【墓】 瑞野 那岐[今まで女性を抱いていたときは、普通に。 性欲も、衝動もあったと自分では思っている。 やさしく抱いて欲しいというなら甘やかし、 逆に甘えるように胸に埋まる時もあった。 それでも、常に求める程欲深い方ではなかったように思う。 淡白過ぎると言われた経験も無くはない。 なのに、今は。 もっと深く溺れたいと思うほどに、熱を孕む。 自ら求めることも、求められることも同じくらいに。 相手だけを気持ちよくさせるだけじゃない。 自分だけが気持ちよくなるわけでもない。 同じ温度で、一緒にゆっくりと熱を上げる。 俺の身体に、溺れて欲しいと思うのは。 初めて芽生えた感情だから。 こんなところで覚えた欲深さが、少し擽ったい。] (+4) 2023/03/21(Tue) 23:57:43 |