68 【身内】空想模倣機体は駒鳥達の夢を見るか?【R18G】
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| ハマルの一言に、キファは目を見開いた。 だがやがて瞑目する。
「シトゥラとニアが。……そうか」
それだけ告げた。 現場には向かわないのだろう。 他人の死を見て何になる? キファはもう、事件の解決を目的としない。
「そうか」
それでもだ。だからこそだ。 ただ、繰り返すように。そう呟いた。 (33) 2021/04/22(Thu) 23:39:58 |
| ……きっとそれは、 遺体の発見騒ぎが一段落する頃合いだろう。
キファはヌンキを探していた。
キファは急いじゃいない。 だからその顛末が転がろうとも、 何時になろうとも、大きな問題にはなるまい。 (39) 2021/04/23(Fri) 0:34:45 |
| >>3:227 メレフ 「くふ。おまえの云う通りなのだろう。 吾々が最もそれを、知っている」 キファは愛らしい少女を演じるように、 こてりと首を傾げて見せる。 おっと、彼の神経を逆なでしてしまったか。 反省、と心の中で舌を出しながら、彼を見送るのだ。 「……随分容易に、変わってしまうものだな。 吾々の人生という奴は」 (43) 2021/04/23(Fri) 1:44:58 |
| >>41 ヌンキ 「お。ちょうど良かった。 ヌンキよ、これを渡したかったのだ!」 そう言って、あなたの胸元にこれを押し付ける。 白いカーネーションの造花だ。 造花。造られた花。 でもその代わり、枯れることはない。 「おまえは『がんばり団』として良く働いている。 それに念話による吾のわがままを、 いつも聞いてくれるからな。 あっ勘違いするなよ。吾が恋しているのは、サダル故な」 (44) 2021/04/23(Fri) 2:27:31 |
| (a23) 2021/04/23(Fri) 9:36:55 |
| (a24) 2021/04/23(Fri) 9:37:26 |
| >>ゲイザー
「ふむ。事件の解決についての相談だが……。 今リーディングした通り、吉兆と出ている。 吾の啓示はアドバイスとして──」
そこは、キファの借りている部屋だった。 時間としては、キファがヌンキに贈り物をした後。
質素な室内には、少女が二人。 無事恋バナで盛り上がるお友達となった、 ゲイザーとキファである。
ゲイザーは定期的に、キファの占いを頼っていた。 現在行われていた占いも、その一端である。
ばらばらとテーブルの上に広げられたカードを 回収しながら、キファは問う。
「しかし、意外だな。 おまえ、そこまで事件の解決に興味があったのか。 無論理解は出来よう。好きな人を守る為だろうが……」 (54) 2021/04/23(Fri) 10:43:16 |
| >>49 ヌンキ 「無論、言ったであろう。 吾はおまえに感謝をしている。 故、贈り物をしてやりたかったのだ!」 キファは目を細める。 「吾とサダルをくっつけたのは、おまえだろう? 故。今、吾からおまえに贈れるのはこの花だ。 『私の愛情は生きている』。 この花は、そういう意味を持つ。 ……確かに、吾らの愛情は、後天的なものだ。 おまえが祈り、そして、神がそれに答えた。 おまえの望んだ形じゃないとしても──」 キファは知っている。 サダルへの愛情が、世間から見れば ”おかしい”ものであることも。 「告げる。 おまえの行いは、例え正しくなかったとしても 無駄じゃなかった ことを。 例え造られたものであるとしても、 ”この愛は生きている”」 (57) 2021/04/23(Fri) 11:03:47 |
| >>56 ゲイザー 「ふ、構わんよ。 ……然し、おまえにも『正義の為』の心は有ったのだな。 ──ぬお! 作ってきてくれたのか、ありがとう」 自嘲するように笑んだところで、 転がり出てきたピーチパイに目を輝かせた。 キファは警戒心が強い。 毒入りの可能性も考えたが、 殺すなら今である必要はない。足が付く。 それに、彼女とは実に友好的な仲だ……。 ある意味で実直な娘だから、 敵対しない限り妙なことはしないだろう。 「少し待っていろ。今、吾が紅茶を淹れて来る。 この部屋にもおいて有るのだ」 上機嫌な足取りで、席を立った。 → (60) 2021/04/23(Fri) 11:41:25 |
| >>56 ゲイザー ……好きな人を守る為。 ひいては、事件の解決の為。 ゲイザーには執念が有った。 だから、気付いてしまうのだろう。 キファの部屋の、些細な違和に。 屑籠に大量に捨てられた便箋やメモ。 誰かがこの部屋にいたであろう痕跡。下げられたカップ。 キファは、何かを知っている。 無論、この状況だけでは濡れ衣の可能性だって 十二分にあるだろう。 ただ、キファが偶々”そうではなかった”だけで。 ゲイザーが、”そこで打って出る性格”だっただけのことだ。 (61) 2021/04/23(Fri) 11:42:30 |
| >>59 ヌンキ 「さてな、どうだろう。 ……この話はしたっけな。 実のところ、こうなる前の吾は、 感情が実に希薄だった。永く生きすぎた故にな。 表情豊かに見えていたのなら、それはきっと 吾に演劇の才能が有ったのだろう。 ──それを、吾はちょっぴり気にしていたのだ」 キファは薄く笑う。 表情の起伏の少ない顔で小さく笑う。 「吾は幸せだ。 恋をしたおかげで、吾は感情を取り戻した。 ……今、こんなにも幸福だ。 不安になったか?」 ”前々から言っておろう”。くつり、笑う。 おかしそうに言った。 (62) 2021/04/23(Fri) 11:47:53 |
| >>64 ゲイザー 便箋に書かれているのは、 事件に纏わる情報の数々。 『狛犬』。”シータの痕”。占い。 ひとつから全てを読み取ることは難しいが、 何か、キファが情報を得ていることをあなたは読み取れる筈だ。 さて、鬼の居ぬ間になんとやら。 早くしないと── → (67) 2021/04/23(Fri) 12:30:35 |
| >>64 ゲイザー ことん。 テーブルに紅茶を置く音。 「……ゲイザー。人の屑籠を漁るとは あまり良い趣味とは言えんな」 キファは茶を淹れるのが雑だった。 だから、きっとあなたの想定より早く戻ってきた。 「何してる」 (68) 2021/04/23(Fri) 12:31:13 |
| >>63 ヌンキ キファはあなたの胸中を知らない。 キファはあなたの抱えるものを知らない。 どうしてそれ程までに、自分自身が恋をすることを 恐れるかを知らない。 あなたが再びそれを口にしたのなら、 キファはやっぱり”独りよがり”だと、説教するのだろう。 それでも確かに。キファはあなたのお陰で今、幸福だった。 「?」 言われるがまま、目を閉じてやる。 (70) 2021/04/23(Fri) 12:44:18 |
| >>72 ゲイザー 便箋に書かれているのは、どれもメモ書き程度の情報。 或いは、意図的に情報が隠されている。 つまるところ、最も正確に大量の情報を手に入れるには、 キファを尋問するのが速い。 「この事件、信頼できる人間が限られているからだ。 少なくとも、人の部屋を勝手に漁る人間には教えられんな」 一見正当、だが苦しい。 例えるならこの返しは袋小路に逃げ込むようなもの。 キファの頬を冷や汗が流れる。 どうする。どう来る。 (76) 2021/04/23(Fri) 12:59:54 |
| (a29) 2021/04/23(Fri) 13:37:28 |
| >>75 ヌンキ 果ての無い暗闇で、 彼は少女の額にキスをした。 きっと、キファとヌンキの願いは 相容れないものなのだろう。 それでも。 今だけはその行いを、”許容する”。 「くくく。うむ、実におまえらしい行いだ。 洒落ている。……何、素直に受け取るよ」 少女は僅か、眉根を下げる。 「……なぁ、その造花。好きにつかうと良い。 部屋に飾っても良い。髪飾りとして、加工してもいい。 おまえは洒落ているからな」 「もしも」 「もしも、いつかおまえが恋をしたとき。 その花は、きっとそいつに送るに相応しい。 一考せよ」 (82) 2021/04/23(Fri) 14:08:43 |
| >>78 ゲイザー 少女の鮮やかな紅を塗った唇は囁く。 その目はあなたを映さない。 キファは例え素敵なお友達だろうと、 おねだりに靡かない。 「その通りだ。 吾は最早、事件の解決に興味を持たぬ」 かつては持っていた。 それは、状況が証左している。 ”教えぬ”。再び、一声。 「おまえなら分かるだろう? これは、思い人の為なのだ。 お友達なら、どうか察して 手を引いてくれると嬉しいのだが……?」 傍から見れば、優雅な香りの中 手と手を取り合う可憐な少女達。 だが、ここに居るのは女豹と女狐。 ぴんと、緊張の糸が貼られていた。 その糸をどう扱うかは、あなた次第だ。 (83) 2021/04/23(Fri) 14:34:14 |
| >>89 ゲイザー つぅ、とまるで情事の如く。 愛しみを込められた手で人差し指をなぞられて。 キファの背に変な汗が滲む。 「──、は ッ」 呼吸、ひとつ。 皆まで言うまい。 キファは理解した。今ので十分過ぎた。 この女に、言葉遊びは最早通用しない。 さて。それを得意とするキファにとって、 今の状況は、最早対等に渡り合えているとは言えない。 状況は一転した。 ゲイザーは肉包丁を軽々と振り回せるが、 キファは筮竹より重い物を持てないのだから。 女豹と、袋小路の鼠、だった。 → (94) 2021/04/23(Fri) 17:32:26 |
| >>89 ゲイザー キファは死を異常なまでに恐れる。 長命。生を引き延ばしすぎた代償。 最善は何か? この状況で、出来るだけ情報を落とさず 逃げ延びることだ。 念 話は? 武器は? 情報は? ”手紙”は? 助けは? 武器はこの状況だからダメ。 情報を全て洩らすのはサダルを追い詰めることに繋がるからダメ。 叫んで助けを呼ぶべきか。助けを呼ぼうと叫んだ瞬間折られるからダメ。 念話でサダルに助けを呼ぶのは? 一考。 サダルは今動いてくれている。好いお嫁さんであるならば、 出来るだけ彼の邪魔をすべきではない。最終手段。
殺されるのは勿論ダメ。 → (96) 2021/04/23(Fri) 18:24:07 |
| >>89 ゲイザー 「そ、そこの机に手紙の草案がある……。 結局誰にも渡す機会が無かった ものだ。 そこには、”この会合の中に犯人が居ること”、 他様々な機密情報が書かれている」 「吾の手を離せ。そして、取って行くが良い……」 そこには機密情報と言えるものは書かれていない。 最早、誰が知っていてもおかしくない 情報ばかりが記載されている。 キファはタイミングを窺っているのだ。 手首の拘束を逃れる機会を。 ……さて、あなたは本当にこれだけで満足できるだろうか? (97) 2021/04/23(Fri) 18:26:26 |
| >>84 ヌンキ 「きっと似合う。 そのバンダナの飾りの辺りとかイイと思うぞ」 ……強情なあなたのことだ。 きっと、相当なことでも無いと それをキファに告げることは無いのだろう。 ──これはもしもの台本。例えばの話だ。 その時きっと、キファは。 『ようやく認めたのだな』 そうやって。不器用に、微笑むのだろう。 → (106) 2021/04/23(Fri) 19:58:01 |
| >>84 ヌンキ 「ではな」 鋭く、聡く。……そして今、 少しばかり恋に盲目なキファは。 あなたの慕情に気付かない。 あなたの胸中を、決意を、知ること無く。 『がんばり団』の同朋として、 気さくに別れを告げるのだった。 (109) 2021/04/23(Fri) 20:07:47 |
| (a70) 2021/04/23(Fri) 23:15:26 |
| (a72) 2021/04/23(Fri) 23:27:54 |
| >>ハマル
さて、ここはどこだろう。 星見杯亭の会議室だろうか。或いは談話室、 或いはバルコニーだって良い。
キファは、ハマルを見つければ話しかけて来るのだろう。 会合、四日目。ゲイザーと乙女の戦いを始める少し前の、 いとまのこと。
「おぉ、ハマルよ。 そういえば、吾の占いを見てみたいと言っていたな。 ……今、ちょうど出来るぞ。やるか?」 (125) 2021/04/24(Sat) 0:45:30 |
| >>126 ハマル では、談話室のテーブルを囲もう。 一方に座り、そしてあなたにもう一方への着席を促す キファは携帯しているタロットカードを広げると、こう問うた。 「なに、簡単だ。 何を占いたいか決めて、このばら撒かれたカードの中から 念を込めて一枚引けばいい。 それを吾に渡せば、そこから吾が暗示を読み取ろう」 ……キファは、あなたが何故元気がないのか知っている。 シトゥラから、ハマルと連絡を取り合っていたことを 聞いていたからだ。 でも、それを一言目から伺うほど非礼じゃない。 だから敢えて、こう問うのだ。 キファは占い師のプロ。 人を占うとは即ち、人の心を視ることである。 「さて、何について占いたい?」 (127) 2021/04/24(Sat) 1:18:49 |
| >>メレフ
乙女たちの戦いの、後のことだ。 キファはぼろぼろの姿で、会議室に姿を現した。
頬に痣、首元に軽いやけど跡。片手の人差し指に骨折。 『子供達にはあまり見せたくない姿だな』、 と気丈に笑っていた。
キファは、『階段から落ちた』と皆に説明している。 だけれど、見るものが見れば、それは喧嘩の跡であることが すぐに分かるだろう。
例えば、傭兵として戦闘に身を窶すあなたなら。 (128) 2021/04/24(Sat) 1:29:13 |
| >>129 メレフ 「喧しい」 ぴしゃり。 キファは目を細めてあなたを睨んだ。 だけど、言う程剣呑な語調ではない。 「誰にやられたかなんて、言って堪るか。 全く、おまえが護衛を請け負ってくれれば 吾もこんなことにならんかったのに」 冗談を言う余裕も、今は有るらしい。 「なあ、おまえは。死ぬのが怖いと思うか? 長命の知り合いは、少ないが居る。 死ぬのを恐れる人間も、逆に死を乞う人間も知っている」 「おまえはどっちだ」 (131) 2021/04/24(Sat) 2:02:07 |
| >>130 ハマル 「……ふ。その問いを聞くということは、 事件の解決に興味があるということか。 良かろう」 少女は快諾すると、 ハマルから引いたカードを見せてもらう。 IV 皇帝tarot (1)1d2→ (132) 2021/04/24(Sat) 2:04:50 |
| >>130 ハマル 「 4番目、皇帝の正位置。 逆位置はあの高慢ちきちきちんちくりんも引いたが、 こちらは正位置だ」 レグルスのことである。 「暗示するキーワードは 支配、安定、成就・達成、男性的、権威、 行動力、意思、責任感の強さ、軸 」 → (134) 2021/04/24(Sat) 2:17:37 |
| >>130 ハマル 「このカードは、積極性や統率を表す。 今おまえは、積極的な決断と行動を必要とされる状況に居る。 それを乗り越えることで、成功が到来すると吾は読む。 強い意志の力で、一見困難に見えることでも 突き進むことができるだろう。 だがな。こんなに強くて立派な皇帝だが、 弱みを見せることが出来ない分、 常に孤独と戦っている面もある。 どうか、そういう不安から目を逸らすな。上手く発散せよ」 一息に語ると、ふぅと息を吐く。 「……と、まあ纏めると、 『積極的に行動せよ』『仲間には頼れ』 こういう感じだな」 → (136) 2021/04/24(Sat) 2:21:59 |
| >>130「ハマル。おまえに、仲間はいるか。吾以外に名を挙げてみよ」 少し、意地の悪い質問だった。 ……キファは、自分の占いを信じている。 だからこそ今、ハマルに『弱みを見せる不安』を 詳らかにさせようとしているのだ。 キファはハマルを、慰めたい。 キファは二日目から、変わってしまった キファにとって今は、サダルが一番だ。 いつだって、誰かを裏切ろうと思えば裏切れる。 そのつもりでいる。 でも。狂信的な愛が、 キファのただの善意まで捻じ曲げてしまう訳じゃない。 今のキファは、前のキファが居たからこそ。 このように形作られている。 (137) 2021/04/24(Sat) 2:24:13 |
| >>135 メレフ 「エエ!? 厭だが……」 キファは躊躇う。最もだろう。 キファがこんなんになったのは、 元は自室に人を招き、助けを呼べない状況になったが故だ。 でも、それと同じくらいあなたの提案は魅力的だった。 「……まぁ。隠してはおきたいが。 その。あんまり傷だらけだと、可愛くないだろ。 ”そういう”時にも……綺麗な躰を見せたいし……」 もじもじ。 「変なコトしたら魔法の力でサダルをで呼ぶからな! 吾は反省ができるいいお嫁さんなのだ!」 たぶんキファの頭の中は今ピンクだ。 → (138) 2021/04/24(Sat) 2:33:15 |
| >>135 メレフ そういう訳で、ずりずりとメレフの自室に 連れて来られてしまうのだろう。 治療か何かを受ける為、ぴんと背を伸ばしながら、 キファはいとまに為されるメレフの話を聞いている。 「ふん。好いた人間の為ならば、か。 おまえの中では、その好き人(んちゅ)と”お嬢”に、 同程度のプライオリティがあるという訳だな。 んで、そのお嬢っていうのは何なんだ。 何時から仕えている? 吾らのことだ。もう隠す仲ではあるまい」 (139) 2021/04/24(Sat) 2:41:03 |
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