人狼物語 三日月国

70 【第36回TRPG村】百鬼夜行綺譚


【人】 京職 一葉

  信じる明日が来るとは限らない。
  呆気なく消え果てる明日が来るやもしれない。
  己の無力さに歯噛みする日も、また。


「────はい。はい、百継様」

なのに、まだ薄い双肩に重すぎるものを背負う少年は、こちらを見上げ真っ直ぐに告げるのだ。
約束すると。百鬼夜行を彼方へ封じると。

知らず、私は百継様の御前に片膝を折り、頭を深く垂れていた。

「一葉は、百継様の御力に」

「この命ある限り、御仕えすると誓います」

  私は百継様を信じている。
  気高き心も、その類稀なる力も。

  だが、喉奥に石が詰まっているに似た重みを感じる、のは。


「百継様。どうかお聞かせください。百継様の全てを」

  私にも、これまで誰にも告げることの無かったものはある。
  でも、告げても良いと。
  告げてしまいたいと、思う己が頭の片隅で強く主張する。


「私の全ても、いずれ。いずれ、百継様の御前に」

[百継の秘密取得]

[こちらからは〆]
(34) Valkyrie 2021/04/22(Thu) 16:56:09