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【教】 ミア蝶々は ひとと語れたものですから、 きっと お伽噺に聞く妖精でもあったのでしょうか。 羽を喪い、堕ちた蝶々はもう語れませんから、 今となっては、知るすべもありませんが。 彼は、妻がいっとう大切でしたから、 蝶々の言うとおりにしました。 祈るように、縋るように、 妻の亡骸の前で待っていました。 (/14) 2020/05/20(Wed) 14:01:48 |
【人】 ミア[ ……合っているかも知らないのに、 蝶々の "その姿"を想像して、やめた。 迷い込んだ現実の蝶々を指先に止めて、 暫く遊ばせてやったのも、 やめた理由のひとつかもしれない、が。 ] (280) 2020/05/20(Wed) 14:02:24 |
【人】 ミア* [ ─── 日付の感覚がもとより曖昧な奴だ。 あの月夜が昨日か、一昨日か、 今度は太陽のもとであったのは 間違いないけれど。 外に出ないから酷く退屈していて、 居づらいなりに、勝手知ったる調子で、 主人の部屋で寝転がっていた。白い海。 ……本来立たないのだろうが、 足場の悪い場所に不安はあれど。 当の主人が珍しく室内に居ないから、 適当に枕元の頁を捲っているだけ。 ] (282) 2020/05/20(Wed) 14:03:36 |
【人】 ミア[ ひとの絵と、自分の名前と、 覚えのある地名の名前、それから少しの単語。 読めているんだか、読めていないのか。 書かれている最後の頁を捲って、 ] (283) 2020/05/20(Wed) 14:04:19 |
【人】 ミア[ 部屋の外、廊下の何処かだろうか、 しらないおんなの声がするから。 ─── この前の誘いがどうとか言ってる、気がする。 尖った声はとてもお上品な発音なことで! ] (284) 2020/05/20(Wed) 14:05:43 |
【人】 ミア[ 探そうにも彼の姿は見えないし、 逃げたのか、偶々居ないのか、 珍しく直接応対したのか知らないけれど、 えらい男は大変だなあ と思うのも、 大概他人事だろう。 ]** (285) 2020/05/20(Wed) 14:06:26 |
【人】 ミア[ インクを飛ばさず、 銀色の代わりに 手遊びでペンを回して、 本ごと、枕元に戻した時だった。 今日は 天気が良い。 夜に屋根で涼むのも悪くないだろう。 鼻には変わらず薔薇の香り。そう、何時も通り。 ] (334) 2020/05/20(Wed) 22:41:15 |
【人】 ミア[ ─── なんだかおかしいな、と思ったのは、 聞き慣れた足音の感覚がすこぅし狂っていたからか。 其れでもこの 一種の箱庭に居る間、 平和そのものであった所為か。 欠伸をひとつ溢して、全く礼儀もなってなく、 真白のシーツに座ったまま迎えるか、等と、 呑気に考えてしまう。 ……まったく慣れとは恐ろしいものだなあ。 慣れるべきでは 無いのだろうに。 ] (335) 2020/05/20(Wed) 22:41:43 |
【人】 ミア[ そんな風 だったから、 薔薇以外の香りが入った時に、え?って顔をしたし、 重たく、息の吸われた音に、すこぅし身を下げたし、 先客の所在を認めず吐き出された声に、 ─── うわ って、ちぃさく声を上げた! ] (336) 2020/05/20(Wed) 22:42:26 |
【人】 ミア………… 、そう だね……? [ うわあ怒ってる。 率直に頭の悪い感想が過ぎった。 咄嗟に出た声だって、何に対する"そうだね"なのか、 正直よく分かっていない。 取り敢えず何かしら言わないと場が保たないような、 ……そんな気がしてしまった。珍しく。 ( 普段なら、きっと、 お似合いなのにの一言ぐらい飛ばしていた! ) そう、保たない直感はあれど、 社交界ともまともなコミュニケーションとも縁遠い奴は、 次の言葉に詰まるわけで ───、 ] (337) 2020/05/20(Wed) 22:43:25 |
【人】 ミア…………昼寝 すれば……? [ 大きいソファもあるし……と、指さしつ。 勝手に入って寝所を占領している奴が言う台詞じゃあ、 きっと 無いだろうけど。 ただ、おいかりだ。とか、思ってしまえば、 自然と"せいざ"していた訳で……、 飼われている精神は どうにも、悲しい。 ] ─── だってさ、 (338) 2020/05/20(Wed) 22:44:11 |
【人】 ミア顔酷いよ。 [ ……かといって黙れない部分はあったわけで、 見上げる碧は、恐る恐る、といえど、 余計な一言では、あった かも。 ] (339) 2020/05/20(Wed) 22:44:43 |
【人】 ミア[ 想像していたものは無けれど、 ぽつ、降ってきた声と 仕草に。 此方もよく分からないような、顔。 何処、と言われれば、 ……そう言えば、何処だったのだろう。 考えごとというものから遠すぎて辿れない。 ] (377) 2020/05/21(Thu) 1:34:28 |
【人】 ミア──── 、 [ 読み始めた、と、言うのか。 辿り始めた、と、言うのか。 こういう時の物語を、あの本は教えてくれない。 いっとううつくしい彼の妻は、夫の名前を呼んだのか。 ……否、そもそも"おんな"ですらない"誰か"が、 辿ったところで碌な結果にならないだろうし、 この"誰か"は、何時も、名前なんて呼んでいない。 ] (379) 2020/05/21(Thu) 1:35:21 |
【教】 ミア[ おんならしく整えた茶髪に、 歩きづらいヒールを纏って、 腰を締め上げるよなドレスで身を守る、 危ない銀は、遊ばないように、隠されて。 貧民街も知らず、薔薇以外の赤色も知らず、 餓鬼を分別するためにつけられたような名ですら無い、 そういう わたし であるならば、 ] (/19) 2020/05/21(Thu) 1:37:51 |
【教】 ミア[ 羨望じゃあ ない。もしかしての話だ。 地位だけならまだしもその生活はやめてほしい。 それに、そこまで考えて、思うのは、 " だったら此処には居ないのだろう "だけ。 今だって"運悪く"転がり落ちていなければ、 ひとつのパンをずぅっと 食いつないでいたような生き様だったのだし。 ] (/20) 2020/05/21(Thu) 1:39:03 |
【教】 ミア( ……何で此処にいるんだっけ、 ) [ 己の価値も 好き嫌いも 言うまでも無い。 月のまあるい 夜、己の赤に塗れた姿から そんなこと どうせ、察せよう。 ] (/21) 2020/05/21(Thu) 1:39:39 |
【人】 ミア[ ─── だから、この誰かに、 考えごとは向かないと言うのに。 要らないことばかり考えているから、 ずぅっと無言だった。 疲れたよな背を碧は追い、数秒。 薔薇の香残るブランケットを、 荒れるほど"使い込んだ"指先で、 真白の海から掬い、引き摺り、 適当に 金髪の上に被せた。 ] (382) 2020/05/21(Thu) 1:40:00 |
【人】 ミア[ きっと 今度は見下ろしていた。 "世界一うつくしい薔薇"を。 先程まであった戸惑いの色は消え、 考えごとの所為か、どうか、何時も通りの碧で。 ] (384) 2020/05/21(Thu) 1:41:04 |
【人】 ミア─── きぞくさまは昼からお酒飲むの? 賭け事に負けたみたいね。 においが嫌なら これ被れば良いのに。 ほら あの本の花嫁みたい。 "うつくしい"んでしょ。 [ 暇で退屈な誰かは、適当にまくし立て。 おおきく わかりやすく 息を吸って、それから、 ] (385) 2020/05/21(Thu) 1:42:12 |
【人】 ミア…… つまんない。 最近ずっと家の中だし、"こんな"だし。 [ あなたが、なのか、この家が、なのか。 此も終ぞ、答えなんて 出ずに。 ]** (386) 2020/05/21(Thu) 1:42:45 |
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