【妖】 セレンぼくも世界に憎まれてるとしか思ってなかった。 あなたはぼくは違うというけれど、 周りから見ればぼくは化け物だったんだって。 [ 籠りかけた緊張を抜くように、 灰の瞳だけを閉じ瞼を撫でながら細く息を吐く。 陽に痛めた眼は未だじわじわと灼ける痛みが残り、 一晩を越して休ませなければ明日も痛むだろう。 他人からみたら化け物と評価される要素のひとつを、 忌々しく思った記憶は実のところ、なかったのだけれど。 このように生まれたから仕方ない――、 諦めを土壌にした思考は深く根付いて寂寞の花となり、 こうして夜の前で咲き、孤独だけが伴の過去を知らせて ] ($2) 2019/04/16(Tue) 0:01:05 |