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【秘】 雛鳥 エルナト → 王 リアン「おや、じゃあ意外とレアだ。」 「嬉しいね、王の秘密を知っちゃった。」 「穴倉に叫ばないといけないかもね。」 ロバ耳の王様。 本好きな少年らしいジョークであった。 勿論、実際に口外するようなことはしない。 隠されたものを暴いて広める趣味もない。 「……そう、やっぱり貴族って。」 「そう言うのがとっても、大事なんだね。」 という顔は、此処に来て初めて少しばかり陰りを見せた。 少年と同室の彼が貴族の生まれであるというのは、だれしもに知られている話。 彼も常に模範であろうと、立派な大人であろうとしている。 そのために"治療"を受け、薬の力まで借りて。 「……あんまりわかんないや。」 「肩書き通りに振舞うのって、疲れそう。」 なに一つの重荷も背負ってない少年には、 その覚悟も、プレッシャーも、理解はできないのであった。 ▼ (-79) 2022/05/07(Sat) 16:59:57 |
【秘】 雛鳥 エルナト → 王 リアン「ぅぁ………」 体を離されれば切なげな声。 しかし給餌がまだ終わらない事を知れば、 はやく、はやくとせびるように自分の体を抱いて。 鮮血が、溢れて。 「あぁ………っ」 という小さな叫びは。 その腕のグロテスクな様相に。 突き立った鋏が齎した生々しい傷に。 ……ではなく。 床に零れてしまったご飯への、悲しみから。 でも、すぐに新鮮なご飯の方に目を向けて。 君の手を、抱くように掴んで。 服が汚れようと気にすることもなく。 その傷を上から、下まで。 這うように、ぬるりとした舌が撫で上げるように。 動いて、血を掬っていく。 「…おい、しい………リアンさんの……とっても…美味しいよ………」 ほんの少し前まで、血を口にするのには抵抗があったのに。 今はもう、何も感じはしなかった。 血を吸いだそうと強く吸い付けば、 君に強い痛みを与えるだろうか。 (-80) 2022/05/07(Sat) 17:07:07 |
【人】 司書 エルナト>>+10 バレンタイン 「…そう、よかった。」 いつも少し眠たげな声。 先日ははきはきとした声。 今はそのどちらでもなく、何の感情もない電子的な声。 どうしたって、いつものように微笑むことはできない。 可愛がっていたペットが、補助具を付けないと 歩けなくなったような……そんな気持ち。 「……謝らないでよ。別にいいんだ。」 「最後まで読もうとしてくれたなら嬉しいな。」 「本は、最後まで読まないと意味がないからね。」 物語なんて、ラスト一ページで急に変わったりするものだから、と。 少し眉を下げながらも、微笑んで。 「……まだわかんないよ。何か起きるかもしれないさ。」 「……そうだ!本、今どこにある?」 「良かったら、読み聞かせしてあげようか?」 結構、初等部の子達にも好評なんだよ、なんて。 今度はしっかりと笑いかけて見せて。 (9) 2022/05/07(Sat) 19:31:32 |
【人】 司書 エルナト>>+11 バレンタイン 「……うん、よかった。」 「君が、ただの器だけになってしまったらって、心配だったけど。」 「ちゃんと君が、そこにいるみたいで、良かった。」 動かぬ体、電子の声。 人と呼ぶには些かばかり冷たくなりすぎてしまったけれど。 でも、きちんと心は君のまま。 それに、何もかもを投げ捨てたりしてるわけでもない。 君が落ち込んでいないのならば。 自分が悲しんでいてはいけないなと、緩く首を振り。 「………それ、図書室から持ってった本じゃないよね?」 「数か月前から転々と帰ってきてない本があるけれど…」 すこしじと……っと君を見て。 それから、大丈夫だよ、と仕方なさそうに笑って。 「じゃあ、探してくるから少し待ってて。」 そうして一度、君達の部屋まで。 何事も無ければそれなりの時間の後、帰ってくるだろう。 (12) 2022/05/07(Sat) 20:08:04 |
エルナトは、パンの香りを良いとは思えないし、味なんてわかりもしないけど。でも、パンを食べる皆の顔は好きだった。 (a20) 2022/05/07(Sat) 20:09:18 |
エルナトは、そこかしこに置いてある本に溜息をついて、目当ての本を探す。 (a22) 2022/05/07(Sat) 20:31:24 |
エルナトは、ベッドの上にあったそれを拾い上げる。今まではここで寝ながら読んでいたのだろうか。 (a23) 2022/05/07(Sat) 20:44:46 |
エルナトは、少しだけ部屋を見まわしてから、君の元へと戻らないと、と足を出口へ向けた。 (a24) 2022/05/07(Sat) 20:56:48 |
エルナトは、本を両手で抱えて、来た道を戻る。 (a25) 2022/05/07(Sat) 21:25:33 |
エルナトは、この本の結末は、そんなに大きなどんでん返しもない、普通のものだけど。 (a26) 2022/05/07(Sat) 21:26:07 |
エルナトは、その普通をしっかりと受け止めることが、大事なのだと思うから。 (a27) 2022/05/07(Sat) 21:26:40 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン「そうしたくて振舞う………」 「……そうしたほうが、楽?だから?」 「まぁ……やりたいことをやってるなら、いいのかな。」 一方でおそらくは前者側である彼は。 責任感とプレッシャーに押しつぶされて、そうして。 自分の心の成長を、薬に頼ってしまった。 彼の止まり木になれなかったことは、少し悲しく思う。 「うーん、確かに、肩書………」 「でも僕は、元々本は好きで、丁寧に扱ってたから。」 「あんまり肩書によって、って言うのはないのかも。」 「…あ、でも本が図書室に帰ってきてないと気になったりするなぁ……。」 これが責任って言うものなのかも。 そんな風に考えたり微笑んだりする少年は、 年相応の無邪気な様子であった。 ▼ (-101) 2022/05/07(Sat) 21:37:05 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン一方で、餌を与えられる少年は。 どこか妖艶で、大人びてるような、逆に幼いような。 まるで本当に蜜月の時を交わしてるかのような、その姿は。 やっぱり、そういう姿を見せればより多くの"ご飯"を生み出してくれると わかっていてそうしている、捕食行動の一つでしかない。 「もっと…………もっと…………」 食べれど食べれど収まらない空腹。 甘ったるい声で懇願して、口の周りまで紅で汚して。 ぺろ、ぺろ、浮き出した汗まで丹念に舐め取る。 その細長い指の一つ一つを口に含んで、指の間に舌を這わせて。 それでも全然足りなくて、もっと、もっと欲しくて。 だから。 真新しい傷口に、思いっきり歯を突き立てた。 「美味しい……熱い……好き………リアンさん………好き…………」 ドバっと溢れ出した血を思いっきり吸って。 ぐい、と体を押し付けて、叶うなら押し倒してしまおうと。 愛を語るその言葉もやっぱり。 何一つの感情も灯らない、ただの捕食行動でしかない。 病で歪んだ少年の、ありふれた食事だ。 (-102) 2022/05/07(Sat) 21:47:36 |
【人】 司書 エルナト>>+13 バレンタイン 「ん、じゃあ124ページからかな。」 「結構読んではいたんだね。」 残りはそんなに長くない。 夕ご飯までには読み終われるくらいの量。 例え君から何の反応もこなくとも。 きちんと、最後まで読み終えよう。 それが友達として、君にしてあげられる事だろうから。 縮まった距離。 文字が見えた方が良いかな、と隣に寄り添う形にして。 二人で本を覗き込む姿勢になって。 「………うん、いいよ。」 「ちゃんと読むなら、いくらでも時間をかけて。」 「きっと本たちもそうしてもらいたがってる。」 にっこり微笑んで。 それから、ゆっくり、穏やかで柔らかな。 変声期の来ていない、ボーイソプラノの声で読み上げていくのだった。 (15) 2022/05/07(Sat) 22:07:39 |
エルナトは、「太陽には烏、月には兎───」「三つ足の烏は玉兎めがけてついに羽根を広げ────」 (a28) 2022/05/07(Sat) 22:08:55 |
エルナトは、静かに、読み進めていく。 (a29) 2022/05/07(Sat) 22:09:09 |
エルナトは、淀みなく読み上げていく。空が赤く染まる頃、ついに指は最後のページを捲り。 (a30) 2022/05/07(Sat) 22:30:06 |
エルナトは、「────めでたし、めでたし。」金烏玉兎の話を、君に聞かせたことだろう。 (a31) 2022/05/07(Sat) 22:31:03 |
【人】 司書 エルナト>>+15 バレンタイン 当たり前の物語が、当たり前の結末を辿る。 ありふれた恋物語。 どこにでもある、普通の。 辿るべきところを辿った物語。 きっと世の中の全ての事は、同じように。 何一つ気にかけずとも、流れていくはずで。 「………?センセイ?」 君がどこかに語った言葉は、少年宛ではなくて。 だからそれの理解はできなかったけれど。 「……満足できたかな、なら、よかった。」 「…そろそろ晩御飯時だ。バレンタインくんは、ご飯は食べられないかな。」 「顔くらいは出しておく?」 出すなら、君の車椅子を押して共に食堂に向かうし。 そうでないなら、またね、と微笑んで。 本は図書室に戻すため、抱えて。 建物の中へ歩を向ける事だろう。 (16) 2022/05/08(Sun) 0:27:32 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアンたとえ何一つ意味がなくとも、 その捕食行動はやめられない。 食虫植物が、常に虫を誘引する香りを出すように。 ただただ決められた行動を、顔を、声を出すだけ。 服も顔も、君の紅色に染まっていく。 でもそれを気にすることもない。 少年は、非力な方ではあるけれど。 血の抜かれた人間に負けるほどではなく。 引きはがされそうになれば、反発するように身を寄せて。 自分事倒れ込むように、押し倒す。 「何が違うの……?わかんない、わかんないよ……… だって、貴方達は僕のご飯でしょ………? ご飯が好き……リアンさんが好き……すき、すき………っ」 ひと 君と飯の違いが理解できない少年は。 例えば唐揚げを食べて、鶏が好きだというくらいの温度で。 君に蜂蜜のような愛を囁き続ける。 馬乗りに胴体に乗って、顔を寄せて。 「ね、ちゅー……ちゅーしよ……?」 「ちゅーしたい………お願い………ちゅーしたいの…………」 泣きそうな顔で懇願して。 それが受け入れられれば、その薄い色の唇に貪りつくし─── ▼ (-116) 2022/05/08(Sun) 0:36:09 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン受け入れられないなら。 君の手に持たれたままの鋏を、奪い取って。 「もっと……もっと………っ」 「ぼくをいっぱいにして…………」 振りかざして。 肩に思いっきり振り下ろす。 何一つの躊躇もなく。 牛肉を得るために作業のように牛を屠殺するがごとく。 樹液を出すために木の皮を剥がすがごとく。 傷つけて、溢れたそれに貪りつくだろう。 (-117) 2022/05/08(Sun) 0:40:28 |
エルナトは、「今の方が君の事を沢山知れるのかもね」と車椅子の彼に笑って (a35) 2022/05/08(Sun) 0:44:08 |
エルナトは、君が食堂に顔を出すと言えば、嬉しげに笑って。だって、友達と一緒の方が楽しいから。 (a36) 2022/05/08(Sun) 0:45:03 |
エルナトは、るんるんと、楽しげに君の車椅子を押しただろう。 (a37) 2022/05/08(Sun) 0:45:36 |
【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタインちなみに、道中にて。 「…ねぇねぇ、バレンタインくん。」 「君の体って、動きはしないけど……」 「汗とか、泣いたりとか……トイレとか」 「そういうのも、完全に機能してないの?」 そんな質問をしたことだろう。 (-118) 2022/05/08(Sun) 0:47:08 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン今までは、もっと奇麗に食べていた。 そりゃあ、舐めたり吸ったりはしたけれど。 傷口に貪りついて、肉ごと食らいかねないほどに 獰猛に食事することはなかった。 でも ▼ (-122) 2022/05/08(Sun) 1:19:27 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン 自 分の病 の気持ち悪 さと、病のせい で誰一人真の意味で 愛する事ができないと言 う苦痛と、それらが溜まりに 溜まった結果、重度の過食症にな ってしまって、ただでさえ満足に 取れなかった食事は、常に飢餓を 訴える体を満たすことが難しくて それでも今日まで出来るだけ頑張 って我慢してきたのだけど、もう 限界で、その時に貴方が声をかけ てくれたから、もう、飢えた 獣は貴方に縋るしかなく て、お腹をみたして (-125) 2022/05/08(Sun) 1:35:10 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン受け入れられない。 苦しい、もっと、もっと食べたいのに。 この飢えを満たして、満たして。 満たしたらきっと、ちゃんと人を人として見る事が出来て、 そしたら僕も普通に人を愛したり、愛されたりできて。 もう親に捨てられるような、気持ち悪い子供でいずに済んで。 だからもっと食べないと、もっと、もっと。 もっと食べるには、こうするしかなかった。 噴水のように溢れる血を、ごくごくと喉を鳴らしながら飲んで。 やがてその音が徐々に、徐々に感覚を長くしていって。 満腹にはなれないまでも、軽く満たされれば。 捕食行動は、もうとる必要が無くて。 顔を、あげて。 「……リアン………さん………?」 「だい、じょうぶ………?」 ようやく、欲望が覚めてきた頭で貴方の状況を見下ろして。 少年は、もう甘ったるくない声で、そう問いかけた。 (-127) 2022/05/08(Sun) 1:40:47 |
【秘】 司書 エルナト → 充実 バレンタイン「へぇ……そうなんだ。」 「……そうなんだ……………」 と、相槌を打つ声は。 少しばかりの熱を帯びて。 絶対に逃げない餌がここにいる。 じゃあ次、我慢できないくらいお腹が減ったら。 「……おむつとか変えてあげようか?」 「……なんてね。ふふ………」 ドキドキと高鳴る鼓動。 きっと君に聞こえることはないまま、食堂までの道を歩いた。 (-129) 2022/05/08(Sun) 1:45:10 |
エルナトは、本音を冗談の皮で隠して笑った。 (a38) 2022/05/08(Sun) 2:06:03 |
エルナトは、人が にしか見えない。 (a39) 2022/05/08(Sun) 2:06:23 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン決して君が悪いわけじゃない。 少年は元から、誰とも関係を深められない。 だって、他人と自分を対等に見れないのだから。 例え長く交流をしていたってきっと、誰かの特別にはなれない。 少年はきっと、救われる術が存在しない。 「うん………だいぶましになった………」 「ごめんね、僕………ご、ごめんね………」 ペットを虐待してしまったような気分だった。 可愛がっていたのに、つい衝動的に。 申し訳なくて、とりあえず傷口を抑えて。 でも、出来るのはその程度で。 「どうしよう………トットくんがいればな……」 「このままだと死んじゃうかな……医務室まで運べるかな……」 床に広がる血が、したことの重さを物語る。 直ぐに安静な場所まで運ぶからね、と声を掛けつつ。 大人を呼ぶか、と思案を巡らせた。 (-134) 2022/05/08(Sun) 2:48:08 |
【秘】 司書 エルナト → 王 リアン「それは」 「そうだけど…………。」 その為に人を傷つけてしまったことも。 血を飲むことに、何一つの抵抗が無くなってる事も。 傷つけたのに、心の底からそれを悪いと思えない自分と。 色んなものが申し訳なく感じて、言葉尻は下がっていく。 いずれ自分は、本当にただの怪物になってしまうのではないか、 そんな不安を、抱えて。 「……うん…………わかった。」 「聞いてみる……けど、今はあんまり喋らないで……」 体の負担だから、とぐっと傷口を抑えて。 多少痛いだろうが、我慢してもらうほかない。 きっと後程大人を呼んで、しっかりとした器具で運んでもらうはずだ。 「……トットくんの血を飲むと、回復力が上がるんだって。」 「だからきっと、それを飲めばすぐよくなると思うんだけど…」 本人から聞いた話。 どの道、今はまだ姿が見えないから、叶わぬ話。 (-149) 2022/05/08(Sun) 12:45:24 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「……トットくん。」 ちらりと見かけた姿は、昨日とは若干変わっていて。 なんとも華やかな右目になっていた。 人によっては怖さすら感じるビジュアル。 「………大丈夫?」 昨日までは、ころころ表情が変わっていたのに。 今は夢見心地な笑顔だけな君に、声をかけた。 (-150) 2022/05/08(Sun) 12:55:09 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット流れのない水たまりに浮いた花弁のような動き。 花の蜜みたいに甘ったるい声。 可愛らしいけど、ちょっぴり不気味。 「うん、昨日帰ってこないから心配してたんだよ。」 「無事………ならいいけど。」 本当に無事かはおいておいて。 掲げられた紙袋に目を向けた。 お腹が減った。 「それは……大丈夫なのかな?」 「……お花の位置も変わってるけれど……」 「その目の花は、抜けないの?」 ちらり、見えてるかもわからない右目に視線を移し。 (-152) 2022/05/08(Sun) 13:10:28 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「副反応………」 と聞くと、最初に思い浮かぶのは薬だが。 何か、されたのだろうなというのだけがわかる。 ……気にしても仕方ない、そう思う。 どの道何かしてあげられることもないし。 きっと、望まれてもいない。 「戻るならまぁ、良かったかな。」 片目だけじゃお勉強もしにくいからね、と微笑んで。 それから、差し出された紙袋を受け取って。 ふわっと、花の香り。 大事なご飯。 「うん!ありがとう、すっごく欲しかったんだ。」 「………俺達って、前も言ってたけど。」 「君以外に誰かいるの?」 (-156) 2022/05/08(Sun) 16:25:03 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット夢見心地、がきっと一番正しい表現。 脳みそまで溶けてしまってるんじゃないかというほどの。 そんな印象を、抱いてしまう。 それで、君の言葉を聞いて。 指すものを見て。 想像することが正しいかどうか、分からないけど。 蛞蝓に寄生して、脳を乗っ取る虫がいるように。 君にとっての花が、そうなのかなとか。 だとしたら、それを食することは。 急に腕の中のものがなんだかおぞましく見えて。 それを。 ▼ (-161) 2022/05/08(Sun) 17:09:03 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット…手放すことが出来ないくらい、 少年はもうずっと、追い込まれているから。 紙袋の中に手を入れて、掴んだ何かも分からない花弁を。 口に運んで、舌先で転がして。 よく噛んで、飲み込む。胃が僅かに満たされる。 「…うん、とっても美味しいよ………」 「…君達の事、大好き…………」 熱っぽい瞳と声でそう告げる。 お腹が減った、満たしたい、満たしたい。 「本当は、その目の花も………」 「君自身も、食べちゃいたいくらい。」 君から出るご飯を、すべて食べたらお腹いっぱいになれるだろうから。 でも、そんな事をしたら気持ち悪く思われる。わかってる。 分かってるから、紙袋のもので我慢しなきゃと、また一つ、口に運ぶのだった。 (-163) 2022/05/08(Sun) 17:14:20 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット一方でこちらも、多幸感に満たされていた。 食べられる、満たされる。 食べられるものをいくらでも、いくらでも。 それがどれだけ、嬉しい事か。 花が咲いた瞬間をみれば、それが皿の上に載せられた 最高級の料理のようにも思えて。 だからもう、我慢なんてできなくて。 顔を近づけて。 咲いた花を直接齧って、引きちぎる。 「あぁぁぁ………っ!」 嬌声にも似た声をあげて、満たされる胃袋をさすって。 取り出されたものに、視線を動かして。 ▼ (-186) 2022/05/08(Sun) 19:34:10 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット「………いいの?」 指を絡めるようにして、その薄い刃を取る。 手が震える。 恐怖じゃなくて、………過ぎた幸福感から。 「いいの?」 荒くなる呼吸。 まるで、ソフトクリーム食べ放題の機械の前に立たされた子供みたいに。 好きなものを、好きな時に、好きなだけ。 それより幸せなことがあるだろうか? 「いいの?」 エルナトは、人が家畜にしか見えない。 だって、全てが自分の餌を生み出す存在だから。 だから。 家畜からご飯を得ることに、何の躊躇を持つことも無くて。 「いいの?」 だから、そんな事を言われてしまったら、もう。 ……我慢なんてできない。 君の肩口に刃を宛がって。 思いっきり、引き裂いた。 そうして、君を抱きしめたまま、かぶりつくだろう。 (-188) 2022/05/08(Sun) 19:40:06 |
【置】 司書 エルナト大人達に連れられて、どこかに連れてこられた。 園芸部の管理する場所の一つ。 「…………はい、僕がやりました。」 ぼや騒ぎも。 初等部の子への悪質な悪戯も。 2名への 常軌を逸した加害行為 も。「…だって、ただの家畜じゃないですか。」 「あの子達も、貴方達も。」 「ただのご飯じゃないですか。」 ご飯を得るために行動をして、何が悪いのか。 エルナトはまるっきりわからなかった。 エルナトは歪んでいる。 エルナトは、人間を家畜にしか見れないから。 エルナトは、人に、家畜に思う以上の感情を抱けない。 大人達が溜息をつくのを、不思議そうに眺めた。 フゴフゴ、という音が聞こえた。 (L4) 2022/05/08(Sun) 19:45:19 公開: 2022/05/08(Sun) 20:45:00 |
【置】 司書 エルナト───家畜と人が違うという事を、学びなさい。 大人達がそう言って、部屋を出て行った。 意味が分からなかった。 ようやく暗闇に視界が慣れてきて、 ここが豚の飼育小屋である事に気付いた。 「………気持ち悪い。」 エルナトにとって、人が家畜であるならば。 本来の家畜は、何一つの益ももたらさらない、 ただの気持ち悪い生物でしかなかった。 臭いし、不味いし、可愛くないし。 人はあんなに可愛いのに、なんでこいつらはこんなに 気持ち悪いのだろう、と常々思っていた。 「……?な、なに……?」 豚たちが自分に擦り寄ってくるのを見て、壁際に後ずさった。 (L5) 2022/05/08(Sun) 19:49:00 公開: 2022/05/08(Sun) 20:50:00 |
【置】 司書 エルナトガン! と強く体当たりされて、つい尻餅をつく。そこに、自分よりずっと重い生き物が、覆いかぶさる。 「さ、触らないでよ、きもちわる………っ!?」 なんて、悪態をつき終わる間もなく。 視界に入ったものをみて、ひっと小さく喉から声が出た。 「や、やだっやだやだやだ!!なにするの!?!」 「や、えっやめて!僕はお前と同じじゃない!」 「きっ気持ち悪い……!やだっ!やめろ!!」 おかしいと思った。 此処に入る前に、服を脱がされたことも。 何かを体に塗られたことも。 今、こいつらが興奮していることも。 その興奮の象徴を、大きく主張していることも。 人が家畜を食べ、少年が人を食べ、家畜が少年を食べる。 「い”っ…!痛いいたいいたいいたいイタイ!!! ぐっぎ、………ぃぃいいい!!!」 叫び声も、ミチミチと何かが無理に広がる音も。 獣が獣らしく動く音も、それに合わせて出る苦悶の声も。 どこにも聞こえることはなかった。 少年は、人と家畜の違いを知れた。 (L9) 2022/05/08(Sun) 19:56:10 公開: 2022/05/08(Sun) 20:55:00 |
【秘】 司書 エルナト → はなわずらいの トット咲き乱れた花を食べる、食べる、食べる。 全部、ひとつ残らず、一つ逃さず。 口の中に、腹の中に収めては、悦に浸った声を出す。 君の声が、肉の焼ける音にすら聞こえるくらい、 もうエルナトは、君を食べ物にしかみれなかった。 「トットくん……好き……好きだよ………」 「君のご飯……美味しくて、気持ち良いよ………」 という愛の言葉も。 ただ、そう言えば、今までの"ご飯"はより多くの食べ物を 出してくれたからというだけの。 経験に基づく捕食行動でしかなくて。 強く強く抱きしめる。 傷口から血を絞り出すかの如く。 強く吸い付いて、互いの熱を伝え合う。 「もっとちょうだい?もっと……もっと………」 「壊れて何にも考えられないくらい…気持ちよくなって………?」 互いの快楽のために身を寄せ合う様は。 性交と何一つも変わらない様相で。 まだまだ、足りないから。 胴体をザクザクと突き刺した。 満足できるまで、ずっと。 (-204) 2022/05/08(Sun) 20:28:53 |
エルナトは、もう動かなくなった"餌"を、自室に持ち帰った。甲斐甲斐しく手当てをしよう。 (a57) 2022/05/08(Sun) 20:58:15 |
エルナトは、人が家畜のお世話をするように。 (a58) 2022/05/08(Sun) 20:58:32 |
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