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【秘】 遊蕩 ディルク → 栄枯 プリシラ「聞こえのいい言葉だからこそ仲良くならなかったりもするよね」 誰にでも言ってるんでしょと振られた回数を数えるのは止めた。 しかし原因となる言葉はこうして今も尚、続けている訳だから、 その真意がどこにあるかは不明。案外何も考えていないのかも。 「……ああ、そっか。祭りに手は抜けないよね。 なんせ麗しき聖女様のお祭りだ」 裏通りならまだしも多くの目につく場では流石に。 質素なスープが欲しくなる日もないとは言えないのだが。 同じ物を2つと頼んで、こちらも席に着く。 「力自慢とは言えないな、男だからそれなりに力はあるけどさ。 平均的?平均より少し上?測ったことがないから分からないけど」 「分からない話は横に置いて、能力の話からでいいかな」 「僕はさ、蟲の力を借りることが出来るんだ」 言いながら首から下げていたものを貴女に見せる。 男の掌に乗せられたそれはシンプルな、小さな銀色の笛だ。 (-0) 2024/01/30(Tue) 22:32:36 |
【秘】 掃除屋 ダーレン → 栄枯 プリシラ「なあ、」 祭りの最中、あなたの手が空いていたであろうどこかの時間。 ぶっきらぼうに背後から声を掛ける男がいただろう。 もし教会で見掛けていたのなら、あなたと同じく聖女に選ばれた人間だったことを思い出すかもしれない。 早々に教会を後にしたものだから、名前は聞かなかっただろうが。あるいはシヴァの声を聞いていれば、知っているかも。 「プリシラっていうのは、お前で合ってるか?」 「花に詳しいっての」 モップの長い柄を自分の肩にとん、と当て。低い位置にあるあなたの顔に視線を向けている。 物言いはともかく、その声色は平坦なものだ。 (-8) 2024/01/31(Wed) 0:55:44 |
【秘】 栄枯 プリシラ → 遊蕩 ディルク「蟲!あたしもたまにお世話になったり、 厄介になられたりしてますね。植物を育ててるものだから」 魔女故か蟲を気色悪がることもなく。 ただ、こちらが力を借りると言っても摂理をなぞっているだけ。 銀色の笛に視線が向けば、ああ、と能力に察しが付いたようで。 「テイマー、というよりかは……エンチャンター? 生き物や魔法の流れを従えて、力を借りる…… そうね、あたしと同じような感じ?」 花も蟲も身一つで心を通わせることそのものは難しいけど、 気持ちを込めた働きかけに応えさせることはできる。 そういった共通点から推察してみて、 それから違ったらごめんなさいね、と笑う。 魅了する者。 例えその対象が何であれ、魔女はそう準えた。 「こういう市街地ならいいけど、 自然の入る隙間もない遺跡とかは大変なのよね。 最終的に頼れるのは自分の身だけになっちゃうというか」 だから自分もちょっとは鍛えていたり。 少なくとも、普通の女の子よりはずっと。 (-31) 2024/01/31(Wed) 9:55:54 |
【秘】 栄枯 プリシラ → 掃除屋 ダーレン客の行き交いからほんの少し逸れた所。 花飾り付きの大鋏を背負う女はそこで街を楽しんでいて。 「あら、」 「誰かからのご紹介かしら」 風景を眺めていたところを振り返ってはその姿を認め、 光栄ですね、と微笑む。立ち去った後ろ背は勿論覚えていた。 「ええ、花の魔女プリシラといえばこのあたし! 本職のお花屋さんに引けを取らないくらいには詳しいですよ。 薬効も、魔力についてもひと通り」 何処からか話を聞いていたか、或いは気質からしてこうなのか、 特に困惑の色を見せることはなく、 全く臆することもなく見上げている。 「たしか、ダーレンさん、って呼ばれてましたよね。 何かご相談ですか?」 (-32) 2024/01/31(Wed) 10:24:13 |
【鳴】 栄枯 プリシラ「別にいいのに。あなたが一途なところで、 あたしの心は結構移ろ気よ? これだけ話しただけでも、面白いなあとは思ったけど」 つまり、ちょっとは気に入ってるということ。 何だかんだチャンスは生まれつつあるのかもしれない。 「ああよかった。あたしにお鉢が回ってくるのはいいわ。 向いてるなら猶更……でも、ま、 埋め合わせはいつか要求すると思うから考えといてね」 魔女の小さな契約。冗談めかして言ってから、 誰かに声を掛けられたのか一度念話が途切れるだろう。 (=1) 2024/01/31(Wed) 10:43:22 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 栄枯 プリシラ「うん、テイマーとは違ってくるね。 別に笛がなくてもある程度は動いてくれるんだけどさ」 名を付けるならば確かに、その名で呼ぶのが正しいかもしれない。 しかし同じとは言えずとも、 こうも共通点が複数出てくるものかと男は考えた。 だからどうという話ではないのだが。 「僕も、ある程度は自分の力で闘えるようにはしてる。 扱うものは鞭、殺傷能力には欠けるけど便利なんだ」 確かに、男の腰辺りには鞭がさげられている。 一般的なものと違い多少の魔力が込められているらしい。 故に扱いやすさはそれなりに。 「……それで、同じようなっていうのは」 どういう形でかと、笛を仕舞いながら問いかける。 自分のことを話すのは構わないが、出来ることなら貴女にも。 (-34) 2024/01/31(Wed) 13:32:04 |
【秘】 栄枯 プリシラ → 遊蕩 ディルク「そのままですよ。あたしもまた、 花や蔦、植物の力を扱うことができる。 自分の魔力や身体を媒体にしているもので、 笛とかそういうアイテムはあまり使わないけど」 杖みたいな魔法の補助は別として。 聞かれたならば隠さず、詳らかに答えようか。 「あたしはね、植物を育てて働いてもらうことも、 はたまた、枯らしてしまうこともできちゃうの。 仲良くなって本当に助けてもらってるわけじゃなくて、 そうなるように誘導している、操っているから」 「で、そういうの全部ひとまとめにして、 あたしは自分の事を魔女って言ってます。 その方が伝わりやすいし、胸を張って名乗れるしね!」 まるで魔女じゃなかったら差し障りがあるような言い方だ。 (-36) 2024/01/31(Wed) 15:58:29 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 栄枯 プリシラ「ああ、そういう。確かに似たようなものかも。 僕も蟲達を育てて働いてもらっているしね」 代償あるいは褒美。それらは魔力等を用いている。 ある意味ではモンスターと呼ばれる類のもの達。 笛は、意思の疎通を図るために利用しているだけで。 しかしそれが本当に"意思の疎通"であるかは……。 思案の中、前に置かれたスープを一瞥し、 お行儀悪くとも話を続けようかと再度視線は貴女に向かう。 「あんまり魔女を名乗る子に出会ったことがないんだけど」 「そう在りたい理由とかあるの?」 別に簡単に植物使いと言えば伝わるだろうに。 敢えてその名を名乗る理由は何かと問う。 あくまで雑談感覚ではあるのだが。 「憧れとか、そういうのとは違う感じ?」 (-42) 2024/01/31(Wed) 23:31:44 |
【秘】 栄枯 プリシラ → 遊蕩 ディルクふうふうと、届いたスープに息を吹きかけて。 ふと問われれば、これまでよりかは少し薄い、 ぼんやりとした笑みを浮かべて、遠くを想うような。 「……そうね。前は、憧れてました。 でももう手が届いたつもりでいるから、今は違うかな」 「森に住む、かわいくて美しくて、強くて…… ちょっぴり不思議な、呪いと占いのエキスパート。 小さいころから色々な物で見て、ず〜っと好きだった」 おとぎ話か、歴史書か或いは他の何か。妙に具体的な。 夢を追いかけ続けた今のあたしは大体そんな感じでしょ?と。 「どうせ近いことの才能があったんだったら、 自分のなりたい物を名乗って、倣うもの。 だからあたしの言う魔女が、 きっと自分と全く同じじゃないとは承知の上。 違っていても、同じくらい素敵な物にはなれる気がするの」 ギルドやお店に提出する書類とかに魔女とは書けない。 それでも、魔女を名乗ることに劣等感や虚栄心はないのだ。 「……恵まれているんでしょうね。今のあたしは」 ただそれでも、呟く姿は何処か歯切れの悪いものだったが。 (-45) 2024/02/01(Thu) 0:36:23 |
【秘】 掃除屋 ダーレン → 栄枯 プリシラ「まあ……そんなところだな」 実際のところは、あの場にいた人間の情報として聞いただけではあるのだが。 紹介という形ではさして遠くないところにはいるだろうので、否定はしない。 あなたの自己紹介を聞けば、ふうんと頷くようにして。 「花の魔女、ねえ」 「よっぽど自信があるんだな。そりゃ頼りになりそうだ」 魔力に関してはからっきしだが、薬草なんかは冒険者でなくとも縁のあるものだ。 何かあった時頼る先があるというのは、生きていくうえでのアドバンテージになりうるだろう。 男は何かを思うように目を細めて、あなたの物怖じせず見上げてくるその様子を眺めたのち。 あー、と前に置いて。 「墓前に添える花」 「花の魔女だって言うなら、よく知ってるんじゃないかと思ってな」 (-58) 2024/02/01(Thu) 19:49:34 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 栄枯 プリシラ「……へえ。手が届いた、ね」 笑みの意味を考え、言葉の意味を考え、 その合間にスープを掬い口に運ぶ。 喉を流れ落ちるまでは思考するが、答えなど浮かぶはずもない。 憧れたこともなければ、 その存在を多少どこかで耳にしていた程度の男には。 「恵まれているかどうか、僕には分からない」 「でも、同じじゃなくても。 似ているなら、それだけでも素敵だと言えるなら。 なりたいものを名乗って、生きたいように生きる」 そういう方が楽しいよね、と独り言のように零した。 同時に、強い子だなと思ったからこそ 歯切れの悪さには不思議そうに眺めていた訳だが。 「気を悪くしないで欲しいんだけど、 僕は魔女にプリシラちゃんの持つイメージがないからさ。 わざわざ自分で名乗る理由が分からなかったんだけど」 「思い入れがあるんだね。そういうものがあるの、素敵だ」 決して羨ましがるような声ではなく、 しかし嘘偽りなく、真に感じた言葉を紡ぐ。 純粋に、そんな貴女を綺麗だと感じられた。 (-63) 2024/02/01(Thu) 21:04:28 |
【秘】 栄枯 プリシラ → 掃除屋 ダーレン墓前に添える花、という言葉を耳にすれば、 女に浮かんでいた笑顔が何処かうすぼんやりとしたものへと変わっていく。相談を受ける立場、気まずい訳ではないが。 「……何より、故人を想う気持ちが大事…… なんてのは言われなくても分かっていますよね」 実感の籠るような言い草で。 だから最終的には自分の気持ちに従って、 これから言うことはあくまで参考程度に、と。 「まず棘や毒、激しい魔力がないものがいいわ。 安らかに眠っている方の手前なんだもの。 その人が好きだった花がそういう類だったら、 取り除いて飾るのがあたしとしてはいいかなって」 指先でネックレスを弄びながら、逡巡しつつ。 「あとはとにかく日持ちして、 長くお墓を飾れるものが良いと思う。 簡単な術をかけて暫く枯れないように、ってのも言ってくれればできるけど、その辺りは好みですかね。 植物とはいえ、命を敢えて永らえさせるというのは、 良いようにも悪いようにもとれちゃうから」 だから基本はあの花や、あれもいいかな、と、 きっと耳馴染みのない固有名詞をいくつか並べ立てて、 名折れにならない程度の知識は見せられたはず。 「まあでも、結局は……故人がどんな人かによるかな。 あたしが聞いていいことかはわかんないけど!」 (-65) 2024/02/01(Thu) 21:07:37 |
【秘】 栄枯 プリシラ → 遊蕩 ディルク「ふふ、それ、お世辞だったらただじゃおかないわ」 照れ隠しの混ざった喜びを示す。 誰かから否定された程度で気に病むことはないとはいえ、 素敵と言われて嬉しくないわけもないのだ。 「丸きり違えていたら夢を名乗ってはいけない、 そんな寂しい話でもないとは思うけれど。 それでも……無理なく近づけるということ、 諦めや幻滅に直面せず思入れを持てるということは、 とっても恵まれたことだったと思っています」 それは与えられた幸運を抱くような、 自尊に満ちた女にしては朧げな言葉であったが。 「にしても、そうね。 世間一般的に魔女っていうともっと胡乱げというか。 正にああいう大鍋を薄暗い部屋でかき混ぜてる感じよね」 苦笑をしながら、また冗談っぽく話を煙に巻く。 「あたしが憧れた魔女についてのあれやこれやが、 今手元にひとつもないのは本当に惜しいなあ。 絵の一枚でもあれば見せられたのに……」 (-68) 2024/02/01(Thu) 21:41:52 |
【秘】 掃除屋 ダーレン → 栄枯 プリシラ「俺が人生で唯一、熱を上げた女」 「死んでからもう5年になるけどな」 隠すような話でもない。しかし僅かに下がった声音から、まだ吹っ切れている訳でもないことは想像に難くないだろう。 あなたのアドバイスを聞けば、凡そ納得した様子で。 しかし、やはり固有名詞ではピンとこないようではあっただろう。その度に、あなたに特徴の説明をさせることになったかもしれない。 「あいつが好きだった花は知らない。渡せば何でも喜んだし…家に飾ってたのも、あいつの気分で選んでいたものだから」 「ただ……そうだな。 お前みたいなオレンジの髪だった。白い花がよく似合ってたよ」 あなたの髪に目を向けて、そんなことを言ったかと思えば。 ほんの少しの間だけ、目を閉じて。すぐに元の表情に戻っていた。 「敢えて日持ちしないもんに手を加えようとは思わないな。 とはいえ、選択肢としては覚えておく。あいつが病死だったなら拒絶してたかもしれないけど」 そうじゃないから、別に。そんなことを言って。 日持ちがしないのなら小まめに変えればいいのだから、冒険に行くことのない今 困ることはそうないという判断だろう。 「悪いな、祭りの時に。辛気臭え話聞かせて」 (-71) 2024/02/01(Thu) 22:40:09 |
【秘】 遊蕩 ディルク → 栄枯 プリシラ「お世辞じゃないよ、ほんとほんと」 軽い口調ではありながら、確かな言葉ではある。 その気持ちが伝わるかどうかは勿論別の話。 信じても信じなくても大して気にもとめないが。 食べ進めつつ話を聞いて、頷きだけを返す。 朧な一面に触れるには、まだ。 「……あー、そうそう。そういうの。 魔法使いにはきらきらっていうの?明るいイメージがあるけど」 同じ"魔"でも対極程のイメージを抱いている。 だから貴女が憧れを抱いた魔女のことは少し、気にならなくもない。 男は見られないことに「残念だな」と呟いた。 (-89) 2024/02/02(Fri) 1:33:18 |
【秘】 栄枯 プリシラ → 掃除屋 ダーレン「へえ、それは……こんな風に、ですか?」 微笑んでは両手を合わせて、一言二言呪文を呟く。 掌から淡い光が散っては一つに集まり。 掬って、程なくして──白い花を、そこに戴く。 上向きの鐘形。何処かの国ではリンドウと呼ばれるもの。 髪に挿し、側頭部を飾っては満足そうにしていた。 「私もね、一度だけ……墓に花を飾ったことがあったんです。 ずっと昔、魔女になるよりも前に好きだった人。 生憎、思ったほどの人じゃなくて幻滅しちゃったけど」 それでも一度は花を手向けに行ったの、と。 こちらの語り口は、不思議なほど軽く優しい色を乗せていて。 死別とはそう珍しい話じゃない。仕事によっては猶更だ。 「ダーレンさんみたいな人とはちっとも似てなかったわね。 何かを渡そうともしなかったし、あたしの髪の色だって、 きっと気にしたことすらなかったんじゃないかしら!」 羨ましいわと花飾りを揺らし、誰かと重ねられたことへの意趣返しじみて悪戯っぽい笑い方をひとつ。でも自分もまた故人の話をするのは、暗に“気にしないで”とでも言うように。 ただ、相手の慮りの為なのが伝わるほどの柔らかい声色、 そのせいで温かいものの、重みの薄れた妙齢の女の回想は、 何処か他人事、お伽話のようにも聞こえるかもしれない。 (-94) 2024/02/02(Fri) 18:59:11 |
【秘】 栄枯 プリシラ → 遊蕩 ディルク「嘘だったら頭が花だらけになるだけですよ」 針千本よりも随分と可愛い悪戯。 信じることには信じているのだろう、 此方も言葉ではその程度の軽さ、というわけだ。 匙を動かしては、その度ちょっと上品に会話へ小休止。 「色々あるのよ。魔がつくもののなかにも。 何ならただの魔性のひとだってそうだし…… あとは魔族もそうよね。痣を持った子がいたかしら。 “不思議な力”を持っていそうなら、 そう呼ばれるだけだけなのよ。魔法の源流です」 実際に悪い魔女らしいか定かではないが、 魔族と口走ることにもなんら抵抗はなかったり。 魔女である手前、乙女は不思議のなんだって好きなのだ。 「にしても、字面の圧で言うと蟲使いも大差なさそうね…… 犬や鳥よりよっぽど苦手な人が多いでしょうし」 「……そうだ、今度機会があればパーティ組みましょうよ! 多分あなたも、こう、偏見を持たれることには慣れてるかもしれないけど。いっそ集まっちゃえばやりやすいと思うわ」 人当たりはお互いに良いんだし。寧ろギャップを狙える! (-95) 2024/02/02(Fri) 19:54:00 |
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