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【秘】 普通 ナツメ → 規律 ユス『怖くない用事なら、大丈夫。 例えばどんなこと?』 議場の隅、少女はちょっとおかしそうに笑っている。 分かりやすく話す気がない、ってこういうことかぁ。 (-173) 2022/02/27(Sun) 18:30:37 |
【秘】 規律 ユス → 普通 ナツメ『ナツメのことを知るため。 具体的に言えば何を思って議論に臨んでいるとか、どういうことを考えているとか、そういう事だな。 少しでもこういう人柄なのだと把握するために話だ。勿論お前が話したくないなら聞かない。怖い用事にはさせたくない』 一方、こちらの青年は相変わらず無愛想のまま真面目に書いては送信している。 (-174) 2022/02/27(Sun) 18:37:30 |
【秘】 剣道 ツルギ → 規律 ユス「俺は」「ロクデナシの父親だ。」 俺がロクデナシなのか、俺の父親がロクデナシなのか、どっちにもとれるね。どっちでもいいよ、同じだから。 「子供の世話もしなかったし、名前だって考えなかったし、」 「…………あの子供を、タニシの卵みたいだと思った。」 ここで君が気持ち悪いって言ったり、嫌そうな顔したら殺しちゃおう。 「赤ちゃんって…体温が高くてさ、抱くと服越しでも人肌の温もりがあっという間に伝わるんだよ。」 「よく親の自覚が芽生えたときの話で初めて抱っこした瞬間≠言う人がいるけど、」 いいよな?それでも。俺がそうしたいから。抵抗しないよな? 自分の家族を殺すって決めたんだから、自分が死んだってどうでもいいだろ? 「………あれは、」 「………本当に、」 「そうだと思う。」 (-175) 2022/02/27(Sun) 18:40:51 |
【秘】 剣道 ツルギ → 規律 ユス「俺は自分と……… 母さん の娘を抱いた瞬間、吐き気がした。鳥肌が立って、この怪物を今すぐグチャグチャにしてトイレに捨てたくなった。俺にとっての親の自覚がこれ。」 ふふ、はは。声にならない笑みが溢れていく。 我ながら、最低だ。最悪で、どうしようもない。 「………でも、バチが当たったのかなぁ……」 「すごく似てたんだ、俺に。」 目が開いて、髪が生えて。同じ色の瞳が俺を追いかけるようになった。 その度に俺は叫んで、逃げて、自分の部屋に引きこもって。 そのドアを爪でひっかく、自分よりずっとずっと小さな怪物に情けないくらい怯えていた。 「それでさ、気付いたんだよ。」 「 俺がタニシの卵なんだって。 親がそうだから、子供もそうなった。つまり因果応報。だって…、だって、そうだろ?」 (-177) 2022/02/27(Sun) 18:41:59 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギW俺はWWロクデナシの父親だ。W 表情に変化はない。 W…………あの子供を、タニシの卵みたいだと思った。W 表情に変化はない。 妹や弟に触れたことはある。父や母に撫でられたことはある。きっと、そんなものよりも遥かにW生きているWと感じられる存在。 赤ん坊を抱く機会が無かったから、ぼんやりとした想像を頭に描き続ける。 ▼ (-187) 2022/02/27(Sun) 19:24:07 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ そうして、一人の青年の、男の、父親の、息子の独白を聞いた。 「…………」 指先一つ動かない。人らしい仕草といえば、時折行われる瞬きくらいか。 どんな言葉をかけようか頭を働かせる。周囲という世間一般的な反応をかき集めれば、それらしい言葉はいくらでも見つかった。 大変だったな? それでもお前は悪くない? よくそんなことが出来たな? 今まで頑張ってきたんだね? 父親失格? 頭の中に押し込まれた、曖昧な輪郭しか無いW世間一般Wという人間の皮が、一斉に騒ぎ立て始める。 ああ、煩いな。 邪魔だったから頭の中にあった薄っぺらい大衆の反応は捨てた。あんなもの、人に紛れて生きることにしか使えない。 本音を晒せる相手で、俺にとって生きる意味で、他の人間より特別な貴方。 それなら自分の思ったことを話すのみ。 ▼ (-189) 2022/02/27(Sun) 19:25:27 |
【秘】 規律 ユス → 剣道 ツルギ 無色透明な瞳は、わらう貴方を捉え続ける。 「ツルギ」 「俺はお前の気持ちがわからないから、俺の言いたいことを言う」 「Wタニシの卵と一緒。なるべく死んでほしいって俺は思う。 絶滅するべきだ。この世にいた形跡を一切残さず、死んでほしい。W 先程お前が放った言葉だ。 そして、確認しよう。 タニシの卵を殺したいか?」 答えを言うのに必要な問いを投げる。 俺は俺に必要なことしか言わない。 (-190) 2022/02/27(Sun) 19:28:25 |
【秘】 不運 フカワ → 規律 ユス『俺も違います』 『信じることに、しますね』 信じる理由も信じない理由もない、ただそれだけの理由で。 『嘘ついても、意味はないと思うので』 『積極的にこの問いかけは控えるつもりなんです。 誰か心当たりはありませんか? 合議の時に話した通り、選抜している理由を聞きたくて話をしてみたいんです』 (-194) 2022/02/27(Sun) 19:48:24 |
【秘】 規律 ユス → 不運 フカワ『そうですか。それなら俺もそれ以上は何も言いません』 ただ表面に出てきた事実を愚直に拾った。 『心当たり?』 考えているのか、ぽんぽんと返ってきていたメッセージはこの辺りで勢いを失った。 『すみません、無いです。自由時間は参加者達と話をするにしても過去話とかのほうが多かったので。 俺も興味はありますが、先日のように裁判場で声を出して問いかけ、匿名性を保ったまま回答してもらうなどでは駄目なのでしょうか。 たとえ一対一の会話に持ち込めたとしても、素直に話してくれるとは限らないのでは?』 (-196) 2022/02/27(Sun) 19:56:10 |
【秘】 不運 フカワ → 規律 ユス「……」 「……」 『そうですね』 『俺は、あの方法思い付かなかったんですが 画期的ですよね』 『居るとわかっている人しか とれない方法だなとつくづく思います』 『ですが質問が質問ですから。 どういう基準で選んでいるか、なんて。 あんな場で答えてくれるような人ではないと 思って、聞きたくない人もいるかと。 一対一で素直に話してくれないのなら尚更です。 明日、勇気が出たら聞いてみます。 ユスさんは、視野が広くて そういった提案が上手ですね。ありがとうございます』 (-200) 2022/02/27(Sun) 20:13:37 |
【秘】 普通 ナツメ → 規律 ユス 顔を上げて、あなたの方を見る。 すぐに手帳へ視線が落とされたから、短い時間のことだった。 『知って、どうするの? くじで決めるならもう、関係ないと思うけど…』 『あ、断るために言ってるんじゃないよ。 どうしてなのか、気になっただけ。』 (-202) 2022/02/27(Sun) 20:13:58 |
【秘】 規律 ユス → 不運 フカワ『つまり俺があの方法を提示した時点で、俺が二回目の人間である或いは知っていると踏んでこうしてやり取りしに来たという事でしょうか』 『俺はむしろこの場にいない存在だと考えたこと無いです。 目に見えない場所、俺たちには知覚できない者の可能性を考えていたらキリがありませんので』 『そうですか、応援しています。頑張ってください。 視野が広いかは分かりません。考えたことがないので』 誰かが何かをやろうとしたら応援すべきだと言われているので、無責任にそうした。 (-205) 2022/02/27(Sun) 20:31:36 |
【秘】 規律 ユス → 普通 ナツメ『そうだな。くじで決める以上俺にとって議論は最早意味などないかもしれん』 『ただ、誰がどういう意見を持っているのかそういうのは聞きたくてな。自分では思いもよらない考えがあれば、物事も色んな角度から見ることが出来たり人の中に紛れて生きるのに役に立つ』 『ただ、ナツメは見た感じあの裁判場で発言するのは苦手としている印象を持っている。だから合議の場ではなくこういった場所で話せたらと思った。納得できただろうか』 (-210) 2022/02/27(Sun) 20:42:17 |
【秘】 ツルギ → 規律 ユス「……ずるいなあ…………」 机に伏したまま背中を丸めて、何かに耐えるようにしながら。 かつて君に言った言葉を呟いた。 ずるいなあ、全部言わせるんだもん。 「ああ、殺したいよ、殺したいよ……… 最初から全部、全部、無かったことになるなら、そうしてる……!」 言葉は段々と小さくなって、ついには嗚咽混じりになっていく。 額を机に擦り付けて、見えない背後の誰かに何度も何度も土下座して謝って。 体を小さく丸めて、このまま消えてしまえたら、どれだけいいか、 「っ、俺が、生きてきた過去は消えない。 だから、だから…産まれた時から、その瞬間から、もう手遅れだっ、た、」 震える息を吐いて、絞り出す。 (-216) 2022/02/27(Sun) 21:11:42 |
【秘】 ツルギ → 規律 ユス「 誰もわかってくれない 」自分と同じ人生を歩んだ人が、どこかにいないかな。 「 誰もいない 同じ気持ちを抱いてよ。 「 さみしい 俺だって誰かが隣にいてほしい、 「 さみしいんだ、 」ほんのちょっとだけでいいから、 同じ景色を見てくれたら 。 (-217) 2022/02/27(Sun) 21:12:33 |
【秘】 ユス → 剣道 ツルギ「ずるいと言われてもな。お前の気持ちを汲んできちんと返すなら、知らないままでは駄目だったんだ。 お前の意思を聞かなければ、この先肯定も否定も出来ないから」 かつて貴方に言ったものと似た言葉を呟いた。 かつてと違うのは、そのまま椅子から立ち上がり、机に突っ伏す貴方の隣にやってきてそのまま床に座り込んだ点だ。 「そうか。殺したいか。無かったことにしたいか。手遅れだったのか。 ──そんなことをしていたら、そんなことをこれからしようとするなら、俺はお前に何をされても問答無用で止めにかかっていたかもしれないな」 静かに語る。抑揚のない声で、誰かを見て謝り続ける貴方の隣で。 「あの合議の時、俺はくじでツルギの名を引いた。投票するなと言われていないし、お前も気にせず、俺も気にしない。そのリスクを負った上で全てを賭けて勝たねば幸運が与えられないから。 ……分かっている。だから、俺はツルギに投票するのを変えない。だが、正直に言おう。 分かっていたのに あの時確かに苦しかった」 ▼ (-224) 2022/02/27(Sun) 22:17:36 |
【秘】 ユス → 剣道 ツルギ「それから俺が何を考えたか分かるか? 分からないと思うから説明する。 Wお前が死んでいなくなって、それでも一人元の場所で生きることになった未来の俺Wだ。 来た時点の俺であれば、仮に死なずに生きたとしても今までと変わらず俺と言う個人を取り上げられたまま、あらゆるものが麻痺したまま生きていただろうよ。 ただ、こうしてお前と生きる約束をしてから想像したら何かが違った。 色褪せているように見えた世界がもっと暗くなった。何故何一つ感じることのない無味乾燥とした毎日を生きなければならないのかと欠片でも疑問に思ってしまった」 「なあ、分かるかツルギ。 俺は期待し、裏切られるという痛みを予想できるようになってしまったんだ」 ▼ (-225) 2022/02/27(Sun) 22:18:16 |
【秘】 ユス → 剣道 ツルギ「……俺の家族を使って、過去のお前と同じ経験を俺もしようか?」 「弟妹を殺した後、母親を監禁し孕ませてその胎から生まれた俺と同じ血を引く子供を抱いて、それからこの手で二つの命を潰そうか?」 おぞましい話を、何も感じないと言わんばかりに口に出す。 ──実際、何も感じないのだから、仕方ないだろう。 「……そんな事をしても、俺はきっとお前の気持ちが分からない。相互理解はきっと出来ない」 ──もし感じるとしたら、それは。 「今の俺が胸の痛みに苦しみ喘ぐとするのなら、それはきっとお前を喪ったときだ。 麻痺して死んだ俺の感情を動かせるのはきっとお前だけだ」 透明だった声に、その一瞬だけ、確かに熱が込められた。 ▼ (-226) 2022/02/27(Sun) 22:19:35 |
【秘】 ユス → 剣道 ツルギ「だから、ツルギ」 「お前が教えてくれないか」 「状況も、感情も、景色に必要なもの全て」 「可能性の全てを、俺に」 「似た苦しみも、おぞましい痛みも、必要なら喜んで飲み干すから」 こうして貴方が全てを晒して苦しみ泣いていても、頭の中で家族全員惨たらしい肉塊に変えたとしても。 碌に、心が動いてくれやしない。 「俺は、人どころか怪物、ろくでなしにひとでなしである以前に、心をまともに持てない生き物失格かもしれない」 「それでも俺は、お前の作る景色が見てみたい」 「一瞬でも同じ景色を見れた時の、お前の顔が見てみたい」 心が動いたきっかけは、貴方の愉しそうな笑顔だったから。 「お前が寂しくても、ずっと傷ついていても、嫌だと言っても」 「……俺は、誰の為でもなく、お前の為でもなく、ただ俺の為に」 「ツルギが欲しいよ」 隣ではないけれど、傍らに座り込んだ青年は。 そうして、ひたすらに滅茶苦茶で、身勝手な言葉を吐いた。 (-227) 2022/02/27(Sun) 22:26:25 |
ユスは、自分の為にしか動けない。 (a34) 2022/02/27(Sun) 22:27:29 |
ユスは、それでも許されるなら、いきたい。 (a35) 2022/02/27(Sun) 22:27:44 |
【秘】 規律 ユス → 涙眼 ユメスケ『コタ。 お前の自己満足に付き合ったので今度は俺の自己満足に付き合ってほしい』 『とは別に言わない。付き合って欲しいわけではないから。読まずに消していい』 『どうにもお前には努力して覚えた世間一般的な反応だとか価値観を持ってくると嫌らしいから、本音というか何も取り繕わずに話すことにする』 『メッセージを読んだ。俺宛に送ったのも、全体に送っていたのも。 嫌がる理由が分かった気がする。特に悪いと思っていないので謝ることはしない。 ただ、お前の話を聞いても俺はやはり行動の選択を決めるのは自分自身という考えを変えられない。 どんな者にも社会的地位、数秒先の未来、自分の我が身、何もかも投げ捨てて「何もせず動かない」くらいの選択肢はどれだけ透明に近くても残っていると思うから。 生きたい死にたいではなくW楽になりたいWしか考えられなかったほど病気で苦しめられていた時の俺も、助けを求めずのたうち回って何もせず死んで楽になるという選択肢はきっとあったんだ。極限状態で、その選択肢を選べる余裕がほぼほぼ無かったとしても』 『こう言うと、ではW遊召家さんちの小太郎くんは別の選択肢を選ばなかっただけなのか?Wという問題が起きるかもしれない。俺の考えに基けば、是ということになる。 環境や状況によってほぼほぼ限りなく誘導されて、ほぼほぼ他の選択肢が透明に近かったとしても、最終的に選ぶのは自分自身だ。 こう言うともしかすると遊召家さんちの小太郎くんは怒るかもしれないな。怒ったところで、俺には関係ないし困らないが』 (-237) 2022/02/27(Sun) 23:03:22 |
【秘】 規律 ユス → 涙眼 ユメスケ『何故こんな話をしたのだろうな。俺にも分からない。 もし仮に小太郎くんが突然大人たちにどれだけ言われても物言わぬ人間になったり、精神に異常があると言われてもおかしくないほど暴れてみたり、そんな今の立場を捨てるようななりふり構わない選択肢を選んだとしても。 今の俺は空を泳ぐ鯨のいる雲を見上げるしか出来ない海にいる鯨だ。 空の向こうにいる鯨が何を思おうが、何をしようが、分からない。そしてそれは、世間一般もまた。 無責任で自分勝手な作文は終わりだ。読んだのか? 別に読まなくてもいいのに。終わり』 (-238) 2022/02/27(Sun) 23:03:42 |
【秘】 ツルギ → 規律 ユス自分より低い位置から聞こえる声を、自分の腕で覆われた暗い景色の中で聞いた。 どうしてだろう、先ほどまでよりずっと近くで聞こえる気がする。 「 ………、うん。 」君のことなんて理解できないけど、全く知らないわけじゃない。 君が嘘をつかないことも知ってるし、君が俺を特別だって思ってくれてることも知ってる。 君が俺の名前が書かれた栞を引いた瞬間に、動揺したのを見た時、嬉しく思ったのは それを確信できたから 。君が俺に期待してることを、本当は、知ってた。俺が信じようとしなかっただけ。 「……………」 ふと鼓膜を揺らした熱に、僅かに顔を上げて。身を引いて、机の板越しに君の頭を見る。 久しぶりに頬を濡らした涙が、顎を伝って道着の袖に染みを広げていた。 こんなこどもみたいなこと、何年ぶりにしたかな。 お父さんは泣かなくて強い存在だから、泣かないようにしてたんだ。 (-253) 2022/02/28(Mon) 0:01:35 |
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