【人】 IX『隠者』 アリア―― 回想:三年前、『彼女』との出逢い [ その日。私は偶然にも出遅れて、 新しく来たというその子を迎える流れに乗り損ねた。 辿り着いた時にはもう彼女は幾人と挨拶を交わしていて 私は、……私は、その姿を目にして立ち竦んだ。 懐かしい。私もそう思った。>>0:659 けれど同時に真っ黒な感情が思考を塗り潰していった。 身に巣食う 絶望 が、いつになく燃えていた。次の瞬間には、私はもう背中を向けていた。 どうして。どうしてどうしてどうして。 らしくない感情は、ともすればあの子の時より荒れる。 けれどそもそも、「らしい」っていったい何だっけ。 目にするだけでどうにもならなくなって数回、 そのうち私は、自然とひとつの結論を導き出した。] (208) 2022/12/14(Wed) 22:10:57 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ それこそシンが私に対して置いた距離と同じように、 私はその子に、キュリアに対して距離を置く。 時折遠くからふたりが話しているのを見かけるかもしれない。 それを羨ましく思うのが「誰」なのか、私はもうわからない。 そういう時はどうしてか懐かしさに似た感情を覚えて、 足を別のところへ向けることにしたと思う。 そんな個人の意識を超えても交差する接点が この三年の間に存在したとすれば―― その時は、それでも、 会話するくらいならば出来たはずだ。 さすがにそこまでじゃない。…たぶんだけど。 *] (210) 2022/12/14(Wed) 22:12:32 |
【人】 IX『隠者』 アリア―― 回想:うつろう月 どうしたんですか、それ。 [ それは彼にとっては不運だったに違いない。 声を向けた薬師もどきは、指先の傷に目を向けた。>>0:224 わかっている。わかっている。 証持ちの身にはその程度ないも同然であることを。 それでも見つけてしまうのは、きっと性、あるいは職業病。 ここが洋館でなくて彼が只人なら傷薬を押し付けたけれど そうされずに済んだことだけは、幸運なのかもしれない。 しかしまあ、おそらく彼にとっては 大変厄介な存在に目を付けられてしまった、と。 そういう感じではなかろうか。どうだろう。 ] (222) 2022/12/14(Wed) 22:41:52 |
【人】 IX『隠者』 アリアどうせ詰め込むなら もう少し効率的に詰め込んだらどうですか。 [ 洋館を抜け出そうが外でどう過ごしていようが そこについて文句を言うことはないけれど、 もしも傷を付けて帰ってきたり不調に陥るなら そこには文句を言った。 放っておいてくれ? 顔色悪く見えるその顔を恨むことですね、とか。 言ったかもしれないしそんな事実はないかもしれない ] (223) 2022/12/14(Wed) 22:42:08 |
【人】 IX『隠者』 アリア仕方がないひとですね。 [ たまたま袖を掴まれることがあったならば、>>109 そのたび気が済むまで放っておくだろう。 それ以上なんて必要なさそうだと思っている。 その認識に万一間違いがあるなら修正してほしいものだが。 厄介なお節介は、概ねただ目を光らせている。 *] (224) 2022/12/14(Wed) 22:42:36 |
IX『隠者』 アリアは、メモを貼った。 (a34) 2022/12/14(Wed) 22:44:40 |
【独】 IX『隠者』 アリア/* 書きたいと思ったことだいたい書けた? そろそろシャルレーヌさまに話しかけるのが やりたいことリストの一番上なってる? なってる気がする いやクリスタベルさんの倒れた話もある た、足りない…あとさすがに出遅れ感も厳しい めそ…… (-54) 2022/12/14(Wed) 22:48:15 |
【独】 IX『隠者』 アリア/* なんかたぶんなんですけどフォルのあの話が大きすぎて アリアの方針が今のところほぼ確なので 一周回って現軸に対しては待ちを貫くさんになりそうで お困りのシトラちゃんなどいらしたらごめん寝の体勢… そして書きたいことを書き散らすと配慮がロストするので 書いてからエーリクさんにだ、大丈夫? しています わたしは先に我に返ってくれ 寝ます…… (-55) 2022/12/14(Wed) 22:51:39 |
【独】 IX『隠者』 アリア/* 大事なのに書き損ねた備忘録なんですけど、 最初にシトラの様子を窺うことをしなかったのは シトラの自主性全肯定botな自分の在り方が 今回ばかりはシトラの重荷になってしまいそうだと思った という理由です 今度こそ 本当に 寝…… (-56) 2022/12/14(Wed) 23:03:58 |
【人】 IX『隠者』 アリア―― 回想:事ここに至るまで [ 遡って一週間前。 シトラの淹れてくれた紅茶と、>>148 シトラの作ってくれたテオブロマと>>151 他にもありあわせのお菓子とか、 チェレスタやヒナギクが持ってきてくれたものがあれば それも一緒にプチお茶会を彩ったことだろう。 通りがかった人がいれば巻き込まれたかもしれない。 何にせよ女子四人かしましく、 それは楽しいひとときだった。 歌の練習について、 問題はなかったように思う、>>0:217 というチェレスタの所見はきっと間違っていない。 どちらかといえば小器用に物事をこなせる方、 であるらしいことは自分でも承知していた。 見てもらおうと思ったのは念のためであったけれど、 シトラも一緒に見てもらえるなら好都合この上ない。 人に見てもらって大丈夫だと言ってもらうこと、 そういう安心は、何よりあの子にこそ必要なものだ。 多ければ多い方がきっと心強い。 だからヒナギクにもお願いした、という裏側の思考。 ] (404) 2022/12/15(Thu) 22:36:17 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 楽しみ、と玄関ホールで口にしたヒナギクの表情は それこそまるで太陽のようだと思っていた。>>0:378 私と彼女は洋館に来た時期が近いから、 『塔』と一緒にいる笑わない少女だった頃の彼女も 少なからず目にしていたと思う。 今の様子からは想像できないな、とふと思った。 「何か」を見つけたのか。あるいは取り戻したのか。 今の方が良いなと思うことには変わりない。 なんとなく、そう感じている。 しかしその面々はハードルが高いのでは? >>0:377とは思ったけど。主に後半の二人について。 どちらかがいればというか、ユグがいれば 『悪魔』はそこを避けて通るものだと思っているので。 ] エーリクなら声掛けたら乗ってくれると思いますよ、 あの人そういう人なので。 [ ひとまず、お節介がこの三年で得た知見は共有しておいた。 結局ヒナギクか私かユグか誰かが声を掛けて 巻き込まれていたんじゃないだろうか(確定)>>105 ] (405) 2022/12/15(Thu) 22:37:30 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ あの時はまだ、カルクのオルガンだけだった伴奏。 一週間のうちに気付けば楽器隊も増えていたかもしれない。 私はこの歌に参加することがお祝いだけれど 他にも自分なりの何かを用意する者は多くいただろうし。 いつか遠くで耳に挟んだ「どーん!」が>>0:97 パーティー会場できっと七色に弾けた。 アリス、いい顔していたな。 世界にはそういうものがたくさんあるのだと思う。 *]胸躍る何かが、きらきらした何かが。 以前のヒナギクや、普段のシトラや、昨日のアリスみたく それを知らなかっただろう者が知ってから輝く瞳が、 たぶん好きだった。 私自身のことは置いておいて。 これが「誰」の思いであるのかは、 やっぱりわからない、そう思ってしまうけれど。 (406) 2022/12/15(Thu) 22:39:39 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ほんの少し遡って、先程のこと。 私にそれを聞かせてくれたのは、 シンだったか、それともフォルだったか、他の誰かか。 誰ぞの話でしか聞いたことがなかった 『世界』の証持ちが現れた…らしい。 教義的には一大事に違いないな、と 只ならぬ様子の職員たちを目にしつつ 指示された通りに玄関ホールへと向かう。 ひとつ屋根の下に住んでいても全員が集う機会なんて、 直近こそ昨日だけれど、普段はなかなかない。 ある種壮観…と思った、その時はまだどこか俯瞰だった。 それが喋りだすまでは。>>6 ] (446) 2022/12/15(Thu) 23:49:19 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ああ、もう、うんざりだ。 裡に湧いた感情が魂の叫びであることはわかった。>>7 彼 は―― そう、彼なのだと思う。 記録にはほぼ残っていないけれど、私はそう感じている。 『隠者』はどうやら、それを心底恨んでいたらしい。 愛したものを奪った不完全な世界。 誰のことも咎めることも出来ず、戒めることも出来ず、 作っておきながら管理もできずに崩壊させたカミサマ。 勝手なことばかり。…勝手なことばかりだ。 それを「愛」だとか宣うことが何より許し難い。 うん、そこについては「私」も同感するほかない (447) 2022/12/15(Thu) 23:50:44 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ ……瞳はまずシトラの姿を探した。当たり前に。 けれど――今ばかりは、その傍にいてはならないと そう思ってしまったからああなった。 私には帰る故郷も残してきた家族もありはしない。 世界がどうなったって、たぶんきっとどうでもいい。 けれど彼女は、そうじゃない。 私では、あの子の選択のためになることを言えない。 ] (448) 2022/12/15(Thu) 23:50:59 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ 私の思考と選択とは、別物だ。 何を思い、何を感じ、何を考えても 私の答えは決まりきっていて、 おそらく 変わらない。あの子の選んだ世界。あの子の選択と運命を共にする。 ただ、それだけなのだ ] (449) 2022/12/15(Thu) 23:51:36 |
【人】 IX『隠者』 アリア[ それを話してしまうには早すぎると思った。 「シトラがしたいようにするのが一番」 「私は何があっても、そばにいるから」 そうやって、 全てを肯定することは本人のためにならない。 私は、本当は、それをわかっている。 ひとりぶんを余計に背負わせるには、 彼女の背中はまだ少し頼りなくて。 だから、どうか、叶うなら、 ここに来てから彼女が得たものの中に 彼女を導いてくれるものがあればと勝手に願った。 *] (450) 2022/12/15(Thu) 23:52:17 |
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