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【人】 1117 闇谷 暁「あと、だからって、 ここに残ってやる気は無い。」 元々、ここに滞在するのであれば 『私がテロを企てました』と言うだけで叶うのだから 報酬はくだらない事に使ってやるつもりだった。 腕から二人を解放すれば 廊下の監視カメラの位置を確認し、 手元にハンディカメラを用意する。 性行為の様子を自ら記録しろと、先日与えられた物だ。 「えー……、 録画開始ってどこ押してたっけ……」 ───かち、とカメラが鳴って、 小さなランプが赤く灯り、容量を消費し始めた事を示した。 (21) 2021/10/04(Mon) 6:25:09 |
【独】 1117 闇谷 暁「……俺の話をしよう。 番号1117、闇谷 暁。 警察官の父を持った探偵───元、と名乗った方が良いだろうか?」 つらつらと、時に臨場感を出して語る。 その内容は己の生い立ちから、携わった事件の話が殆ど。 「父は幼少期に、仕事に出かけてそのまま帰らなかった。母は俺を産んですぐにこの世を去っていた。 俺は祖母と、やけに人懐っこい幼馴染と共に育った。」 なるべく面白く、『見せ物』になるように。 要は、この映像を公共の電波に流させれば良いのだ。 「人懐っこいそいつは、名ばかりの助手だった。 家庭環境に問題のあるそいつは、時々寂しそうな目で俺を見た。俺は幼馴染をよく家に招いた。」 金になるなら、少年院側は何でも行う。 それは、この数日でよく理解させられていた。 「……気付いていたんだ、本当は。 幼馴染の家庭を壊したのは、俺の父だった。とは言え、父は仕事を全うしたに過ぎない。 ……逆恨み、と言おうか。それが息子の俺に向くのは、当然の事だった。」 (-119) 2021/10/04(Mon) 6:25:43 |
【独】 1117 闇谷 暁「 お前が俺を陥れたんだよな。 」瞳を伏せる。 レンズ越しに、幼馴染の名前を呼んだ。 「……本当は、告発するつもりじゃなかった。 洗わせて、褒美とやらでお前の事も守りたかった。 ……過去形だ。もっと大事な人が出来た。」 ハンディカメラのボタンを押す。 赤いランプがちかちか点滅して、それから消えた。 「───さよなら。 大切な、俺の助手だった者よ。 孤独なお前もきっと寂しくなくなるような素敵な人に、 会わせてやりたかったよ。」 国中に、そして画面の向こうの確かな誰かへ向けた大きなW独り言Wは そうして紡ぐことを終えた。 (-120) 2021/10/04(Mon) 6:27:21 |
【人】 1117 闇谷 暁>>貴戸/迷彩 独り言を収めたカメラに軽く触れて 録画された内容を確認すれば、ふ、と息を吐く。 恋人へ、お前も使うかと視線を向けた。 半分くらいは冗談だ。 「……高志、リョウ。 外に出たら行きたい場所、考えておけよ。」 三人分の『報酬』があれば 空論も叶うと思えるような気がする。 そんな未来に想いを馳せられることが どれだけ幸せなことだろう。 (22) 2021/10/04(Mon) 6:28:09 |
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