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![]() | 【人】 宣伝係 ”ている”[ 童話系コンセプトカフェ″ フェアリーテイル ″ 今日も王子様のお帰りをお待ちしています! 土日祝はお昼も営業! イベント日は営業時間も延長してお迎えします♡ そして今日は1時まで【もふもふイベントday】 本日の出勤キャストはこちら! マスコットキャラがアイコンになったSNSが ]店の宣伝を投稿している。 普段のコンセプト衣装に獣耳や尻尾がつくだけの、 ライトなイベントがある日のようだ。 (1) 2025/06/30(Mon) 20:31:20 |
![]() | 【人】 宣伝係 ”ている”[ 店内の装飾やSNSアカウントなど、 あらゆるところで姿を見かけるこのマスコットは お客様への料金案内も欠かさない。 メニュー表を開けば、ウインクをして踊っている。 キャストへのお触り厳禁、繋がり行為のNG、 セクハラももちろん駄目──など 禁止事項を説明するのもこのマスコットである。 説明を終えて次のページを捲れば、 至って普通のコンセプトカフェらしいメニューが 良心的な価格設定と共に並んでいる。 「姫のお絵描きオムライス チェキセット」 「姫のオリジナルカクテル」── 特異なのはメニューの名称くらいだ。 高額なシャンパン類の案内もあるが、 あくまでここはコンセプトカフェ。 卸しても接待やアフターの類はない。 ] (2) 2025/06/30(Mon) 20:43:36 |
![]() | 【人】 宣伝係 ”ている”[ 賑やかな空間が苦手な方向け! 個室のVIPルームもご案内始まりました! 利用可否はキャストまでお声がけください。 それでは、素敵な一夜の夢を! この案内でメニュー表は締めくくられている。** ] (3) 2025/06/30(Mon) 20:50:36 |
![]() | 【人】 従業員 ルミるる@フェアリーテイル 今からいるよ〜 イベント日だけどラストまではいないので、 早めに会いに来てね! [ 17時の営業開始時刻ぴったりに、 いつも通りの白雪姫を模した衣装と 黒い猫耳をつけた少女の自撮りが投下されている。 ] (4) 2025/06/30(Mon) 21:18:46 |
![]() | 【人】 従業員 ルミ[ 眠らない街、眠れない街。 煌びやかなネオンの裏に思惑を隠した歓楽街の中、 その一角に居を構えるコンセプトカフェは 金曜の夜でもそれなりの客入りを見せていた。 夜が深まるにつれ客は増える傾向にある。 この店はキャパシティを大きくしてはいないから、 満席になっても手が回らなくなることはない。 普段よりチェキやボトルのオーダーは飛んでいるけれど これくらいなら許容範囲だ。 チェキの指名で自分を呼ぶ声が響く。 ふわ、と衣装のフリルを翻して振り向いた。 ] この前もたくさん撮ってくれたよね? いいの? ありがとう〜! [ 浮かべた笑顔がただの営業用のものだってことに、 ネオンで目が眩んだ彼らは気付かない。 ] (5) 2025/06/30(Mon) 21:19:06 |
![]() | 【人】 従業員 ルミ[ ────乱れなく整えた髪型も、メイクも。 見せたいのは有象無象の客なんかじゃなくて、 わたしにとっての、大事な大事な、唯一の人だけ。 出来れば出勤前に褒めて貰いたかったのだけれど、 会社員の彼と、シフト制で夕方から出勤する自分では そのタイミングが合致することはあまりない。 勤務中はスマホで居場所を確認することも難しいし、 ──……居場所と言えば 彼は今頃、家に帰っているのだろうか。 寄り道していないか、或いは残業か。 GPSを見ればすぐさま答えは分かるのに、 さすがに抜け出して確認することはできない。 ] 一緒に撮る? ……わたしだけだね、分かった! じゃあ、後で落書きして渡すから── [ 言い終わるより先に、来店のベルが鳴る。 「ごめんねっ」と客に手を合わせ、 扉までぱたぱたと忙しなく駆け寄った。 ] (6) 2025/06/30(Mon) 21:21:10 |
![]() | 【人】 従業員 ルミおかえりなさいませ、王子様! [ 入口のレジカウンターにオーダーメモを置き、 何席空きがあるかを確認した後のお出迎え。 来店挨拶の定型文を紡ぎながら、 わたしは笑顔を浮かべ、ぱっとその人を見た。** ] (7) 2025/06/30(Mon) 21:26:04 |
![]() | 【人】 会社員 雷恩[店に来るのはもう何度目か。 だがいまだに来店時に掛けられる言葉には慣れずに 毎度一歩引いてしまう。 店内の客層も今までの人生で関わったことのないタイプーー クラスに一人か二人いて挨拶くらいならしたかもしれない程度の 「オタクくん」が多く、何度か通って同じ顔を見ても仲良くは なれそうにない。 特に「るる」推しの客にとっては、若いスーツ姿のリーマンが るるに満面の笑みで接客されるものだから 自分は羨望と嫉妬の的になっていると感じている。] ……猫耳だ? 今日は耳だけ?まあ、しっぽがあったら接客の邪魔か。 [衣装はこの店における彼女のトレードマークの白雪姫だが 今日は可愛らしいカチューシャを装備している。>>4 お触り厳禁の店では「もふもふ」と称していても触りやすい パーツはつけないのだろう。 風俗にも行ったことがないので始めはコンセプトカフェのことを 風俗と同一視していたが、少なくともこの店は少し変わった システムのカフェであり、風俗店ではなさそうだという印象を 持ち始めたところだ。] (8) 2025/07/01(Tue) 9:43:27 |
![]() | 【人】 会社員 雷恩[此方を睨む視線に敏いのは、学生時代から割と男の嫉妬に 晒されてきた所為。] 接客中だったんだろ。 席の案内もらったら、手が空くまで待ってる。 似合ってて可愛い黒猫とツーショ指名するから。 [睨み返すのも慣れている。 自分のような所謂一軍の男が睨むと相手の方が怯むというのも 知っている。**] (9) 2025/07/01(Tue) 9:49:33 |
![]() | 【人】 従業員 ルミ[ ────猫の条件反射のように目が瞬いて、 予想の範疇外だった来店者の姿を見捉える。 今まさに所在を考えていた彼が、 向こうから自分のところに来てくれるなんて。 これは、そう、──有り体に言えば運命! ] お兄さん! [ ぱあ、と笑顔を零しながら彼を見上げ、 「お仕事お疲れ様」と言葉を掛けた。 尻尾があれば今頃喜びで揺れているのだろうけど、 残念ながらついているのは偽物の猫の耳だけ。 如何にも親しいですとばかりの様相だが、 公私混同甚だしい接客態度を咎めるような 勇気のある客はこの場にはいなかった。 ] (10) 2025/07/01(Tue) 20:37:51 |
![]() | 【人】 従業員 ルミうん、衣装まで変えるイベントじゃないから。 尻尾があると人にぶつかっちゃうし。 [ 少ないコストで客から金を巻き上げよう、という この手の店にはままあるイベントだ。 実際それに釣られてオーダーを重ねているのが、 今彼を睨んでいる客たちなわけだけれど。 容姿も良く、見るからに若いスーツ姿の彼は 明らかに店内の雰囲気からは浮いている。 敵対的な視線を彼に向ける客と、 浮足立った目で彼を見遣る店員の二極だ。 彼が敵視へ睨み返すのと同じように、 わたしは同僚たちを流し目で制した。 ] (11) 2025/07/01(Tue) 20:37:56 |
![]() | 【人】 従業員 ルミ……でもそれだと、わたしが目を離してる間に 他の子が接客しに行っちゃう。 [ 流石にあからさまに媚びを売る子はいないだろう。 わたしが牽制をかけているし、 特別扱いしていることくらい皆知っている。 売り上げ成績だってわたしが一番なんだから、 店長も多少のことは目をつぶってくれるし 皆わたしの機嫌を損ねることをしたりはしない。 別に、例え他の子が彼にどう粉を掛けようが、 彼が靡いたりしないとは、分かっているけれど。 ] ……、分かった。 何言われても、最低限の反応以外しないでね。 [ この抑止も彼が来店するたびに言っていること。 剣呑な雰囲気も、毒の棘も引っ込めて 「じゃあ席案内するね!」と笑顔を浮かべた。 ] (12) 2025/07/01(Tue) 20:38:00 |
![]() | 【人】 従業員 ルミ[ 二人まで座れるテーブル席に彼を案内して、 そろそろ見慣れたかもしれないメニュー表を渡す。 本当はオーダーを通してサーブもしたいし、 何ならそのまま居座り続けたいのだけれど 彼が待つと言ったのに、 自分だけ聞き分けが悪いのは考え物だ。 ] 出来るだけ早く終わらせてくるから、 絶対、本当に絶対、他の子見たりしないでね。 わたし以外を気にしたらどうなるか、 ……お兄さんならもう分かってるでしょ。 [ 「じゃあまた後でね」と後ろ髪を引かれながら、 わたしは接客を中断していたテーブルへ戻る。 チェキを20枚頼んでいた彼は、 追加でシャンパンも入れることにしたらしい。 ──そんな風に気を引こうとしても、 わたしはお兄さん以外の誰にも 惹かれることなんて、ないのに。 ] (13) 2025/07/01(Tue) 20:38:06 |
![]() | 【人】 従業員 ルミ[ ……でも、お兄さんって大人だな。 わたしが逆の立場なら、 どんな手段を使っても他所の女のところに行かせないし お利口に「待て」なんて出来ない。 仕事に理解がある、ってやつなのかも。 少なくとも、想像だけで衝動が込み上げるわたしには そんな許容の器はないってだけで。 ] ──いいの? 嬉しい! あ、ねえねえ、これ持って帰りたいな。 うん、綺麗な状態で写真撮りたいの! [ 本当は開封までしてたら時間が掛かるから、だけど 「わたしに良いところを見せたい」客には、 こういうおねだりが一番効くって、わたしは知ってる。 運ばれてきたボトルは、これだけで10万円。 彼が風俗店だと誤解していたのも無理はないような、 普通の店じゃ考えられない値段設定だ。 ] (14) 2025/07/01(Tue) 20:38:20 |
![]() | 【人】 従業員 ルミ[ ──少し前までは。 こうやって簡単に舞い込んでくるお金を使って、 ″ 邪魔だった人達 ″に餌を撒いたり 使えそうだな、って思った人に声を掛けて わたしのお願い、叶えて貰っていたんだけど。 今はもう、その必要がなんにもなくなったから、 お兄さんとの生活を送るためだけの── 甘い夢を現実にし続けるための、糧になるだけ。 ] ( ……、お兄さんは…… ) [ 店内のきらきらした装飾が、すこし眩しい。 良い子の顔を長引かせられないわたしは、 後ろ髪を引っ張られるまま振り向いた。* ] (15) 2025/07/01(Tue) 20:41:09 |
地上枠は定員に達しています。
見学枠は定員に達しています。