【墓】 3年生 武藤景虎──現実・病院── [どれくらい眠っていただろうか。 微かに歌が聴こえる。 そういえば流したままだったと枕の傍らに投げ出されたスマホに目をやれば、徹っちんが歌っている姿が目に映った。] ………、 [夢の中でじゅじゅと会った。 ミサミサとも会っただろうか。 二人とももう還ってきてはいるのだよな、と覚醒仕切らない頭で思う。 じゅじゅの病室を訪ねた時は家族か親戚か、誰かしらがいて入りづらい雰囲気だったろうか。 そうであれば売店で買った梅しばの大袋というあまり色気のない手土産をその場にいる誰かに渡すなりして病室を後にする。 眠っていれば会えるだろうし、多分じゅじゅは夢の中であいつに寄り添うことを優先したいだろうから。] (+12) 2022/09/12(Mon) 8:51:06 |