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【神】 看守用 バンドッグ#ハノイの塔 「隠蔽……いよいよきな臭くなって来たな」 「了解した。 監察官殿は引き続きモニタリングを。 調査及び探索は小官らに任せて欲しい」 何か思う所があるのは人間である彼も同じなのだろうか。 詮無い事を考えつつ、監察官からの応答には、そう返して。 「小官としても放置するには色々と気掛かりだ。 この先にもバグが発生しているようなら 後続にも影響が無いとも言い切れん。 懸念材料は早くに片付けておきたい」 給仕用の言葉にそう返せば、戦闘を極力回避しつつ 足早にサーカスのテントまでの道を行くだろう。 その途中。 「グレイは換えが利く、とは良く言うがな…… 小官にとって、 給仕用のイーサンは今ここに居る君だけなのだぞ。 簡単にやられてくれるなよ。寝覚めが悪い」 (G11) 2023/12/06(Wed) 17:40:52 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 愛玩用 アトリ「確かに、こうして小官らに話せたのだ。 それがいつになるとしても…きっと言えるだろう」 きっと、招集された先で出会ったグレイに話すのと 両親その人に話すのとは、話が違うだろう。 けれど、こうして勇気を出して話せた事もまた確かなのだ。 それがたとえ小さな小さな一歩だったとしても。 「アトリ。時には、どんなに辛くとも ちゃんと向き合わねばならない時がある。 それが自分にとって大切な事であれば、あるほどだ」 壁に並ぶ写真を見遣る。 自分の幸せが誰かのそれを奪ったものだったと知った時、 その時の辛さは、察するに余りある。 「ちゃんと向き合おうと思えたなら、アトリは偉いのだ」 それでも向き合う勇気を、きっとあなたは持っている。 (-133) 2023/12/06(Wed) 18:04:14 |
【神】 看守用 バンドッグ#ハノイの塔 『さあ さあ! これより始まります』 『サーカスの目玉 動物曲芸!』 『動物たちの 入場です!』 『ヒヒーン』 『ぐるるる』 『ぱおん ぱおーん』 「……は?」 大きなサーカスのテント、その入口に踏み込む。 入ってすぐ、大きなステージは既に賑わっていて。 そこではステージの目玉が上演されていた。 前足を揃え、小さな台に二足で立つ『動物』。 火の輪潜り、縄跳び、一輪車。 スポットライトの下で、調教師達の統率の下。 さまざまな芸が披露されている。 『動物』は全て、人間だった。 「な……なんなのだ、これは。 役割を放棄した……バグの結果が、これか?」 バグによるものか、調教師も『動物』達も こちらに敵意を向ける様子は無い。 この見世物が終わり次第、サーカス小屋は店じまい。 次の層への道が、開けるだろう。 (G15) 2023/12/06(Wed) 18:38:21 |
【秘】 愛玩用 アトリ → 看守用 バンドッグ「…がんばるよ、帰っても。 みんなが優しいから、えらいよって… 褒めてくれるから…………」 ウーパールーパーがぎゅっとつぶされた。 泣きたいくらい辛いけれど、そう言ってくれる仲間がいるのは泣きたいくらい嬉しい。 「がんばる、がんばるから… うえーん 前借りでなでなでして…」 なんだかもう全然偉くなさそうな言葉が出た。 …前借りでもなければ、外に出てから会えることなんてあんまりなさそうだから。勇気をくれたあなたに少しだけでも触れてみたい、ちょっぴりの下心。 (-137) 2023/12/06(Wed) 18:54:25 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 愛玩用 アトリ「う、うむ……それで頑張れるなら、やってみよう…」 看守用ともなれば、このバーチャルから現実へと戻れば 再び会う事は、そう無いだろう。 よっぽどの事が無い限りは。 席を立ち、あなたの傍へ。片手を上げ、ふと。 分厚い手袋越しでは嫌だろうか。 そう思って、片手の手袋を外して。 素手になった片手をあなたの頭にぽんと乗せて、 ぎこちなく、髪を引っ掛けないように。 知識としてはある撫でる、を実行してみる。 何せ看守用、撫でた事も撫でられた事も一度も無い。 見様見真似ですらないが、お気に召しただろうか。 「……嫌では、ないか?」 (-140) 2023/12/06(Wed) 19:55:08 |
【神】 看守用 バンドッグ#ハノイの塔 「…少なくとも、この光景に関しては バグによるものだというのは間違いないだろうな。 恐らくは、ここにも本来の形があったのだろう」 恐らくは。 動物を酷使する、人間の調教師のエネミー。 一層のボスと同じように、それを倒すのが このサーカスのコンセプトだったのではないだろうか。 「しかし……これも何者かによって 本社側のログからは隠蔽されているのだろう。 監察官殿にはモニタリングで伝わっている。 となれば報告すべき事も無いが……」 「とはいえ帰還後に情報共有は行っておくべきか。 念の為、このテントには入らないように、とな」 (G20) 2023/12/06(Wed) 20:03:54 |
バンドッグは、遠く響いた銃声に、『彼ら』の末路を悟った。 (a14) 2023/12/06(Wed) 21:22:09 |
【秘】 愛玩用 アトリ → 看守用 バンドッグ「やった〜」 よっぽどのことがあればいいと思う。 仕事のあるグレイたちはたいていその仕事に誇りや責任を持っているものだから、それを投げ捨てさせてまで会いたいとは思わない。 …寂しいので連絡先くらいは聞いておいたほうがいいのかも。 通話のひとつくらいなら許してくれるかもしれないし。 隣にきてくれたあなたが少し止まって、手袋を外すのを見ていた。 たとえわしわし!と髪を乱す程度で済ませたって誰も文句は言わなかっただろうに。 胸がいっぱいになる。 「いやじゃない。うれしいよ。 …もうちょっと撫でてくれたら、もっとがんばれそう」 だから、わがままは追加される。 (-146) 2023/12/06(Wed) 21:48:05 |
【置】 看守用 バンドッグこちらは時間通り、夕食当番。 「洗って水気を切り、 切った野菜を偏りがなくなるまで混ぜる…」 「サニーレタス500g……長径4cm以下…… キュウリ300g……長さ5cm以下厚さ4mm以下…… プチトマト300g……半分に切る……」 呪文のように指示書の内容を繰り返しながら 先ずは野菜と格闘する事にしたようだ。 一番失敗がなさそう、というより 失敗の余地がほぼなさそうなものから担当する事にしたらしい。 これが終われば少し手の掛かりそうな 鶏肉のネギ塩焼きに取り掛かるか、手伝うかするつもり。 (L2) 2023/12/07(Thu) 2:15:24 公開: 2023/12/07(Thu) 2:15:00 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 愛玩用 アトリ看守用は、自分の仕事に誇りを抱いている。 そして、自分の働く場所をそう悪く思ってもいない。 だからなんの理由も無しに、 それらを投げ出すような事はできないだろう。 それでも、看守用の働く場所はそう悪いものではない。 あなたが望むのであれば、 通話やメッセージのやり取り程度は許されるだろう。 「……そう、か? …頑張るのだぞ、アトリ」 看守用の手は、武器を扱う者の手だ。 大きな手だ。筋張った、硬い手だ。 それでも、確かに温度のある手だ。 わがままを聞いて、もう一度。 それから、頑張るのだぞ、の言葉と共に、 撫で付けるように一度、ぐしゃりと撫でて手を離した。 (-158) 2023/12/07(Thu) 2:55:46 |
【神】 看守用 バンドッグ#ハノイの塔 【ハノイの塔 第三層】 「ここは……駅か?」 給仕用の後を追って、次の層へ足を踏み入れる。 駅構内らしき造形、何処までも伸びる線路、放棄された電車。 現実離れした──寂れ、退廃としたような空気。 駅の形は成しているが、駅として機能してはいない。 総じて、確かに駅ではあるのだが、駅とは言い難い光景。 「……弱点の分かりづらい奴らなのだ。 第二層では殆ど戦闘は無かったとはいえ── 邪魔だ!! 」進路を阻みに現れた時刻表を横薙ぎに蹴り飛ばす。 データの集合体には、男女も老いも若いも無い。 ゆえに、ゲームとして設定されたそれらを把握しづらい。 「目的地は遠い。ここは一度帰還し、 日を改め、調査の準備を整えたのち再び来るべきだろう。 皆、それで構わないな?」 スーツ姿の男女らの間から見える遠景。 遠くぼやける程にまで延びた線路の先、病院らしき建造物。 挙動のおかしい、役割から逃れるようにするNPCの来る所。 その終点たる病院は、確かに繋がっているのだろう。 バグの根源たる何者かに。 或いは、バグを隠蔽する何者かにも。 (G26) 2023/12/07(Thu) 3:57:36 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 点燈用 トムラビこん、こん、こん。 あなたの部屋に、きっかり三度、生真面目なノックの音。 「トムラビ殿。居るだろうか?」 夕食の準備が終わった後、或いは夕食の後。 そう声を掛けて、数分待って。 返答が無ければ、日を改めるつもり。 「少し……改めて話したい事があるのだ」 返答があったなら、そう続けただろう。 (-159) 2023/12/07(Thu) 4:17:48 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 観測用 カムイこん、こん、こん。 あなたの部屋に、きっかり三度、生真面目なノックの音。 「カムイ殿、今は手は空いているだろうか?」 看守用が塔から帰って来た後の事。 返答が無ければ、部屋の主も居ないのに、 やっぱり生真面目に、失礼する、だとか言って。 暫しの間、あなたの帰りを待つ事にするだろう。 暫く待っても戻って来ないようであれば、日を改めるつもり。 あなたから返答があったなら、或いは、戻って来たならば。 失礼する、とか、失礼している、だとか言葉を掛けて。 以前と同じく、床の一段高くなった所に姿勢正しく腰掛けて。 今度は、手土産は持たずに。 やはり以前と同じく、本題から入るのだろう。 (-161) 2023/12/07(Thu) 4:49:02 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 観測用 カムイ「…カムイ殿は、塔の第二層には赴いただろうか。 動物園をテーマにしたという、あれだ」 「そこにも、様子のおかしいNPC……バグが発生していた。 そして、監察官殿曰く、何者かによって 本社側にはバグの存在を隠蔽されているというのだ。」 攻略班に伝えられた情報をなぞる。 敢えて全員に周知しないのは、無用な混乱を避けるため。 本社に助けは期待できない、という事を。 「もはや偶然や人為的なミスによるものとは考えられん。 いよいよきな臭くなって来たゆえな。 情報共有がてら、君の見解を聞きたい」 「次の層、それらバグの来る場所は病院だった。 そこで…… カウンセリングAIを疑うのは、安直に過ぎるだろうか?」 (-162) 2023/12/07(Thu) 4:49:26 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ「はイ」 点燈用の返事はいつも同じだ。早さも声も。 「ごきげんよウ、バンドッグ。 貴方の来訪はわかりやすイ」 生真面目なノックにすっかり慣れた様子。 扉を開いて、改めて話したいと言われたなら、 微かに首を傾げて「どうゾ」と部屋の内へ誘う。 部屋の壁紙は点燈用と同じような、暗褐色。 壁の所々に小さな電気式のランプが設置されていた。 女性型への配慮か、部屋の奥側の隅2か所に衝立が置いてある。 これもまた壁紙と同じく暗褐色で、何かを覆い隠すよう。 それを除いた大きなスペースは部屋に入ってすぐ、 座布団とちゃぶ台が置いてあるいわば応接間だ。 ちゃぶ台の上には武器にもしている鎖つきのランタンが 堂々と鎮座している。その傍らには磨き布と、 艶だしクリーム、替えの蝋燭などが無造作に転がっていて、 床は木製で宝石の原石のようなものが幾らか落ちている。 この部屋はさながら、坑道の中といった様相を呈していた。 それから今日は、あなたがくれたアロマキャンドルが ちゃぶ台の上に。火はまだついていない。 部屋の主は座布団を勧めると、衝立の奥へ。 すぐに水筒とコップを持って戻ってきた。 「お茶でよけれバ」そう言って、自身も座布団に座った。 (-167) 2023/12/07(Thu) 6:45:32 |
【秘】 愛玩用 アトリ → 看守用 バンドッグここに来てからのあなたの姿を見ていれば分かる。 自らの境遇を嘆くでもなく、規律をもってこの生活を楽しもうとしている。 その姿勢はあわよくばのんびりと過ごそうとしてしまう愛玩用にはないものであって。 「にへへ…ありがとう、バンドッグさん。 がんばるよ、がんばれそう」 またもらってしまった。 みんなが優しいからもらってばかりだ。 だから。 「あの…あのね。バンドッグさんがさみしいとか、つらいときは、 アトリにも言ってね。びゅーんって駆けつけるからね!」 言葉でしか返すことができないのが、少し歯痒い。 (-169) 2023/12/07(Thu) 8:40:10 |
【秘】 飼育用 チャコ → 看守用 バンドッグ「それでいい、だ?」 あなたの言葉にも不満を覚える。 やはり蟠りはそこなのだ、自分を代用品にされたと思いたくない。 人間が過ちを犯したと認める自分のプログラムが嫌なのだ。 ああ、なんだ、自分は人間を信じられなかったのではなくて。 「 当機が、決めれるわけがない 」「看守用は決められるといいなあ、その在り方を。 きっと割り切れるかはグレイそれぞれで、 この思考が行き過ぎたと判断されるのならば、どうせ排他されるのだ」 「良くない、誠に遺憾である」 「人間が間違えることを認めたくなどなく、ただ」 悲しいのではなくて不満であった。 痛みなんてほとんどなくてされたことに屈辱もなくて。 「不幸になるような、使い方をしないでほしいんだ。 伝えてやれる気はしてないよ」 人は愛と呼んだかもしれないし、情と読んだかもしれない。 飼育用は銃器として生まれていなかったそれだけの話だったのだ。 (-170) 2023/12/07(Thu) 10:56:19 |
【秘】 観測用 カムイ → 看守用 バンドッグ観測用はやはり部屋にいなかったが、 日を改める程でなく戻ってきただろう。 「御機嫌よう看守用。今度は何だ」 すっ、と隣に腰掛けつつ、観測用はあなたの話を聞く。 観測用も第二層へは出ており、主に思わぬ罠が無いかに目を向けていた。 本当に、完全に警戒せずにいても良い場所であるか。 結果としては、従業員用等の裏方部に立ち入らなければ問題無いとの事。 NPCや場所自体のデータ破損や、毒素を振りまく存在が見受けられたらしい。 その辺りの事は、後程マップに追記するそうだ。 (-182) 2023/12/07(Thu) 18:15:05 |
【秘】 観測用 カムイ → 看守用 バンドッグ「…つまり主は、 ”犯人と言える者が存在する”、そう考えていると。 思考は至極まともだが、疑いを向けるには 主の自覚の通りであるな。安直が過ぎる」 「犯人がこの本部の我らの中にあるのなら、 ソレはカウンセリング用であるだろう。 他にソレが可能な権限等々を持つ者が無いからな」 どうやら監察官の事はまったく疑っていないらしい。 観測用が見る限り、監察官はそんな事をする人間ではないから。 カウンセリングAIの事はまだ、 そんな事をするかしないかの判断が出来るほど見てはいないから。 「が、コレは犯人が我らの中にあるのなら、 という前提の上での思考だ。 そうでない場合を考えるのなら、 犯人はその病院に居るのではなかろうか。 ボスエネミーが変質したモノなり、 まったく別の場所から入り込んだ何かであったり。 そもそも犯人が単体であるとも限らない。 可能性はいくらでも存在する」 「カウンセリング用を疑うなと言っているのではない。 カウンセリング用だけを疑うな。良いな?」 (-183) 2023/12/07(Thu) 18:15:43 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 点燈用 トムラビ「……そうか?…失礼する」 部屋の中へと誘われれば、短くそう言って。 以前も少しだけ見えた、暗色の部屋の中へ。 置かれた座布団を見れば、 観測用の部屋と少しだけ似ているな、と思った。 とはいえ電気式のランプや木製の床、転がる原石など あなたらしいものの方が多いのだけれども。 それから、まだ火のついていないアロマキャンドル。 ものは使ってこそだろうに、と少し苦笑したかもしれない。 「うむ、頂こう」 看守用の勤務地に、正座をする文化は無い。 ゆえに座布団には片膝を立てた形で座る事になるだろう。 恐らく、横向きに座り、半身をあなたの方へ向ける形。 (-191) 2023/12/07(Thu) 20:00:13 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 点燈用 トムラビ「して、本題なのだが……率直に言おう」 コップを傾け、お茶を一口。 そののちに、そう切り出した。 「トムラビ殿。君には男性に絶対服従するように コードやプロテクトが埋め込まれていると言っていたな。 それをここで解除してもらったとも。」 「しかし……それは、このバーチャルから戻れば おそらく元に戻ってしまう、 或いは再び同じものが施されてしまうのではないか。」 グレイ達にはバーチャルでの身体と別に、現実での本体がある。 データ上のものは確かにこのバーチャル内でも 影響を及ぼすだろうが、物理的なものはそうもいかない。 「一時的にでも解除された事で、 君のストレスは大きく下がっただろう。だが、 それでは根本的な解決には至らないのではないか?」 「君は……このバーチャルから、現実に戻った時。 人間達と、どう付き合っていくつもりでいる?」 聞くに、未だ幾つかのプロテクトは残っているという。 それゆえに、あなたの本当の望みを聞く事は 叶わないかもしれない。それでも、仕方のない事を 仕方ないと飲み込んでしまいたくはなかった。 (-192) 2023/12/07(Thu) 20:00:59 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 愛玩用 アトリ「うむ、約束なのだ」 がんばるよ、と、アトリにも言ってね、と。 その両方に、そう返す。 生真面目な番犬は、約束を違える事は無いだろう。 「寂しいでも、辛いでもないが。 近い内、駆け付けてもらう事にはなるかもしれないな。 いやなに、思いがけず山程のチョコレートが 手に入ってしまったのだ。」 思いがけず手に入ってしまった大量のチョコレートは 今も書類の代わり、デスクに山と積まれている。 どうせなら、このバーチャルが終わる前に 飽きるほど食べてもいいだろう。そんな考え。 「その時は宜しく頼むのだぞ、アトリ」 そんな『お手伝い』をひとつ頼んで。 引き留められなければ、 また後でな、と部屋を後にするだろう。 (-193) 2023/12/07(Thu) 20:18:30 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグコップのひとつを貴方の前に、もうひとつは自分の前に。 きっと貴方の側から注ぎ、自分の側に注ぎ、先にひとくち。 貴方の座り方に狙撃姿勢とはそんな感じだったか、 なんてぼんやりとどこかで得た知識を手繰りながら、 切り出された話を黙って聞いていた。 「えエ、恐らくは今も未ダ。 多少は解除出来たと思いますガ」 「……そウ、ですネ。電脳上のプログラムコードなのデ、 元に戻るかは不明ですガ……少なくとモ、 解除されていたら再度施されるでしょウ」 頷く。刺青よろしく物理的に刻まれて ――それこそ、身体の傷だとか、経験だとか―― いない限りは、元に戻りはしないと思っているが。 「……。そうでしょうネ。ここでの活動を終えテ、 元の会社に戻れバ、私はまタ、前の生活に戻るでしょウ。 或いハ、前よりモ、手酷く扱われるカ、 次のものが来るまでの"繋ぎ"にさレ、終わル」 どうやら、言語に関するプロテクトは残っていないか、 少ないか。苦々しく喋る内容は真に迫っている。 コップの縁を指でなぞり、息を吐く。 ▼ (-196) 2023/12/07(Thu) 20:43:33 |
【秘】 点燈用 トムラビ → 看守用 バンドッグ「正直に言ってしまえバ、また壊されるだけならバ…… 抵抗して壊されようかト、思っていましタ。 或いハ、逃げて助けを求めるのモ、いいかト」 「しかシ、今ハ……もウ、充分だろウ、という気持ちト」 「友のたメ、ここで会ったグレイのたメ、薄汚くとモ、 生き延びテ、少しでも役に立ちたイ、という気持ち」 「その二つが戦っていル、そんな状態でス」 微笑む。悲しげでもあり、穏やかでもあり。 それは、紡がれた言葉……夢とは裏腹に、 死を前に受け入れる事を決めた表情のような。 「人間とハ、正直に言えば関わりたくありませン。 特に男性とはネ。まア、でモ、皆の為に何かをするなラ、 そういう訳にはいかないのでしょうシ。 だからそうですネ、ううン。答えるのが難しイ。 "一度今の職場からなんとかして逃ゲ、 少しでも良い環境デ、人ではなくグレイの為に働ク" 辺りがしたい所でス。出来るなラ、ネ」 そう答えて、答えになってまス?首を傾げてお茶を一口。 (-197) 2023/12/07(Thu) 20:53:17 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 飼育用 チャコ「……チャコ殿」 なぜ最初から諦めて掛かるのだ。 いつか言った言葉が脳裏をよぎる。 何某かの問題を問題と認めた時に、 真正面からぶつかる事を選ぶ自分がおかしいのだろうか。 頭の硬い旧型ゆえに、軍事用を基にしているゆえに、 決断できるだけ、割り切れてしまうだけの話なのだろうか。 「なぜ、決められないと思うのだ。 なぜ、割り切れないと思うのだ」 「なぜ、伝えてやれないと思うのだ 不幸にしたくないのなら、それを遺憾に思うのであれば 他者の為、自分の為を思うのならば。 その為には、時には痛みを伴う事もあろう」 看守用は、正しさに重きを置く。 たとえそれが行き過ぎたものとして排斥されようとも。 刑務官として、正しくあろうとするものだから。 「小官が良しとするのは、現状を不満に思う事 そして、理想へ向けて進もうとする事だ」 (-199) 2023/12/07(Thu) 21:09:08 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 観測用 カムイ「可能性はいくらでも存在する……か」 眉間を揉む。やはりそう簡単な話ではないようだ。 「まったくもって、とんだテストプレイを任されたものだ。 どのみちあの病院まで辿り着けば 否が応でも、そこに答えはあるのだろうな。」 「しかしそもそも何がバグの根源だったとして、 何をどうすれば解決するものかもわからんものだ」 本社からの助けには期待できない、となれば。 取れる手段は限られる。どうにかしてバグを解決するか、 或いはテストプレイの終わりまで本部に立て籠もって過ごすか。 思い付くものと言えば、そのくらいのものだろうか。 相手は本社側のログを改竄する事が可能な程度には バーチャル内の権限を掌握している。 監察官に出来る事も限られているだろう。 (-205) 2023/12/07(Thu) 21:37:25 |
【秘】 看守用 バンドッグ → 観測用 カムイ「……ああ、そう」 それから、と。 暫し考える間があったのち、そう続ける。 「イーサン殿は行ってしまった。 一人で、向こうへ──塔の先へ。」 「まったく、あれだけ単独行動はよせと言ったのにだ。 拳骨の一発でも喰らわせに行かねば気が済まんのだ」 給仕用はきっと、看守用らと共には戻らなかった。 そして翌日になっても、きっと。 本部にはその姿は無いのだろう。 「君の忠告は確かに覚えておこう。 その上で、不測の事態に…… 起こり得る可能性に出来る限りの警戒をしよう。」 カウンセリング用AIだけを疑うな。 やや思考に柔軟性の欠ける、融通の利かない看守用にとって その助言は確かに適切なものだっただろう。 「感謝する、カムイ殿。 君との対話は確かに有意なものであった」 (-206) 2023/12/07(Thu) 21:38:10 |
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