人狼物語 三日月国


225 秀才ガリレオと歳星の姫

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視点:


到着: エウロパ

【独】 エウロパ

/*
ユスティだわーい(入村ロルできてないのに入るだけ入った人
(-0) 2023/09/25(Mon) 0:35:36

【人】 エウロパ



  「君の魔法を傍でずっと見ていたいな!
   だからね、私は君の夢を応援するよ!」


 
(8) 2023/09/25(Mon) 1:49:40

【人】 エウロパ



     君の想いを知らずに廻る星は
     ……私のこと、だったのかな。


  
(9) 2023/09/25(Mon) 1:49:54

【人】 エウロパ



  星には不思議な力がある。
  その力を授かることが出来たなら
  魔法使いとしての未来は約束される。

  だから、私の両親は輝かしい未来を願って
  星の名を私につけた。

  でも。
  私には魔力なんてない、小さい頃は
  そう思われていたから
  魔法使いになれるとは思っていなかった。 

  
(10) 2023/09/25(Mon) 1:50:20

【秘】 エウロパ → ユスティ



   君が見せてくれた魔法が
   私の中では一番なんだよ、って。


   
……今でも、それは変わらないのに。


   
(-1) 2023/09/25(Mon) 1:50:54

【人】 エウロパ



   「また居残り……
    疲れたし、甘いココアが飲みたいな……」

  
(11) 2023/09/25(Mon) 1:51:12

【人】 エウロパ


  
   ここは魔法学園トカリス。
   優秀な魔法使いの卵たちが集っている
   ……はずなんだけど。

   ぜひ才能あるこの子を、と推薦されて
   入学した生徒、エウロパ・アンダーソン。
   
その子は所謂、問題児として有名だった。

   寝坊・遅刻はしょっちゅうで
   授業中も魔力の制御が出来ずに問題を起こす。

   そんな風に言われる問題児が私。
   怒られるのは慣れっこになっちゃった。
   今日だって、当たり前のように遅刻したから
   その分居残り!
   
ちょっとくらい見逃してくれてもいいのにね?


  
(12) 2023/09/25(Mon) 1:52:24

【人】 エウロパ

  

   少しは優等生のユスティを見習いなさい、
   なーんて言われたし。
   なんで天才のユスティじゃなくて
   問題児のエウロパが推薦入学したんだ、と
   疑念を向けられることも多い。

  
(13) 2023/09/25(Mon) 1:53:04

【人】 エウロパ




   皆はユスティをこう形容する。

            「彼は天才だ!」と


   でも私は少し違うと思ってる。正確には。

            「彼は努力の天才だ」と


  
(14) 2023/09/25(Mon) 1:53:35

【人】 エウロパ



   天才なんて言葉で簡単に片づけられるほど
   彼の努力は生半可なものじゃないって
   そう言いたい、でも。

   問題児が言ったところで何の説得力もないよね……。
   
いや、説得力なくても言うんだけどね!


  
(15) 2023/09/25(Mon) 1:53:59

【人】 エウロパ



   ココアのことを考えながらふと見上げると
   屋上に見える人影。>>4
   あ、ユスティだ!と確信するには
   それなりに距離があいているけれど
   私にはあの人影がユスティだとわかる。

  
(16) 2023/09/25(Mon) 1:55:01

【秘】 エウロパ → ユスティ



  理論なんて知るもんか。
 
  あの魔力は、ユスティなんだ、って。
  感覚だけで、分かるの。

         誰より気にかけてる人だからかな。

  
(-2) 2023/09/25(Mon) 1:55:23

【人】 エウロパ



   さて、ユスティにここから普通に声をかけても
   多分声は届かないんじゃないかな。

   そう思った私は、気付いてもらおうと
   手持ちの鞄からメモ帳を取り出して、一枚破る。

   せっかくだから、なにかメッセージでも書こうかな。
   さらさらとペンを走らせ、書きこみおわると
   掌にメモをのせる。

   ぱたり、ぱたりと折りたたまれていく紙は 
   数分もかからず、鳥の形になって。

  
(17) 2023/09/25(Mon) 1:55:59

【人】 エウロパ



   
   「目標地点はユスティのいる場所!

    
ほーら、とんでけー!」



  
(18) 2023/09/25(Mon) 1:56:27

【人】 エウロパ



   詠唱もせずに空に掲げれば、
   紙でできた鳥はまるで生きているかのように
   夕焼け空へと飛び立っていく。

   風に乗って飛んでいく鳥は
   無事に屋上までたどり着き。

   ユスティの肩に着地……させるはずだっただけど
   頭に乗っかっちゃった。
   
仕方ないね、これくらい誤差だよね。


   ユスティがこっちに気づいたなら
   満面の笑みを浮かべてピースサインをするけど
   どうだろう、こっち見てくれるのかな。**

  
(19) 2023/09/25(Mon) 1:56:59

【秘】 エウロパ → ユスティ


   

   「宿題手伝って!」


   もし、飛んできた鳥の形をした紙を開いたなら
   結構図々しいお願いが書かれていたはず。**

  
(-3) 2023/09/25(Mon) 1:57:35

【秘】 ユスティ → エウロパ



     彼女こそが、秀才ガリレオの原点だった。



(-4) 2023/09/25(Mon) 19:40:57

【秘】 ユスティ → エウロパ



   昔はずっと彼女の一歩前を立っていた。
   出会いの始まりは何気ない謁見。

   どこか思い出の地
   一人練習をしている時に
   運命の歯車が微かに回り出した。

   歳不相応に鍛え上げられた魔法の腕は
   同じ年頃の子達の憧れの的となり、

   彼女との出会いが努力に拍車をかける
   それはまさにユスティの自信の象徴。

   その自信は成功という想像を生み
   新たな技と強き精神の創造を促した。

   
(-5) 2023/09/25(Mon) 19:42:25

【秘】 ユスティ → エウロパ



   しかし無常にも与えられる試練はその心を砕く。

   技を磨こうとも魔の源流がなければ成り立たず
   その質量が不足した者は、溢れ出る者から
   お零れの灰汁を掠め取る他ないのだ、と。



(-6) 2023/09/25(Mon) 19:43:53

【秘】 ユスティ → エウロパ



   ユスティは直ぐに思い知った。
   いつも苦労していた魔法の練習も
   エウロパといる時だけ尽く成功する。


         その不和を秀才が察せぬわけもなく

   
(-7) 2023/09/25(Mon) 19:45:02

【秘】 ユスティ → エウロパ



   「ボクがキミを守るよ。
    エウロパは、ボクの大切な……だから。」

(-8) 2023/09/25(Mon) 19:45:34

【秘】 ユスティ → エウロパ



   心を砕かれるいつか前のことが巡り巡り、
   彼女に放った告白じみた宣言が
   蛇のようにまとわり首を締め付けていく。

   守りたいと思った
   たった一人好きだった女の子が


                  まさか────
(-9) 2023/09/25(Mon) 19:47:37

【独】 エウロパ

/*
この間の村で5秒で紅茶持ってこいって言ったの根に持たれてる説ない……?
(-10) 2023/09/25(Mon) 20:37:32

【独】 エウロパ

/*
カラーコード比較
この色

この色

この色
(-15) 2023/09/25(Mon) 21:24:22

【独】 エウロパ

/*
んーーーー
これにしようかな……
(-16) 2023/09/25(Mon) 21:24:58

【人】 エウロパ



  秀才の苦労を馬鹿にしたいわけじゃない。

  私にとっては何気ない行動一つ、
  ユスティの劣等感を煽るなんて。>>21

  
  
ただ、私は君と仲良くしたいだけなのに。
 

  
(27) 2023/09/25(Mon) 21:46:27

【人】 エウロパ



  その身が魔力で満たされていないのも。
  私は分かってる。>>22

  そうだね、だからこそ思うの。
  血のにじむような思いで努力しなければ
  本来成功なんてしないはずの魔法を
  成功させているんだ、ってこと。>>24

  魔力が強ければ力技で成功する魔法。
  それを丁寧に、機織りみたいに
  織り上げていく姿は私にはないものだ。 

  
(28) 2023/09/25(Mon) 21:47:07

【人】 エウロパ



  知ってるから、言ってるんだよ?

  知ったかぶりじゃないもん。
>>22

  君は昔から、努力を欠かさない。
  私は君以上に努力している人を知らない。
  ずっとそんな君を尊敬してるんだ。 

  
(29) 2023/09/25(Mon) 21:47:35

【人】 エウロパ



  地面へ突き刺さった鳥は、
  
もしかしていいよってことなんじゃない?

  だって、嫌なら無視すればいいもんね?
  そう思った私は上機嫌でその中身を確認する。>>25 

  
(30) 2023/09/25(Mon) 21:47:55

【人】 エウロパ



   「つまりいいってこと?!
    やったー!」


   
  なんて言ってる間に3秒経ってそうだけど
  これはノーカウントってことにしてほしいな。

  一歩二歩、と後ずさって少し距離を作ってから。 

  
(31) 2023/09/25(Mon) 21:48:23

【人】 エウロパ




  「―――――風よ、我を彼の地まで運べ
   瀑布を遡るかの如く
   天に向かって吹きすさべ…… 」



  
(32) 2023/09/25(Mon) 21:49:21

【人】 エウロパ


  
  詠唱しながら、助走をつけて。
  高く、飛び上がれば、巻き起こる上昇気流が
  私の身体を宙へと浮かす。

  でもこれだけじゃ、屋上の高さには届かない。

   
(33) 2023/09/25(Mon) 21:49:42

【人】 エウロパ




   「シルフィードの翼をこの身に宿せ
    巡りゆく因果の糸を手繰り寄せろ

    風を、空気を、我の望むままに。」
 


  
(34) 2023/09/25(Mon) 21:50:32

【人】 エウロパ



  まるで、そこに見えない階段でもあるかのように
  私は空中を駆け上がっていく。
  ふわり、ふわりと軽やかに。

  体に翼でもあるかのようなその動きは
  魔法じゃなければ成し得ない動き。 

  
(35) 2023/09/25(Mon) 21:50:50

【人】 エウロパ






                
一歩

  
(36) 2023/09/25(Mon) 21:52:15

【人】 エウロパ




         
二歩
 

                
  
(37) 2023/09/25(Mon) 21:52:41

【人】 エウロパ


   
三歩


         

                
  
(38) 2023/09/25(Mon) 21:54:15

【人】 エウロパ



   
屋上の柵の上にひらりと降り立ち。



  
(39) 2023/09/25(Mon) 21:54:42

【人】 エウロパ



   「ユスティー!みてた???

    ほら、これはもう、3秒ぴったりでしょ!

    異論は認めません!
    これで宿題手伝ってくれるんでしょ?」

  
(40) 2023/09/25(Mon) 21:55:34

【人】 エウロパ



  はしゃぎながらトン、と
  君の横へと降り立つ頃には
  巻き起こっていたはずの風は全てやんでいる。

  近くに植えてあった木の葉っぱが
  風のせいで地面に散乱しているのは
  見なかったことにしておこうかな……。 


  
(41) 2023/09/25(Mon) 21:56:02

【人】 エウロパ



   「あのねー、天文学の宿題を手伝ってほしくて!
    いいよね?そういう約束だもんね?

    ……あれ、そういえばユスティは
    ここで何してたの?
    なんか魔法使ってたみたいだけど。」


  微かに空気に残る魔力は君の物、そうでしょう?
  何してたんだろうって気になって聞いてみたけど
  答えてもらえたかな? *

  
(42) 2023/09/25(Mon) 21:56:45

【独】 エウロパ

/*
これはそう……リーバルトルネード……(違う
(-17) 2023/09/25(Mon) 22:03:25

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
魔法に憧れたのは君に出会ったからだった。


  
(-18) 2023/09/25(Mon) 22:37:34

【秘】 エウロパ → ユスティ


 
   魔法の才を期待されて付けられた名前。
   でも、その名に見合わず、魔力の欠片さえ
   見つけ出すことが出来ずに。
   ほんの子供だましみたいな魔法さえ使えない。


   両親は、優しく接してくれたけれど
   同い年の子達からは揶揄われることも多かった。

   星の名をもらっておきながら
   魔法一つ使えないのか、と。


  
(-19) 2023/09/25(Mon) 22:38:25

【秘】 エウロパ → ユスティ



   魔法なんて使えなくていいもん。
   そんな風に拗ねては、悲しくなっていた。
   憧れなんて持てなかったのに。
   君と出会って世界は変わる。

   私達の思い出の場所。
   川のせせらぎが聞こえたのだけ覚えてる。
   しょんぼりした顔で彷徨い歩いた先に


        
―――――君が、居たんだ。


  
   
(-20) 2023/09/25(Mon) 22:40:35

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   「……まほう、つかえるの?

    すごいね!
    私、君みたいなまほうつかいに初めて会った!
    こんなまほう、見たことない!」


  
(-21) 2023/09/25(Mon) 22:42:26

【秘】 エウロパ → ユスティ



   周りの子よりも数歩先を行く魔法。
   魔力が眠っていただけだと知らない私は
   自分には出来ないものを見たんだと思った。



   「私、エウロパっていうの。
 
    また、まほう見せてくれる?
    やくそく……いいよね?」


   そう、言ったあの日から。
   運命の歯車は回り始める。


  
(-22) 2023/09/25(Mon) 22:43:00

【秘】 エウロパ → ユスティ



   ただ、もっともっとユスティの魔法を見ていたい。

   そして、君みたいに魔法が使えるようになりたい。
   魔法への憧れが生まれるんだ。

   その想いは、知らず知らずのうちに
   君の手助けへとつながる。


  
(-23) 2023/09/25(Mon) 22:44:24

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「がんばって、
    私はいつでも君を応援してるから!」



   
君の手を取って、微笑む。

   その何気ない行動一つで
   足りなかった魔力が君の手へと渡って。

   
   それは無意識の手助け。
   私にとってはただの応援。
   
   
君にとっては―――――。


  
(-24) 2023/09/25(Mon) 22:45:18

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「ありがとう、ユスティ。

    君は私にとって、
    一番のまほうつかいだよ。」


  
(-25) 2023/09/25(Mon) 22:46:04

【秘】 エウロパ → ユスティ



   あの日の言葉を忘れたことなんてないよ。

   大好きな人の言葉だもん。
   
   約束みたいなあの言葉。
   いまも、まもってくれるのかな。*


  
(-26) 2023/09/25(Mon) 22:46:31

【秘】 ユスティ → エウロパ



   魔法は万能ではない。
   有用ではあるが結局使い手に依存する。

   幼い頃からその事実に気づいたユスティは
   決して自分を選ばれた人間だと驕ることなかった。

   魔法が使えないことを嘲るなんて以ての外。
   そういう魔法使いはユスティにとっては
   もっとも許せない人種のひとつであった。


(-28) 2023/09/26(Tue) 0:07:41

【秘】 ユスティ → エウロパ



   自分が選ばれて当然とは思わない。
   しかし努力を重ねれば選ばれる可能性があるし
   選ばれる人間でありたいと走り続けることは
   ユスティにとっては代謝にさえ近いもの。

   川が流れる森の奥深く
   血と汗が滲む秘密の修練場は
   彼にとってもまた思い出の場所。


(-29) 2023/09/26(Tue) 0:08:31

【秘】 ユスティ → エウロパ



   鍛錬を続けていくうちに焦燥が募る。

   努力を重ねれば重ねるほどに
   理想とした場所から遠ざかっていくような感覚。

   心のどこかでは気づいていたはずだ。
   自分は凡人で、選ばれた才能などないのだと。



(-30) 2023/09/26(Tue) 0:09:42

【秘】 ユスティ → エウロパ



   突きつけられそうな現実に
   澄んだ空を運ぶ一人の少女。


            それこそユスティがこの世界で
            最も恨み、最も愛する人。


(-31) 2023/09/26(Tue) 0:10:01

【秘】 ユスティ → エウロパ



   「
えっ!?
、そ、そんなっ、たいしたことないよ!」


(-32) 2023/09/26(Tue) 0:11:31

【秘】 ユスティ → エウロパ



   必死に平静を装っても心はごまかせない。
   栄光への崖に亀裂が入った時に
   屈託のない素直な賞賛は心地が良かった。


   「エウロパ、素敵な名前だね。
    ボクはユスティ。

      エウロパはどうしてこんなところに?」


   それはそうと、ここは誰も好んでくる場所じゃない。
   この出会いは全てが数奇に満ちている。


(-33) 2023/09/26(Tue) 0:12:42

【秘】 ユスティ → エウロパ



   誰かに努力を認められる。
   ただそれだけの事がどうしようもなく嬉しい。

   また魔法が見たいという彼女を
   ユスティが断るはずもなく

   なんどもこの場所で会うにつれて
   いつしか彼にとってもまた
   エウロパが来る時間に焦がれるようになった。


(-34) 2023/09/26(Tue) 0:14:21

【秘】 ユスティ → エウロパ



   応援されると言われて気が舞い上がる。

   まだ器が幼いユスティには
   静かに脈々と流れてくる魔力を感知できず
   手を取られてほのかに顔を赤らめる姿は
   今にして思えばなんと哀れなことだろう。

   キミにとっての一番であり続けたい。


   幼き無垢な恋心は
   人生最大の挫折によって打ち砕かれるというのに。


(-35) 2023/09/26(Tue) 0:15:13

【秘】 ユスティ → エウロパ



   忘れたくないのに忘れてしまいたい。


            驕り高ぶった凡人の告白なんて。


(-36) 2023/09/26(Tue) 0:18:19

【秘】 ユスティ → エウロパ



   それから長く年月が経つと
   
   あの有名な魔法学園トカリスが
   優秀な魔法使いを育てるために
   推薦によるスカウトをはじめる時期となる。

   選ばれた者には手紙が届くという。
   ユスティにとっても大切な一大イベント


             そしてこれこそが惨劇の序章。**



(-37) 2023/09/26(Tue) 0:18:53

【人】 エウロパ



   本当に私の事が嫌いなら
   私が関わる隙さえ見せないはず。

   
無理難題を言うより、無視してしまえばいい。

   

   というか、条件を出してくれるってことは
   出来るって期待してくれてるってことだよね!>>43

  
(56) 2023/09/26(Tue) 1:22:29

【人】 エウロパ


   
   そこで出来ないって決めつけたくないのは
   挫折を知らないから?
   自身の実力を疑わないから…?

   
そうじゃ、ない。>>44


   諦めてしまって、
   君との繋がりが絶たれるのは嫌だから。


  
(57) 2023/09/26(Tue) 1:23:02

【人】 エウロパ



   普段から魔法の制御に難がある私が
   空を飛んで見せよう、なんて。

   失敗したら大怪我では済まないかもしれないのに?   
   私は私なりに、覚悟があるからやってるの。


  
(58) 2023/09/26(Tue) 1:23:27

【人】 エウロパ



   詠唱は……そうだね、
   普段サボってるのは否定しないかな。>>46

   ちゃんと覚えきれなくて
   かといって適当なことを言うと大惨事。
   だから、頭の中でイメージして
   無言のまま魔法を使ってしまうことが増えた。

   ……先生には悪い癖だって言われるし
   直さないといけないんだろう、とは思う。


  
(59) 2023/09/26(Tue) 1:23:48

【人】 エウロパ



   わかってる。
   制御の失敗の原因の一つは
   曖昧なイメージのまま使う
   無言詠唱のせいだってことくらい。 


          
それだけじゃ、ないけれど。


  
(60) 2023/09/26(Tue) 1:24:06

【人】 エウロパ



   空を翔るための詠唱。
   それは、授業で習ったものじゃない。
   空を飛んでみたいな、と思った私が
   図書館で何十冊何百冊と調べ、
   先人の知恵を組み合わせたもの。

   こんなことしてるから宿題が終わらないんだ。


  
(61) 2023/09/26(Tue) 1:24:23

【人】 エウロパ



   降り立ったと同時に、ユスティと目が合う。
   扉の方にいるってことは、
   こっちに来れたら、とか言ってたけど
   本当は迎えに来てくれるつもりだったのかな
   なんて、都合のいい想像がよぎる。

   
……違うんだ、ってすぐ突きつけられるんだけど。


  
(62) 2023/09/26(Tue) 1:24:53

【人】 エウロパ



   「
え、褒めてくれてるの?ありがとう!

    でもね、
    一人じゃできないから頼んでるんだよ?」

  
(63) 2023/09/26(Tue) 1:25:20

【人】 エウロパ



   距離を取られてしまうのは悲しい。
   あの時みたいに傍に居たいって
   そう思ってるのは私だけ?

   ……だったら、寂しいな。
   どうすれば、こっち向いてくれるんだろう。


   それこそ魔法じゃどうにもできないことで
   地面に少しの間、視線を落として。


  
(64) 2023/09/26(Tue) 1:25:50

【人】 エウロパ




   「分からないかどうかは
    聞いてみなきゃわかんないし


             
私は分かりたいの!」



 
(65) 2023/09/26(Tue) 1:26:18

【人】 エウロパ



   あのころとは違う、黒の混ざった瞳。
   あのころはもっと、楽しそうにみえたのに。

   私に手伝えることだったら
   喜んで手伝うのにな。

        今ならその力だってあると思ってる。


  
(66) 2023/09/26(Tue) 1:26:56

【人】 エウロパ



   君が真面目なのは知ってる。
   約束を反故にするはずないとも思ってるから
   ユスティの後ろをついていくんだ。
   
本当は並んで歩きたいのに。


   行き先が図書室だと分かれば
   やっぱり手伝ってくれるんだ、とわかって
   嬉しくなった。
   一緒に居たいだけだから
   本当は手伝ってくれなくたっていいんだ。

   
……手伝ってくれた方が助かるけど。

  
   
(67) 2023/09/26(Tue) 1:27:36

【人】 エウロパ

 

   そんなことを考えていると
   ガクン、と急に足に力が入らなくなって。

   前へと転びそうになって―――。
   縋るように前にいる君へ
   手をのばしてしまったけど
   巻き込んじゃったかな、どうだろう。


 
(68) 2023/09/26(Tue) 1:28:02

【人】 エウロパ



   
   きちんと魔力を制御できていれば
   本来ここまで疲弊することはない。
   魔力の少ない者が無理に魔法を使ったならともかく
   人より魔力の強い自覚はあるんだから。
   この程度じゃ本当は疲れるはずないんだ。

   なのに疲れてしまうってことは  
   何かが上手くいってないってこと。
   それが簡単に分かれば、苦労しないんだけど……。


   ……大成功に見えた魔法も
   実は穴だらけ、というわけ。


 
(69) 2023/09/26(Tue) 1:28:40

【人】 エウロパ


   
   「
ごめんね、ちょっと、……。


    おなかすいちゃった、のかな……。
    あ、でも宿題が先だよね!」


   ふらついてしまったことへの言い訳は
   多分かなり下手だったと思う。
   それでも、ここで離れたくない私は
   図書室へ行こうって、言うんだ。*

  
(70) 2023/09/26(Tue) 1:29:11

【秘】 ユスティ → エウロパ




      「じっとして。」



(-38) 2023/09/26(Tue) 19:06:27

【秘】 ユスティ → エウロパ



   エウロパの手を引くと彼女を抱き締める。
   魔力が流れる蓋を少しだけ締められれば
   あるいは不必要に湧き出て器から零れるものを
   掬いあげて整えることが出来れば。


            それが適切だったかどうか……


(-39) 2023/09/26(Tue) 19:07:44

【独】 エウロパ

/*
えーーーーずるじゃん……
ユスティが優しい……
こことか>>81避けられても仕方ないとすらと思ってたのに((
(-40) 2023/09/26(Tue) 19:13:45

【秘】 エウロパ → ユスティ



   私の周りには魔法が使える子が多かった。
   そういう子たちが集まってたのかな。
   その中で、魔法が使えなかった私は
   笑いの対象にしかならなくて。

   
仲間外れにされてしまったんだ。


  
(-41) 2023/09/26(Tue) 19:17:08

【秘】 エウロパ → ユスティ



   そのことがすごく悲しかった。
   魔法が使えない人もいっぱいいるよ、と
   両親はそう教えてくれたのに
   まるで魔法が使えることが
   当たり前みたいに言われて、輪から外されて。

   ひとりぼっちになってしまった私は
   森の奥深くに迷い込み
   君の秘密の場所へと辿り着く。


  
(-42) 2023/09/26(Tue) 19:17:29

【秘】 エウロパ → ユスティ



   魔法が使えなかった私の傍に居てくれた。
   それだけで、私にとって君は一番なんだ。


         
……君が凄い魔法使いじゃなくたって。
    

  
(-43) 2023/09/26(Tue) 19:19:16

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「すごいよ?私は出来ないし
    他の子の魔法ともちがうもん!」

  

   心から凄いって思ったんだ。
   魔法が使えないと思っていたから
   魔法のことを何一つ知らないから。
   何のためらいもなく、賞賛を口にできる。

  
(-44) 2023/09/26(Tue) 19:19:47

【秘】 エウロパ → ユスティ




        今は……どうだろう。
        言っても君が受け取ってくれないかも、と
        嫌な想像がよぎって口を噤んでしまう。

 
(-45) 2023/09/26(Tue) 19:20:07

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「……わたし、仲間外れにされちゃったんだ。
    まほうが使えない子とは遊ばない、って。

           ……ユスティは、遊んでくれる?」



   どうしてここに、と聞かれれば
   言われたことを思い出して
   少し表情が暗くなってしまったと思う。
   君の方を見る瞳にも、きっと不安が滲んでた。

  
(-46) 2023/09/26(Tue) 19:20:38

【秘】 エウロパ → ユスティ



   でも、君はまた魔法を見せてくれるって。
   私の頼みを断らないでいてくれた。

   何度も秘密の場所で会って
   君の魔法を、魔法の練習を見せてもらった。

   最初はね、魔法が見たいって気持ちの方が
   強かったのかもしれない。

   でも、そんなの最初だけだった。
   君と一緒にいることが、会う目的になって
   時を重ねていけばいくほど
   君が大切なんだ、って想いは強くなっていく。


  
(-47) 2023/09/26(Tue) 19:21:28

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   大切だという想いは今も変わらない。

   あの頃は意図していなかった魔力供給。
   今なら、自分の意志で、それができる。

   君になら、全てを渡してもいいとすら思うのに。
   ……それも哀れだって、君は言うのかな。


  
(-48) 2023/09/26(Tue) 19:21:52

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
私にとっての一番はずっと君なのに。


   一番でありたいという心を
   打ち砕いてしまったのが私だったなんて。

   

   月日が流れて、魔法学園に入学できるほどに
   私もユスティも成長した。

   幼い頃よく遊んでいた私達。
   勿論、そのつながりは変わらないままだった。

   
これからも変わらないんだと思ってた。


  
(-49) 2023/09/26(Tue) 19:22:43

【秘】 エウロパ → ユスティ



   その日は一人で魔法を使ってみようって
   外で練習してたんだったかな。
   近くで君の魔法を見続けていたからなのか
   私はその日、ようやく魔法を成功させて。
   手に小さな青紫の花を握ってたんだ。

   魔法で咲かせた、スターチス。
   君を想って咲かせた花。 


   君に渡したいって思ったの。
   初めて魔法が使えたんだよ?って。

  
(-50) 2023/09/26(Tue) 19:23:24

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「あなたはとても強い魔力の持ち主ね。」


   「ぜひ、魔法学園トカリスに来て欲しい。」


   通りかかった大人に、
   花を咲かせた瞬間を見られてすべてが変わった。

   私をスカウトしたのは学園トカリスの関係者。
   誰だったのかはもう、よく覚えてない。

  
(-51) 2023/09/26(Tue) 19:23:49

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
……選ばれたのは、それを求めてた君じゃなかった。



   魔法が使えないと思われていた私に
   選ばれたものの証である手紙が届いて。

   ユスティは魔法学園に入学するんだと思ってたし
   魔法が使えない私は入学出来ないとも思ってた。

   だからね、手紙が来たのは素直に嬉しかったんだ。
   君も喜んでくれるんじゃないかって
   勝手に、そう思ってた。


   
(-52) 2023/09/26(Tue) 19:26:07

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「ユスティー!
    きいてきいて!
    この間、魔法が成功したの!
    お花咲かせたんだよ!
    ユスティにも見て欲しいなって思って。
   
    それとね、魔法学園トカリスから手紙貰った!」


   自慢なんかじゃなかったの。
   ただ、私は、これで君と同じ魔法使いだね、って。
   同じ場所に行けるよね、って。

   ただそれだけのつもり、だったのに。**


  
(-53) 2023/09/26(Tue) 19:26:52

【秘】 ユスティ → エウロパ



   魔法が使えることがそんなに偉いのか
   迫害とも呼べる文化的風潮の暴力に晒され
   まるで逃げるようにやってきた少女

   魔法というものを忌み嫌ってしまっても
   おかしくないはずなのに
   たった一言賞賛を口にできることが
   どれだけ素晴らしい行為なのか

   知れば追い返そうだなどとは決して思わない。


(-54) 2023/09/26(Tue) 23:32:09

【秘】 ユスティ → エウロパ



     「キミもきっとできるようになるよ
      魔法には不可能なんてないんだ!」



(-56) 2023/09/26(Tue) 23:33:57

【秘】 ユスティ → エウロパ



   幼き少年は少女の不安げな声に首を縦に振る
   暗い表情が物語るその出来事は
   この場所では起こらないのだと示すように。


   「魔法のコツは想像力なんだ。
    イメージがすごく大切なんだよ。」


   やれるまで練習すればきっとできる
   そう信じて疑わないユスティは
   自ら学んできた魔法の扱い方を
   エウロパに惜しみなく伝えて

   時には練習に付き合うとさえ
   言ってみせるようになった。


(-57) 2023/09/26(Tue) 23:35:47

【秘】 ユスティ → エウロパ




   いつかキミと二人で魔法を使えたら。



      エウロパに魔法を教えていくにつれ
      そんな憧れに近い空想が身体を突き動かす。
      最後はもう理屈で語ることは出来ずに
      ただひたすらに彼女の成功を願う。


(-58) 2023/09/26(Tue) 23:37:06

【秘】 ユスティ → エウロパ



   それが功を奏したのか
   はたまたエウロパの観察眼の賜物か

         恋心から造られた想像の具現は
         あまりにも大きな軋轢を生んでしまった。


(-59) 2023/09/26(Tue) 23:38:48

【秘】 ユスティ → エウロパ



   時は流れ、そろそろスカウトが終わる時期
   ポストの中身を確認する日課も今日で終わり。

   結果は褒められたものではなかったけど
   あまり落胆はしていなかった。

   自分が特別優れているとは思ってなかったし
   それでも挑戦できたことには
   確かな意義があったとユスティは疑わない。

   そしてなにより
   その努力の中でも大切な時間を過ごせたのだから。

   
(-60) 2023/09/26(Tue) 23:39:37

【秘】 ユスティ → エウロパ



   ユスティはその日もまた
   魔法の鍛錬に勤しんでいた。

   今日もまた来てくれるであろうエウロパに
   ダメだったという結果を伝えて。

   それでもまた一から頑張って自力で
   トカリスに入学してみせるという
   決意を表明するために。


(-61) 2023/09/26(Tue) 23:40:09

【秘】 ユスティ → エウロパ




   天才なんかじゃなかった。


      それでも良かったのだ。
      普通の魔法使いとして
      普通の彼女の傍にいれるのなら


            どこまでも頑張れる気がした。




(-62) 2023/09/26(Tue) 23:41:16

【秘】 ユスティ → エウロパ




       「二人で一緒にトカリスに行こう。
        そしてこれからもずっと、傍いて欲しい。」

(-63) 2023/09/26(Tue) 23:42:44

【秘】 ユスティ → エウロパ



       自分が取り残されるなんて考えてすらない。
       今日こそ、そう伝えると決めていたのに。
(-64) 2023/09/26(Tue) 23:43:48

【秘】 ユスティ → エウロパ



     本来喜ぶべき成長を
     あるなんて思いもよらない招待状絶望

         ユスティは目の当たりにしてしまう。


(-65) 2023/09/26(Tue) 23:45:36

【秘】 ユスティ → エウロパ



      ────────っ



(-66) 2023/09/26(Tue) 23:46:35

【秘】 ユスティ → エウロパ



   動悸が止まらない。
   ユスティは堪らず胸をうずくまった。
   脳が煮えたぎり、黒い血が駆け巡る。

   エウロパが受け取った手紙は有能の証。
   つまりエウロパの力は自分よりもずっと上で
   魔法を使えないというのは嘘だったということ。

   そこに当人の自覚があろうとなかろうと
   彼女の力は本物で、自分には無いものだと
   もはや疑いようのない事実。



(-67) 2023/09/26(Tue) 23:47:25

【秘】 ユスティ → エウロパ



   この数年、自分も成長したと思っていた。
   いままで出来なかったはずの魔法が使えて

   いままであやふやだった魔法も
   エウロパといる時だけは強力な形となって
   大人にも引けを取らない仕上がりになった。

   好きな女の子前で努力したらいつもより頑張れたと
   己の都合のいい解釈をしただけで

   その実態は自分よりずっとずっと優れた少女の力を
   ただ借りていた、己は狐でしかなかったのだ。


(-68) 2023/09/26(Tue) 23:48:43

【秘】 ユスティ → エウロパ



   幸せな
スターチス思い出
が枯れてゆく。

         満ち足りた盆の底に大きな穴が空く。



(-69) 2023/09/26(Tue) 23:49:44

【秘】 ユスティ → エウロパ



      世界が黒に墜ちていく。



(-70) 2023/09/26(Tue) 23:50:20

【秘】 ユスティ → エウロパ



   「よかったね。

       その調子で、これからも頑張るといいよ。」



(-71) 2023/09/26(Tue) 23:51:02

【秘】 ユスティ → エウロパ



     膨大な嫉妬心が、心を変える。


(-72) 2023/09/26(Tue) 23:51:51

【秘】 ユスティ → エウロパ



   もし彼女がなにか尋ねようとも
   立ち上がるユスティが何かを答えることはなく。


   その日を最後に
   ユスティがその場所を訪れることはなくなる。


   エウロパに声をかけることも
   エウロパと行動を共にすることも


          全てを拒絶するように
          秀才は天才の前から姿を消した。**



(-73) 2023/09/26(Tue) 23:54:43

【人】 エウロパ




   
「厳しいなぁ…その通りなんだけどね。」>>76



  
(85) 2023/09/27(Wed) 5:55:33

【人】 エウロパ



   努力してない?そうだね。

   私は足りないものを身に着けるための努力を
   怠っていると思う。


   
努力する気になれるはずがないでしょ?


  
(86) 2023/09/27(Wed) 5:56:28

【人】 エウロパ



   私一人が駆け上がっていったところで
   何の意味もないの。


   
ユスティと一緒に居たいから。

   私がここに入学した理由なんてそれだけなのに
   高名な魔法使いになりたいからじゃないのに。


   努力すればするほど、君から遠ざかってしまう。
   自分のもつ力を過小評価も過大評価もしない。


   
わかるよ、理屈ではなく感覚でわかる。


   
(87) 2023/09/27(Wed) 5:57:18

【人】 エウロパ



   
   
努力できないんじゃない。


   
その先に待つ未来が怖いからしない。



   
(88) 2023/09/27(Wed) 5:57:57

【人】 エウロパ




   大きな失敗をしてこの魔力を失ってしまえば
   楽なんじゃないかって思うくらいに―――。



  
(89) 2023/09/27(Wed) 6:00:06

【人】 エウロパ



   心は全てに影響する。
   魔法においても例外じゃない。 
 

   
(90) 2023/09/27(Wed) 6:00:25

【人】 エウロパ



   君の言葉から、声から
   微かに滲む怒りを感じ取ると
   目を見開いて、言葉に詰まる。

   天才じゃない、はきっと怒らせてしまう。
   天才であることに抗いたいとか
   天才が秀才を理解したいとかそんな話じゃないのに。


   
どうして、わかってもらえないんだろう。


   理解から遠い憧れの気持ちが
   ユスティの目を曇らせているとも知らない私は
   咄嗟になにかを言うことも出来ない。

  
(91) 2023/09/27(Wed) 6:01:38

【人】 エウロパ



   何も言えないままによろけてしまった私を
   君は支えてくれた。
   言葉は冷たく感じられたって
   優しい君のままなんだ。

   ……そう思っちゃ、ダメなのかな。

   ため息をつかれてごめんね、ってもう一度つぶやく。

  
(92) 2023/09/27(Wed) 6:02:26

【人】 エウロパ



   
   
こんなに疲れると思ってなかった。

   おかしいな、魔力を使い果たすほどの
   魔法じゃなかったはずなのにな。


   この身から溢れてしまう
   魔力の流れを止める術も身に着けず
   魔力の加減も出来ない魔法使いは
  
   教えてもらわない限り分からない。
   ……教えてもらっても。


   
その危険性を突きつけられるまで目を覚まさない。



  
(93) 2023/09/27(Wed) 6:03:29

【秘】 エウロパ → ユスティ




   
「えっ、ユスティ……?」



  
(-74) 2023/09/27(Wed) 6:03:58

【秘】 エウロパ → ユスティ



   戸惑いながらも手を引かれるまま
   何の抵抗もせずにいれば
   君に抱きしめられて。


  
(-75) 2023/09/27(Wed) 6:04:16

【秘】 エウロパ → ユスティ

  

   
……ドキドキしてるの、私だけなのかな。

   何のためらいもなく抱きしめてくれるユスティは
   私の事、なんとも思ってないのかな。

   
   
もし、そうだとしても。

   私はこの短い時間を少しでも長いものにしたくて
   自分からもユスティに抱きついた。
   身を委ねていれば、魔力の流れが変わっていく。
   あるべき器に、戻っていく。

 
(-76) 2023/09/27(Wed) 6:04:58

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
「……大切な人のことを分かりたいって思うのは」

      
好きな人


  
(-77) 2023/09/27(Wed) 6:06:01

【人】 エウロパ



   「そんなに傲慢、なのかな。」


   離れながら小さく言った言葉。
   遊んでほしい、って不安そうに言ったあの時と
   同じような声音で、口にしてしまった言葉。

   届かなかったはずはないと思うけれど。
   届かないふりをされてしまうなら
   今はそれ以上踏み込むことはできない。


  
(94) 2023/09/27(Wed) 6:07:02

【人】 エウロパ




   
天才が秀才を理解したいんじゃない。


   
私が君を理解したい、それだけなの。



  
(95) 2023/09/27(Wed) 6:07:48

【人】 エウロパ



   「ユスティはすごいね。
    なんか、さっきより楽になった!

    ありがとう、助けてくれて。」


 
(96) 2023/09/27(Wed) 6:08:12

【人】 エウロパ



   頬が熱いなと思いながら
   もう大丈夫、って微笑んで見せる。

        また同じように倒れそうになったら
        ユスティに助けてもらおう、なんて。
        言ったら怒られてしまうのかな。


  
(97) 2023/09/27(Wed) 6:08:37

【人】 エウロパ



   ユスティと図書室に到着する頃には
   すっかり普段通りの私に戻っていた。

  
   「実は授業中寝てて……

    ノートも見せてもらえたら
    助かるなー、嬉しいなー、なんて…」


   
(98) 2023/09/27(Wed) 6:09:17

【人】 エウロパ



   魔力の流れを制御できない弊害は
   日常生活からも垣間見えてしまう。
   不必要に魔力が溢れてしまうせいで
   疲れやすく、人より多く眠ってしまう。
   傍から見ればただの怠惰だから、
   魔力と関係があるとは疑われない。


  
(99) 2023/09/27(Wed) 6:09:47

【人】 エウロパ



   君が図々しいお願いを無視しなかった結果、
   宿題に取り掛かる所からじゃなくて
   ノートを写すところからはじまるわけだから
   君からしたら前途多難かもしれないね。

   
私、頼れる人があんまりいないんだ。

   手伝ってくれるってわかったら
   それはもう、とことん付き合ってもらうよ?

   分からない箇所は教えてーって都度質問したし
   結構手伝いは面倒だった、のかな、どうだろう。
   夕焼け空の色が変わって星空になる頃には
   ようやく、宿題も終わって。

  
(100) 2023/09/27(Wed) 6:10:43

【人】 エウロパ



   「……やっとおわった!
    ありがとう、これ実は明日までだったんだ。」


   宿題は前日の夜ぎりぎりになってやるのが
   当たり前、なんて生徒だったから
   今終わってることに実はちょっと感動してる。
   
……終わってるのが当たり前?そうだね……。


  
(101) 2023/09/27(Wed) 6:11:08

【人】 エウロパ



   「ねぇ、ユスティ。
    手伝ってもらっちゃったから
    何かお礼したいなー、何か欲しい物とか無い?
 
    それか、私に手伝えることなら
    私が何か手伝うとかでもいいよ!」
  
  
(102) 2023/09/27(Wed) 6:11:28

【人】 エウロパ


 
   「私にできることならなんでもするから。
    いつでも言ってほしいな!」



   図書室を出て、二人で歩きながら。
   お礼をしたくなった私は、軽々しく、
   WなんでもWなんて言葉を使ってしまうんだ。*

  
(103) 2023/09/27(Wed) 6:11:52

【秘】 ユスティ → エウロパ



   ユスティにとって
   この応急処置はあまり良いものではない。

   需要を超えた供給は時に器を破壊する。
   供給相手がエウロパであれば
   少しの油断でこっちが倒れてしまい
   最悪の場合死に至ることさえある。



(-78) 2023/09/27(Wed) 9:53:46

【秘】 ユスティ → エウロパ



   それでも処置を躊躇わないのは

   今この瞬間だけなら
   彼女に触れても許される気がしたから。

   こちらに抱きつく彼女の応えには
   何も気付かないふりをして
   こんな時しか触れてはいけないのだと
   強く自らを戒めるように


      処置が終われば何も言わず離れていくだけ。


(-79) 2023/09/27(Wed) 9:54:24

【秘】 ユスティ → エウロパ



   離れた距離が名残り惜しまないように
   背を向け距離を開くと
   いつかを思い出させるか細い声に
   ユスティは唇を噛み締める。

   やめてくれよ。大切な人、だなんて
   ボクにはもうその資格などないのに。


   咄嗟に出そうになってしまった過去の痛みを
   膨大な魔力とともに飲み込む。

   それを口にすることは、決して許されないから。


(-80) 2023/09/27(Wed) 9:55:06

【秘】 ユスティ → エウロパ



   「たとえ体力自慢の騎士だろうと
    太刀筋が洗練されていなければ
    いつかは体力が尽きて
    洗練された太刀筋に首を斬られてしまう。

    あるいは
    たとえ他より大きなバスタブだとしても
    適切に蓋を締めなければあっという間に空になる。」


(-81) 2023/09/27(Wed) 9:55:53

【秘】 ユスティ → エウロパ



   「凡人ボクですら分かるなら
         キミにはその意味くらい分かるだろう?」


(-82) 2023/09/27(Wed) 9:56:12

【秘】 ユスティ → エウロパ



   代わりに口から出たのは
   不安への答えではなく

   不愉快な笑顔を浮かべた天才への、
   当てつけにも等しいヒントだった。


(-83) 2023/09/27(Wed) 9:56:46

【秘】 ユスティ → エウロパ



      ──────────。
(-84) 2023/09/27(Wed) 9:57:43

【独】 エウロパ

/*
またアンカーさぼってるじゃん私……すみません……
(-85) 2023/09/27(Wed) 11:39:48

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「そんな風に言ってもらえたの初めて!
    ユスティが教えてくれるの……?」


  
(-86) 2023/09/27(Wed) 12:40:10

【秘】 エウロパ → ユスティ



   その言葉一つに、どれだけ救われただろう。
   不安を吹き飛ばす君の言葉が嬉しくて
   ぱぁっと明るい表情になって。


   「想像力……あんなことできたらいいな、って
    考えてみたらいいのかな。」

  
(-87) 2023/09/27(Wed) 12:40:57

【秘】 エウロパ → ユスティ



   やれるまで練習すれば、いつかきっとできる。
   この考え方は今の私も持っている。
   今の私の根幹にはユスティがいるの。
   惜しみなく伝えられた魔法の扱い方を 
   推さなかった私が理解するには
   かなりの時間がかかったし
   付き合ってもらった練習も、
   あまり良くない結果が続いてしまった。

   眠る魔力を引き出すには
   私は幼すぎたのかもしれない。


 
(-88) 2023/09/27(Wed) 12:41:38

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
いつか君と二人で魔法を使いたい。



        ユスティに教えられるうちに
        その想いばかり強くなっていく。
        それでも、君の前で成功を見せられない。


  
(-89) 2023/09/27(Wed) 12:42:28

【秘】 エウロパ → ユスティ



   君の教えが実った結果、
   大きな軋轢を生むくらいなら。

   一生、失敗していればよかったんだ。


   
(-90) 2023/09/27(Wed) 12:42:51

【秘】 エウロパ → ユスティ



   ユスティが頑張っているのは私も知っていた。
   ユスティならきっと大丈夫だよ、なんて
   
無責任な言葉だったね、今にして思えば。


   嫌味でも何でもなく、
   心からの言葉だったのに
   私が手にした招待状はその言葉を
   君にとっての嫌味に変えてしまうんだ。


  
(-91) 2023/09/27(Wed) 12:43:20

【秘】 エウロパ → ユスティ



   天才なんかじゃなくていい。


      普通の女の子として
      君の傍に立てるなら、なんだっていい。


         ……贅沢なことじゃないはずなのに。


  
(-92) 2023/09/27(Wed) 12:43:54

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「私もトカリスに行けるんだ。
    だから、これからも君の傍に居たいな!」


  
(-93) 2023/09/27(Wed) 12:44:30

【秘】 エウロパ → ユスティ



    自分が置いていくことになるなんて考えてもない。
    今日はただ、喜びを分かち合う日のはずだったのに。


  
(-94) 2023/09/27(Wed) 12:44:57

【秘】 エウロパ → ユスティ



   私が望んだはずの未来への招待状は
   一瞬で絶望に変わってしまう。


  
(-95) 2023/09/27(Wed) 12:45:17

【秘】 エウロパ → ユスティ



    「―――――、どうしたの?」


   うずくまってしまった君に慌てて駆け寄り
   大丈夫?って声をかける。

   私の言葉が原因だと分かっていながら
   放っておく事なんて出来るはずがない。

  
(-96) 2023/09/27(Wed) 12:45:50

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   嘘なんかじゃなかったんだ。
   本当に、今までは魔法が使えなくて
   君が根気強く教えてくれたから
   やっと、成功したんだよ、って。

   眠っていた魔力を目覚めさせたのは君なんだ。
   君がいなければ魔法使いにはなれなかった。


  
(-97) 2023/09/27(Wed) 12:46:19

【秘】 エウロパ → ユスティ



   私は知らない。
   溢れてしまう自分の魔力が
   ユスティの魔法を手伝っていたなんて。


   私は知らない。
   魔法の成功、が大事なんじゃなくて
   自分自身の力で成功させたいと、
   ユスティが思っていることなんて。


  
(-98) 2023/09/27(Wed) 12:46:45

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
成功が失敗に変わる。


         
喜びが悲しみへと変わるのは一瞬。


  
(-99) 2023/09/27(Wed) 12:47:15

【秘】 エウロパ → ユスティ




    
記憶が、黒く塗りつぶされていく。



  
(-100) 2023/09/27(Wed) 12:47:43

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「……どう、したの?

    ユスティ、おこってる、の……?」


  
(-101) 2023/09/27(Wed) 12:48:10

【秘】 エウロパ → ユスティ



   どうして、喜んでくれないの?
   どうして、変わってしまったの?


  
(-102) 2023/09/27(Wed) 12:48:24

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「ユスティもトカリスに行くんだよね?
    これからも、一緒だよね……?」


  
(-103) 2023/09/27(Wed) 12:48:52

【秘】 エウロパ → ユスティ



   
問いかけに返事は返ってこない。

   
   思い返せば、ユスティが推薦を手にしたと
   一言も聞いてないのに、手にしたのだとばかり
   あの時は信じ込んでいた。

   それが、どれほど残酷なことだったのか
   私には想像することしかできない。
   痛みを真に知っているのはユスティだけ。


  
(-104) 2023/09/27(Wed) 12:49:31

【秘】 エウロパ → ユスティ



   次の日、いつもの場所に行っても
   大好きな人の姿はなく。


   
嫌われてしまったんだ、と思った。


   手に握られたスターチス。
   君に渡したいと思ったのに
   君が選んだのは拒絶だったから。


          
渡すことも出来ないまま。


  
(-105) 2023/09/27(Wed) 12:50:42

【秘】 エウロパ → ユスティ




   
―――――また、ひとりぼっちだ。



  
(-106) 2023/09/27(Wed) 12:51:20

【秘】 エウロパ → ユスティ



   うずくまって泣きじゃくる少女の心に
   反応するかのように周りの温度が下がっていく。
   天まで悲しみに共鳴するかのように
   雨が降り注いで、服が濡れる。

   いつしか心地よい川のせせらぎは聞こえなくなり
   冬でもないのに流れる水はすっかり凍り付き
   降っていた雨は雪へと変わる。

   涙さえ凍り付き、寒さに少女が倒れてしまっても
   魔力が尽きるまで季節外れの雪は降り続ける。


  
(-107) 2023/09/27(Wed) 12:51:56

【秘】 エウロパ → ユスティ



   異常な魔力を感知した誰かが
   少女を見つけたときには、
   雪こそ降りやんでいたものの
   あたりは真冬のように寒いまま。
   
少女は寒さで死ぬ寸前だった。


        手に握られたままのスターチスは
        寒さにしおれ、凍り付いてしまっていた。


  
(-108) 2023/09/27(Wed) 12:52:39

【秘】 エウロパ → ユスティ



   辛うじて助かった少女は
   どうしてあんな場所にいたのか、
   どうしてあんな魔法を使ったのか
   聞かれても答えることが出来ない。



    
「…………おぼえて、ない。」



   
大切な人に、何を言われたんだっけ。

   
なんとなく、悲しかった気がする。

   記憶を塗りつぶして心を守ろうとした結果。
   原因不明の魔力暴走だけが、残ってしまった。


  
(-109) 2023/09/27(Wed) 12:53:23

【秘】 エウロパ → ユスティ



   魔法が成功した、って伝えたかっただけなのに
   その成功体験は、大切な人を傷つけてしまった。


   初めての成功が大失敗に変わったから、
   魔力制御が上手くいかない。

 
   成功が失敗に変わることを
   無意識にずっと恐れている。


   成功すればするほど好きな人から遠ざかるなら
   成功なんて要らない、その気持ちが。


  
(-110) 2023/09/27(Wed) 12:54:27

【秘】 エウロパ → ユスティ



   私の身を危険にさらし続けているのだと。
   私自身が知ることはできない。

          拒絶されたあの日の記憶を
          塗りつぶしてしまったから。**


  
(-111) 2023/09/27(Wed) 12:55:37

【独】 エウロパ

/*
成功を求めてるユスティと成功なんて要らないと思ってるエウロパ……
(-112) 2023/09/27(Wed) 16:38:12

【人】 エウロパ


   
   私たちが分かり合うには
   言葉を交わすことなのに。

   私の聞き方が悪いのか
   私の理解が足りないのか。

   言葉を交わそうとしても上手くいかない。
   君の心がわからない。
   わかりたいと思うのに。

           
わからせてほしいのに。


  
(115) 2023/09/27(Wed) 16:52:10

【人】 エウロパ



   
嫌われてないんだって思いたい。

   
でも、嫌われてるんだと思う。


   私の行動なんて全部迷惑かもしれない。
   
   本来なら怒りを買うかどうかじゃなくて
   君が今怒ってるというのなら謝らずにはいられない。
   ただ、それだけのことなんだ。


  
(116) 2023/09/27(Wed) 16:53:23

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   自分自身が危険なだけなら
   魔力制御なんて簡単に覚えないだろうけれど
   君にまで危険が及ぶのだと、
   そこまで考えを回すことが出来たなら
   話は違ってくるのに。

   君がそこで躊躇わないから。
   当たり前のように危険を冒すから
   大丈夫なのだと思ってしまう。


  
(-113) 2023/09/27(Wed) 16:53:48

【秘】 エウロパ → ユスティ



   だから、君の行動に甘えてしまうんだ。

   こんな時じゃなくても触れていたいのに
   こんな時じゃなければ触れられない。
   
   求めるように抱きついても
   気づかないふりをされてしまうのが寂しい。
   ただの応急処置、でしかないのかな?
 
         君の心はやっぱり分からないまま。


  
(-114) 2023/09/27(Wed) 16:55:11

【秘】 エウロパ → ユスティ



   私の心は今も変わらない。
   君は大切な人なの。


   君にとっての私も同じであってほしい、
   それがわがままだとしても。

   私の気持ちすら否定されてしまうのは……。
   返ってこない言葉が否定に感じられて。


   
(-115) 2023/09/27(Wed) 16:55:46

【秘】 エウロパ → ユスティ

 

   「…………それがわかってないから
    倒れそうになる人だっているのに

    どうして自分を下げるようなことを言うの?
    君だから、分かるんじゃないのかな。」

  
(-116) 2023/09/27(Wed) 16:56:06

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「自分が分かることが当たり前の事だと
    そう思うのは違うと思うんだけどな。」


  
(-117) 2023/09/27(Wed) 16:56:24

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「……アドバイス、ありがとう。
    言いたいことは分かるよ。」


   でも、解決方法が分からない。
   特に、魔力を練って洗練させる方法が。


   ……その方法はきっと自分で考えないといけない。
   だから、口を噤んでお礼を言うにとどめて。

  
(-118) 2023/09/27(Wed) 16:56:48

【人】 エウロパ


   
   「それ、何度も聞いたよ?

    ユスティは優しいよね、いつも。」


   
私は君のそういうところが好きなんだよ。

   微笑みながら君の言葉を流してしまう。
   もしまた、私が困ってたら
   助けてくれるはずだって、信じてるから。**

  
(117) 2023/09/27(Wed) 16:57:14

【人】 エウロパ


   ……ということがあって。
   私達は図書室にやってきた。

   私はユスティといられて楽しい。
   ……どうやら楽しいのは私だけらしいと
   ユスティの口調から伺えるけれど
   それはそれとして。
   頼みを遠慮するつもりはないんだ。

  
(118) 2023/09/27(Wed) 16:59:00

【人】 エウロパ



   「えっ、水星じゃなくて木星だったの?!」>>109

  
(119) 2023/09/27(Wed) 16:59:16

【人】 エウロパ



   自分の名前の元になった星すら怪しいなんて
   君からしたら信じられない姿かもしれないね。


  
(120) 2023/09/27(Wed) 16:59:29

【人】 エウロパ



   過労で死にかけた?
   
頭のいいユスティなら大丈夫でしょ!

   私にとってはそのくらいの感覚なもので。


   質問すれば教えてくれるし
   ノートも見せてもらったし
   ユスティは優しいね、って何度も
   教えてもらう度に口にして。
 
   時間がかかってしまったのは
   申し訳ないなって思ったけれど
   一緒に居られる時間が長くなって
   私としては願ったりかなったり。

   まあ、楽しい時間はすぐに終わってしまうんだけど。

  
(121) 2023/09/27(Wed) 17:00:13

【人】 エウロパ



   「えー、また手伝ってほしい!>>111

    ユスティの説明、
    すっごくわかりやすかったから!」


  
(122) 2023/09/27(Wed) 17:00:36

【人】 エウロパ



   心なしか、ユスティの声が
   疲れてるような気もするけど気の所為だよね!

   
   こうしてユスティに何かを教えてもらうのは
   小さい頃に戻ったみたいだな、なんて思う。

   二人で歩きながら口にしたお礼の話は
   ユスティを困らせてしまったみたい。

  
(123) 2023/09/27(Wed) 17:01:17

【人】 エウロパ


   
   「…………思いつかないの?
    本当に何でもいいのに。」


   勿論、君に断る選択肢なんてない。
   保留も本当は嫌だった。
   お礼しないまま時間が経って機会を失いそうで。


   だから、ユスティの返事に不服そうに
   唇を尖らせて、今聞きたい、と促すわけだけど。

  
(124) 2023/09/27(Wed) 17:01:46

【人】 エウロパ



   「………………。
    それとも、私が傍にいるの、嫌なの……?」


  
(125) 2023/09/27(Wed) 17:02:01

【人】 エウロパ



   ユスティの目の前に立って
   目を合わせようとする。

   これでも目を逸らされてしまうのかな。
   私、今度こそ引きたくはなかったんだけど。
 
   
…………ぐぅ、と私のお腹が鳴ってしまい。


  
(126) 2023/09/27(Wed) 17:02:25

【人】 エウロパ



   
「うぅ……。どうしてこんな時に…………。」



   困ったような顔をして目を逸らす。
   宿題も頑張ったし居残りはしていたし。
   そうじゃなくたって結構遅くなっちゃったから
   別に変ではないんだけどタイミングが悪い。

   はぁ……とため息をついてしまうのだった。*

   
(127) 2023/09/27(Wed) 17:02:52

【人】 エウロパ




   
「え、だって水星って名前だし……。」



  
(138) 2023/09/28(Thu) 21:49:54

【人】 エウロパ



   この返答では
   水星の群だと思ってました!と白状したようなもの。
   
   私の興味の矛先は君に向いている。
   勉強は正直あまり興味ない……っていうと
   君にも先生にも怒られてしまいそう。

   
   魔法で捲られるページの方へと視線を移す。
   まるでどこに何が書いてあるか覚えてるみたい。

   木製群にある衛星のページを覗き込んでいると
   ユスティが解説してくれた。

   
(139) 2023/09/28(Thu) 21:50:38

【人】 エウロパ


   
   
「……氷、かぁ。」



   何故か頭によぎるのは凍り付いた川。
   ちらつく白い雪。そして凍り付いた―――。


   
ふるふると首を振って、過去から目を逸らす。


  
(140) 2023/09/28(Thu) 21:51:03

【人】 エウロパ



   「この星以外にも、
    住めるかもしれない場所があるんだ!
    
    でも、既に誰かいるかもしれないよ?」

  
(141) 2023/09/28(Thu) 21:51:28

【人】 エウロパ



   試験には関係ないのかもしれないけれど。
   遠い将来に人が住めるかもしれないって話は
   私の興味を引くに十分で。
   
   ただ、それはユスティから聞くのが楽しいって。
   そういう気持ちも強いから
   勉強の方に身が入るかと言えば……
どうだろうね。



   優しさにも代償がある……というより
   貰った優しさになにかを返したい。
   私はそう考えてるんだ。

   
貰ってばっかりじゃ嫌なんだ。


  
(142) 2023/09/28(Thu) 21:52:20

【人】 エウロパ




   「……そういうものなの?
    だって、共同で何かを作る、とかあるでしょ?

    何かが足りないなら誰かに借りるのは 
    別に悪いことじゃないと思うんだけど……。」

 
(143) 2023/09/28(Thu) 21:52:42

【人】 エウロパ



   一人で成し遂げなければ成功じゃない、のかな。
   意味がない、のかな。

   
……そもそも、成功ってそんなに大事なのかな。


 
(144) 2023/09/28(Thu) 21:53:07

【人】 エウロパ



   多分、ユスティはおかしくないんだろうけれど
   私にはよく、分からなくて。


  
(145) 2023/09/28(Thu) 21:53:20

【人】 エウロパ



   私の傍に居たくないのかなって。
   私が、嫌われてるのかもって少し思ってた。

   でも、そういうわけじゃないのなら。>>135
   ……どうして前みたいに話せないんだろう。


 
(146) 2023/09/28(Thu) 21:53:37

【人】 エウロパ




   「
……すぐお腹すくんだ、私。

    なにか……んーー、じゃあユスティも一緒に!
    ほら、ユスティもお腹空いてるでしょ?
    もうこんな時間だし!」

 
(147) 2023/09/28(Thu) 21:53:59

【人】 エウロパ



   こんな時間まで付き合わせたのは棚に上げて
   ユスティの手を取ると
   行こう?って笑いかけるんだ。

   
え、自分だけ帰る?
帰らせないよ???



   「私はねー、ホットドッグ食べたいなー
    チーズいっぱいかかったやつ!

    ユスティは?何食べるの?」


   繋ごうとした手は
   ユスティが離さないならそのままにして。

   購買の方へと歩いていく。
   星空を見上げながら、ふと足を止める。

  
(148) 2023/09/28(Thu) 21:54:39

【人】 エウロパ



   「ユスティはさ……。

    他の女の子が今日の私みたいに
    倒れそうになったら……同じこと、する?」


  
(149) 2023/09/28(Thu) 21:55:09

【人】 エウロパ



   君は優しいから、放ってはおかないと思って。
   でも……もし今日と同じこと他の子にもするなら
   やっぱりあの時のはただの応急処置で。

   意識してたの、私だけってことになっちゃう。
   それは……いやだな…………。


   
   他の子に同じように接してる君は見たくない。
   考えると、もやもやする。


  
(150) 2023/09/28(Thu) 21:55:42

【人】 エウロパ



   返事は返ってきたかな。
   どっちにしても、また歩き出して。


   「……あ、ホットドッグ売り切れ?!?!
    えーーー……どうしよう……。

    
ツイてないな……。」



   購買に着くなりお目当ての物がないとわかると
   がっくりと肩を落として
   そのままうずくまってしまうのだった。*

 
(151) 2023/09/28(Thu) 21:56:19

【秘】 エウロパ → ユスティ


***


   私が学園トカリスに入学してすぐの頃。
   まだルームメイトとも仲良くなってなくて
   頼れる友達が一人もいなかった頃の話。

   その日はグラスに水を満たす授業があって。
   上手くできなかった私は放課後に
   空き教室でグラスのふちを叩いては
   水を出そうとしていた。 

  
(-119) 2023/09/28(Thu) 23:15:15

【秘】 エウロパ → ユスティ



   「みんなどうやってるのーーーー。」


   授業では水を出そうとするたびに
   グラスが粉々に割れてしまって上手くいかなかった。
   出来なかった人は自分で練習するように、と
   言われたから、ため息をつきながら練習していた。
   ……でも、一向に上手くいかない。

  
(-120) 2023/09/28(Thu) 23:15:37

【秘】 エウロパ → ユスティ



   W魔法のコツは想像力なんだ。W

   幼い頃に聞いた言葉を思い出して
   杖に意識を向けながら水を思い浮かべる。

   ユスティと一緒に練習していた時は
   川のせせらぎが聞こえて来たっけ。


   
……なんて、考えてしまったせいなのか。


  
(-121) 2023/09/28(Thu) 23:16:05

【秘】 エウロパ → ユスティ



   いつの間にかグラスから特区に溢れた水は
   机を濡らし、足元まで水がしたたり落ちる。


   「え、出来てる……??
    
でもこれどうやって止めるんだっけ?!


 
   止めないと、そう思っても
   焦ってるからなのか、止まらなくて。
   むしろ水の勢いはどんどん増していく。

 
(-122) 2023/09/28(Thu) 23:16:54

【秘】 エウロパ → ユスティ


   
   服どころか教室の床まで水浸しにして
   それでも私は魔法を止めることが出来ず。


   
「だれかー!!これとめてーー!」



   もう誰でもいいから止めて欲しい。
   そんな気持ちで叫んでた時かな。

           君が来てくれたのは。*

  
(-123) 2023/09/28(Thu) 23:17:32

【秘】 ユスティ → エウロパ



   まだ気づいてはあげられないんだ。
   まだ、キミの隣にいるには相応しくないから。



(-124) 2023/09/29(Fri) 23:47:45
 




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