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人狼物語 三日月国


258 【身内】冬融けて、春浅し

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【人】 葛切 幸春


[恋人。>>24
その単語を噛み締めるように反芻する。]


 ───それは解る。


[好いた相手の前では格好良く在りたい。深く理解出来るだけに、同じ気持ちを自身へと返して貰える幸甚は未だに夢ではないかとさえ。
言い含めるような声すら甘い彼の、その横顔を再度覗き見る。顔貌も心の内も、運転一つとっても穏やかで良い男だ。
だからこそ、注がれる愛情を手放しに喜んでいるだけでは居られない。

言葉を飲み込んだ一寸の間。それさえ慮られているとは流石に知らぬ儘>>23、目線を上げた。]


 ……、あんたからの愛なら誉だな。
 冬莉こそ、俺の愛を頑張って受け止めてくれ。


[軽口に似た応酬は、人気のない限りは車を降りた後も続けただろう。だからエレベーターに乗る時にも、前回の時のような緊張感は無かった訳だが。]
(27) 2024/04/28(Sun) 1:38:51

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉


 は 、


[狭い箱の中、世に二人きりの様な錯覚と、しかし公共の場であると云う事実。
只管に衆目を避けて生きて来た己には無縁だった背徳感と高揚感に、離れた唇を半ば茫然と目で追って、]


 ……あんたの事しか、見ていない。


[一言、背へ投げた。]
(-13) 2024/04/28(Sun) 1:39:48

【人】 葛切 幸春


[相手から少し遅れて、エレベーターを降りる。

入ったのはサウナではなかった筈なのだが。体温の上昇が些か所在なく、顔色を戻すよう頬を手の甲で擦って眉間に力を込める。それから漸く、後を追った。]
 
(28) 2024/04/28(Sun) 1:40:48

【人】 葛切 幸春


 ……… 失礼する、

[彼に続いて足を踏み入れた一室は、初めて訪問した時の儘だった。此処の主の抱く寂しさを感じさせる程、相変わらず綺麗過ぎる。
少しだけ目を細めて携えた鞄を適当に置かせて貰った後、忘れる前に持っていた紙袋を差し出した。]


 あんた、甘いのが好きだろう。
 美味いと評判を聞いて……。


[中身はある種定番の焼き菓子、フィナンシェだ。
口に合えばいいが、≠ニ顔色を窺うように視線を投げる。相手は袋の中を確かめただろうか、]


 だが今度は、あんたを出迎えてくれる縫いぐるみでも買って来るとしよう。何の動物が好きだろうな。
 
(29) 2024/04/28(Sun) 1:44:18

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉


 ─――なんてな。 冬莉、


[彼が焼き菓子に気を取られたなら、或いは他愛無い軽口に笑ったなら。
その隙を突いて首裏を引き寄せた。無防備だったろう唇を甘噛み、緩く歯列を舐め上げる。潤った下唇を吸い上げて、軽い水音と共に唇を離した。]


  [意趣返しには意趣返しを、とは口実だ。]
 
(-14) 2024/04/28(Sun) 1:45:14

【人】 葛切 幸春



 ……参考までに、俺は最近黒い犬が好きだ。
 ああ、目の悪い奴も可愛らしいな。


[僅かに目を眇めて、口の端を吊った。*]
 
(30) 2024/04/28(Sun) 1:46:52

【独】 葛切 幸春

/*
ところで、

>>23>>24>>秘話
俺の恋人が良い男過ぎるんだが???

心臓に悪い……くそ、俺は負けんぞ。
(-15) 2024/04/28(Sun) 1:50:23
葛切 幸春は、メモを貼った。
(a0) 2024/04/28(Sun) 2:05:15

【人】 葛切 幸春


[エレベーターから部屋までの僅かな距離。
数歩遅れて歩みながら、車内での会話>>31 を思い返す。


 
―――何もかも¢Sて。



身に余る言葉だ。そう頭を過ぎる事自体が未だ、彼の心情を充分に理解出来ていないかも知れない。
本人が自覚している以上に愛情深い性質なのだろうと、一つずつ理解を深めながら彼の背を見る。>>32 それに応え得る男で在りたいと思うのも、事実だった。]
(34) 2024/04/28(Sun) 21:20:16

【人】 葛切 幸春

[菓子を手渡すと共に指摘されて、漸く己も同じ事をしていたと気付く。が、]


 ……俺のは、別に格式張ったものじゃない。
 単なる“恋人への贈り物”だ。


[手土産と考えた心中>>21 は無かった事にした。
礼には軽く首を振って応える。実際、あの夜に垣間見た屈託の無い笑顔をまた見る事が叶えばと願う我欲でもあった。次いだ軽口さえ、それが理由の一つでもある。

──―何にしても無事に興味は引けたようだ。
彼の様子を眺めて、一歩近付いた。]
(35) 2024/04/28(Sun) 21:21:07

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉

[そうして得た隙を逃す事無く、数日振りに触れた唇は、彼の忙しない日々を彷彿させるように僅かにかさついて 然し柔らかく甘い。

エレベーターと違って此処では何に遠慮する事もない。
否、一つ挙げるなら何より配慮すべきは彼の許容範囲だが───此方が離れるより早く、後頭部に掛かる手を知った。自然と覚える喜色に、一度は忘れかけた熱を思い出す。許しを得れば抑えが効かなくなり、角度を変えて擦り合わせる唇の、その奥へ忍び込もうとして、]


 …………、


[―――眼前へ晒された鍵に怯み、動きを止めた。

一拍を置き、まるで此方の挙動を見透かしたような、冗句染みた気遣いを知る。仕舞い込まれる銀色を眺めて、僅かに眉尻が落ちた。]
(-21) 2024/04/28(Sun) 21:22:49

【人】 葛切 幸春


 あんたを出迎えられるなら、その犬も幸せだろうな。

    [眼前で零れる笑みは 目線のみで見据えて、] 
 
(36) 2024/04/28(Sun) 21:23:49

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉

[口角を辿る優しい指へ、己の指を絡める。
爪先、手の甲、順に唇を押し当てて、最後に手頸へ口付けた。]


 ……あんたは、
 何処までを、俺に許してくれるんだろうか。
 

[何処か希うような声になった。
己と違い、引き返せば充分に日向で胸を張って行ける人間だと理解している。不可能の境界線が在るなら踏み越える前に知らされたかった。

鍵も何もかも。触れてからでは、手離せないだろうから。*
]
(-22) 2024/04/28(Sun) 21:25:34

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉



 俺 は、


[自分がどんな表情を取っているか、思う余裕は無かった。
唯、柔らかな声に指摘されて、また一つ自覚する。
そうか、これは怯えか。

彼の心を疑いたい訳ではなく、彼の言葉を信じていない訳でもない。だが恐ろしかった。あの夜から今日まで、たった数日とは云え、彼の為人を深く感じて来たが故に。
何処までも寛容な腕に、眉が歪んだ。今とて只管に心を砕いてくれている。他者の痛みを何処までも憂う、優しい心根の―――、]


 ………冬莉、

 あんたは、温かいひとだ。
 きっとあんた自身が思っている以上に、愛して、愛されて、正しく生きて行ける人間だ。


[そう実感する程に、自分がこれまで歩んで来た後ろめたい人生に、引き摺り込んで許されるのかと耳鳴りがする。
隣を望んでくれる彼愛惜しく想うひとを傷付ける事は、何にも勝る大罪に思えた。
]
(-28) 2024/04/29(Mon) 0:28:41

【人】 葛切 幸春



 
[そんなあんたをこそ、幸せに出来たなら。]

 
(39) 2024/04/29(Mon) 0:29:41

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉



 
[──そう出来るのが己であれば、どんなにか幸せだろう。]
(-29) 2024/04/29(Mon) 0:30:01

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉

[深く呼吸する。
寄せられた頬は温かく、視線が合わない事が救いでもあった。出来るだけ私情を挟まず、事実のみ伝える事を努めるように息を逃し、]


 ……あんたは、男と付き合った事は無いだろう?
 多様性が認められて来たからといって、好奇の視線を向けられない訳じゃない。

 俺は、高校の時に周囲にバレたんだ。
 面白がられたよ。初めて付き合った相手だったが、そのひとだって今如何しているか分からない。

 何より、もうずっと、……家族には会っていない。
 帰れない。
 父を失望させて、母を泣かせて、弟や妹に家業も押し付けてしまった。長男としての責任を、何ひとつ果たさないままだ……。


[過去を話す時が来るとしたら、せめてもっと理性的に伝える心算だった。儘ならない。瞼を落として、目許を押さえる。]


 田舎の小さな事業でさえ障りになったんだ。
 あんたの立場なら、尚更──……
 
(-30) 2024/04/29(Mon) 0:31:55

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉


[―――その先は言えなかった。
やがて目許から外した手で、そっと背を抱き返して撫でる。明るい方向へ話を落とし込めず、緩慢に顔を上げて誤魔化すように笑った。
笑えていたら良い。
]


 誰の期待にも応えられないなら、線引きしていた方が楽だったんだが。……あんたの前では、上手く出来なかったな。

 あんまり良い男だったから、気付いたら惚れてた。
 
(-31) 2024/04/29(Mon) 0:33:03

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉


 ……… 好きだ、冬莉。
 あんたを幸せにしたい。幸せに、なって欲しい。


 だが俺は鍵を受け取ってしまったら、
  
いつか俺が障害になったとしても、


 きっともう、あんたを手離せない。 
[だから、*]
(-32) 2024/04/29(Mon) 0:34:00

【独】 葛切 幸春

/*
弱った状態でのターン経過が申し訳ない気持ちと、冬莉のひとの手腕に感服する気持ちが綯い交ぜになる。[胸を押さえた。]


そして俺は集中し過ぎて独り言が飛ぶ。

掬い方が凄くないか、凄いな……。
(-33) 2024/04/29(Mon) 0:38:18

【独】 葛切 幸春

/*
>>37
紙袋抱き締めてるの可愛いな??

男前と可愛さのギャップがとても愛い。
(-34) 2024/04/29(Mon) 0:40:47

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉


[取り留めの無い吐露は、出口を欠いた迷路に似る。
付き合って楽しい訳が無い、のに、その渦中においても彼の体温と言葉は真摯だった。

―――目の奥が熱くなる。
耐えた心算になっていた涙の発露を、相手の指に知って眉宇が歪んだ。弱音は彼と出逢ったあの夜に置いて来た筈だった。にも拘わらず容易く振れる己の軸を恥じる他無い。
その上で、共に立ち止まり・振り返ってくれる存在を、稀有に思う。]


 ………礼を言うのは、俺の方だろう?


[笑みが更に不格好になったのは見逃して欲しかった。]
(-41) 2024/04/29(Mon) 16:43:18

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉

[―――
俺等の関係がバレたら 、

一寸身が強張る。息を詰めて、それから、]


 は?


[続きを暫し固まって聞いた。

否、そんな未来を選ばせる訳にはいかない。
長い時間辛酸を舐めて耐え抜いた彼の軌跡を、築かれた“今”を、決して捨てさせてはならない。

そう訴える理性が在りながら、然れど何処か許しを得たような心地になるのは──屹度。眼前の彼が余りにも自然な促しで、己を含めた二人歩む為の選択肢を広げてくれるからだった。]


 ……… ふ、


[肩が揺れる。思わず破顔して、押し出されるように漏れる笑みを手で押さえた。]


 はは、そんなの、
  
[あんたが居るなら、何処にだって。]


 ……あんたには、敵わないな。
 
(-42) 2024/04/29(Mon) 16:46:50

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉

[唇が離れる前に一度甘噛んで。そうして間近の――眼鏡越しに覗いた彼の双眸は、きっとあの犬を見付けた己と似た色をしていた。]


 ……、思い出す事なんてそう無いんだ。
 付き合ったというより、あれは、男同士の付き合い方を教わった程度で。


[元恋人の話など配慮を欠いた行いだったと遅れて認識し、付け足す言葉が偽りに聞こえない事を願う。実際未練は何も無い。高校生の己と違って、OBだった相手の方がその後に支障が出てはいないかと危惧する位だ。
これ以上他者の話で相手の気持ちを乱す事は憚られて、代わりに絡めた指へ込める力を深める。だが、]


 ………あんたも、嫉妬するんだな。


[可愛い。場違いに、溢れた言葉を飲み込み損ねた。
彼の鷹揚さを人として尊敬さえしながら、一方で、数少ない狭量さを嬉しく思う等性質が悪いと自嘲する。それでも、傾けられる情が愛惜しかった。]
(-43) 2024/04/29(Mon) 16:53:34

【人】 葛切 幸春



 ───…冬莉 、
(41) 2024/04/29(Mon) 16:54:04

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉


 ……あんたの全部、俺にくれるか。
   俺もあんたを、一人にしないから。


[あの夜の言葉をなぞるように囁いて、眦を弛めた。]
(-44) 2024/04/29(Mon) 16:55:45

【人】 葛切 幸春



[外が昏く染まり行く程に、窓硝子は室内を反射する。
だが其処に映り込む表情を知るのは、目の前の互いだけだろう。*]
(42) 2024/04/29(Mon) 16:56:11

【独】 葛切 幸春

/*
俺を幸せにしてくれよ、

を、冬莉が言うからこその威力が凄まじい。俺がしぬ。
(-45) 2024/04/29(Mon) 17:06:46

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉

[労わるように頭を滑る指先が在る。慣れない感触に一時彷徨わせた視線を やがて指の主へと落ち着かせた。
当然に“これから”を差し出してくれる彼への、敬意としても。]


 指標……。


[考えた事もない話だった。己にとって周囲の環境は絶対であり、世論の――或いは内に籠った自分自身が創り上げた“普通”を基準にして 生きていく事しか考えては居なかった。
差し出される真摯さを取り零すまいと、頭の中で言葉を噛み砕く。幾許かの間。反芻する内に 狭く暗かった視界が開けていくようにさえ覚えた。]
(-55) 2024/04/29(Mon) 22:46:06

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉


[目を伏せる。]

 あんたは、北極星のようだな。
  
[彼を知る程に、彼を称する言葉が増えて行く。]


 冬莉が居てくれるなら、俺は屹度、
 この先を迷わずに行けるんだろう。

 あんたが俺を想ってくれるように、
 俺も、あんたを大事にしたい。
  
[傍に居ない事が、本来は一番だと思っていた。だが、]



 ―――傍に居るからこそ出来る方法で俺の手で 幸せにしたい
 
(-56) 2024/04/29(Mon) 22:48:09

【秘】 葛切 幸春 → 靖国 冬莉


[視線を起こす。小首を傾ぐ所作が可愛らしいのに様になっている。良い男は狡いな、とまた少しだけ笑って、促される儘に口を覆っていた指先を外す。意識して表情を晒す事に幾許かの掻痒感があろうと、優しい強請りに抗う意志はなかった。代わりに、秘め事を共有するように口を開く。]


 俺はあんたのどの顔も好きだ。
 それに、未だ見た事のない顔も見たい。


[解かれ行くネクタイには視線を向けず、それを為す相手だけを唯見詰めて――そうして聴く肯定に、心が震えた。

首筋に埋まる後頭部を腕に抱き、指を挿し入れて髪を撫ぜる。
硬質な感触、微かに走る痛みに喉が鳴った。相手の色香に中てられて上がった熱を自覚する。呼気を逃し、伸べる掌で相手が離れるのを止めた。]


 知っていてくれ。俺の全ても、あんたのものだ。 

 ……愛してる、冬莉。


[笑みを形作る唇を吸って、互いの呼気が混ざる距離で、] 
 
(-57) 2024/04/29(Mon) 22:59:46
 




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