81 【身内】三途病院連続殺人事件【R18G】
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| 湿っている服を纏ったまま。 打ち付けられた雨戸の向こう側から漏れ聞こえる音を聞きながら、フジノは静かに座っていた。
家は残っているだろうか? ……川からは離れていた。 崖が崩れていなければ、残っているだろう。
結われた髪はまだ解かれず、櫛も通されていない。 まだ、触れる人はフジノの前に戻っていない。 (0) 2021/06/30(Wed) 21:20:26 |
| >>2 メイジ ぼんやりと外に向けていた意識を貴方へ向ける。 自然と、場違いにも見えるカラフルな玩具に視線がとまる。 「……よく、そういうの、持ってたね」 既に都会に出て大人に混じって働いている貴方が可愛らしいおはじきを持ち、誘いに来るのはどこか不思議な気持ちにさせた。 黙って近くの小机の上にあるものを横にどかし、片付ける。 肯定の言葉は返していないが、おはじきをするための行動だというのは察する事ができるだろう。 (3) 2021/07/01(Thu) 0:56:14 |
| (a0) 2021/07/01(Thu) 1:01:34 |
| >>10 メイジ 広げられる玩具に目を白黒させる。 こんなにたくさんの玩具を前にする事なんて、なかったから。 「う、ううん……並べたり、弾いてるとこは、見たけれど……」 ……確か、あの子達はこうやって遊んでいたはずだ。 恐る恐るといった様子で人差し指を伸ばし、弾く。 ぱちんと、おはじき同士がぶつかる軽やかな音が響いた。 ―――そして、ふと影ができる。 「っ、ぇ、え? あ……ありがとう、ございます……?」 隣の少年と同じくびくりと顔を上げたと同時に、置かれた箱。 >>5 ミロクの背中に混乱したままお礼を投げかけ……どうやって使うのだろうと、少年の問い掛けを横で聞きながら箱とおはじきを順番に見ていた。 (11) 2021/07/01(Thu) 22:49:41 |
| >>12 メイジ 「……そう。かわいい、ものね」 おはじきを見つめながら静かに説明を聞く。 箱を渡された意味も理解できた。 ……言ってくれればよかったのに、と少し思いもした。おはじきの遊び方をどちらも知らないなんて、思っていなかったのだろうか? 「うばいとれ、か。 ……うん。誰もくれたりなんか、しないもの、ね」 ぱちぱち、と小さく手を叩いて。同じように狙いを定め、近くのおはじきを弾いた。 おはじきは狙い通りに 当たらなかった (13) 2021/07/02(Fri) 1:42:57 |
| フジノは、スーーーッと外れたおはじきを黙って目で追った。ノーコンかも…… (a3) 2021/07/02(Fri) 1:44:44 |
| >>14 ミロク 慈愛のようなものが浮かんだ貴方を、見た。 そんな目で見られる事に慣れていない。逸らした視線は宙を彷徨う。 腹を擦り、黙って貴方が去る音を聞いていただろう。 (18) 2021/07/02(Fri) 12:37:37 |
| 廊下を歩き、通りすがった部屋をちらりと覗き見る。 探し人の姿が見えないことを確認すれば再び歩き始める。
結われた髪は所々ほつれている。 滅多に手入れなんてできない、伸びるがままに伸びた髪だ。 自分で直すことはできたけど……そうしてしまうとあの約束がずっと、果たされない気がして。 そう広くはないこの病院の中、アユミを探して歩き回っていた。
雨風は依然、止む気配はない。 (19) 2021/07/02(Fri) 12:56:12 |
| >>22 メイジ 「変わった、人だよね。 ……まだ、始めたばかりでしょ。次は、とるから」 むぅ、と意地になったような……微かに年相応の反応を見せて。 暫し、おはじきの音だけがその場に響いていただろう。 呟かれた言葉と、お腹の音が聞こえるまでは。 「……でも、食べられないし。口に入れちゃダメ、だからね」 どうして思い出させるのか、と抗議するような視線を送った直後、小さくはないお腹の音が鳴る。 腹に手を当て、黙って顔を背けた。……髪の隙間から見える耳はちょっとだけ、赤い。 (30) 2021/07/03(Sat) 1:17:47 |
| >>32 ミロク 綺麗なタオルをひとつ、受け取って部屋に戻る途中だった。 自分の事を自分でする事には、慣れていた。 仄かな期待を裏切られる事にだって。 なにかが当たった感覚と貴方の声に、足は止まる。 ちらと貴方を見た後、しゃがんで缶を拾い上げ手渡すために近づく。 「はい。 ……荷物、乾かしてるの?」 出されたままの商品を見て、そんな言葉が出た。 (35) 2021/07/03(Sat) 11:14:22 |
| >>36 ミロク 「……湿気ったら、売り物にならないものね」 今しがた返したお茶のように、保管に気を付けないといけないものがあるのだろうと推測し。 問われた言葉に厚い前髪の下でぱちりと目を瞬かせた。 「……私、お金持ってるように、見える? 残念だけど、お客さんには、なれないよ」 両手でタオルを握って、ボソボソと返す。嘘ではない。 自分の欲しいものと聞かれて咄嗟に思い浮かべられるものも、なかった。 (41) 2021/07/03(Sat) 13:25:50 |
| >>39 ロク 「おはよう、ございます」 おはようと言われたらそう返す。 どうせ時間なんて、この状況では大して重要でもない。 「……雨、まだ止んでないの」 答えを聞かずとも聞こえる音でわかる。 問い掛けというよりは、つい溢れてしまった呟きのようだ。 (42) 2021/07/03(Sat) 13:36:00 |
| >>43 メイジ 真剣な面持ちで向かい。 最終的に (9)1d10(数値が大きいほどつよい) ほどのおはじきが紙の箱に収まった。 結果ははたして。 「見える。……気になった植物とか、すぐ、口に入れそう」 雰囲気のせいか、おはじきをして緊張が解けたのか。 いくらか遠慮のない物言いになっている。 「……いいの? お腹すいてるのは、そっちも同じ、でしょ」 迷うように貴方とキャラメルを交互に見ている。 (44) 2021/07/03(Sat) 14:29:20 |
| >>45 メイジ 「力加減は、わかったから。 それに私はどっちも見えてるから……距離が掴みやすかった、だけだよ」 歪な跡の残る目の付近を指でとん、と示す。片目ではどうしても掴みにくい所はあるだろう。 「あるんじゃない。 ……そう。えっと、ありがとう。 どうしようかなって、思ってたから、助かった」 押し付けられたキャラメルに、小さく頭を下げて。 もたつきながら包みを開いて、茶色い塊を口に入れる。 ……こういうお菓子を食べたのはいつぶりだったか。 しっかりと味わうように、口の中で転がした。 (51) 2021/07/03(Sat) 19:56:59 |
| >>48 ロク 「どう、だろう。 いつもより強いって、聞いたけど……」 二日、三日……ともすればもっと、かかるだろうか? くぅ、と小さく鳴ったお腹の音を誤魔化すように腕で抱くように腹を隠す。 「……いつもよりちょっと怖いけど、好きだよ。 山の音が聞こえにくいのは、困るけど」 外を見ようとするように、しっかりと雨戸で閉じられた窓の方へ視線を向ける。 「こういう時って、よく、山が崩れたり、するから」 私の家、ここの下の方なの。 ぽつんと呟くように告げた。 (52) 2021/07/03(Sat) 20:03:15 |
| >>53 メイジ 「……うん。次も、負けないから」 次があればいい。甘い塊を転がしながらそう思えば、するりと言葉は紡がれた。 遠く水の流れる音を聞きながら腹を擦る。 「そう、なんだ。……そうだろう、ね。普段も、余裕がある訳じゃ、ないんだから」 どこを見たのだろう。何を考えたのだろう。 フジノには、わからない。 「……うん。協力、できたらいいな。 私も、なにか……役に、立たないと」 できる事は少なかったとしても、荷物にはなりたくはなかった。 おいしい?という問いに、貴方を見てこくりと頷く。 口の端は、微かに持ち上がっていた。 (54) 2021/07/03(Sat) 21:49:24 |
| >>56 ロク 「……その気持ちも、わかるよ。 強いのは、きっと、なんでもこわいから」 ぴくり、と肩を揺らした。 頭が貴方の方へ向く。前髪がずるりと顔の前に下がった。 「うん。ううん。 お父さんは、お酒を飲んで、動いてくれなくて。そういう時、起こしたら、怖い顔、するから。 だから、私、先にここへ来たの。 ……お父さんだって、子供じゃないもの。起きたら、自分で避難すると思ったから」 でも来ていないし、別の所へ行っているのかも、と腹を摩りながら零す。 ―――父以外の、言及はなかった。 (63) 2021/07/04(Sun) 1:26:53 |
| >>64 メイジ はっと口元を隠す。 反射的に動いた後で、続いた言葉が耳に届く。 「え、えっと……」 いつもならそんな事ないと言い切る口はもごもごと動く。 「そう、かな。……ありがとう」 礼の言葉を代わりに口にさして、少し赤みのさした顔を再び逸らした。 (72) 2021/07/04(Sun) 10:56:07 |
| >>67 ミロク 貴方を、見ている。 賢くはないが、全てを鵜呑みにするほど馬鹿でもない。 しかし。そっと腹を擦る。 ……施しを受けたい訳では、ないけれど。 「目的が、あればいいの。 ……ミロクさんは、『物』しか、扱ってない?」 つと、視線は外へ向いた。 未だ雨が降り続け、風は雨もそれ以外も建物へ叩きつけている。 「……私、外で仕事がしたいの。 でも、外の事、全然知らないしツテもなくて」 そこで、言葉を区切った。 フジノが欲しいものは、働き口だ。 傷持ちの女が働いて、金銭を稼げる。 此処ではない場所だった。 (84) 2021/07/04(Sun) 17:05:15 |
| >>75 メイジ 「遊んでもらったのは、私もだから。 ……うん。吐き出させなきゃいけないし、背中叩いて、あげる」 冗談にも本気にも取れる言葉を紡ぎ、"またね"を返しただろう。 まだ、雨は止まないのだから。明日もきっと、会うだろうと。 (87) 2021/07/04(Sun) 17:28:57 |
| >>78 ロク 「祖父は顔を見た事も、なくて。祖母は半年前に亡くなって ……お母さんもずっと前に出て行ったから」 だから、今はふたり暮らしだと肯定する。 村の人間……噂話に敏感な人々なら知っている話だ。隠す事でも、なかった。 「そう、でしょう? ……もし、心配させてたら。後で謝ればいいもの」 生きてさえいれば、どうにでもなる。 伸ばされた手に、怯えるように固まった。ぎゅ、と自分の身を抱きすくめる。 前髪を払えば、様子を伺うような目が貴方を見据えていただろう。 (88) 2021/07/04(Sun) 18:05:54 |
| >>90 >>91 ミロク 「……いいの?」 最初の言葉に目を伏せ、続いた言葉にぱっと顔を上げた。 さらさらと書かれていく文字に、ついそんな言葉が溢れた。 夢。将来。どこで、どんなことを。 口を開き、閉じ……やがて貴方に近づき、貴方だけに聞こえるようにそれを、話す。 (102) 2021/07/04(Sun) 20:41:39 |
| >>91 >>102そっと離れて貴方の差し出した住所を、受け取った。 果たして話した事は取引を成立させるに値するものだっただろうか? 「……それで、いい。 全部お世話になるつもりは、ないから。 あとは私が、頑張って……頑張らないと、いけないこと、でしょう?」 大事そうに、紙を両手で包んだ。 「……ありがとう、ございます。 もし、外で会えたら……その時はまた、お礼をします」 そうして頭を下げ。 それ以上の話がなければ、この日の会話は終わっただろう。 (103) 2021/07/04(Sun) 20:49:11 |
| >>96 ロク 「……人は、怖く見えるものでしょう?」 先日も似たような事を言ったな、と思った。 ここに集まった人々はフジノを嗤わない。 変に憐れむような目で見ることもない。 その事実は少しだけ調子を狂わせ、フジノの知っていた世界をあっという間に壊そうとする。 「……人は怖いし、痛いのが嫌。それだけ。 ……それだけだよ」 片手で前髪をそっと戻す。 その後、なにか言葉を交わしたかもしれないが……そうしない内に、フジノは貴方に別れを告げてその場から立ち去っていっただろう。 (104) 2021/07/04(Sun) 20:58:22 |
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