【魂】 知情意 アマノ男は元来研究員だ。多少腕っ節は強くとも、能力を封じられている状況では数の暴力にはどう足掻いても勝てないし、看守という絶対的な存在にはそもそも反抗する権利を持たない。 ……投獄当初は男性体だったこの囚人は、前の主人の不可逆な暴力によって、ただ男である資格すらも奪われた。 「ああ、喜んで。 ……それならもう少し度数少なそうなものを飲むんだったな……まあいいか…… 」あなたのそれが慰めなのか、慰めによく似た別の何かなのか、男には判断できない。ただ、形はどうあれ男はあなたとの対話を楽しんでいるから、少しだけ強い度数の酒を入れ直したことだろう。 酒瓶については邪魔にならないところに避けておいた。 (_43) 2021/10/05(Tue) 20:17:08 |