45 【R18】雲を泳ぐラッコ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
全て表示
[彼が盗賊出身だとは聴いたのだったか。
彼が上の者に敬語を使う様に違和感を覚えなかったし、
義手という、はいてくのろじーを手に着けているのだから、
訳あり貴族さんかしら、などと思っていたこともある。
働きたい
と言われたときだって、
人手は足りてます、と断りかけたくらいだ。
領地にいない仕事、
他国のスパイを頼むには信頼が足りていなかったし、
スパイは一度国を離れるとなかなか帰ってこないもの]
[ニンジャだって街道に菓子屋を開いて、
その土地の諜報をしていた、と習った。
黒ずくめの頭巾は髪の毛をまとめるキャップなのだと。
遠い土地のことを知って賢くなった気がした。
それはどうでもいいとして]
[彼の希望をいろいろ聞いてみて、
街の情報をもってきてもらうことになったのも、
いつでも連れ戻せること、
逃げられても損害が少ないこと、
他国の高貴な人なら人質に取れるという理由で説得した。
本音は、死なれては寝覚めが悪すぎるのだけだったけど。
その日は疲れてお酒を飲んだところまでしか覚えていない]
[最初のいきさつはともかく。
今はフランクに話すリフルという人を知っている。
平民なんだなとも分かる。
――だって猫を被るのに慣れていない様だもの。
シャーリエの庭に入ってきた侵入者さんだけど、
庭の席が空いていたものだから、座ってもらった。
怪我人として世話している間に捨てるのが忍びなくなった。
市民生活について話してみたら
知らないことばかりで楽しかった。
色んなことを教えてくれたお姉さまの代わり?
そういう関係なのだ。
運命とか偶然とか捨て猫とか、そんな縁の人]
―― 食堂 ――
[そうか私は元気だった。とリフル鏡で確認
したけど、
頭がぼんやりしているのは夢見のせいなのか。
目の前のリフルは男の人だそうだ。
それなら、あまりベタベタしてもいけないのだろう。
……彼が女の子だったらベタベタしたかったのだろうか。
後に聞かれれば
「一瞬、リフルがおねーさまに見えたんだ、っけな?」
とへんてこな考えの源を答えたかもしれない。
昨日からふわふわしたままの自分がよく分からない。
シャーリエの庭の住人と話したい、会いたいと、
彼を伺って約束を持ちかける。]
[噂されたら後でごめんなさいするから、許してって顔で]
では頼みます。
[って精一杯の主従関係を演じた。
「かしこまりました」って言ってもらえて、
ホッとしたのは周りにはバレなかった、と思う]
―― 昼食後 ――
[私しか把握していないことを最優先で済ませ、
残りのお仕事はお父様に任せてしまった。
……というのも、お父様が私に自由時間をくれたからである。
その代わりに重い宿題を持たされているので、
ありがたいというか当然というか……]
やっぱりお酒飲みたい気分……
[なのだった。]
[リフルを裏口で待たせて、
屋敷とは違う格好に着替えて待ち合わせ。
街にでたとたんに、お酒飲みたい、である。
日が高すぎてお酒を出す店はまだ寝ているかもしれない]
お酒飲みたいけど寝るには早いよね。
デートスポットを視察したいです。
お願いしていい?
[お酒と睡眠がイコールで結ばれてる思考は、
相談の前に飲んではいけないと考えたようだ。
外に出るときは街に詳しいリフルに希望を伝え、
道順も場所もお任せするのがいつものこと。
どこに連れて行かれたって身の危険は考えていない。
ここは私の国だもの。
連れは父の選んだ者じゃない、私の臣下だもの]
[纏めてアップにしていた髪は下ろして二つに結った。
ジャンパースカートの裾は緩く広がって、膝下で切れる。
ブラウスの襟元に萌黄のリボンを結んだけど
お目かししすぎかしらと首を傾げて、まあいいかと流した。
街着に着替えるということは、
この後仕事しません宣言なのだ。
昼から街着の方が罪悪感を感じている私に、
リフルのまともな市民感覚はわかっていなかった。
夜の方が気楽なくらいである。]
[食堂で聞こえた噂は彼の耳にも届いていただろう。
それを聞かれても、
レモンの皮を噛んだような苦い顔しかできなかった]
相談……というか、報告というか……
言いにくい……
[人が居る場所ではもごもごと言葉を濁し続けるだけだった]
[彼に連れられて目の前が開けたら、
勢いつけて作った笑顔でリフルに手を差し出した]
今日だけ恋人の真似をして欲しいの。
恋人ってどんな事をするの?
私したことないから、教えて。
……お願い。
[作った笑顔でも、笑っていれば楽しくなってくる。
それでも、今日何度目かのお願いには勇気が必要だった。
ドキドキしているのは
無茶なお願いをして答えを待つ緊張、のはずだ**]
─淡色の球体2──
[異国の人間達が野外で酒を囲う。
鍛えてる者達からまだ線の細い少年達までいるが、
酔い潰れたのか、体力が切れたのか、死屍累々と言えるような有様。
各々の腕に付いたボロい布が軍である事を辛うじて識別させる。
そんな一角で、栄養の足りてない少年が、
一回り以上年齢差のある男達を据わった目で見ていた。
普段の倍は目つきが悪い。]
未成年を押さえつけて酒瓶を口に突っ込むなんて、悪巫山戯が過ぎるだろう。アルコール中毒になったらどうするつもりだ。それにこの前、全裸にされたあいつが傷物にされたって泣いてたんだが。あ?男だから傷は勲章だ?あんたもひん剥いて軍曹の前に突き出してやろうか?
[普段はセーブして表情が変わらないように努めているが、
無理やり飲まされて許容オーバー。
くどくどと男達に説教を垂れる。
飲ませると面倒くさいと認定されて、
少年兵達が無理に飲まされる事はなくなったようだ。
傷物にされて泣いてたと噂の少年は、何の事かもわからない様子で
笑って友達を見ていた。]*
[一度収まったかに見えた彼の怒りが
また爆発したようだった。
理由の解らぬ暴力に嗚咽を漏らせば
彼もまた顔を顰める。
自分でしたことに納得していない――、
そんな表情に見えた。]
(……解らないよ)
[いったいなぜ、そんな顔をするのか。
どうして、僕の胸が締め付けられるのか。
訳がわからずに居ると、
彼の唇から想いが奔流のように溢れ出す。
それは鼓膜を叩き、凝り固まった思考を砕いていった。]
[こんな僕のことを
彼はまた、美しいと言ったのだ。]
……っ、……、……
[今度こそ、聞き間違いではない。
心の揺らぎを示すように瞳が大きく揺れる。]
[血液を零す左胸の激痛が
これは夢ではなく現実だと教えてくれた。]
[ごくりと唾を飲み込んだ。
胸がずきずきと痛む。
これは、内側からの痛みだ。
彼が感じているだろう憤りの片鱗が
僕に伝播した痛み。]
……っ、……ほんとう、に……?
[淡い色の唇が動き、訊ね返す声は震えていた。
否定されてしまえば
簡単に崩壊してしまいそうな弱々しさを
隠すことも忘れた無防備な心で
彼の言葉を望んでいる。]
こんな僕でも、良いの……?
[相変わらず潤んだ両の瞳
けれど在原治人というひとを確と捉えた。**]
[盗賊団に身を置いていた事は話していない。
ここの誰にも。
シャーリエたちには「そろそろ腰を落ち着けようとしていた旅人」だと名乗った。実際色んなところで暴れていたから、あまり遠くない嘘だ。
両親が盗賊団だったからずっとそこで、その背中を見て育った。
逃げ出すなんて考えは浮かばなかった。
けれどずっと嫌だったしやめたいと思っていた。
だから追い出される様にボコボコにされて、
辿り着いた先、この館で雇ってもらえるのなら僥倖でもあった。
わざわざ盗賊出身なんて言って、雇ってもらえると思わなかった。
そんな奴を雇おうとするなら、ここの領主もまともじゃないとも、思ったし。
……貴族の中には盗賊団と繋がってる奴もいるとかいないとか、聞いた事もあったけれど。
できれば真っ当に働きたかった。
義手だったのも、少しは己がまともだと見てもらえるのに役立ったのかもしれない。
これは数年前にヘマをして機械に持っていかれた腕の代わり。
誰譲りなのか、己は生まれつき手先が器用で、
鍵やら何やら作れる者を失う訳にいかない、と、
団が金を出して与えてくれたものだった。
……こっちには何の恩も感じていない]
[館で今の仕事を与えられる迄のいきさつは知る由もなかったが、まぁ窮屈な点もあるとは言え、団に居た頃の仕事に比べれば遥かにいいものだ。
人の苦しむ顔を見なくて済む。
それだけで何て毎日生きやすいんだろう。
まぁ、何かとちょっかいをかけてくるお嬢様の存在が、己の庭に咲く一輪の花の様でいて、小さな棘の様でもあるのだけれど。
食堂で、整った顔が微細に変化してゆく。
間近で見ていた己だけがそれに気付けばいいんだけれど、
朝食中は声を掛けられなかったが、
食後、噂好きな奴らが「ねえねえ」と声を掛けて来たので、
「忙しいんで」と巻くのに無駄に気疲れした]
[さて、その元凶とは裏口で顔を合わせる事になった。
文句のひとつでも言ってやろうかと思ったけれど、
少し時間が経っていた事もあり、普通に迎えた。
ラフめな深い緑のジャケットを羽織って、髪を結ぶリボンは薄い色のただの紐に変えれば、肩幅はそう広くなくとも女には間違えられない。
カジュアルダウンした格好のお嬢様の隣に立って、おかしくはないだろうと思う。
彼女は平民の女にしてはめかしこんだ格好だったが、
普段の豪華なドレスで目が肥えたのか、
彼女には野暮ったい格好は似合わないと思うからなのか、
突っ込むという選択肢は無い。
多分年下なのに自分より大人びて見えていた彼女が
髪をふたつのお下げにしている様なんかは、
年相応に見えて、何だか少し安心する気さえする]
デートスポット…… はい。
[酒=寝る、の式は思い浮かばなかったが、
こういう時突っ込んだって彼女との差を知るだけだから、
わかるところに頷けばいいのだ。
頷いたけれど……
そういう目線で街をあまり歩かなかったから、すぐに候補が出て来なくて、歩きながらめちゃくちゃ脳内で「この街 デートスポット」を検索している。
お嬢様がデート?と迄、今は思考が回らない]
[この場で言いにくそうな事は無理に聞き出さなかった。
人が減ったのが鍵だったのか、隣から白魚の手が伸ばされて驚いた。更に続けられた言葉に、口がぱかんと開いた]
へ、ぇ?
[間抜けな声が勝手に出て、彼女の顔へきちんと向き合えば、作られた様なきれいな笑顔にどきっとする。
何だ?何かの芝居か?又は何かの劇の影響か?と、締まりなかった唇を結んで、まじまじと彼女を見降ろす。
だってこんな俗っぽい事言い出すとは信じ難い。
彼女の心臓も脈打ってるとは思いもよらず、
理由が聞きたい、と思った。
けれど先に、
自分の中で決まっている答えをくれてやる事にした]
かしこまりました。
[少し硬い微笑みを湛えて、はっきりと頷いた。
それから「どうぞ」と、義手である左手を差し出して、握らせようとする。
彼女が握ってくれるなら、こちらからも握り返す。
硬い金属の手を嫌がられても、]
……いざという時の為に、
利き手は空けさせてやって下さい。
[と譲らなかった。
さて、かしこまりましたとか言ったけれど、
とりあえず手を繋いでみたけれど、
改めて問われると恋人ってどんな事をするんだろうなぁ。
手を繋いで街をぶらりして一緒にご飯?と、
そんな大雑把なプランになったのは、
デートスポットの検索で忙しかったからだろう]
えーと、おじょ…… んん、
[「お嬢様」はまずい。
今迄も何度か彼女を連れて街を歩いた事はあったが、
呼ばなくても済む程度の時間だったり用事だったろう。
でも恋人の真似をするなら、名は必要だった。
──メグ。
彼女からその名を聞いたのは、
いつ、どんな場面だったか]
…………
[その名を、呼ぶ気にはならなかった。
呼べば……きっと彼女は喜ぶ……と思う。
けれど真似でいいのだし、
その名を呼ぶ特別な人間に、自分はなるべきではない。
そう思ったから、あたりを見回して、
店先に並んだ熟れた黄色い果物が目に入る]
……レモン、でいいか? あんたの名前。
[ついでに口調も砕けさせて、許しを請うた。
代わりに、今回のお願いの理由を聞かない事にした]
[まずは通りに面した小さなクッキー屋へ案内した。
デートスポットではないけれど、自分のお気に入りの店だと説明した]
自分や相手の好きな物を売ってる店、
特に身近なものだとお互い楽しめると思うぜ。
[バターの香りに包まれた店内をぐるぐる回って、
ビン詰めされたチョコチップクッキーを指してオレはこれが好き、とか、飾ってあるレシピを見てよくわからんと笑ったりした。
それから彼女にもどれが好きかと聞いたり、
新作のレモンクッキーを試食させてもらって「すっぱい」と店員さんに言って笑われたりした。
量り売りでいくつか包んでもらって店を出て、]
……最初に荷物増やすのは良くない……
[と、ハッとした様に反省&彼女へアドバイスをした]
食べ歩くか。
メシが入らないかもしれないけど。
[眉間にシワを寄せて提案したが、
閉めてもらったばかりの袋を開いて、二人でクッキーを分ければ、また笑みが戻るだろう]
[一枚しか買わなかった物は半分に割って、
大きく割れた方を当然の様に彼女へ差し出した。
そうして次の場所を考えながら、
「気になる所があったら言ってくれ」と、
立ち並ぶ店がよく見える方を、彼女に歩かせた。**]
──鈍色の球体1──
[簡素な光源しかない木製の離れ。
線の細い女が疲れ切った様子で、月を見上げている。
『帰りたい』と紡ぐ言葉は、この国の物ではなく、
女の他には夫しかその意味を知らない。
女が暫く故郷に想いを馳せていると
控えめなノックが響いた。
応じるものは無音でも構わず、扉は開かれ、
小学校低学年くらいの子供が姿を表す。]
……しつれい、します……。
またごはん、たべてなかったみたいなので…りんご…もってきました……。
[不格好なうさぎ林檎を乗せた皿を女の近くに置くと、
子どもは正座をして心配そうに様子を窺っている。]
……からだのぐあいは……どう……ですか……?
[女はこの国の言葉を全く理解してない訳ではなかったが、
疲れからか異国語を使う気力はなく、
子供も言葉が返らない事には慣れてる様子。
誰が同情を含んだ視線を向けても顔色の変えない子供は、
女が林檎に手を伸ばすのを見たら、やっと安堵した様に微笑んだ。]*
[一気に想いを吐き出しすぎて
脳がくらりとする。
虚ろだった青い瞳が
迷うように揺れて見えるのも
そのせいだろうか。
それとも…、己の切望が見せる幻か。
諦めの気持ちが大半を占めているのに
目は離せない。
食い入るような眼差しの下、
造形の神が形作ったような喉の隆起が上下して
それから、
信じられないことが起きた。]
……っ、
[乾ききった触覚や脚は脆い。
下手に触れば
折れてしまいそうな
そんな儚さを隠しもせずに
震える声が訊ねてくる、────俺に。]
[水気を帯びても
鱗粉が落ちてしまう心配の無い
ふたつの青い輝きが、
己をしっかりと捉えている。
それを自覚した瞬間、震えが走った。
今まで感じたことが無いくらい
深く。鋭く。
興奮と喜びが綯い交ぜになって
酷く満ち足りたこの気持ちを
何と呼んでいいのか分からないけれど、
目元は柔らかく撓み、頬は緩む。]
[1] [2] [3] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
視点:人 狼 墓 恋 少 霊 九 全 管
トップページに戻る