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![]() | 【赤】 跼蹐 カナイ何度も気配を探り直す。 何度も何度も探り直す。 それでも恐ろしくもどこか懐かしいあの気配は見付からない。 少なくとも、きっと、以前と全く同じ気配は見付からない。 今は何処にも見付からない。 変わらず感じ取れるものは傍にある一つの気配だけ。 傍に無いもう一つが何処へ行ってしまったのか、 何をして、どうなってしまったのかわからないのが恐ろしい。 自分にわかる事は──それだけ? (*1) 2022/06/04(Sat) 3:50:26 |
![]() | 【赤】 跼蹐 カナイ一度会議室を後にして、戻って来るまでのどこかの間の事。 会議室で別れた一人に対し、 自分のスマホから短くメッセージを送った。 どうなっているかわからないから、もう一人には送らないでおいた。 『結木さんのことは今は気にしないで』 『僕がやりました』 『こわかったんです』 『ごめんなさい』 『誰にもいわないでください』 慌てて弁明をするように幾つか通知が続いて、少しの間。 (*2) 2022/06/04(Sat) 17:18:11 |
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![]() | 【赤】 跼蹐 カナイ『そう思いますか』 『なら』 『少し安心しました』 暫し送られてきた文面に視線を落として、また短い返信。 文面とは裏腹に、ほんの少しの不安を抱きながら。 状況が状況だから仕方ない。 殺さなければ殺されるかもしれないのだから仕方ない。 自分だってそう思っている。そう思ってそうしている。 けれど、もし仮に。 その行いに抵抗が無いのなら、あなたもまた恐ろしいものだ。 「………後で、確かめないと……」 臆病な加害者の独り言を聞く者は居ない。 本当に? わからないものが何よりも恐ろしい。 理解の及ばないものが何よりも恐ろしい。 ある種同罪のあなたが、そのようなものでなければいいと思う。 (*5) 2022/06/04(Sat) 19:09:34 |
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![]() | 【赤】 跼蹐 カナイ/* 承知……… もしかしたらその前後に叶が神陰間さんをカイシャクした・しに行く事になるけど まあ前後なので特に何らか考慮しなければならない点は無いでしょう(行き当たりばったり) (*13) 2022/06/05(Sun) 20:15:03 |
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カナイは、同じなのだ。 (a26) 2022/06/05(Sun) 22:55:46 |
![]() | 【人】 跼蹐 カナイ会議室を後にしたのちの、どこかのこと。 神陰間と共に出たはずの叶は何処かで少女と別れたのか、 一人で会議室には戻らず廊下を歩いていた。 袖口の赤黒い染みを隠すように、上着の上から白衣を羽織って 何かを探すように、時折床へ視線を落としながら。 特別誰かを探しているわけでもなく。 銃声も、聞こえたとしても随分遠くからのものだった。 (8) 2022/06/05(Sun) 23:02:21 |
カナイは、ちょっと急ぎ気味に返信中。 (a30) 2022/06/06(Mon) 0:12:58 |
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![]() | 【赤】 跼蹐 カナイ────ぞわり、 なにか恐ろしいものが、こちらを見ているような、感覚。 それはほんの一瞬の怖気だった。 ───悪夢は覚めてもなくならない。 ────事実は決して消えはしない。 ──今に死の暗がりから這い出して。 ─────犯した罪が、戻って来る。 (*19) 2022/06/06(Mon) 5:54:47 |
![]() | 【人】 跼蹐 カナイ>>22 >>23 >>24 深和 古後 近付く"それ"が何であるかは足音で凡そ判別が付いた。 だから特別向かってくる足音に警戒もせず、 武器など初めから持っていない手は所在なさげなまま。 いつも通り──そう、至っていつも通りにそろりと視線を向けた。 「弓日向さんと……えっと、あの、神陰間さんと。 すぐ戻るはずだったんですけど、随分話し込んでしまって…」 そうしてどうにも言い訳じみてしまうような言葉は述べれど、 声色に嘘の色は無く、本気で心底申し訳ないと思っているようで。 おずおずと二人の表情を見遣り、すみません、と眉尻を下げた。 「…理由があったなら仕方ない……です、よね…? きっと…僕がすぐに戻らなかった事も、皆さんが ばらばらに行動してしまった原因、の一つのはずで… ……古後さんにもご心配をお掛けしてすみません…」 まさか自分が心配されていると驕るわけではないけれど、 自分がすぐに戻れば現状はもう少しましだったのではないか。 そのように思って、不安を煽った事にもう一度謝罪を述べた。 それから、掛けられた声に一つ頷いて、その背を追おうとして。 「────う、」 近付く足音にその動きを止めた。 聞き慣れない足音。これは見知った人間ではないか、それとも。 何か切迫した事態でなければ立てるはずのない足音だ。 殆ど反射的に片手を白衣のポケットに差し入れ、指先が硬い何かを引っ掛けた。 (26) 2022/06/06(Mon) 11:51:05 |
![]() | 【赤】 跼蹐 カナイちらとそちらを見遣って、動きを止めた足は後退の態勢を取る。 巻き添えを食らっても恐らく対処はできる──けれど。 恐ろしくもどうしようもなく安心するような、あの感覚は。 そう何度も呼び起こしたいものではなかった。 (*21) 2022/06/06(Mon) 12:03:14 |
カナイは、きっとその文字列を見た時、悲しかったのだと思う。 (a45) 2022/06/06(Mon) 12:12:58 |
カナイは、それでも約束を違えません。 (a46) 2022/06/06(Mon) 12:13:08 |
![]() | 【人】 跼蹐 カナイ>>27 >>28 深和 古後 斯くして姿を現したものの姿に ひゅ、と小さく喉が鳴った。 忽ちに感情の全てをどっと耐え難い恐怖が支配して、 その中であっても鋭く向けられた視線と怒号にもほど近い一喝は 確かな強制力を持って脳が知覚し、それを認識するに至った。 「ふ、深和さん──」 それに従って、混乱のさなかに手を伸ばす。 一歩、二歩、じりじりと後退りながら。 その数歩先から、骨の砕ける音と、肉を打ち付ける湿った音が。 どこか非現実的な事のように遠く聞こえていた。 恐らくはきっと、叶はあなた達よりは会議室に近い側に居て その両足は竦みかけこそすれ、確かに床を踏みしめている。 だから手を取ればすぐにでも逃げ出せる。 あなたの手を引いて、彼を置き去りにして。 (30) 2022/06/06(Mon) 16:35:59 |
![]() | 【赤】 跼蹐 カナイ「どうしますか」 小さく、短く、潜めた声が問う。 自分達を守るべくそこにある大きな背は無防備だ。 右手はガラス片に触れたまま。 不意打ちを仕掛けるなら、今がまたとない好機だろう。 けれどこの力で追撃を掛ければ無視できない証拠が残る事になる。 やるべきか、やらないべきか、視線があなたに問い掛ける。 或いは、やろうと思えば、彼を助ける事だって。 おれは、あなたの事は、信じているんですよ。 だからあなたの信じる人の事ならきっと、──きっと? (*22) 2022/06/06(Mon) 16:36:28 |
カナイは、確かにその声を聞いた。 (a54) 2022/06/06(Mon) 20:46:42 |
![]() | 【人】 跼蹐 カナイ>>31 >>32 >>33 深和 古後 ──ぱん、とも、がしゃん、ともつかないような。 とうに生物としての正常な形を失ったものの真横。 そこから耳を劈くような、甲高く、凄まじい破壊音がして。 それと同時に、鋭利な破片が無数の凶器となって降り注いだ。 部屋の中から廊下を、廊下から部屋の中を窺える程度の窓。 特別大きくはない、けれど破片よりもずっと大きな板ガラス。 それが唐突に、独りでに、爆発でもしたのかと紛うほど、 瞬間的に内側からとんでもない圧力を掛けられたように。 そのように、あっという間に膨張し、破裂した。 警告したという事実の示す通り、狙いは深和でも古後でもない。 刃の雨の大部分を浴びる事になったのは、異形のはずだ。 (36) 2022/06/06(Mon) 20:48:42 |
(a55) 2022/06/06(Mon) 20:50:45 |
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