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【鳴】 しもべじゃない レグナ耳打ちに対し「今の空気見てたんなら無理かどうかは分かるだろ!?」と言う暇もなく。 「うわあっ!???」 背中を押され、鳥居の中へと飛び込んでいく。 これが何処かで望んだ展開なのか、否か。 現実を知らない自分が知る由はなく、その向こうに吸い込まれていく―― ▼ (=4) 2023/09/09(Sat) 8:58:32 |
【鳴】 しもべじゃない レグナそうして、はっと気が付けば再び祭りの中。 傍にマオはおらず、辺りは人々の賑わう声で溢れている。 先程の一件は白昼夢だったのか、そう思い始めた頃に頭の中に語り掛ける声がする。 「……。何で俺がこんな事……」 渋々と言った様子で祭りをうろついて。 さっき惜しんでいた高級マグロでも持って行けばいいのか、なんて浮かんだものの、先程の信者は何故か見当たらない。 それなら、彼の好きなものとは、何だろうか。 先程買って来いと要求していたチョコバナナ?たこ焼き? 好きではあるのだろうけれど、そういう事ではない気がして。 何であいつなんかの為に、こんなに真剣に考えないといけないんだ、というのも頭に過ぎるけれど。 ……このままではいけないというのも、本当は分かっていて。 ▼ (=5) 2023/09/09(Sat) 8:59:48 |
【鳴】 しもべじゃない レグナ……暫くして。 何時もの様子であるマオとは打って変わって、此方は大分気まずそうに。それなりに遅れて"試練の間"に飛ばされてきた。 まるで夢の中の様に何も無い部屋。 目の前の看板を読んだところで、頭の中に声が響いてくる。 その声は――(3)1d16 ▼ (=6) 2023/09/09(Sat) 9:01:50 |
【鳴】 しもべじゃない レグナ『お互いのお願いを聞かないとならない』 ……先程からの続きのような物だろうか。 それなら普段からやっている、自分は余裕だ。 むしろマオが聞くかどうかが分からない、なんて思った所で。 『どちらかが相手を殺さないとならない』 「……え、?」 思わず声が漏れた。 一瞬その意味が理解できなかった、というぐらいには動揺している。 (=8) 2023/09/09(Sat) 9:10:33 |
【鳴】 ご主人様ではない マオ「いつもならマオ様が試練を課して 人間を観察する側だというのになんじゃ、ここは………」 くぁ、と退屈そうにあくびをして、看板を通り越す。 「……めんどくさい……とりあえず、寝るかの」 道具はなんでも出せるらしいので、ベッドを召喚してみたり。 おやつを出してみたり。部屋がせまい!!と広くしてみたり。 天蓋つきの、王様のようなベッドへダイブする! 「ふかふかじゃ!」 どんな試練が出されたかなどまだ知らないマオは、呑気だった。 遅れてやってきたレグナの様子をちら、と見たけれどすぐにそっぽを向き。 「なんじゃ、童貞卒業しないと出れないぞ〜とでも言われたか?」 なんにもない部屋の中心でごろごろしながら。 その顔色をちょっとは気にしているらしかった。 (=9) 2023/09/09(Sat) 10:05:00 |
【独】 ご主人様ではない マオ/* 全部レグナくんに任せちゃったけど片方マオが振ればよかったのでは? じゃあ独り言で振っておくね。(15)1d16 (-4) 2023/09/09(Sat) 13:03:47 |
【鳴】 しもべじゃない レグナ呑気そうにベッドにダイブをしているマオに、 まだイライラが隠せないのか。むっとした様子のまま、答える。 「…………。 馬鹿、そんな呑気な…… いや、それも呑気じゃねえけど。 こんなの、実質一人しか此処から出られないも同義だ、」 こんな事、幸せである筈のこの世界で望まれていい事じゃない。 「お題は二つ。片方はお互いの願いを聞く事、もう一つは」 「 どちらかを殺す事 、」言葉にして、ぞっとした。 けれど、何処かでそれと似た恐ろしさを経験した、そんな覚えがあるのは気のせいだろうか? (=10) 2023/09/09(Sat) 19:13:17 |
【鳴】 ご主人様ではない マオ「ふーん………どうせ、さっきのようなぬるいやつかと 思っておったが後者はなかなかおもしろい試練じゃ!」 ベッドに転がったままそちらも見ずに、スルメイカを頬張っている。 出れるといっても片方はこの世から、という意味かもしれないが。 マオは聞いただけでは実感が湧いていないらしく、いつもの調子だ。 「ま、ちょうどよいのではないか?」 ぴょん、とベッドから下りてぺたぺたと レグナのほうへ歩み寄り、下からその瞳を覗き込む。 いつもみたいに甘えるとか愛でるような雰囲気はなく、煽るような。 「わしを殺したら、嫌いなやつがひとりいなくなって はっぴーで出れるではないか! よかったのう、レグナ」 きっと喧嘩なんかしてるから、神さまが背中を押してくれたんじゃ! マオはわざとらしく手を広げて笑っている。 (=11) 2023/09/09(Sat) 20:25:21 |
【鳴】 しもべじゃない レグナ告げられた言葉に、カアッと頭が熱くなるのを感じる。 その感情に任せるかのように、手を広げ煽るように笑うマオの肩を掴んで、そのまま床へと押し倒す。 手加減なんてしていない。床にごちんと頭がぶつかり、痛みを感じたかもしれない。 「お前、本気で言ってんのか」 酷く冷たい目があなたを見下ろしている。 渦巻く淀めいた感情が影と共にあなたに差している。 「心からそう思ってんのなら、」 「――本当に殺してやろうか、なあ。マオ?」 そう告げた声も、酷く冷たい色のそれだった。 (=12) 2023/09/09(Sat) 20:53:10 |
【鳴】 ご主人様ではない マオ抵抗する暇もなく、軽い身体は人形みたいに床に叩きつけられ、気付けば真っ白な天井が見えた。 頭を打った衝撃は感じてはいたが、さほど痛みはない。 なによりも冷たい視線が、刺すように痛いからだ。 レグナがこんなに怒っているのは初めて見た。 ほんの僅かに若草色の奥が揺らぐのは一瞬だけ 「殺せよ」 それだけ吐き捨て、マオは不敵に笑った。 怯むような様子は 見せない 。できるものならやってみろ、と。マオは負けず嫌いの性があるから、喧嘩を売られたら絶対買う。 だから今回のこれだって、きっと。 「でもなあ、出たいなら先にお願い聞いてやらないとなあ ……死人には口はないからの、レグナ」 己を押さえつけている手に、細い指先がそっと触れた。 誰も出れずに終わるのでは、せっかく捧げるマオ様の命が無駄になってしまう。 (=13) 2023/09/09(Sat) 21:47:49 |
【鳴】 しもべじゃない レグナ揺らいだ若草色は、見えなかったわけじゃない。 けれども告げられる言葉は吐き捨てる様な挑発だった。 目の色の温度が、下がっていく。 その温度があなたを刺していく。 肩に力が、ぐっ、と篭る。 「……願い?何だ、言うならさっさと言えよ」 「俺の願いは、これから死ぬお前に叶えられる訳がない。 ああ、じゃあ今から叶えられる、もっと簡単な願いにしてやろうか?」 (=14) 2023/09/10(Sun) 1:32:06 |
【赤】 神仙様の 祭囃子おいでよおいで 神仙祭り 試練と褒美 たくさんくれる 神仙様 たのしいたのしい 神仙祭り 猫のように きまぐれで悪戯好きな 神仙様 しもべがたくさん 神仙様! だれもが見上げるばかり 万歳! 神仙様! おいでよ おいで 神仙祭り 家族も しもべも ひとりぼっちのきみも 神仙様は みな 平等! (*0) 2023/09/10(Sun) 1:34:59 |
【鳴】 ご主人様ではない マオひく、と喉を鳴らす。笑い声に似たもの。 いつもの我儘。絶対変わることのない態度。 ……レグナの願いを叶えることは容易だった。 冷たい床の温度で冷えてくる身体、白い頬にかかる乱れた髪。 弧の形に歪む、渇いた唇。着崩れた浴衣から覗く無防備な首元。 畳で転んだ時と似ているのに、何もかもが違う状況。 「おまえに殺されるのなんてちっとも怖くないな。 なんだ口だけか、早く殺してみろよ! ほら!」 力づくで両手を伸ばす、レグナの首の後ろへと回し ぐいと顔を近づけさせて牙を剥いた。 首筋に痕がつくくらいかみついてやる。 首がだめなら、顎でも唇でも、どこでも。 ▼ (=17) 2023/09/10(Sun) 5:13:12 |
【鳴】 ご主人様ではない マオ「殺されてやるから、終わったらちゃあんと笑えよな」 耳元で皮肉っぽくお願いを囁いて、やがて手を離した。 "自分勝手ねこじじい"がいなくなってはっぴーだろうからな! (=18) 2023/09/10(Sun) 5:16:08 |
【鳴】 しもべじゃない レグナ冷えた身体も、無防備な首も。乱れた髪も。 若草色の視線が合うのも。 こんな事になってしまうなんて、転んだ時には想像もしていなかった。 それでもあなたは変わらない。 両手を伸ばされれば、案外その身は簡単にあなたの方へ近づいてきて。 牙を剥かれれば鋭い痛みと共に、首筋に赤い花が咲く。 耳元でお願いが囁かれた。 その願いを、叶える事は――― (=19) 2023/09/10(Sun) 13:54:38 |
【鳴】 しもべじゃない レグナ「なら、望み通り」 まるで悪者にでもなったかのような口ぶりでそう告げたかと思うと。 手袋で覆われた手が、ゆっくりとあなたの首に掛かり。 そのままぐっ、と。力を込めていく。 あなたの温度が、脈が、手に伝わってくるのを、感じる。 (=20) 2023/09/10(Sun) 13:54:53 |
【鳴】 ご主人様ではない マオ細い首をあなたの手が覆って、呼吸を塞いだ。 マオは、じっとレグナの瞳から視線を外さないまま 与えられる苦しみを、受け容れる──否、受けて立ってやる。 おかしな話。見たことなどないはずなのに 悪者を演じるレグナをどこか知っている気がした。 「……ぁ…………っ……」 ──苦しい。減らない口は、既に声にはならなかった。 吸うことも吐くこともできず、かひゅ、泡沫となって消えていく。 ただただ陸に上げられた魚みたいに、口を開閉させるだけ。 「……ぅ………」 ──苦しい。じわりと涙が滲むのは、生理現象。 反射的に、あなたの手首を掴むのは防衛本能。 爪を立て、また傷をつけてしまうのかもしれない。 ──苦しい。 段々と靄がかかってくる意識の中、片手を伸ばす。 口元は笑みのような、歪みを湛えたまま。 ただあなたの頬に触れるため、指先は目元をなぞった。 (=21) 2023/09/10(Sun) 15:53:15 |
【鳴】 しもべじゃない レグナ冷え切っていた温度は、何時しか熱を持って。 ぽたり、あなたの涙と混じる様に、汗が垂れた。 レグナもまた、あなたから目を逸らさない。 「………―――、」 苦しむあなたの表情をじっと見る。 爪を立て、疵が付けられていくのを黙って見ている。 生命を奪われているのはあなたの方なのに、 変わらぬままで有れと言ったのは自分の方なのに、 まるで呪いでも掛けられた様に左胸の奥の方が痛む。 道化の様に笑んでいた口元は、 何時の間にやら。ぎ、と何かを耐える様に歪んでいる。 ――それでも、その手を緩める事はなかった。 (=22) 2023/09/10(Sun) 17:06:53 |
【鳴】 ご主人様ではない マオ「………、…………」 涙と汗で滲んだ視界では、あなたの顔がもうよく見えない。 「 、」 「…… 」 意識が遠のく中、マオは、最後にゆっくりと唇を震わせる。 まるで、壊れた人形みたいだった。 その声にならない声は、あなたに届くはずがない。 ──どれだけの時間が経っただろう。 やがて、マオの手がだらりと力なく床に放り出される。 ……あなたに触れていた手も、爪を立てていた手も。 ずっと目を離さなかった明るい若草の色も 淀んだように濁って、光を失っていく。 マオは、もうこれ以上動かなくなった。 (=23) 2023/09/10(Sun) 20:25:09 |
【鳴】 死体 マオレグナがてのひらに感じていた鼓動も、やがてなくなる。 その細く頼りない身体は、まだあたたかいまま。 我儘も言わない、無茶ぶりもしない、すり寄ってくることもない ただマオだった者の死体が静かにそこに横たわっていた。 マオは確かに この部屋で 、レグナの手により命を落とした。今だけは、死人に口無し。 殺されることも、お願いをきくことも。 マオにできることは、すべてやった。 (=24) 2023/09/10(Sun) 20:32:58 |
【独】 走馬灯 マオ>>=2 ──これは、まだマオが死ぬ前の一刻。 通りすがりの少年との邂逅の続き。 「のう、少年……それ……その飛行機。 どこで手に入れたんじゃ……?」 少年は首をかしげて、お祭りの射的で取ったのだと笑う。 そうか、と何か悩んでいる様子のマオに少年がほしいの?と 尋ねてくる。別に、自分がほしいわけではないと言ってやると。 誰かにあげたいのか、と。 こくりとうなずく。これをきっかけにしてレグナと…… レグナと、どうすればよいのだろう? 今までほとんど山で一人で暮してきたし 人間と喧嘩をしたことがないのでよくわからない。 みんなマオ様マオ様とへりくだる自分に都合のいい しもべしかいなかったからだ。 ▼ (-7) 2023/09/10(Sun) 21:55:36 |
【独】 走馬灯 マオ「……あげても、いらないと言われてしまうかもしれんな」 ぼんやりと提灯の灯を眺めながらぼやいた。 喧嘩したのかと尋ねる少年に、たぶんと頷く。 『お兄ちゃん、喧嘩をしたときはね"ごめんなさい"って あやまったらなかなおり、できるんだよ』 そんなアドバイスを子供からもらうお兄ちゃん(じじい)。 お金を持っていなかったマオは、少年に『ほしい景品をとってやる』という条件をつけて──といっても、お金を払うのは少年なのだが──飛行機のおもちゃを譲り受ける。 くじ引きの運だけはなぜかよかったマオは 無事、好きなものを手に入れることができたのだ。 もっとも、この後仲直りどころか衝突することになろうとはこの時は思いもしなかった。 (-8) 2023/09/10(Sun) 21:56:26 |
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