人狼物語 三日月国


224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】

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視点:


【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>39 黒眼鏡

勤務後。赤く染った空が同色に海を染めている。

「すみませえん」

店主の姿を探し覗き込む。
看板が出ているからには営業中のはずだ。
珈琲豆の香りと機械油の香りではどちらが優位か怪しいものだが、この店のそういうところを女は結構気に入っていた。

「コーヒーくださあい」

#Mazzetto
(65) oO832mk 2023/09/09(Sat) 6:06:14

【人】 黒眼鏡

>>65 ダニエラ

ゆらゆらと揺れる照明。
薄暗いカウンター。
ほんの少しの珈琲と、金属と油、それと海からの潮の匂い。
飾り気のない店内には、ときたま似合わない花が飾られている。
どこをとってもちぐはぐな店内に、女の声が響く。
…しばらくは無音。

だが、すぐに。
がたん、がたんと店の奥から音がして、
のっそりと長身の男が顔を出す。

「おや」

いつでも、それこそ夜中でもかけているサングラスの奥の瞳が、笑みの形に変わった。

「いらっしゃい、お嬢さん。
 コーヒーね。ミルクは? 砂糖は?」

注文を聞きながら、すでに手は動き始めている。
何を言っても、多分"今日のオススメ"が出てくるだろう。

#Mazzetto
(66) gt 2023/09/09(Sat) 7:37:26

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>66 黒眼鏡

ちぐはぐな店内。
そこに店主の姿がすぐになくとも居心地の悪さを感じない程度に女は豪胆だった。
寝惚けたような視線を漂わせ待つこと暫らく。
姿を見せた長身を見上げて、サングラス奥の笑顔に頷いた。

「どうもお。どっちもお願いしまあす。
 あ。砂糖は2つで〜。」

席に腰掛け、カウンターに両肘で体重を預ける。
ぷらぷらと脚を揺らして、漂い始めるコーヒーの香りに目を閉じた。
こればかりは、喫茶店の醍醐味だ。

「いい香りですねえ」

以前来た時も、同じことを言ったかもしれない。
もう何ヶ月も前のことだし、お互いそんなこと覚えちゃいないだろうが。

#Mazzetto
(70) oO832mk 2023/09/09(Sat) 9:16:57

【人】 黒眼鏡

>>70 ダニエラ

「はいよ、砂糖が2つ〜」

長い手足を、狭いカウンターの中で窮屈そうに動かしながらサイフォンに火をかける。
ゆったりとしているように見える動きだったが、かちゃかちゃと見えづらい作業が手際よく行われ、香りが漂い出してからは早かった。

「はい、コーヒー。
 がんばってブレンドしたからさあ、そう言ってくれると嬉しいね」

笑いながら、カウンターにカップが置かれる。
ふわり、と漂う湯気と香りの中、サングラス越しの視線女の顔で止まった。

「…見覚えある? かもしれんなあ。
 ナンパじゃないぞ。
 どちらにせよ、綺麗なお嬢さんにはサービスね」

コーヒーカップに添えるように、クラッカーの箱が置かれる。
紙箱に何袋か入っているタイプのものだが…一袋は開封済みだ。
さっきまで食べていたやつだろう。

#Mazzetto
(74) gt 2023/09/09(Sat) 10:01:00

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>74 黒眼鏡

「えー、いいんですかあ。」
「らっきー。いただきまあす。」

湯気くゆるカップに手を伸ばし、まずはひと口。
舌先で転がして、その風味を味わう。
そうしてことりとカップを置いた手は、まっすぐクラッカーへと伸ばされた。

「でも、正解ですよお。」
「前にも来ましたあ。マスター、記憶力いいですねえ」

弧を描いた口許が口ずさむ。

「今日は、お仕事帰りなんですよお。」
「ふふ、お仕事、何だと思いますう?」

控えめな雑談も、また。喫茶店の醍醐味だろう。
乾いた音とともに、口の中に薄い塩味が広がった。

#Mazzetto
(79) oO832mk 2023/09/09(Sat) 12:19:13

【人】 黒眼鏡

>>79 ダニエラ

「いーのいーの。
 このトシになると腹膨らむものキツくなってきて」

つんつんとまばらに立った髪をかきながら、
恥ずかしそうに零す。
カウンターの内側には、半分くらいかじったホットドッグ……の、ソーセージ抜きが皿に乗っかったまま放置されている。
小食なのか、それとも食事を放り出して車でもいじっていたのだろうか。

「あ、ほんと?
 いやあ、当たって良かった。
 こういうの外すと恥ずかしいからねえ」

ビンゴだ、と指を向ける仕草は、やはり少々古臭く。

「んー? なんだろうね。
 君みたいな美しいお嬢さんSignorinaは、デザイナーかカフェ店員と相場が決まっているものだが」

顎に手をあてて考える仕草をしたあと、もう一度指を向けて。

「……新聞記者」

どう? と。首をかしげる。

#Mazzetto
(80) gt 2023/09/09(Sat) 12:41:41

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>80 黒眼鏡

「ああー。」
「惜しいー。」

けらけらと控えめに笑う。
頬杖で向けられた指先をじっと見た。

「答えはあ、どーしよっかな」
「また次に来る時の楽しみにしちゃおっかなあ」
「そおしたら、次も覚えててくれるでしょお?」

乱視のレンズを通して目を細める。
その頃には視線は黒い眼鏡の顔に移っていた。

「コーヒーおいしいしぃ」
「お店の雰囲気もいいしぃ」
「どおです?」

#Mazzetto
(86) oO832mk 2023/09/09(Sat) 14:50:46

【人】 黒眼鏡

>>86 ダニエラ

「ええー、違うのかあ。なんだろな」

その控えめな笑顔に、まるで眩しいものを見るかのように目を細めた。
額に指をあて、なんだろなー、と首を傾げて、

「ええ、そんなあ。お嬢さんうまいねぇ…!
 次、ってのに弱いんだよなあ、男っては」

降参するように、両手をひらりひらり。
口許を楽しそうにゆがめて、

「……だが、そうだなあ。
 次も来てくれたら、
 もっとサービスしちまおうかな」

しっかりと覚えてるよ、と。
カウンターに肘をつきながら、緩く微笑み。

「……あ。そういえばコレ」

と。突然思い出したように、カウンターの脇にある冷蔵庫を開ける。
中から出てきたのは、ラッピングされた小さな箱。
このサイズでもそこそこの値段がする、ブランドもののチョコレートだ。

「あげるよ」

…クラッカーをあげたあとに、あげるようなものではない。
#Mazzetto
(93) gt 2023/09/09(Sat) 18:35:56

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>93 黒眼鏡

「やったあ。」
「言いましたねえ?」

今日ですら、注文外のクラッカーを戴いているのだ。
次のサービスも楽しみになる。
そうでなくともこの穏やかな空間で飲んだコーヒーが美味しい、それだけで十分なのだというのに。

背を向けた長駆に小首を傾げ、またクラッカーをパリと鳴らす。
出てきた小箱に瞬きを重ねた。

「ええ?いいんですかあ?」
「ふふ、…マスターも、お上手ですねえ」

驚きはほんの僅かのことで、すぐにそう笑む。
こんなにサービスされてしまっては、次がもっと楽しみになってしまうじゃないか、と。

「それとも、みんなに同じことしてるとかあ?」

そう並べる女は只管に楽しそうだった。

#Mazzetto
(98) oO832mk 2023/09/09(Sat) 20:28:29

【人】 黒眼鏡

>>98 ダニエラ

「言いましたとも。
 男たるもの、口にした言葉をたがえることはないぞお」

今日の海風は静かで、するとすれば古びた空調の響きくらい。
それはやる気なく放られたゴムボールのように
てんてんと軽く、気軽に弾む会話の音に遮られて、さほどの邪魔にもなりはしない。
サイフォンを片づけるかちゃりという音がときたま、
心地よい雑音として混じり込む。

「はははは。
 上手になろうとここ10年、ずっと頑張っているからな!」

あまり実を結んではい無さそうな努力を埃ながら、
無精にしているわりにひげが生えた様子のない顎に指をあてた。

「いいや?
 かわいらしいお嬢さんsignorinaにだけさ。
 みんなじゃないとも」

…これはなんとも、信頼のおける言葉なことだ。

「あ。忘れてた。おしぼりドーゾ」

今更取り出したそれを、カウンターの上にとん、と置いた。

#Mazzetto
(100) gt 2023/09/09(Sat) 20:50:33

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>93 黒眼鏡

あなたの立てる雑音に混じり、カップとソーサーがかちりと鳴る。
その隙間でけたけたと女はまた控えめに笑う。

「そっかあー。」
「かわい子ちゃんで得しちゃったなあ。ありがとおございまあす」

満更でもなさそうに言って、手を伸ばした先ではクラッカーが空になっていた。
届けられたおしぼりを見つめて、んーと首を傾ぐ。
結局、使うことなく席を立った。

「もう帰りますからあ、大丈夫ですよお」
「あ、コーヒーおいくらでしたあ?」

財布の中にはずぼらさを象徴するようにレシートが数枚。
告げられた金額を丁度払って、会計は恙無く終わるだろう。

#Mazzetto
(110) oO832mk 2023/09/09(Sat) 23:22:19

【人】 黒眼鏡

>>110 ダニエラ

「かわいこちゃんは人類の宝だから、どんどん得をしてほしいモノだ」

知ったような顔で頷いて、あなたのそれに比べたら随分とひそやかな笑みを浮かべたまま。

「そーか。次来た時はもっと長居してもらえるよう、
 サービス向上に努めます」

慇懃な礼、のようなおどけた仕草。

「ああ、いくらだったかな……」

そして、相場よりずいぶんと安く、ワンコインで払える値段を提示して、それを受け取る。

「はい、まいどあり。
 車には気をつけてな」

#Mazzetto
(112) gt 2023/09/09(Sat) 23:43:11

【人】 日差しにまどろむ ダニエラ

>>112 黒眼鏡

「サービス、これ以上良くなっちゃうんですかあ」
「それはあ楽しみですねえー」

支払いを終え、チョコレートの小箱を手に取って。

「んー?…はあい」
「気をつけまあーす」

送り出される幼子みたいに返事して。
この日は、その場を後にした。

#Mazzetto
(114) oO832mk 2023/09/10(Sun) 1:05:04

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

時間としては夜のうちのいずれか。
貴方が帰ってきた頃か、そうでないなら明日の仕事のために店舗から出てきた頃だろう。
ひょっとしたら日が暮れてしまったならもうテナントへは戻らないのかもしれないが、
それだったら連絡の一つでも寄越すわけでもないまま、夜更けまで待って帰るだけ。

もし貴方がその様子を見かけたなら。
店先で誰ぞ待ち合わせでもしているみたいに、サイズの小さい銘柄の葉巻を吹かす姿があった。
高い夏の空が段々と低くなって遠くの星が霞んであるのを眺めながら、
べつだん居ると報せを飛ばしもしないのに、勝手に人を待っている。
繁華街だったならば目立つ姿も、こっちまで来たなら然程ではないだろう。

どれくらい待っていたかは定かではない。
咥えた葉巻は大振りのものではなく、ショートタイムスモーキングにも向いているタイプだ。
どうあれ、見つけられたならば偶然だと言うみたいな億劫な視線を投げかけて、
葉巻を支えた指をひらりと小さく揺らすのだ。

#Mazzetto
(-544) redhaguki 2023/09/11(Mon) 8:04:04

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

ぺたんぺたんとサンダルを引きずる、
億劫という言葉を踏みつけるような歩き方。
半袖に柄モノのシャツというラフな格好で、
どこからか、手荷物も持たずに帰ってくる。
海沿いの道は風が強く、それでも着込む様子はない。

すっかりと沈んだ日は、視界の半分を埋める海面を闇に染める。
夜だというのに黒眼鏡をかけたまま、それでも半ばほどがさらに黒く染まった視界が、店先で煙をまき散らす旧知の男をとらえる。
一瞬、驚いたように瞼が揺れるが、それを見ることができる男はこの場にひとりしかいないだろう。

「旦那。
 来るなら連絡しなよ。
 暇じゃないんでしょ、上級警部って」

口許から零れだす、陽気で軽薄な声。
ひらり、と手を振り返しながら、ちゃりちゃりとポケットから取り出した鍵を鳴らした。

#Mazzetto
(-546) gt 2023/09/11(Mon) 9:08:42

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

「俺が来るって言ったら、呼び出しになっちまうだろう」

息だけで笑うような声はかつてよりも真意の捉えがたいものとなった。
張り込みにしては目立ちすぎるし、相手から姿も見えすぎる。
流れていく煙からサングラスの奥へと視線を移して、
当たり前に数歩後からついていくように革靴は並ぶ。

「けれども案外呼び出しをするのだって、これが最後かもしれないな。
 最近あちこち、お偉方は内緒話に勤しんでいるらしい」

この国では珍しい貴方の背丈を、もうひとつ超える長駆が付き添う。
とても立場を思えば褒められた行動ではないようなことをする男の横顔は、
どことなく張り艶を失って疲労がこびりついたような面持ちをしていた。

#Mazzetto
(-551) redhaguki 2023/09/11(Mon) 14:47:00

【秘】 黒眼鏡 → Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ

「サツとマフィアってのは、そういうもんでしょう」

当然のように向きが揃って、
サンダルと革靴の音が交差する。
視線は同じ先を向いて、
けれど振り返ること、立ち止まることもないままに。

「はいはい。長い名前のアレ。
 いや、お偉方の決めるものは、大抵長いですがね」

年老いた。
その言葉だけで済ますには多すぎる年月が、
二人の間に折り重なるよう横たわる。
そこに差し入れる言葉など、するりと出るものでもなく。

「珈琲でも?」

店の裏口までぶらぶらとした足取りが続き、扉の前でぴたりと止まる。
寄っていくか、という言葉すら、なかなか浮き上がってはこない。

#Mazzetto
(-557) gt 2023/09/11(Mon) 15:53:48

【秘】 Isp. Sup. s. U.P.S. ヴィンセンツィオ → 黒眼鏡

「ちゃんと距離感ぐらい弁えているさ。街もこの様子だったら殊更だ。
 いち役職持ちが立場も忘れて遊び歩いていいわけがない、だろう?」

さも、自分はわかっていると言いたげに戯けた調子が声に乗る。
葉巻のトーストの香りが染み付いた指先が誰の前でもそうであると知る人間は少ない。
振り払われればいつでも退散出来るような距離を置いて、
互いの指が硬質な金属のグリップを握れば音でわかるくらいの距離を詰めて。

「一杯いただいていこうか。
 ちょうど手土産を持て余していたもんでね」

対して、男はいつでも自然体なふうであるように振る舞う。
次ぐ言葉がわかりきっているみたいな顔をして言葉を置く様子を、
ひっくり返すギャンビットを持つ者がどれだけいるのだろう。
見た目には少し気軽なふうの紙袋の中には、ビニエがひとつふたつ包まれている。
バニラクリームの匂いは、冷めた今はそれほど香り高いわけではない。

#Mazzetto
(-559) redhaguki 2023/09/11(Mon) 17:12:18