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【人】 商人 J[ 神は決して人に甘い夢は与えない。 与えるのは心と体を苛むほど厳しく苦しい試練だけ。 人に甘く美しい夢を見させるのは悪魔と相場が決まっている。] (1) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 11:20:31 |
【人】 商人 J[ 眼鏡の下に刻まれている十字の刺青。 整った顔立ちに際立つそれは、消えることのない傷痕の上に彫られたものだ。] そう警戒しないでください。 私は商売に来ているのですから。 [ 顔の下部に浮かぶ弧線は変わりなく。 女を値踏みする目も変わりなく、眼鏡の奥で女を観察し続けている。] (2) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 11:20:48 |
【人】 商人 J[ 金はある。 宿屋を貸し切るほど。 だが、思っていたよりも不調が見てとれるほど消耗がひどい。 世間知らずではあっても、知恵がないわけではない。 ではなぜそんなにも余裕がないのか。 導かれる答えはひとつ。 それは収入がないということ。 持つものが無くなれば、恐らくそこで終わり。 金も行動も、全て目的のために使うと言わんばかりか。 そこに自分自身を守ることが含まれていないのは、まるで破滅的だと男はそんな印象を持った。 それほどまでに大事なことか。 それとも他に道がないのか。 いずれにせよ、男にとって都合の悪いことではない。] (3) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 11:21:32 |
【人】 商人 J[ それはただの経験の差だった。 だが、その差はこの場において決して覆ることのない差であろう。 かたや、表も裏も知っている海千山千の男。 かたや、どこぞのお嬢さん。 百戦錬磨の商人相手ならいざ知らず。 駆け引きの何たるかも知らない女相手に遅れをとるはずもない。] 驚くことではないでしょう。 貴方が私のような人間を求め、そして私はここにいる。 [ 調べるまでもない。 男から見ればこの女は迂闊以外の何ものでもない。 だから、差し伸べてみせる。 僅かな可能性を、闇雲の中に一筋の蜘蛛の糸を。] (4) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 11:22:01 |
【人】 商人 J[ 声が、吐息が、その目が。 垂らされた蜘蛛の糸に縋ろうとしているのを伝える。 男は内心でほくそ笑む。] この街であれば、力になれるかもしれません。 [ そう男の言葉が伝える。 お前の味方になってやれる、と。 だが、差し出された紙を手にしたその刹那、男の顔の筋肉がピクリと震えた。それだけ、動揺などというものを見せたわけではない。ただ、顔の一部だけが自身の意に反した。] (5) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 11:22:27 |
【人】 商人 J[ 神も悪魔も同じもの。 その先が光であればそれを神と呼び、闇であれば悪魔と呼ぶ。 青い宝石のブローチ。 白銀の片翼が、慈しむ様に抱く意匠。 ─── 数奇とは、運命とはまさにこのことか。] (6) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 11:23:07 |
【人】 商人 J[ 顔が崩れるのを堪えるために男は努力を擁した。 口元に浮かべた笑みが深く大きくなるのを堪えるために男は強い心を持って対しなければならなかった。] ……これが、この街に? [ 思案する様な芝居は、自然と笑いだそうとするのを強く戒めるため。] 流石に大陸の何処にあるかもわからない。 ということであれば、お力にはなれませんが。 [ 探し物がこの街にある。 それをどうやってこの女が突き止めたのか知る由もないが、大事なことはこの女がそれを確信し、そしてそれが事実であるということだった。]* (7) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 11:23:35 |
【独】 商人 J/* 72×3 14,15,16 17,18,19 20,21,22 23 1000でエピ入り 2d〜3dにかけてピーク (-2) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 11:29:52 |
【人】 商人 J[ 写し絵を持つ手に女の指が触れる。 こちらから触れたのではない、女から触れたのだ。 呼び方も『さん』から『様』へと変わる。 育ちの良さが出ているのか。 そしてそれは確かに女が男を頼りにした証か、或いは媚びた振りで利用しようとしているのか。そんな器用な真似が出来る女とも思えなかったが、それはわからぬこと。] ええ、勿論です。 [ 触れる女の指をそのままに。 近づく顔を真正面から見つめ返して。] (14) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 16:28:08 |
【人】 商人 J[ 暫くして、或いは女の顔が離れれば男は口を開く。] だけど、私も商売人。 身銭を切るわけにはいきません。 この街では、何を得るにも対価が必要です。 [ 親切の振りはここまで。 慈善家如き姿はかえって不信を招くというもの。 以下に良家のお嬢さんであっても、無償の善意を信じるほど間抜けではないだろうから。] 必要なことはこちらで手配します。 情報を集めるのも、それに近づく手筈も。 それらにはどうしても金がかかります。 そして、私もある程度の手数料をいただきます。 [ それが商会にとっての利益なのだと伝える。] (16) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 16:29:24 |
【人】 商人 Jこういった物にに目のない人物には、 何人か心当たりがあります。 [ この貿易都市にはの金持ちにはコレクターと呼ばれる様な者たちがいる。だが、彼らの様な人間がそれを手にしていたのなら、それを買い戻す必要がある。そして、欲しいものを手に入れた人間からそれを買い戻すのは容易ではない、と男は言う。] もしも信用して貰えるなら、 数日のうちに手掛かりを見つけてみせましょう。 [ 物が珍しければ見つけるのも容易だと、男は女にそう嘯いた。]* (17) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 16:30:08 |
【独】 商人 J/* 嫁入りとは書かれていたけど、本人とは限らないし何気に性別はっきりさせてないなと思ったけど、ト書で女って書いてあったわ。 (-8) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 18:51:39 |
【人】 商人 J[ 初心な反応。 男を知らないのだろう、良家のお嬢さんらしい。 それもまた女にとっては弱みとなる。 知らずのうちにそうやって女は男に自らの手の内を晒していく。] お任せください。 ケリオス商会のジュダスに、 この街でわからぬことはないと証明しましょう。 [ 離れた間を詰めることなく、胸に手を当てて恭しいお辞儀をひとつ。 下げた顔に浮かぶ弧線は大きくなっていた。] (25) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 20:20:47 |
【人】 商人 J[ 顔を上げたときには元通り。] では、しばしお待ちを。 そうそう。 自分を撒き餌にするのはやめた方がいい。 私のような善良な商人ばかりではないのですから。 [ 張り付いた薄い笑みが皮肉な笑みへと変わる。 自らを闇商人だと明かした男が善良とは何の冗談か。] 無論、私を信用できないのであれば、 別の伝手を探すのも止めはしませんがね。 [ そうして男は微笑う。 笑いながら、その部屋を後にするのだった。]* (26) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 20:21:13 |
【人】 商人 J[ 運命とは不思議なものだ。 すべての事柄には何かしらの繋がりがあるのだろうか。 例えば、真白の髪をして女を見つけたこととか。 例えば、その女の探し物がこの街に流れ着いたこととか。] さて、どうしてしまおうか。 [ 男の視線の先。 小汚く痛みの激しい胸像のその胸に輝く青い宝石は、銀の翼に抱かれている。] ……生きていたとはな。 [ ひとり呟く。 皆殺しにされたと、その情報の不確かさに瞳なき目を細め、やはり人伝というのはアテにならないものだと嘆息した。] (27) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 20:43:32 |
【人】 商人 J[ ケリオス商会の裏の顔はオークショニアであった。 ─── 闇市。 盗品の売買や資金洗浄を可能にするオークション。 それを主催しているのがこの商会であった。 そして、その闇市最大の特徴は商品に人が含まれるという点だった。 労働力としての奴隷、戦うための闘奴、そして愛玩用の性奴。 勿論それらは表では決して許されないこと。 だが、需要があるのだ。買う者がいるからこそ売り手がいて、その構図は裏社会でも同じこと。 その証拠に商品≠ヘいつだって品不足だった。]* (28) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 20:47:08 |
【秘】 J J → 商人 J[或いは日の当たる世界に 疎外感を感じる者同士 はじめから惹かれる所があったのやも知れないが。] (-11) nagaren_rp 2022/03/14(Mon) 21:51:09 |
【人】 商人 J[ 邂逅から三日後、男は夜遅くに女を訪ねてきた。] そして一枚の羊皮紙を女の前に差し出した。] 契約書です。 [ 持ってきたのは吉報ではなく契約書だと言う。 そこに書かれていたのは二人の間に交わされる取り決めだった。] (38) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 22:54:29 |
【人】 商人 J一つ、捜索に係る費用については依頼者の負担とする 一つ、依頼者は捜索対象に最終的につけられた価値の2割を請負人に報酬として支払う。 一つ、捜索対象を見つけられなかった場合、請負人は依頼者にすべての費用を返還する。 最後に、依頼者、請負人、共にこの契約の履行に最大限の責務を負うものとする。 (39) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 22:54:43 |
【人】 商人 J[ 黒のインクで書かれたそこには署名欄が二つ。] 口約束でも構いませんが。 これは貴方が私から取り立てる際のためと思ってください。 [ 男は言う。 この件に関して女から金を絞りとるだけ搾り取って知らぬ振りをしたとして、女には男から、ケリオス商会から反故のペナルティを取り立てる手立てがないということを。] それはフェアではない。 だからこれを用意しました。 [ そう言って男は署名欄に『ケリオス商会 ジュダス』の名を書き記し、そして小さなナイフで指先を切ると自分の名前の上に紅を引いた。] 口約束のままにするか、サインするか。 それは貴方が決めるといい。 心配しなくても、口約束のままでも仕事しますよ。 [ だから強制はしないと男は言う。] (40) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 22:56:24 |
【人】 商人 J[ 契約は結ばれただろうか。 それとも、女はそれを怪しんでサインを拒んだだろうか。] では早速。 ある男が最近になって青い宝石の装飾品を手に入れた。 そういう情報が入りました。 [ そのこと自体は真実であった。 故に女が別の伝手を使っていれば、その情報を得ることもあっただろう。] それを明日、確かめに行きます。 一緒に行きますか? [ 薄く笑う男は女をじっと見つめていた。 否、黒い眼鏡の奥の瞳は今も女には見えぬまま。]* (41) JohnDoe 2022/03/14(Mon) 23:01:00 |
【人】 商人 J[ ジャンヌ・アンペール。 それが女の名だった。 そして男は確信する。 この女が自分に惹かれているということを。 その顔は相変わらず人形の様に変わらないが。 その目が伝える。 その声が伝える。 夜遅くに訪ねてきた者に対する警戒の無さ。 三日前は、最低限の気構えはあったというのに、あっさりと示された契約書に本当の名を記すほどに、今、女の目は曇っているように思えた。] (50) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 8:22:42 |
【人】 商人 J[ 男は苦笑いを堪えるためにかなりの努力を要した。 頼る者もなく、探す宛もなく、事件から向こうだったひとりでここまで来たのだろう。箱入り娘だったはずの女。その胆力は賞賛に値する。] 賞賛はまだ早い。 貴方の探し物と決まったわけではないのですから。 [ 欺瞞に満ちた言葉。 そうではない≠ニ知っていて吐いた言葉は女の耳には謙虚として届くだろうか。いずれにせよ悪い響きとはならないだろう。] この契約書の効力は一週間。 まだ、始まったばかりです。 [ 契約者を受け取ると、朱を引いた女の指を手に取り、それを自分の唇まで運ぶと、ちうと軽く血を吸い舌先で薄く傷を舐った。] (51) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 8:23:03 |
【人】 商人 J[ 唇を離せば、懐からハンカチを取り出しそれを破いた。 指へ巻くにちょうどいい即席のバンテージ。それを女の指に緩く巻き付け器用に結んだ。] ところで、なぜあんな事を? [ あんな事、とは女が働いている事を指していた。 待つだけの時間が手持ち無沙汰とでも言うのだろうか。] 失礼。 予想の斜め上に更に向こう側だったもので。 [ 男の薄い笑みが、微かに可笑しそうに笑った。] (52) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 8:23:19 |
【人】 商人 Jありがとうございます。 [ 差し出されたクロック・ムッシュを男は受け取った。 その顔には優しげな笑みさえ浮かべて見せて。] (53) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 8:23:36 |
【人】 商人 J[ 帰路。 女の部屋を出て寝ぐらに戻るその途中。] ……愚かな女だ。 [ 込み上げる笑いを噛み殺しながら、月明かりの道を歩く。 思っていた以上に事は容易に進んでいる。 もう少し警戒されていると思っていたが、よりにも寄って好意を寄せられているらしい。] ………… [ スラムと呼ばれる区画に入ると、男は女から受け取ったそれを道端に放り捨てた。そしてそれは、次の瞬間にはどこからか現れた野良犬が咥えて何処ぞへと消えていった。] (54) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 8:23:59 |
【人】 商人 J── 翌日 ── [ 太陽が最も高く位置した頃、男は扉を三度叩いた。 約束よりもまだ少し早い時間。] ジュダスです。 [ 扉を開けば、そこにはいつも通りの装いで、いつも通り後ろで手を組んだ男が立っているだろう。]* (55) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 8:24:17 |
【人】 商人 J[ 現れた女は前よりも血色が良く見えた。 少しは休息と栄養を取る余裕ができたのだろうか。] 今回は品定め≠ナす。 勿論、現物であればその場で交渉に入りますが。 [ 『あなたの手に入れたものを見せてください』なんて事は通らない。あくまでも商売人として、先方が手に入れたものを値踏みしにいく。そういう体だ。 とはいえ、実際に交渉が始まることなどあるはずもないのだが。] 相手はこの町でも有数の富豪です。 くれぐれもお気をつけください。 [ まるで女を案ずるように、男は忠告を与える。] (67) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 12:49:18 |
【人】 商人 J[ それはブルーノという男だった。 随分と腹の出た中年で、頭髪もやや薄くなっていた。身なりは良質な素材ではあったが、趣味は決していいとは言えない。 いかにも品位を持たない金持ちの商人といった風だ。] では、早速。 [ 屋敷の中で品定めが始める。 ブルーノが出してきた宝石類は数十にも及んだ。 大きさは申し分ないが傷モノだったり、逆に完璧な美しさを備えているものまで、多種多様に。] なるほど、流石ブルーノ様。 素晴らしい品々です。 [ 男は褒めちぎる。対してブルーノはどこが満足気だった。] (68) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 12:49:54 |
【人】 商人 J[ たが、ブルーノが女を見る。 まるで爬虫類の様なギョロリとした目が、女の全身を舐め回す様に。 そんな下卑た視線を男がそっと逸らす。] ……ブルーノ様、 そろそろ例のアレをお見せ願いますか? [ そう言われてブルーノは女から視線を外すと、ニヤリと得意気に笑ってそれを持って来させた。 美しく輝く青の宝石。 それを抱く、女神のブローチ。 確かに似ている。 だが、女が探しているのはそれではない。] (69) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 12:50:39 |
【人】 商人 J[ 女は落胆を示していただろうか。 その後、男はブルーノと商談をまとめ、傷モノの宝石を数点買い上げた。] 申し訳ありません。 空振りでした。 [ 屋敷を出て少しすると男はやや肩を落としながら女に謝罪した。 情報屋を使い、青の宝石のブローチをブルーノが手に入れたところまでは突き止めた。だけど、それがどの様なモノなのかまで詳細には知る術がなかったのだ。男は女にそう伝える。] もう少し、回りましょうか。 [ 青の宝石についてブルーノ以上に有力な情報はない。それでも可能性はゼロではないと、他の商人や富豪の元を訪れる事を女に提案した。 勿論、その全てが空振りに終わると分かっていながら。]* (70) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 12:51:32 |
【人】 商人 J[ 今度は男が首を振った。] 足を引っ張っているなど。 これは貴方の探し物です。 貴方の目で真贋を確かめなければなりません。 [ そう品定め≠ノはお前が必要だ。 そんな本音はおくびにも出さず、 男は女の身を案じる様に優しく言葉を続ける。] お疲れではないですか? あの様な男の前に立つのは。 でも、どうか安心してほしい。 貴方の身はこの私が必ずお守りする。 [ 冷たい男の右手が、女の左頬にそっと触れる。] (78) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 19:21:06 |
【人】 商人 J[ 優男の真似事などと内心苦笑しつつも、女を掌中に入れるのにそれが一番手っ取り早いのも事実。] ジャンヌ……そう呼んでも? [ 冷たい手のひら、見えない瞳。 それでも男は優しげな声でそう女の名前を呼んだ。] 貴方には私がついている。 だから、心配も不安も何も要りません。 [ 絡め取っていく。 優しい声で、優しい手つきで、牙を突き立てるその瞬間までは。] (79) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 19:21:27 |
【人】 商人 J[ 契約、それは互いを縛る制約。 男の用意した契約書には魔法によるギアスが掛けられていた。 契約書の期限は7日間。 それまでに男はブローチを探し出さなければならないし、女もまた契約を履行しなければならない。 契約が不履行となれば、履行できなかった者はその代償に身体の自由を奪われる。 ギアスに抗う事は不可能ではないが、千の針で全身を貫かれる痛みに襲われることになる。 血で交わされた契約は、高位の神官でも解く事はできないと言われている。] (80) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 19:21:56 |
【人】 商人 J[ 揺れる美しい白い髪を眺めながら、男は薄笑みを湛えたまま。] いつまでも。 とはいえ、1年も2年もと言われると困りますが。 でも、貴方のことは信じていますから。 支払えるときにお支払い頂けたら。 [ 男は待つと言葉にする。 だが、男が待つとしても契約書はその力を発揮する。 女が本当に金を用意できようと、できなかろうと、契約書に血を染み込ませた時点で男の目的はほぼ達成していた。] (81) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 19:22:15 |
【人】 商人 Jさて、では次はこちらです。 [ それから男は女を4人の商人に引き合わせた。 だが、収穫などあるはずもない。 そして、4人ともがブルーノと同じ様な目を女へと向けていた。]* (82) JohnDoe 2022/03/15(Tue) 19:22:38 |
【人】 商人 J[ 五度、空振りを繰り返せば流石に落胆したのか、女は見つからなかったときの話を口にする。見つからぬことなどないと知っている男は表情を崩すことなく腹の中で嘲笑した。] 見つけて見せますよ。 だから、心配しないで待っていてください。 私は貴方の力になりたいのです。 だから、お気持ちだけ戴いておきます。 [ 女の手をとって、布が巻かれたままの指先へと唇を触れさせる。 初心なお嬢さんには気障なぐらいがちょうどいいだろう。] 疲れましたか? そろそろ宿に戻りましょう。 [ 品定め≠ヘ済んだ。 あとはゆっくりと契約書の期限を待つだけ。] (89) JohnDoe 2022/03/16(Wed) 6:50:18 |
【人】 商人 J[ 男は女について調査をさせていた。 あの事件について、生き残ったのは本当に女だけだったのか、後ろ盾となる存在はいないのか。 なぜ、あの家が襲われたのか。 アンペール家。 大陸の西に位置する貴族。 それが、娘ひとりを残して皆殺しの目に遭うなど。 それも物盗りによって。 俄には信じ難い。] (90) JohnDoe 2022/03/16(Wed) 6:51:03 |
【人】 商人 Jジャンヌ…… [ 宿につくと男は女の名を呼んだ。 少しバツの悪そうな雰囲気で、女の右頬に手を伸ばす。] 聞いてもいいですか? 貴方のその目のことを。 [ 髪と眼帯で隠された右目。 美しい白い髪、端正な顔立ちに綺麗な左の瞳。 澄ました表情がまるで人形の様でもあるというのに、重苦しい右目の眼帯がその美しさを損ねている。] 話したくなければ話さなくてもいいですが。 [ そう言って、触れた頬をそっと撫でた。]* (91) JohnDoe 2022/03/16(Wed) 6:53:40 |
【独】 商人 J/* キャンセラー系は取り扱いが難しい。 能力がどのようなものか設定するのは能力持ち側のPLだけど、実際に起こる事象をロルとして描くのはキャンセルされる側のPLだから。 (-32) JohnDoe 2022/03/16(Wed) 14:04:25 |
【人】 商人 J[ 本当に何の因果だろうか。 それとも、因果ではなく必然なのか。] ええ、見せてください。 もしも貴方が嫌でなければ。 [ 男は試す様に女にその醜さを曝け出させる。] 傷ならば治せるかもしれません。 そうでなくとも、それを見て気分を悪くするなどと。 そのようなことは決してないと約束しましょう。 [ 頬を撫でる指が冷たく硬い眼帯の縁をなぞる。]* (100) JohnDoe 2022/03/16(Wed) 17:40:58 |
【人】 商人 J[ それは眼帯の奥から現れた。 斜十字に切り裂かれた傷、光を失った瞳。 それを元に戻そうと蠢くそれは男の想像以上におぞましく醜かった。] 元に……戻るのですか? [ 美を損ねる程度の傷であれば治してやることも考えた。 だが、その傷は思っていたよりも遥かに深く、死に至っていてもおかしくはなかったと想像させる。] 痛みは? 私の顔は見えていますか? [ 頬に触れ眼帯をなぞった指先が再生を続ける瞳に触れるか触れないか、その際まで伸びる。] (105) JohnDoe 2022/03/16(Wed) 21:02:22 |
【人】 商人 J[ ─── アンペールの魔女。 男の脳裏に浮かんだ言葉、それはどこかで聞いた大昔の話。] 不躾なことをしました。 レディに傷を晒せなどと。 [ 指を離すともう一度だけ女の頬を撫でた。] これは……私と貴方だけの秘密としましょう。 [ 男は驚きと共に歓喜した。]* (106) JohnDoe 2022/03/16(Wed) 21:03:57 |
【人】 商人 J[ 女の願いは予想できたことだった。 以前から女が自身の目を覗き込もうとしてたのはわかっていた。] 私の目、ですか? 特に面白いものではないですが。 [ 緩慢な動作。 眼鏡の左右両方フレームを掴んでゆっくりと外した。 現れたのはやや細く引かれた目だった。 その奥にあるのはどこか無機質な瞳。 瞳孔が開いたまま動かないのがそう見せるのかもしれない。 眼鏡の外に見えていた刺青は、目を縦に切り裂くように描かれていた。] (111) JohnDoe 2022/03/17(Thu) 0:18:50 |
【人】 商人 J視力はほとんどありません。 この距離で貴方の美しい顔も見えない。 [ 外した時と同じように緩慢な動作で眼鏡をかけ直す。 急激な視界の変化で少しだけ頭痛がする。] これで貴方の顔もハッキリと見える。 [ 薄い笑みが僅かに微笑みへと変わった。] (112) JohnDoe 2022/03/17(Thu) 0:19:06 |
【人】 商人 J[ そうしていると何かが窓を叩く音が耳に届く。 男は女を手で制すると、叩かれたらしい窓を開けた。 すると、そこにいたのは一羽の黒い鳥だった。] ご心配なく。 私の鴉です。 [ 男は鳥な頭に指をかざす。 鴉は魔法を使ったメッセンジャーであり男に伝言をつたえていた。] ……目当てのものが見つかった様です。 [ それは女にとって吉報であり、凶兆であった。] (113) JohnDoe 2022/03/17(Thu) 0:19:23 |
【人】 商人 J近々オークションが開催されます。 どうやらそこに出品されるらしい。 [ それこそケリオス商会の催す闇オークションであり、出品者はこの男自身に他ならないのだが。] 青の宝石を抱く翼のブローチ。 今度こそ当たりの様ですね。 [黒い鴉が翼を大きくはためかせて飛んでいった。] (114) JohnDoe 2022/03/17(Thu) 0:20:08 |
【人】 商人 J[ 男が女に伝えたのはオークションの開かれる場所と日時。 それは契約者の期限となる最後の日で、場所はスラム街の一角であった。] どうします? 私に任せますか? それとも一緒に行きますか? [ 男は薄笑みのまま女を見つめていた。]* (115) JohnDoe 2022/03/17(Thu) 0:20:40 |
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