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![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[やがて、王が告げる。] ………大儀であった。 [それは、誰にであったか。] 死者を丁重に弔い、埋葬せよ。 [処刑を見届けに集まった観衆はやがて去り、 司祭だけが祈りを捧げるために留まっている。 じきに墓掘り人が、未だ温もりの残る躯を運びにやってくる。] (125) 2026/08/27(Thu) 20:59:38 |
![]() | 【人】 七川 幸臣 ── Battle of Bosworth ── [バッキンガム公の反乱と処刑は、 リチャード三世に致命的な影響を与える。 人心掌握術、武勇、智略、それに運。 英雄と言われる者はそれらの幾つかを 兼ね備えているだろう。 リチャードは運命の神を味方につけていたとも噂される。 セバーン川の歴史的な大氾濫も その一例である。反乱軍の動きを分断した。 しかしバッキンガムの処刑後、その 運 に陰りが見え始める。 大貴族の戦力を失ったことは勿論大きい。 しかし、最も信頼する側近に裏切られたことが リチャードに心理的な負荷をかけたという説もある。 二人は、正しく朋友であった。 シェイクスピアの史劇では褒美に不服があったとされるが 史実では充分な褒美を与えられており、 バッキンガムの裏切りの理由は謎ともされている。] (126) 2026/08/27(Thu) 21:28:58 |
![]() | 【人】 七川 幸臣[バッキンガムの処刑から僅か二年もおかずに 薔薇戦争の最終決戦であるボズワースの戦いが始まる。 結果としてイングランド国王リチャード3世(ヨーク派)が、 王位を狙うヘンリー・テューダー(ランカスター派)に 敗れる。 始めはリチャード3世側のヨーク軍が優勢だったが スタンレー卿の軍勢がヘンリー側に加担したことで 戦況が逆転。 リチャードは最後の最期まで勇猛果敢に戦った。 リッチモンド伯ヘンリー・テューダーの首級をあげるため 先頭に立って切り込んだと言われている。 その時リチャードは兜でなく 王冠を被っていたとの目撃譚が伝わっている。 王権の正統性を掲げて、味方の士気を高めるためだったと。 近年の遺骨発見によって、 その時確かに兜を被っていなかったのが裏付けられた。 頭部に、九つの傷があったのである。 致命傷は頭部の斜め後ろ側の傷。 馬上にいるのでは、到底届かない場所。 そのため、リチャードの最期は、 馬を失い、多数の敵兵に囲まれた白兵戦の末、 勇敢に戦って斃れたとされる。 イングランドで陣頭指揮を執って前線で戦った、 史上最後の王、それがリチャード三世なのだ。**] (127) 2026/08/27(Thu) 21:32:35 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[バッキンガム公の処刑から半年後に王太子エドワードを、 その一年後には王妃アンを、リチャード王は喪った。 悲嘆と死の病の影は、 リチャードの身体をも徐々に蝕んでいった。 一時はフランスに逃げたランカスター派の リッチモンド伯ヘンリー・テューダーが 侵攻してきたとの報せが届いたのは。 アンの早逝から半年も経たないうちだった。] ……テューダー。 [バッキンガムを唆した。 彼と同じ名を持つ、呪わしき男。] ようやく奴に逢える。 俺の獲物だ。 [赤地に金獅子が吼えるイングランドの紋章に 青地に百合のフランスの紋章を組み合わせた王旗。 グロースター公の、地を掻く白い猪の旗印も翻る。 銘は“Loyaulté Me Lie”──忠誠が我を縛る。] (128) 2026/08/27(Thu) 21:41:21 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[戦況は、王軍に軍配が上がると思われた。 兵士の数は優に勝り、ランカスター軍の倍を数えた。 戦況が一気に傾いたのは、王国軍の半数の兵を持つ スタンリー卿の存在が故だった。 その義息子たるリッチモンド伯テューダーは、 内密に前王エドワードの娘ベスを娶り、 妻の血統を味方に、土壇場で旗色を逆転させたのだ。 王妃アンの喪に服していたリチャードには、 成しえなかった謀略。] (129) 2026/08/27(Thu) 21:43:24 |
![]() | 【秘】 飛鳥 悠凛 → 七川 惺[日和見をしていたスタンリーは、 今やランカスター軍に寝返った。 自軍だったはずの軍勢に囲まれている。 テューダーの元には辿り着けまい。 最早撤退すら──── 天を仰いでぐっと目を閉じ、見開いた。 王が今、為すべきことを。] (-16) 2026/08/27(Thu) 21:45:20 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[神の裁きも救いも届かぬのであれば、 それは“神の代理人”が授けよう。 永遠の安息の際まで、兵士達に救いを。] ──剣を掲げよ、槍を構え、弓をつがえ。 父なる神は、我らを決して見捨てたもうことはない。 神より託された祖国を護らんと戦う者にこそ、 天の門は開かれる。 肉体は生まれながらに我らを囚う 魂の牢獄に過ぎない。 魂を解き放ち、天より授かった肉の器を今 神の御許にお返しするのだ。 我が愛する誇り高きイングランドの戦士達よ、 進軍せよ────…!! [勝どきのように誇らかな声が、戦場に響き渡る。 地を踏み鳴らし、呼応する戦士の声は怒号に等しい。 バルコニーの上、傍らにバッキンガムが跪き、 聴衆の歓呼にこの身が包まれた日を思わせる程に。*] (130) 2026/08/27(Thu) 21:54:19 |
![]() | 【恋】 七川 惺[晴天の空の下、バッキンガムの瞳に この世の最期の瞬間に焼き付けられたのは、 愛しいリチャードの美しい貌だった。>>124 そうしてリチャードも、バッキンガムが首を落とされる 残酷な瞬間にも目を逸らさなかった。 だからなのだろう、運命の神は>>126 約二年の間、バッキンガムの魂を地上に留めた。 バッキンガムの魂は地獄に堕ちず かといって天にも昇らず 埋葬された墓所をも離れ 王宮の、白薔薇の蕾と共にあった。 一輪だけ、咲かぬ蕾。 二年の間に、そこに目を留めたものはあったろうか。 誰かに口吻けするように、仰のいたその蕾を。*] (?6) 2026/08/27(Thu) 22:06:11 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[王自ら先陣を切って馬を駆り剣を揮う、 “獅子王の再来”と謳われたその背に兵は続いた。 士気で勝る王軍の兵を、それでも数で勝る ランカスター軍が屠っていく。 テューダーの姿はどこにも見えない。 自身が聖戦の旗印となるべく、 王冠を戴き胸に白薔薇を挿し、白馬に跨るリチャードは、 近づく兵を片端から一騎で薙ぎ払う。 遠巻きに長弓で執拗に馬を狙われ続け、 後足で立ち上がった馬の背から落馬する。] ッ、 馬を、馬を持て! [──脚を挫いたか。 だがまだ戦える。終わっていない。 戦場に立ち続けてこその王だ。] (131) 2026/08/27(Thu) 22:28:39 |
![]() | 【恋】 飛鳥 悠凛[剣のぶつかる音が、怒号が、 馬の嘶く声が頭上を飛び交う。 視界が白んでいく。 それでも。] 我らが王国のために──…! [我らが手にした、美しい王国。 おまえの夢は、俺の。 我が夢はおまえの───……*] (?7) 2026/08/27(Thu) 22:31:58 |
![]() | 【恋】 七川 惺[巡り巡って。 運命はリチャードの胸に開かぬ蕾の白薔薇を飾った。 戦いの最中、少しずつ、少しずつ、 開いてゆくように(見える)] ああ、俺は。今、あんたの傍に──…… [バッキンガムの声だけが、激しい戦場の中に、── 通る 。] (?8) 2026/08/27(Thu) 22:41:01 |
![]() | 【人】 七川 惺お迎えに参りました、我が王。 さらいにきたぞ、リチャード。 [馬を牽いて現れるバッキンガム。 馬も、バッキンガムも蒼白い。 声の音声が、二重になっている。] あんたの望むまま、どこへなりと、ともに──。 [今度は、肉声一つ。*] (132) 2026/08/27(Thu) 22:49:49 |
![]() | 【人】 七川 惺[果敢に戦った王の印、 リチャードの頭から王冠が転げ落ち、 どんどん転がってゆき、 戦場の中で誰に拾われたのか、 もう、探しても見つけられない。 血を流し、倒れ込んでいるリチャードに、 バッキンガムの声は届いたろうか。 蒼白い馬は、離れても戦場の中で、逃げない。 バッキンガムは、 リチャードに歩み寄って助け起こそうとする。*] (133) 2026/08/27(Thu) 23:00:30 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[……あの男の声がする。 俺が欲すると思うものを、今日も捧げに。 馬鹿な男だ、それが何かも分からずに。 ──いや、馬だ。] 血迷ったか、バッキンガム。 俺は王だ。 戦場で戦ってこその──… [声は途切れる。 やけに静かだ。 頭が軽い。 伸ばした腕も、 手を引かれ助け起こされた身体も──] (134) 2026/08/27(Thu) 23:12:38 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[立ち上がる仕草は軽い。 王冠の重みから、 魂の牢獄から解き放たれた軽さ。 いつしか戦場は静まり返っている。 愛しい男だけが、馬の傍に立っている。] ……二度と違えぬと誓ったな。 [睨むように細めた眼差しを、ひたとその顔に据え] 連れていけ、どこまでも。 地獄までの行軍だ。 [高らかに宣言する声には、喜色が滲む。 馬の背に飛び乗り、その手を取って引き上げる*] (135) 2026/08/27(Thu) 23:21:54 |
![]() | 【人】 七川 幸臣── The fall of the curtain ── [緞帳が降りる。 ──暫しの間、会場全体が、 深い森の中のように、しん……としていた。 それから、割れんばかりの拍手。 拍手は、いつまでも、鳴りやまない。 そこからCurtain callへと移行する。 まずは、端役や合唱など全員が集合する形式の 「アンサンブル・カーテンコール」。 それから、主要出演者が手を繋いで舞台前方に。*] (136) 2026/08/27(Thu) 23:24:41 |
![]() | 【人】 七川 惺 ── Curtain call ── [千秋楽で、これをするのが夢だった。 悠凛のリチャードの身体をふわりと持ち上げるんだ。 まるで重力なんか感じられないように。 バレエの練習の成果だぞ。 抱き上げ、くるくるっと回すつもり。 悠凛と手を繋いで舞台前方に出る。*] (137) 2026/08/27(Thu) 23:27:59 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[涼し気な笑みを浮かべて優雅に腰を折りながら、 ウィッグの下の額にはびっしり汗が滲んでいる。 日頃鍛えてるとはいえ、 重装備風の衣装で剣振り回すのは 結構キツイ。それがまたいい。] ッ、ぅわ、 ……っはは、 [隣から片手をぐっと引かれて、 俺のバッキンガムに抱き寄せられた。 まだリチャード王で居る気だったのに。 でもいいか、お客さんも千秋楽の空気だ。 惺の腕に向かい合わせでくるくると 抱き上げられて、ふわりと着地する。 観客席ぎりぎりの前方まで出て、 手を繋いだまま改めて、深々とお辞儀を。*] (138) 2026/08/27(Thu) 23:36:22 |
![]() | 【人】 七川 惺 ── Epilogue ── [後ろ手に隠して、持っている。 それなりに大きいけど、俺の背中に隠せるくらいの。] ……はい、これ。 悠凛、誕生日おめでとう。 [イミテーションジュエルの王冠。 ラインストーン、クリスタル、パール。 あと模造宝石だけど、それなりにキラキラなんだ。] 悠凛の自然な髪色に、 のっけてみたかったんだ。 今日は何をしましょうか? 何なりとお申し付けください。 あなたの望むまま、どこへなりと お付き合いしましょう。** (139) 2026/08/27(Thu) 23:38:41 |
![]() | 【人】 飛鳥 悠凛[リチャード3世王は、戦場の最前線にて果てた。 零れ落ちた王冠を拾い上げたスタンリーが、 テューダーの頭上に被せたという。 傷だらけの骸は、丁重に葬られることはなかった。 父と同じく、衆目に晒され朽ちた。 骨は修道院に埋葬されたらしい。 その後修道院が解体され、 墓所も長らく不明となったという。 その結末は、バッキンガム公も同じだ。] (140) 2026/08/27(Thu) 23:40:42 |
![]() | 【恋】 飛鳥 悠凛[───これは悲劇の物語だ。 口先ばかりが器用で、 人の心を惑わす術ばかりに長けた、 その実不器用な男の、叶わなかった恋物語だ。 ソファに腰かけている“俺”は、 膝上に広げていたパンフレットを閉じる。 表紙の中央に並ぶ俺達二人。うん。絵面がイイ。 「このメイクも妖艶で悠凛に似合ってる。 なんで俺はナチュラルメイクなんだろ…」とか 隣で惺はぼやいてたけど、 そのまんまのおまえが俺は好きだよ。] (?9) 2026/08/27(Thu) 23:40:46 |
![]() | 【恋】 飛鳥 悠凛[ころんと恋人の膝に寝転がって、 両腕を伸ばしてキスを強請る。 “俺”にはそれが許されている。 俺が俺に、それを許しているから。 神の代理人と半身の望みへの忠誠に縛られ 生きて死んだ王とは違う。] ──ね、惺。 俺なら“王冠”より惺を選ぶよ。 その時がきたら玉座なんて誰かに譲って、 惺に攫ってもらう。 [少し前の俺なら、そう言い切れは しなかっただろう。 この仕事を、掛け値なく愛している。 まだ幼かった俺が、自我もアイデンティティも 綯い交ぜに築いた“飛鳥悠凛”としての生き方と生き甲斐。 一度はそのために手を離した、俺の運命。] (?10) 2026/08/27(Thu) 23:41:32 |
![]() | 【恋】 飛鳥 悠凛[俺がこよなく愛してきたもの以上に、 この男を愛している。 この先、俺達の未来に何が起きたとして、 俺が選ぶのは惺だ。 ──いつからそうだったのか分からない。 今そう思っているのは、確かだった。 俺の後頭に手を添え、身を屈めて キスをくれる恋人に微笑みかける。] 愛してる。 惺、愛してる。 ……愛してるよ。 [惜しみなく、俺は捧げる。 劇中バッキンガムが何度求めても、王で在り続けた恋人に 言葉にだけはして貰えなかったそれを。 こいつ本人も相当鈍いからな。 公演中、リチャードの台詞や行動の意味聞かれて、 「おまえそこ分かんないで演ってたのかよ!」 「え、これは?こっちは??嘘だろ……」と つい激詰めしてしまった。 俺は浴びせるように言ってやろうね。 毎朝毎晩、おまえの隣で。*] (?11) 2026/08/27(Thu) 23:44:29 |
![]() | 【雲】 七川 惺『Your soul is carried to the most suitable place with destiny.』 ───** (D10) 2026/08/27(Thu) 23:49:32 |
![]() | 【恋】 飛鳥 悠凛[身体のおっきい恋人が、その背に 何かを押し込めるように隠している。 差し出されたのは、 きらっきらの王冠。] ……ぅん? ッはは、 [誕生日プレゼントかなって予想はついたけど、 これは予想外過ぎて、 きょとんとした後、笑み崩れる。] このキラキラ具合さ、おまえん中での 俺のイメージでしょ。 やっぱウィッグにしといて良かったね? [その場で優雅に跪いて、 惺の好きなストロベリーブロンドの頭に 恋人の手から王冠を授けてもらう。 バッキンガムが望んで、 果たせなかったことのひとつ。 おまえは影踏める後ろになんか、居させない。] (?12) 2026/08/27(Thu) 23:52:42 |
![]() | 【恋】 飛鳥 悠凛んー…… どしよっかな。 山ほどやりたいことあんだけど。 着せ替えデートでバチイケの彼氏 連れて歩きたいでしょ? 高校生みたいなデートもしたい、 テーマパーク貸し切って。 [王様ゲームみたいなこと 持ち出した恋人の前で、指折り数えて見せる。] (?13) 2026/08/27(Thu) 23:55:25 |
![]() | 【恋】 七川 惺「愛してる。 惺、愛してる。 ……愛してるよ。」 [その言葉に包まれて毎晩隣で寝るのは、 なんて幸せなんだろう。] 沈黙は金。雄弁は銀。 そんなの誰がいった? やっぱり言葉にしてもらうと嬉しいんだよ。 俺は鈍いからな。でも、バッキンガムよりは鈍くない。 [どっちもどっちって悠凛に言われたかもな。] 愛してるよ、悠凛──。* (?14) 2026/08/27(Thu) 23:55:36 |
![]() | 【恋】 飛鳥 悠凛……でもやっぱ、俺が一番好きな オフの過ごし方は。 独占欲強い恋人の腕ん中から 出してもらえない一日、かな。 [久々のオフだからね。 公演中いきなり別居するわ、 巣温めに帰るって言っといて ろくに顔出さないわで。] おまえだけの王様にして。 [全て許す、と囁いて。 まずは、お互いへのご褒美のキスを叶えた**] (?15) 2026/08/27(Thu) 23:59:33 |
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