人狼物語 三日月国

224 【R18G】海辺のフチラータ2【身内】


【魂】 口に金貨を ルチアーノ

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「……エル」

貴方を誰かに渡したくなどない。
とうに、恋愛感情など抱いていないが。

なんであんな奴に大切な幼馴染をやらなくちゃならんのだ。
それなのに、どうして、
これ
が大切だと思ってしまうのだろう。

この手を離されてしまう、きっと約束以外の心は遠ざかる。
真に俺の手から零れ落ちていくのだと思い知らされる。

「……」

好きだから、貴方が望むものがわかってしまう。

本当に、俺は、誰かの傍にいるだけで何かを奪ってしまう人生を送ってきた。
それでも歩いて進んで、知るものかと。自分の為に生きてきた。
罰をくらうというのなら、今日今この瞬間なのだと思っている。

身体を改めて離せば、
貴方へと紙袋に入っていた小さな包を一つ渡した。
そこには何の変哲もない片方のレンズが割れた眼鏡が入っている。

「見舞いだ、受け取れ」

その声は冷たく。
貴方が望むような幼馴染の声ではなかったかもしれない。
(_4) 2023/09/30(Sat) 13:29:35