【墓】 書生 茅[あ、と開けた口で、指先を咥える。 ちゅうと吸い上げては、傷口を舌先で刺激する。 痛いかな?とか考える余裕もなく。 もう少し、もうちょっと、 甘露 が欲しくて強請るように、吸う。]ちゅ……ちゅぷ、 [ざわざわと、翼の先が震える。 こめかみが、熱っぽく脈打つような気がする。 はふ、と吐息を零した。 漸く満足したころ、咥えていた指を返すが、その表情はどこかとろんとしていた。 ふるふるっと全身を震わせると、一度開いた翼がするすると背中に収まって、肌表面の刺青のような描画に収まる。 それからまたひとつ身震いすると、するすると黒い糸がどこからともなく肌の上を滑り、墨色の着物となって青年の身を包んだ。] あは……どう? [おそろい、なんて、馴染んだばかりの妖力で編んだ着物を自慢げに見せ**] (+3) 2021/06/25(Fri) 0:15:56 |