情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
【人】 商人 J[ 神は決して人に甘い夢は与えない。 与えるのは心と体を苛むほど厳しく苦しい試練だけ。 人に甘く美しい夢を見させるのは悪魔と相場が決まっている。] (1) 2022/03/14(Mon) 11:20:31 |
【人】 商人 J[ 眼鏡の下に刻まれている十字の刺青。 整った顔立ちに際立つそれは、消えることのない傷痕の上に彫られたものだ。] そう警戒しないでください。 私は商売に来ているのですから。 [ 顔の下部に浮かぶ弧線は変わりなく。 女を値踏みする目も変わりなく、眼鏡の奥で女を観察し続けている。] (2) 2022/03/14(Mon) 11:20:48 |
【人】 商人 J[ 金はある。 宿屋を貸し切るほど。 だが、思っていたよりも不調が見てとれるほど消耗がひどい。 世間知らずではあっても、知恵がないわけではない。 ではなぜそんなにも余裕がないのか。 導かれる答えはひとつ。 それは収入がないということ。 持つものが無くなれば、恐らくそこで終わり。 金も行動も、全て目的のために使うと言わんばかりか。 そこに自分自身を守ることが含まれていないのは、まるで破滅的だと男はそんな印象を持った。 それほどまでに大事なことか。 それとも他に道がないのか。 いずれにせよ、男にとって都合の悪いことではない。] (3) 2022/03/14(Mon) 11:21:32 |
【人】 商人 J[ それはただの経験の差だった。 だが、その差はこの場において決して覆ることのない差であろう。 かたや、表も裏も知っている海千山千の男。 かたや、どこぞのお嬢さん。 百戦錬磨の商人相手ならいざ知らず。 駆け引きの何たるかも知らない女相手に遅れをとるはずもない。] 驚くことではないでしょう。 貴方が私のような人間を求め、そして私はここにいる。 [ 調べるまでもない。 男から見ればこの女は迂闊以外の何ものでもない。 だから、差し伸べてみせる。 僅かな可能性を、闇雲の中に一筋の蜘蛛の糸を。] (4) 2022/03/14(Mon) 11:22:01 |
【人】 商人 J[ 声が、吐息が、その目が。 垂らされた蜘蛛の糸に縋ろうとしているのを伝える。 男は内心でほくそ笑む。] この街であれば、力になれるかもしれません。 [ そう男の言葉が伝える。 お前の味方になってやれる、と。 だが、差し出された紙を手にしたその刹那、男の顔の筋肉がピクリと震えた。それだけ、動揺などというものを見せたわけではない。ただ、顔の一部だけが自身の意に反した。] (5) 2022/03/14(Mon) 11:22:27 |
【人】 商人 J[ 神も悪魔も同じもの。 その先が光であればそれを神と呼び、闇であれば悪魔と呼ぶ。 青い宝石のブローチ。 白銀の片翼が、慈しむ様に抱く意匠。 ─── 数奇とは、運命とはまさにこのことか。] (6) 2022/03/14(Mon) 11:23:07 |
【人】 商人 J[ 顔が崩れるのを堪えるために男は努力を擁した。 口元に浮かべた笑みが深く大きくなるのを堪えるために男は強い心を持って対しなければならなかった。] ……これが、この街に? [ 思案する様な芝居は、自然と笑いだそうとするのを強く戒めるため。] 流石に大陸の何処にあるかもわからない。 ということであれば、お力にはなれませんが。 [ 探し物がこの街にある。 それをどうやってこの女が突き止めたのか知る由もないが、大事なことはこの女がそれを確信し、そしてそれが事実であるということだった。]* (7) 2022/03/14(Mon) 11:23:35 |
【人】 旅人 J[────気の所為か。 紙を手にした瞬間 真っ直ぐに描かれた彼の頬の十字が 僅か、波打った気がするのは。 私の、見間違えだろうか。] (10) 2022/03/14(Mon) 12:52:05 |
【人】 旅人 J[逆光で輪郭は際立つが 細かな表情は影で見えにくい。 何か知っているのかも知れないという 期待を抑え込み、反応を待った。] (11) 2022/03/14(Mon) 12:52:20 |
【人】 旅人 J[彼は、何事もなかったかのように話す。>>7 矢張り先ほどのは気の所為だという落胆に 小匙一杯の猜疑心が混じる。 まるで知らないような口振りは、真のものか。 トクトクと、心臓が五月蝿い。 彼の言葉は言い換えれば 大陸の何処にあるか解るなら手を貸すと取れた。 故に、大金で仕入れた情報を口にする。] ……ここより西の、——という都市 これを売りに来たものがいたが 金額が折り合わず売却せずに東へ行ったと [大陸でも屈指の経済規模を持つ この都市には及ばないが 出した名もそこそこの貿易都市だ。 情報元は、マナーとして明かさずに。] (12) 2022/03/14(Mon) 12:54:16 |
【人】 旅人 J[写し絵を持つ手に、触れることは叶うか。 刺突剣の突きは速いものだが これはそれほどでもない。 拒まれなければ、小枝のような指を添えて。] ジュダス様 私の力になって下さいますか? [逆光の中でもよく表情が見えるよう 今度こそ何も見落とすことがないよう レンズ越しに瞳を見つけようと 顔をごく近づけて訊ねた。 それでも、百戦錬磨の男に装われたら見抜けぬだろう。 だけど、見極めたいと思っている。 自ら近づいてきた、謎めいた彼自身のことを。*] (13) 2022/03/14(Mon) 12:55:53 |
【人】 商人 J[ 写し絵を持つ手に女の指が触れる。 こちらから触れたのではない、女から触れたのだ。 呼び方も『さん』から『様』へと変わる。 育ちの良さが出ているのか。 そしてそれは確かに女が男を頼りにした証か、或いは媚びた振りで利用しようとしているのか。そんな器用な真似が出来る女とも思えなかったが、それはわからぬこと。] ええ、勿論です。 [ 触れる女の指をそのままに。 近づく顔を真正面から見つめ返して。] (14) 2022/03/14(Mon) 16:28:08 |
【人】 商人 J[ 暫くして、或いは女の顔が離れれば男は口を開く。] だけど、私も商売人。 身銭を切るわけにはいきません。 この街では、何を得るにも対価が必要です。 [ 親切の振りはここまで。 慈善家如き姿はかえって不信を招くというもの。 以下に良家のお嬢さんであっても、無償の善意を信じるほど間抜けではないだろうから。] 必要なことはこちらで手配します。 情報を集めるのも、それに近づく手筈も。 それらにはどうしても金がかかります。 そして、私もある程度の手数料をいただきます。 [ それが商会にとっての利益なのだと伝える。] (16) 2022/03/14(Mon) 16:29:24 |
【人】 商人 Jこういった物にに目のない人物には、 何人か心当たりがあります。 [ この貿易都市にはの金持ちにはコレクターと呼ばれる様な者たちがいる。だが、彼らの様な人間がそれを手にしていたのなら、それを買い戻す必要がある。そして、欲しいものを手に入れた人間からそれを買い戻すのは容易ではない、と男は言う。] もしも信用して貰えるなら、 数日のうちに手掛かりを見つけてみせましょう。 [ 物が珍しければ見つけるのも容易だと、男は女にそう嘯いた。]* (17) 2022/03/14(Mon) 16:30:08 |
【人】 旅人 J[会うのは大抵が歳上の男であり 舐められぬように 一方的に食い物にされることのないようにと 意識的に背伸びをして変えていた 話し方や敬称が、剥がれ落ちていた。 自分でも無意識のうちで、 彼を信用したいという願いの発露だった。] (18) 2022/03/14(Mon) 19:33:32 |
【人】 旅人 J[跳ね返ってきた自分のか彼自身のか 吐息の温度を顔に感じて 漸く、近づき過ぎたことに気付く。] ……し、失礼、しましたわ……っ 貴方の目が、見えなかったものだから…… [慌てて踵を床につけ、手も離し、 後退して一歩分の距離を空けた。 若そうなきれいな殿方に こんなにも近づいた経験が人生の中でなかった。 それに、気になるから遠慮なく見まくってしまう……、 などという自分の幼く愚かな行動を恥じ 頬が淡く色づいてしまう。 少し経てば、それも落ち着いたが。] (20) 2022/03/14(Mon) 19:34:49 |
【人】 旅人 J[或いは……、気は進まないが 元婚約者に金の工面を頼めるだろうか。 領地の管理は一時的にその者に任せてある。 元来、結婚と共に領地を合併する手筈であった。 顔の疵も、彼の資金力と伝手で元に戻せる可能性がある。 自分のはただの刃物による疵だ。 若い女が好きな男だから 賞味期限が切れる前に地に頭をつけて謝罪すれば 一方的な婚約破棄の件を水に流し 資金も工面してくれるかも知れない。] (22) 2022/03/14(Mon) 19:37:07 |
【人】 旅人 J私は、ここで待っていれば良いのよね ご連絡をお待ちしますわ [写し絵を持っていくなら預ける。 お話が他にもあれば、勿論聞きましょう。 出て行こうとするなら、 狭い部屋、壁際に避けて道を作る筈である。*] (24) 2022/03/14(Mon) 19:38:29 |
【人】 商人 J[ 初心な反応。 男を知らないのだろう、良家のお嬢さんらしい。 それもまた女にとっては弱みとなる。 知らずのうちにそうやって女は男に自らの手の内を晒していく。] お任せください。 ケリオス商会のジュダスに、 この街でわからぬことはないと証明しましょう。 [ 離れた間を詰めることなく、胸に手を当てて恭しいお辞儀をひとつ。 下げた顔に浮かぶ弧線は大きくなっていた。] (25) 2022/03/14(Mon) 20:20:47 |
【人】 商人 J[ 顔を上げたときには元通り。] では、しばしお待ちを。 そうそう。 自分を撒き餌にするのはやめた方がいい。 私のような善良な商人ばかりではないのですから。 [ 張り付いた薄い笑みが皮肉な笑みへと変わる。 自らを闇商人だと明かした男が善良とは何の冗談か。] 無論、私を信用できないのであれば、 別の伝手を探すのも止めはしませんがね。 [ そうして男は微笑う。 笑いながら、その部屋を後にするのだった。]* (26) 2022/03/14(Mon) 20:21:13 |
【人】 商人 J[ 運命とは不思議なものだ。 すべての事柄には何かしらの繋がりがあるのだろうか。 例えば、真白の髪をして女を見つけたこととか。 例えば、その女の探し物がこの街に流れ着いたこととか。] さて、どうしてしまおうか。 [ 男の視線の先。 小汚く痛みの激しい胸像のその胸に輝く青い宝石は、銀の翼に抱かれている。] ……生きていたとはな。 [ ひとり呟く。 皆殺しにされたと、その情報の不確かさに瞳なき目を細め、やはり人伝というのはアテにならないものだと嘆息した。] (27) 2022/03/14(Mon) 20:43:32 |
【人】 商人 J[ ケリオス商会の裏の顔はオークショニアであった。 ─── 闇市。 盗品の売買や資金洗浄を可能にするオークション。 それを主催しているのがこの商会であった。 そして、その闇市最大の特徴は商品に人が含まれるという点だった。 労働力としての奴隷、戦うための闘奴、そして愛玩用の性奴。 勿論それらは表では決して許されないこと。 だが、需要があるのだ。買う者がいるからこそ売り手がいて、その構図は裏社会でも同じこと。 その証拠に商品≠ヘいつだって品不足だった。]* (28) 2022/03/14(Mon) 20:47:08 |
【人】 J J[兄弟は居らず家で勉強をしたり剣を習ったり 女だけでする茶会が好きな子だった。 母譲りの貌が好まれて 父ほど歳の離れた婚約者が出来たが 成人するまでは生家で暮らす約束で 歳の近い異性とは会うこともなかった。 そんな女の隻眼には 美しく若そうな男は魅力的に映った。 それも必要な時に手を差し伸べてくれた救世主。 怪しいところはあるが言い換えればミステリアス、 そこも惹かれる要因となる。 女の中に、色めいた感情が生まれていく。] (30) 2022/03/14(Mon) 21:50:08 |
【人】 旅人 J[私を信用できないのであれば──、 という台詞は焦りをもたらした。] ……そんなことはしないわ [否定し、笑いながら出て行く男を、見送った。 部屋の中に一人に戻ると、 ほっとしたような、物寂しいような気持ちになる。 そうして自らの感情の答え合わせをするのだ。*] (33) 2022/03/14(Mon) 21:56:42 |
【人】 旅人 J……いらっしゃい、ませ [眼帯は外し三角巾で髪を押さえ。 愛想はなく手際も悪く皿は割るが 少しずつ仕事を覚えていった。 生まれて初めての仕事。 難しい。だけど、勉強になる。 お金を稼ぐのって、大変なのね。 彼が自分を見つけてくれなければ こんなことをする日は来なかった。 知ったことではないだろうけど、 感謝をしなくちゃ、ね。] (36) 2022/03/14(Mon) 22:44:45 |
【人】 旅人 J[……そうやって時間を潰して。 連絡が来れば部屋に移動して 話を聞くつもりでいる。 だがもし(10)1d10日も音信不通で待つことがあれば、 流石に出向くかも知れない。 ケリオス商会は、 余り治安のよくない場所にあるという。 そういった場所に行くのは怖くない。 街の外を野宿するよりは。 そうでもない限り、 物知らずの女は束の間の平穏に身を置く。 刺突剣を部屋に残したまま。*] (37) 2022/03/14(Mon) 22:49:17 |
【人】 商人 J[ 邂逅から三日後、男は夜遅くに女を訪ねてきた。] そして一枚の羊皮紙を女の前に差し出した。] 契約書です。 [ 持ってきたのは吉報ではなく契約書だと言う。 そこに書かれていたのは二人の間に交わされる取り決めだった。] (38) 2022/03/14(Mon) 22:54:29 |
【人】 商人 J一つ、捜索に係る費用については依頼者の負担とする 一つ、依頼者は捜索対象に最終的につけられた価値の2割を請負人に報酬として支払う。 一つ、捜索対象を見つけられなかった場合、請負人は依頼者にすべての費用を返還する。 最後に、依頼者、請負人、共にこの契約の履行に最大限の責務を負うものとする。 (39) 2022/03/14(Mon) 22:54:43 |
【人】 商人 J[ 黒のインクで書かれたそこには署名欄が二つ。] 口約束でも構いませんが。 これは貴方が私から取り立てる際のためと思ってください。 [ 男は言う。 この件に関して女から金を絞りとるだけ搾り取って知らぬ振りをしたとして、女には男から、ケリオス商会から反故のペナルティを取り立てる手立てがないということを。] それはフェアではない。 だからこれを用意しました。 [ そう言って男は署名欄に『ケリオス商会 ジュダス』の名を書き記し、そして小さなナイフで指先を切ると自分の名前の上に紅を引いた。] 口約束のままにするか、サインするか。 それは貴方が決めるといい。 心配しなくても、口約束のままでも仕事しますよ。 [ だから強制はしないと男は言う。] (40) 2022/03/14(Mon) 22:56:24 |
【人】 商人 J[ 契約は結ばれただろうか。 それとも、女はそれを怪しんでサインを拒んだだろうか。] では早速。 ある男が最近になって青い宝石の装飾品を手に入れた。 そういう情報が入りました。 [ そのこと自体は真実であった。 故に女が別の伝手を使っていれば、その情報を得ることもあっただろう。] それを明日、確かめに行きます。 一緒に行きますか? [ 薄く笑う男は女をじっと見つめていた。 否、黒い眼鏡の奥の瞳は今も女には見えぬまま。]* (41) 2022/03/14(Mon) 23:01:00 |
【人】 旅人 J[ジャンヌ・アンペール。 それが女の名だった。 故郷を出てから名を訊ねられると 「誰でもないわ」 と、誰にも一貫してそう答えてきたが 真名を明かさせ書き記させるのすら 恋の麻薬には容易いことだ。] (46) 2022/03/15(Tue) 0:03:27 |
【人】 旅人 J[彼に倣い、旅に携行しているナイフで 親指を傷付け名の上に色を引いた。 余り得意な色ではないから……、 書類はすぐに返した。] (47) 2022/03/15(Tue) 0:03:51 |
【人】 旅人 J[時間や場所を指定して貰えるなら胸に刻むだろう。 他にも話したかも知れない。 用件が終わり彼が帰る時は呼び止め、 紙で包んだ軽食を渡す。 すきなまかないを作ってみろと言われ チャレンジしたクロック・ムッシュ。 山ほど失敗した末にできたまともな品。] あの……これ、良かったら持って行って 私の故郷の料理、なの 作り過ぎて……食べきれないから [棄てても構わないわと言い添えて。 食べきれそうにないのは事実だ。 彼が来ることを予期して残しておいた訳ではない。 だけど受け取って貰えたなら、私はきっと。**] (49) 2022/03/15(Tue) 0:54:13 |
【人】 商人 J[ ジャンヌ・アンペール。 それが女の名だった。 そして男は確信する。 この女が自分に惹かれているということを。 その顔は相変わらず人形の様に変わらないが。 その目が伝える。 その声が伝える。 夜遅くに訪ねてきた者に対する警戒の無さ。 三日前は、最低限の気構えはあったというのに、あっさりと示された契約書に本当の名を記すほどに、今、女の目は曇っているように思えた。] (50) 2022/03/15(Tue) 8:22:42 |
【人】 商人 J[ 男は苦笑いを堪えるためにかなりの努力を要した。 頼る者もなく、探す宛もなく、事件から向こうだったひとりでここまで来たのだろう。箱入り娘だったはずの女。その胆力は賞賛に値する。] 賞賛はまだ早い。 貴方の探し物と決まったわけではないのですから。 [ 欺瞞に満ちた言葉。 そうではない≠ニ知っていて吐いた言葉は女の耳には謙虚として届くだろうか。いずれにせよ悪い響きとはならないだろう。] この契約書の効力は一週間。 まだ、始まったばかりです。 [ 契約者を受け取ると、朱を引いた女の指を手に取り、それを自分の唇まで運ぶと、ちうと軽く血を吸い舌先で薄く傷を舐った。] (51) 2022/03/15(Tue) 8:23:03 |
【人】 商人 J[ 唇を離せば、懐からハンカチを取り出しそれを破いた。 指へ巻くにちょうどいい即席のバンテージ。それを女の指に緩く巻き付け器用に結んだ。] ところで、なぜあんな事を? [ あんな事、とは女が働いている事を指していた。 待つだけの時間が手持ち無沙汰とでも言うのだろうか。] 失礼。 予想の斜め上に更に向こう側だったもので。 [ 男の薄い笑みが、微かに可笑しそうに笑った。] (52) 2022/03/15(Tue) 8:23:19 |
【人】 商人 J[ 帰路。 女の部屋を出て寝ぐらに戻るその途中。] ……愚かな女だ。 [ 込み上げる笑いを噛み殺しながら、月明かりの道を歩く。 思っていた以上に事は容易に進んでいる。 もう少し警戒されていると思っていたが、よりにも寄って好意を寄せられているらしい。] ………… [ スラムと呼ばれる区画に入ると、男は女から受け取ったそれを道端に放り捨てた。そしてそれは、次の瞬間にはどこからか現れた野良犬が咥えて何処ぞへと消えていった。] (54) 2022/03/15(Tue) 8:23:59 |
【人】 商人 J── 翌日 ── [ 太陽が最も高く位置した頃、男は扉を三度叩いた。 約束よりもまだ少し早い時間。] ジュダスです。 [ 扉を開けば、そこにはいつも通りの装いで、いつも通り後ろで手を組んだ男が立っているだろう。]* (55) 2022/03/15(Tue) 8:24:17 |
【人】 旅人 J[突然に愛する家族を奪われて 傷つき方も癒し方もわからずに 幽鬼のように日々を食い潰しながら 出口のわからぬ闇夜を直進む女にとって 恋とは、涙の跡を乾かし 顔を上げさせてくれる そよ風のようなものだった。 燃え上がるようなものではないけれど ずっと止まっていた気のする時計の針を 僅か進めてくれた。 逃避に、他ならないとしても、 それは確かにW生きる希望Wだった。] (56) 2022/03/15(Tue) 10:25:14 |
【人】 旅人 J……。 [甘く疼くような感覚に戸惑い 声を漏らすこともなく 顔を赤くし困ったように眉を下げ彼を見つめていた。 抗議したいのではなく、 単純にどうしたら良いかわからなかった。] あ、ありがとう……貴方のは私がするわね [傷口を覆って貰ったことに感謝し、 破かれたハンカチの残りを取り彼の指に巻きつけた。 服も他人に着せて貰っていたような人間だから 彼のように器用にはいかず、二度ほどやり直して。 血を吸う、なんて大それたことは、できなかった。 したくない、わけでは……断じてなく。] (59) 2022/03/15(Tue) 10:26:50 |
【人】 旅人 J……お仕事は、同時に何人にも 頼まないようにしているの そうされているのを知ったら 余り気分が良くないのではなくて? 私のようなものがそんなことをしたら このように簡単にわかってしまうのでしょう 本当に、この街のことでわからないことはないのね [接触の都合で並行依頼がなかったとは言わないが 愚直さと効率の悪さを露呈する。] ジュダス様に任せると決めたから 貴方が投げるまで他は当たらないわ 貴方は必要なことを全てして下さるから 私は自分の手で探すのをお休みして時間が得られたの [移動して。餌を撒いて。交渉して。また餌を撒いて。 哀しむ時間を奪ってくれるから多忙は悪くない。 だけどゆとりのできた今は、より悪くないものだった。 逃避の道があるからこそ、であるけれど。] (61) 2022/03/15(Tue) 10:28:11 |
【人】 旅人 J恥ずかしいけれど 働いたことがなかったの お仕事って、大変なのね 貴方のお仕事は、特に大変そうだわ [彼の稼業をすべて知りもしない癖に、女は。] 私を見つけてくださったこと お仕事を受けてくださったこと 感謝しているわ [商品≠フ物色中に目をつけられたことも 勿論知らない女は、呑気に感謝の気持ちを伝えるのだ。] (62) 2022/03/15(Tue) 10:28:38 |
【人】 旅人 J── 翌日 ── [朝のうちにアルバイトの休みの連絡を入れた。 元々、期間不定の日雇いのようなものだ。 行かなくなったところで、騒がれたりしない。 故郷へ連絡を入れてもいないのは、 闇商人の彼には簡単に掌握できることだろう。 女が消えたところで、探そうとするものはいない。] (64) 2022/03/15(Tue) 11:04:15 |
【人】 旅人 J[昨日作りすぎたクロック・ムッシュ。 冷めてかたくなったそれを朝餉にして。 エプロンと三角巾ではなく 鎧と剣と眼帯、旅の装いで彼を待った。 何でもない私は、何にも知らずに。] (65) 2022/03/15(Tue) 11:05:45 |
【人】 商人 J[ 現れた女は前よりも血色が良く見えた。 少しは休息と栄養を取る余裕ができたのだろうか。] 今回は品定め≠ナす。 勿論、現物であればその場で交渉に入りますが。 [ 『あなたの手に入れたものを見せてください』なんて事は通らない。あくまでも商売人として、先方が手に入れたものを値踏みしにいく。そういう体だ。 とはいえ、実際に交渉が始まることなどあるはずもないのだが。] 相手はこの町でも有数の富豪です。 くれぐれもお気をつけください。 [ まるで女を案ずるように、男は忠告を与える。] (67) 2022/03/15(Tue) 12:49:18 |
【人】 商人 J[ それはブルーノという男だった。 随分と腹の出た中年で、頭髪もやや薄くなっていた。身なりは良質な素材ではあったが、趣味は決していいとは言えない。 いかにも品位を持たない金持ちの商人といった風だ。] では、早速。 [ 屋敷の中で品定めが始める。 ブルーノが出してきた宝石類は数十にも及んだ。 大きさは申し分ないが傷モノだったり、逆に完璧な美しさを備えているものまで、多種多様に。] なるほど、流石ブルーノ様。 素晴らしい品々です。 [ 男は褒めちぎる。対してブルーノはどこが満足気だった。] (68) 2022/03/15(Tue) 12:49:54 |
【人】 商人 J[ たが、ブルーノが女を見る。 まるで爬虫類の様なギョロリとした目が、女の全身を舐め回す様に。 そんな下卑た視線を男がそっと逸らす。] ……ブルーノ様、 そろそろ例のアレをお見せ願いますか? [ そう言われてブルーノは女から視線を外すと、ニヤリと得意気に笑ってそれを持って来させた。 美しく輝く青の宝石。 それを抱く、女神のブローチ。 確かに似ている。 だが、女が探しているのはそれではない。] (69) 2022/03/15(Tue) 12:50:39 |
【人】 商人 J[ 女は落胆を示していただろうか。 その後、男はブルーノと商談をまとめ、傷モノの宝石を数点買い上げた。] 申し訳ありません。 空振りでした。 [ 屋敷を出て少しすると男はやや肩を落としながら女に謝罪した。 情報屋を使い、青の宝石のブローチをブルーノが手に入れたところまでは突き止めた。だけど、それがどの様なモノなのかまで詳細には知る術がなかったのだ。男は女にそう伝える。] もう少し、回りましょうか。 [ 青の宝石についてブルーノ以上に有力な情報はない。それでも可能性はゼロではないと、他の商人や富豪の元を訪れる事を女に提案した。 勿論、その全てが空振りに終わると分かっていながら。]* (70) 2022/03/15(Tue) 12:51:32 |
【人】 旅人 J[男と共に歩く外は。外の世界は。 少しだけ違って見えた。 渡したものは召し上がってくれたかしら。 お口に、あったかしら。 そんなはしたないことは聞けない。 焦げた失敗作を自分で食べて 成功した一つを彼に渡せた事が嬉しい。 それで満足。 ブローチに手が届く前に私は 嬉しいをひとつ取り戻せたの。] (72) 2022/03/15(Tue) 14:56:21 |
【人】 旅人 J……。 [そっと俯いた。 また駄目だったという徒労感には慣れない。 だけどまだ探せるということでもある。 見つけた時自分の次の目標は何になるのだろう。] (75) 2022/03/15(Tue) 14:58:49 |
【人】 旅人 J[屋敷を後にした。 謝罪には、首を振る。>>70] 仕方ないわ。良く似ていたし ずっと空振り続きだから 気にしなくて大丈夫よ [だからどうか肩など落とさないで欲しい。] 今日は他にすることもないから 貴方さえ良ければ、同行させて頂くわ ただ私は余り名乗りたくないし 今のように後ろで控えているつもりだけれど 大丈夫かしら? お仕事の足を引っ張ってはいないかしら…… [ブルーノが全身を舐めるように見てきたのは 自分が商談の場に不要な存在だからだと思っている。 自分が領主を継がずに嫁ごうとしていたように男社会だ。 居るだけで、女は邪魔なのだ。 そんな認識の下、男を案じて見せた。] (76) 2022/03/15(Tue) 15:03:15 |
【人】 旅人 J[その話の後か、他の屋敷と屋敷の間にか。] 契約を纏める時に訊ねなくて御免なさい もしブローチが見つかった時 お支払いはいつ迄待って頂けるかしら 踏み倒す気はないのよ ただ万が一、手元の資金が不足した時に備えて 今の内に故郷に 文を飛ばしておかないといけないかと…… [何色にも染まる真白な髪を揺らし歩きながら訊ねた。 即金以外あり得ないのか、 一時建て替えてくれる仕組みなどないのか。 女はそんなことも知らず。 助けてくれるかも知れぬ存在を散らつかせた。*] (77) 2022/03/15(Tue) 15:05:21 |
【人】 商人 J[ 今度は男が首を振った。] 足を引っ張っているなど。 これは貴方の探し物です。 貴方の目で真贋を確かめなければなりません。 [ そう品定め≠ノはお前が必要だ。 そんな本音はおくびにも出さず、 男は女の身を案じる様に優しく言葉を続ける。] お疲れではないですか? あの様な男の前に立つのは。 でも、どうか安心してほしい。 貴方の身はこの私が必ずお守りする。 [ 冷たい男の右手が、女の左頬にそっと触れる。] (78) 2022/03/15(Tue) 19:21:06 |
【人】 商人 J[ 優男の真似事などと内心苦笑しつつも、女を掌中に入れるのにそれが一番手っ取り早いのも事実。] ジャンヌ……そう呼んでも? [ 冷たい手のひら、見えない瞳。 それでも男は優しげな声でそう女の名前を呼んだ。] 貴方には私がついている。 だから、心配も不安も何も要りません。 [ 絡め取っていく。 優しい声で、優しい手つきで、牙を突き立てるその瞬間までは。] (79) 2022/03/15(Tue) 19:21:27 |
【人】 商人 J[ 契約、それは互いを縛る制約。 男の用意した契約書には魔法によるギアスが掛けられていた。 契約書の期限は7日間。 それまでに男はブローチを探し出さなければならないし、女もまた契約を履行しなければならない。 契約が不履行となれば、履行できなかった者はその代償に身体の自由を奪われる。 ギアスに抗う事は不可能ではないが、千の針で全身を貫かれる痛みに襲われることになる。 血で交わされた契約は、高位の神官でも解く事はできないと言われている。] (80) 2022/03/15(Tue) 19:21:56 |
【人】 商人 J[ 揺れる美しい白い髪を眺めながら、男は薄笑みを湛えたまま。] いつまでも。 とはいえ、1年も2年もと言われると困りますが。 でも、貴方のことは信じていますから。 支払えるときにお支払い頂けたら。 [ 男は待つと言葉にする。 だが、男が待つとしても契約書はその力を発揮する。 女が本当に金を用意できようと、できなかろうと、契約書に血を染み込ませた時点で男の目的はほぼ達成していた。] (81) 2022/03/15(Tue) 19:22:15 |
【人】 商人 Jさて、では次はこちらです。 [ それから男は女を4人の商人に引き合わせた。 だが、収穫などあるはずもない。 そして、4人ともがブルーノと同じ様な目を女へと向けていた。]* (82) 2022/03/15(Tue) 19:22:38 |
【人】 旅人 J[彼には、女の身を守る義務はない。 なのにどうして、そう言ってくれるのか。 回らぬ頭では解決しようもない。 男の温かく優しい言葉が染み渡っていく。 その反面、手のひらがやけに冷たいのは 自分の頬が熱い所為、だけだろうか。 温もりを分け与えようと 右手を左手で包むように触れた。] ……はい。……ジュダス様を、信じてますから 疲れてもいません。私は、大丈夫 [羽根が糸にかかり宙に浮く羽虫。 捕われたことにも気づかない。] (85) 2022/03/15(Tue) 21:39:13 |
【人】 旅人 Jええ。 [その後連れられるまま4人の商人と会ったが 願いの品は見つけられず。 その間、女は人形のように大人しく 時に行儀良く挨拶をして過ごし。 存分に品を定められたのだろう。] (87) 2022/03/15(Tue) 21:41:08 |
【人】 旅人 J……そう簡単には見つからないわよね 契約書には、見つからなかった場合 すべての費用を返還するとありましたが もしそうなっても、 お気持ち分の日当はお支払いするわ…… ああいえ、見つかるとは、思っているのよ? [書類の仕込みにはもちろん気付いていない。 男のフォローのようなこともする。 お人好しの馬鹿な娘だ。 歩くのは旅で強制的に慣れた。 だけど、人と会うのはそうでもない。 顔には多少の疲労が浮かんでいた。*] (88) 2022/03/15(Tue) 21:44:28 |
【人】 商人 J[ 五度、空振りを繰り返せば流石に落胆したのか、女は見つからなかったときの話を口にする。見つからぬことなどないと知っている男は表情を崩すことなく腹の中で嘲笑した。] 見つけて見せますよ。 だから、心配しないで待っていてください。 私は貴方の力になりたいのです。 だから、お気持ちだけ戴いておきます。 [ 女の手をとって、布が巻かれたままの指先へと唇を触れさせる。 初心なお嬢さんには気障なぐらいがちょうどいいだろう。] 疲れましたか? そろそろ宿に戻りましょう。 [ 品定め≠ヘ済んだ。 あとはゆっくりと契約書の期限を待つだけ。] (89) 2022/03/16(Wed) 6:50:18 |
【人】 商人 J[ 男は女について調査をさせていた。 あの事件について、生き残ったのは本当に女だけだったのか、後ろ盾となる存在はいないのか。 なぜ、あの家が襲われたのか。 アンペール家。 大陸の西に位置する貴族。 それが、娘ひとりを残して皆殺しの目に遭うなど。 それも物盗りによって。 俄には信じ難い。] (90) 2022/03/16(Wed) 6:51:03 |
【人】 商人 Jジャンヌ…… [ 宿につくと男は女の名を呼んだ。 少しバツの悪そうな雰囲気で、女の右頬に手を伸ばす。] 聞いてもいいですか? 貴方のその目のことを。 [ 髪と眼帯で隠された右目。 美しい白い髪、端正な顔立ちに綺麗な左の瞳。 澄ました表情がまるで人形の様でもあるというのに、重苦しい右目の眼帯がその美しさを損ねている。] 話したくなければ話さなくてもいいですが。 [ そう言って、触れた頬をそっと撫でた。]* (91) 2022/03/16(Wed) 6:53:40 |
【人】 旅人 J[元婚約者の名は、ロジェ・ド・メーストル。 祖国の大半の土地は、その男の手中にあった。 一人で持つには余りに広大な領地。 ボードゲームを楽しむかのように 領主の一人娘と七度の結婚を経て支配地を広げ 妻は皆、20半ばを迎える前に亡くなっている。 欲の尽きぬ男。 大領主であり、魔術師であった。 国は、彼の毒に冒されている。] (93) 2022/03/16(Wed) 13:57:12 |
【人】 旅人 J[狙われた領主達は、気付いていない。 男児を得ると皆流れるか 幼くして亡くなってしまうことの奇妙さに。 そうして漸く得た娘を妻の変死が続く男へ 嫁がせることに、抵抗を覚えることもない。 どちらも出来ないのだ。男の術がそうさせる。 ともすれば、 年齢すら人としての常識を超えている筈だが 大領主には疑問を抱くことも土地のものには出来ない。 外部の者が調べようとしても、 ヴェールがかかったように 大領主の周りだけが不鮮明であろう。 魔術に長けた者が見たなら、或いは……。] (94) 2022/03/16(Wed) 13:57:40 |
【人】 旅人 J[娘は魔術師ではないが、ある種特別だった。 鉛色の瞳は、無垢で、魔術の類を通さない。 隻眼となり半減しているものの それは、ギフトである。 誰もが受け入れている虚構ではなく ただ一人真実を、事実だけを見ていた。 だが、愚かであった。 悪魔のような男に嫁がせると言った 両親の言葉をそのまま受け入れた。 娘は、親の言いなりだ。 互いの景色が異なっていることに気づかない。 効果はそれだけではないが……、 旅の中、何度ギフトによって 助けられたかも理解していない。] (95) 2022/03/16(Wed) 13:59:07 |
【人】 旅人 J[事件の日。 大領主はほんの気まぐれにアンペールの屋敷を訪れた。 成人を待つという約束も男には意味がないものだ。 花を摘むより容易く婚約者の寝室へ忍び込んだ男は、 そこで漸く取るに足らぬ女の特異性に気が付いた。 それから────……] (96) 2022/03/16(Wed) 13:59:38 |
【人】 旅人 J[想う相手に顔の疵の話は憚られるが 彼とどうにかなりたい訳じゃない。 子供を宥めるように優しく頬を撫でてもくれた 彼の立場を悪くするような存在にはなりたくない。] ……ご確認、なさいますか……? [隻眼が上目に不安げに見つめる。 進んで見せたいものではないが 彼の邪魔にならぬためならば吝かではないのだ。 今より上手く傷を隠す方法だとか、 彼なら知っているかも知れない。 求められれば自ら捲り上げるつもりで訊ね答えを待つ。*] (98) 2022/03/16(Wed) 14:05:28 |
【人】 旅人 J──>>97と>>98の間── [自分の隠した右目。>>91 今日は5人の商人と会ったが そのどれもで余り気持ちの良くない目で見られたのは この眼帯で隠す目の所為だったのだろうか。 不気味な女を商談の場に連れるなと 自分の目の届かぬ所でお叱りを受けたのだろうか。 それはとても申し訳のないこと。] あ、の……っ御免なさい…… こちらの目は、怪我をしているの 酷く醜くて、気持ちの悪い状態だから 隠しているわ…… 見えたら気分が悪いはずよ [一つ目の屋敷の後の会話では 特に言われなかった。 最後の屋敷の商人からの指摘だろうか。 直接謝罪しに行くべきかと焦り早口に話した。] (99) 2022/03/16(Wed) 14:08:37 |
旅人 Jは、メモを貼った。 (a0) 2022/03/16(Wed) 14:17:23 |
【人】 商人 J[ 本当に何の因果だろうか。 それとも、因果ではなく必然なのか。] ええ、見せてください。 もしも貴方が嫌でなければ。 [ 男は試す様に女にその醜さを曝け出させる。] 傷ならば治せるかもしれません。 そうでなくとも、それを見て気分を悪くするなどと。 そのようなことは決してないと約束しましょう。 [ 頬を撫でる指が冷たく硬い眼帯の縁をなぞる。]* (100) 2022/03/16(Wed) 17:40:58 |
【人】 旅人 J[そこには、左目を中心にして額から頬に至る Xの形に刻まれた大きな傷痕があった。 目は開かれており、右目よりも色が薄い。 いまは光を失っており 焦点など合うはずもないその目には 虹彩 どころか脳 に至る深き損傷によって後天的な虹彩異色症が表れていた。 そしてその肌の傷は、瞳は、 一秒ごとに元の姿と機能を取り戻そうとしている。 よく観察したならそれがわかるかも知れない。] (102) 2022/03/16(Wed) 19:06:21 |
【人】 旅人 J[自己再生能力。 精神に働きかける系統の術への対魔力と それこそが娘に与えられたギフト。 女自身が見てくれへの関心が低いために 眼帯の下はごく緩やかに治癒が進んでいた。 今は視線を受ける意識からやや活発化しており 死に至るほどの損傷には立ち所に発揮される、 そういったもので。 女は自覚無しに一度死の淵から戻ったことがある。 不死ではない。痛みも苦しみもある。 だが女が病気や外傷では 簡単には死ねないことを意味していた。] (103) 2022/03/16(Wed) 19:11:53 |
【人】 旅人 Jこれでも少しは治ってきたのだけれど…… [何の跡もない前髪の生え際を摩る。 大凡自然治癒する程度の傷ではないものを 当たり前のことのように漏らす。 見えないが布の巻かれた指の傷は跡形もない。*] (104) 2022/03/16(Wed) 19:14:01 |
旅人 Jは、メモを貼った。 (a1) 2022/03/16(Wed) 19:16:57 |
【人】 商人 J[ それは眼帯の奥から現れた。 斜十字に切り裂かれた傷、光を失った瞳。 それを元に戻そうと蠢くそれは男の想像以上におぞましく醜かった。] 元に……戻るのですか? [ 美を損ねる程度の傷であれば治してやることも考えた。 だが、その傷は思っていたよりも遥かに深く、死に至っていてもおかしくはなかったと想像させる。] 痛みは? 私の顔は見えていますか? [ 頬に触れ眼帯をなぞった指先が再生を続ける瞳に触れるか触れないか、その際まで伸びる。] (105) 2022/03/16(Wed) 21:02:22 |
【人】 商人 J[ ─── アンペールの魔女。 男の脳裏に浮かんだ言葉、それはどこかで聞いた大昔の話。] 不躾なことをしました。 レディに傷を晒せなどと。 [ 指を離すともう一度だけ女の頬を撫でた。] これは……私と貴方だけの秘密としましょう。 [ 男は驚きと共に歓喜した。]* (106) 2022/03/16(Wed) 21:03:57 |
【人】 旅人 J[二人だけの秘密。こくりと頷いた。 心を擽る言葉も、何度聴かせてくれただろう。 優しい彼の声色が好き。 前髪を下ろし、右目を隠して。] ……あの。今日じゃなくても良いのだけれど [歯切れ悪く言葉を発する。 自分が見せたばかりで言うのは、ずるくないかしら。 断りにくくはないかしら。 そんな風に躊躇いながら続けた。] (109) 2022/03/16(Wed) 21:52:54 |
【人】 商人 J[ 女の願いは予想できたことだった。 以前から女が自身の目を覗き込もうとしてたのはわかっていた。] 私の目、ですか? 特に面白いものではないですが。 [ 緩慢な動作。 眼鏡の左右両方フレームを掴んでゆっくりと外した。 現れたのはやや細く引かれた目だった。 その奥にあるのはどこか無機質な瞳。 瞳孔が開いたまま動かないのがそう見せるのかもしれない。 眼鏡の外に見えていた刺青は、目を縦に切り裂くように描かれていた。] (111) 2022/03/17(Thu) 0:18:50 |
【人】 商人 J視力はほとんどありません。 この距離で貴方の美しい顔も見えない。 [ 外した時と同じように緩慢な動作で眼鏡をかけ直す。 急激な視界の変化で少しだけ頭痛がする。] これで貴方の顔もハッキリと見える。 [ 薄い笑みが僅かに微笑みへと変わった。] (112) 2022/03/17(Thu) 0:19:06 |
【人】 商人 J[ そうしていると何かが窓を叩く音が耳に届く。 男は女を手で制すると、叩かれたらしい窓を開けた。 すると、そこにいたのは一羽の黒い鳥だった。] ご心配なく。 私の鴉です。 [ 男は鳥な頭に指をかざす。 鴉は魔法を使ったメッセンジャーであり男に伝言をつたえていた。] ……目当てのものが見つかった様です。 [ それは女にとって吉報であり、凶兆であった。] (113) 2022/03/17(Thu) 0:19:23 |
【人】 商人 J近々オークションが開催されます。 どうやらそこに出品されるらしい。 [ それこそケリオス商会の催す闇オークションであり、出品者はこの男自身に他ならないのだが。] 青の宝石を抱く翼のブローチ。 今度こそ当たりの様ですね。 [黒い鴉が翼を大きくはためかせて飛んでいった。] (114) 2022/03/17(Thu) 0:20:08 |
【人】 商人 J[ 男が女に伝えたのはオークションの開かれる場所と日時。 それは契約者の期限となる最後の日で、場所はスラム街の一角であった。] どうします? 私に任せますか? それとも一緒に行きますか? [ 男は薄笑みのまま女を見つめていた。]* (115) 2022/03/17(Thu) 0:20:40 |
【人】 旅人 J[彼は想像よりあっさりと了承してくれた。>>111 こくこくと頷き、本当に良いのと、 ドキドキ鳴る心臓を抑えながら待つ眼前で ゆっくりと、眼鏡が外されていった。] ……。 [その動作に僅かに引っ掛かりを覚えつつも、 晒してくれた彼の素顔に……、目が釘付けになる。 やや細めに開かれた目の奥に無機質な宝石。 自分にはとても優しいのに少しだけ冷たい印象。 眼鏡の下に見えていた刺青は 真っ直ぐに瞳の上の瞼まで伸びている。 少し、傷のある自分の右目のようだと思った。 ええいえ、彼の方がずっと綺麗だけれど。 その退廃的な美しさも眼福だがそれよりも。 これがすきなひとの顔なのだと感動した。] (116) 2022/03/17(Thu) 7:32:15 |
【人】 旅人 J[眼鏡を掛け直す動きもまた ゆっくりとしたものだった。>>112 自分の眼帯は見る人を怖がらせない為だが、 眼鏡は、彼の目を守ってくれているもの。 それに漸く気付いて、我儘を言ったことを悔いた。 だけど、伝えるのは謝罪ではなく礼にしておこう。] ……っう、うつくし……っ? あ、あわ、あの……その、ありがとう…… お顔を見せてくれたのも……感謝するわ 貴方こそ……とても美しかったわ。いえ、美しい…… [彼に容姿を誉められたのは、記憶の限り初めてで、 動揺して吃りながらそれにも礼を言った。 彼の口許の微笑みが眩しい。 眼鏡の奥ではあの瞳をきっと、細めているのかしら。] (117) 2022/03/17(Thu) 7:33:19 |
【人】 旅人 J[旅の終わりが近い。 それは、きっと良いことだ。 家族が帰ってくることはないけれど 資金が尽きて品も見つからず 宙に浮いたままになるよりは、きっと。] (120) 2022/03/17(Thu) 7:34:58 |
【人】 旅人 J[伝えて貰った場所と日時を記憶する。>>115 契約書の期限の最終日。 支払いは待ってくれると口頭では聞いたから 万が一資金が足りなくても大丈夫だわ。 スラム街という場所はやや危険そうだが 旅で自分の身を剣一つで守ってきた自負がある。 そして何より、彼が守ってくれる。 彼がいれば心配も不安も要らないの。何もよ。>>79] 行きたいわ、一緒に…… どうか連れて行って下さい [私の探し物だから、真贋を見極めるのも私。>>78 それだけでなく。貴方と共にありたいの。 闇夜を強く羽ばたく鴉のように有能じゃない。 何色にも染まる、何者にもなれる真白の雛鳥は。 白も黒も併せ持つ灰色の貴方についていく。] (121) 2022/03/17(Thu) 7:42:50 |
[1] [2] [3] [4] [5] [メモ 匿名メモ/メモ履歴] / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 エピローグ 終了 / 最新