「アッハッハッハッハッハ!!!クク、フ、フフッ、は、話にならない!平手!?抑えてた手でか!?そ、それで、薬を吐き出させた!?自分で!!?ばーーーーーーっかじゃねえの!?」 舌打ちに、視線の逸らしに。また笑い、歌う。 肩の痛みなんてもう気にならない。 だってこいつは「失敗」したから。 「尋問だのをする時に必須の事を教えてやるよ。相手の前でイラつかない事。ミスしない事。それでムキになって暴力を振るわない事。お前はひとつも出来てないな?ん?しかも使った薬は相手がご用意したって?そ、それを吐き出させ……ふっ、フフッ、一生笑えるぜ、『へたくそ』。その様子じゃおまわりさんとしても碌な仕事は出来てなさそうだな?錆びきった前時代の正義モドキを抱いて、まともに相手からの情報も引き出せない、パパの庇護がなけりゃ尋問のおぜん立ても出来ない、出来るのは乱暴な真似とイライラしぐさか?一生一人でシコシコやってろ、自分の牢屋ン中でな」 捲し立てる。もう怖くない。痛いだけ。 尋問相手に失敗した人間は、どうやったってもう、 道化か下っ端のチンピラ以外になれはしない。 朦朧としていたはずの瞳に強い光と、 歪んでいたはずの顔ににやけた笑みが帰ってきた以上、 きっとまともな方法ではもう何も出ないだろう。 諦めて捨てるか、或いは――ケースの中にあった、 他の薬を試すか?申し訳程度に、あなたの脳に そんな選択肢が示されるだろうか。 (-643) 2023/09/23(Sat) 16:08:19 |
【秘】 暗雲の陰に ニーノ → 幕の中で イレネオ己のそれより大きな掌が両頬を包んだ、刹那。 ちかり、フラッシュバック。 底から這い上がる恐怖で息を呑む。 めのまえにいるの、だれだっけ、 すぐに動かない身体は自由を知らず固まったまま。 いきていくために、ひつよう で ? 気が付いたのは──"二度目"が触れてからだ。 「ッ〜〜〜……!」 「ぃ、ぅ」 指先を動かそうとする、ずきんと痛んだ右手に声が落ちる。 それでも腕を上げて、左手で貴方の手首を掴む。 わかりやすく震えていた、何かを取り繕う余裕もなかった。 「……っね、ぇ、せんぱ、い、も、やめて」 「わかんない、の、わかった、でしょ」 声は時折掠れて、詰まって、脳がぐらつく。 荒く繰り返す息は最早痛みよりも恐れによるものが勝っていた。 すぐに手折ることのできる力で、それでもと頬に添えられる片方を引き剝がそうとする。 「なんか、いって、」 「おねがい……」 問いかけへの解は無く、落ちた笑いが鼓膜を揺らしただけ。 その瞬間のぞっとした心地を思い出せば最後、乞うように願いさえもした。 (-648) 2023/09/23(Sat) 16:40:19 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネ踏みつけた肩。前のめりになる身体。それだけ近づく顔。 逆光だろうと薄暗かろうとよく見えるはずだ。男の表情が歪む。歪む。歪む。 それは怒りであって、それは憎しみであって、それは嫌悪であって、それは恨みであって、それは蔑みであって、それは侮りだった。 貴方が囀る。 歌う。歌う。歌う。 それが。 やっぱり男には、酷く不快だった。 聞くに堪えない。だから、 ▽ (-649) 2023/09/23(Sat) 16:45:17 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 歌い、歌わせた カンターミネぐぶ。 靴先が沈んだのはその腹だ。 不安定な肩から足を退け立ち上がった男は、見下ろす形で貴方の腹を蹴りつけた。 女の腹、肉の薄さは別にしてはらわたの柔らかさのある腹。特有の臓器を内包する身体の部位。 男の足は大きい。時々はみぞおちに衝撃が入ったかもしれない。一度。 二度。もう一度。 尋問でもなければ拷問ですらないただの暴力を貴方に加えている。 いくらアドレナリンが効いていたって衝撃をすべて緩和できるわけではない。貴方はうめき声をあげただろう。時々は小さく悲鳴をあげたかもしれない。胃の中のものが出たかもしれないし、呼吸が乱れたかもしれない。それとも、その全てをやりすごす術を知っているというなら話は別だけれど。 どうあれ貴方は、少しは大人しくなるはずで。 そうなれば再び、男はその身体に馬乗りになるのだ。 床に散った唾液に浮かぶ錠剤を拾い上げ、 貴方の舌に塗り込もうとする────無意味な嫌がらせ。 (-650) 2023/09/23(Sat) 16:46:01 |
【秘】 笑う カンターミネ → 幕の中で イレネオ肩が軋む。笑う。歌う。男の顔が歪む。笑う。歌う。 男が靴を持ち上げる。笑う。歌う。靴先が叩きこまれる。流石に、笑いと歌は止まった。 「ご……はッあ、」 一度、喉に落ちて来ていた血が吐き出され床を汚す。 押し出される呼気と共に鼻に蟠っていた鼻血が噴き出た。 「ひゅ、がぶふッ」 二度、逃げた空気を取り戻す為に身体が反射的に息を吸う。 そこにもう一度突きこまれれば自然、内から外へと、 外から内への空気同士の衝突で胸が苦しくなった。 それでもまだ歌おうと、口を開きかけた所で、 「おま゛ェっ、げぽ、ぉぇ」 もう一度。女は身体を鍛えている訳でもない。むしろどちらかと言えば華奢な方だった。 故に、その単純な暴力は酷く突き刺さる。もっとも、精神を屈服させるには遅いのだが。 何度も咳き込む。その度、汗と涙と鼻水、それから唾液に、 胃液。覗き込まない限りはわからないが、少しの愛液も。 いくつもの体液が女から吐き出された。 馬乗りになった頃には、顔の付近に混ざり物の汚水池。 かひゅ、と薄い息を繰り返す女の舌に錠剤を押し付ければ、 それを見逃す訳もなく。すぼめた口から べッ、とあなたに向けて唾を吐く。顔に届くか?わからない。 意味があるか?ない。無意味な行動にはお似合いだろ? 女はまた、鏡のようにあなたの無様を映す。また、笑う。 (-653) 2023/09/23(Sat) 17:08:40 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 暗雲の陰に ニーノそれは、柔らかく。 引き攣った部分を食むように。 強く引き寄せて、触れ方だけは優しく齎された。 男は笑っている。 これ程の力差があって、その気なら無理矢理続けることも出来ただろうに。 貴方のあえかな抵抗に従って離れ、再びそのまま笑っていた。 男は貴方に欲情していない。 これ以上の行為を強いるつもりは毛頭ない。 だからこれは、ただ高揚からだけ来る行動。 弱り切った獲物を甚振って嗤う、肉食の獣。 「はは」 「震えてるな。可哀想に」 「────あいつと関係なんて持たなければ」 「こんな目に遭うこともなかったのに」 話す言葉ばかりは穏やかなのに、 ぎらついた瞳は貴方を離さない。 わざと優しく撫でる手のひらは、 嫌がらせをよっぽど含んでいた。 最早、尋問など意識の外なのだ。 目的のない責め苦に終点はない。 あるとすればそれは男の満足か、 熱のある貴方の身体が倒れた時。 (-657) 2023/09/23(Sat) 17:13:30 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 笑う カンターミネ大抵の場合、力を手に入れた者は傲慢になる。 それが公に認められた物なら尚更。是非を問うものもいるが、どうあれ新法は認められこの国で力を持った。 警察とマフィアの力関係を完全に傾かせる悪法だ。それでもそれは大々的に公布され施行された。 警察は力を手に入れた。賛成派はマフィアに裁定を下すガベルを手に入れた────お前は悪である。 力を手に入れた人間は、それを誇示するためにどんなことでもするものだ。 そして。 その優位性を脅かす背教者に対し、徹底的に冷酷に、残虐に接するものだ。 既に尋問を損じたことを、男も薄ら気づいている。 認められない頑固さが、新たな目的を作り出した。 この生き物 には罰が必要だ。それも、とびきりの。▽ (-662) 2023/09/23(Sat) 17:42:23 |
【秘】 幕の中で イレネオ → 笑う カンターミネ吐きかけられた唾は男の顎から頬にかけて散っただろう。 それを男は甘んじて受け入れた。先程までの激昂から一転、酷く冴えた表情がそこにある。 貴方は笑っている。 覆い被さった男は、その笑みを更に広げさせるようにした。 笑っているということは、もちろん口は開いているんだろう。 口の両端に親指を差し込み閉じ切らないようにする。 貴方の舌が動かないように固定する。 そして、 それまでの間に何か手を打たなかったのであれば、 男の影が貴方に重なるようにして────ひとつ。 愛も情も好意もあるはずのない口づけを、貴方に。 (-663) 2023/09/23(Sat) 17:42:58 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ貴方のように笑う人たちを知ってる。 自分は絶対に火の粉がかからない場所で、 弱者が蠢くのを見ては楽しみ、あるいはもっと動けといたぶって。 そうして野蛮な獣性を発散しては、表社会では さも理知的な人物であるかのように振る舞う。 ……… 児童を買って欲を満たす金持ちと同じ笑い方だ。 「………楽しそうね、アンタ…………」 「一生笑ってなさいよ。いつか自分が正義、っていう 思い込みから覚めた時、アンタがどうなるか見物ね。」 ヴィットーレは。 たとえここで貴方に腕をもがれ、目を潰され。 命まで奪われようとも、何も話すことはないだろう。 だから、きっと。 貴方が満足するまで、玩具は鳴り続けるのだ、ずっと。 (-666) 2023/09/23(Sat) 17:51:56 |
【秘】 笑う カンターミネ → 幕の中で イレネオそうして冷静さを取り戻した男の顔には、 この女はきっと狂気を読み取った。それは爆発。 何かしら、追い詰められたものが為す行動。 振り切ったゲージの針が止まった状態。 こうなってくると、目が覚めるまではおかしなことをし続ける。 そら、来た。指に噛みついて千切ってやろうか。 いや、きっとそれは難しい。歯の根を抑えるならまだしも、 口の端に指を差し込んだだけなら、精々皮が一枚程度。 舌を抑えられちゃ喋るのは困難極まる、 精々間抜けな音を上げるだけ。 そう考える間に、男の影がゆらりと重なってくる。 それはきっと、先に過った強姦魔のそれとよく似ていた。 途端、これは『先生』でも『マフィア』でも 『罰されるだけの生き物』でもなくなった。 ほんの僅かに頭を逸らすと、あなたの指で 口内が切れ傷つく事を厭わず、思い切り頭突きを振るった。 無論、大した威力ではないだろう。 だが人体で振るわれる、凡そ非常に硬い部位の直撃は、 互いの脳を揺らすはずだ。男の唇が重なったとしても、 この女はただでは済まさなかっただろう。 それはお前の物じゃねえよ、と内心に激昂を宿して。 (1/2) (-669) 2023/09/23(Sat) 18:05:37 |
【秘】 幕の中で イレネオ → オネエ ヴィットーレ「楽しいわけがないだろう」 本当に? 「嘆かわしいよ。こんなことに時間を取られて」 本当に? ひゅん。 がん。 男に最早自制も内省もない。 それらの声は聞こえない。けだものの息遣いが染めて聞こえない。 装甲のない先端に金属の平面が降った。 問いすらない。あるのは痛みだけ。 貴方が逃れようとしないのならば、 男もまた、逃れる選択を与えない。 (-671) 2023/09/23(Sat) 18:15:42 |
【秘】 笑わない カンターミネ → 幕の中で イレネオそして、それがあなたの鼻柱に叩きこまれたのだとすれば、 これは侮蔑を持って高らかに歌う。 「最初の一撃の意趣返しだ」と。 机の代わりに骨を叩きこむ。負傷する箇所まで、鏡のように。 あなたの選んだ手段はきっと、最も正しかった。 拷問において重要な事は、相手の大事な物をけがす、 その素振りを見せる事。だから、きっと最初からあなたが 『正義』ではなく、下卑た生物として提案していたのなら。 或いは、この拷問、いや尋問は、実に正しく、 そして素早く、機能していたかもしれない。 それくらい、カンターミネにとって"それ"は大事な物で、 簒奪者には決して屈しない、その為の柱であった。 反撃が齎したものがどの程度の抑止になったかはわからない。 ただ、この『野獣』になった女は、アドレナリンの力を借りて より、一筋縄ではいかない生き物と化した。 再び唾を吐く。今度はあなたではなく、汚水の中へ。 暗に「お前の居場所はそこだ」と言うように。 手近、いや足近な机を蹴飛ばし、可能なら椅子も、壁も。 暴れて事が大きくなれば、署員が駆けつける可能性もある。 同じ手段を続けるか、否か。 拷問官でないあなたは、正義の下に見極める必要がある。 尋問をこのまま続行するか。 (2/2) (-672) 2023/09/23(Sat) 18:15:56 |
【秘】 オネエ ヴィットーレ → 幕の中で イレネオ「ッ〜〜〜〜〜〜〜〜!」 「───あァァあああ! 末端の、神経の敏感な、剥き出しの肉。 そこに来る衝撃に、出したくもない叫び声が出る。 痛みに対する防衛反応のひとつだ。 声を出すことで、痛みを誤魔化すという。 ………貴方からすればそれは、大の大人が痛みに喘いで 泣き叫んでいるようにしか見えないはずで。 「……Vai all'inferno……ッ」 口汚い言葉も、余裕のない証。 食いしばりすぎた歯がミシミシと音を立てて、 刺激に対する反射として出てきた涙が頬を濡らした。 (-678) 2023/09/23(Sat) 19:44:29 |
【秘】 花浅葱 エルヴィーノ → 幕の中で イレネオ気持ちがいい、快楽の波の高いところにずっと押しやられて、死にそうだ。 「あ、あ、ちょ、んんっ、ふか、い」 深い。激しい。 もう自分が何を言ってるのか分からなかった。 悲鳴と嬌声に区別がつかないように、痛みなのか、恐怖なのか、快楽なのか、もう何もかもがわからない。 自分の胎の中にそれを必要とする臓器はないけれど、穿たれる度に中がいっぱいに満たされている気がする。 喉元を食われ、なんだか更に自分を穿つものが大きくなった気がする。 無理無理と首を横に振ったけれど、勿論止まるはずもない。 折り曲げた身体の上からぶすりと何度も突き刺さすように奥を突かれて、悟った。 もう、限界なんだと。 「あ、ぁ―――――ッッ」 幾度も激しく強く穿たれ限界を超えて、たまらず喉を沿って、きゅ、と花浅葱の双眸を閉ざす。 高みまで昇りきったら、あとは落ちるだけ。 中一杯に放たれた欲は熱くてどくどくと波打っている。 収めきれなかった欲が太ももを伝ってたらりと流れ出す感覚すら心地よくて、しがみついていた手を下ろしながらも、小さく身を震わせた。 (-679) 2023/09/23(Sat) 20:00:26 |
【秘】 月桂樹の花 ニコロ → 幕の中で イレネオ「や、め……!」 殴り飛ばされ、意識は多少戻ったけれど。 薬に犯された体は言うことをまだ聞かない。 貴方の手が伸びた先。 新たな錠剤に、何をされるかなんて考えるまでもない。 脳が警鐘を鳴らすのに。 貴方の手は容易に男を捕らえて 男の体は生きる為に、息を取り込もうと口を開いた。 顔を逸らそうとするのが 精一杯の抵抗だ。 (-690) 2023/09/23(Sat) 20:42:05 |
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