人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【墓】 栄枯 プリシラ

>>+13 エリー

「大したことないあれこれを気にしちゃう性分で。
 ……何もないようならそれでいいんですけど」

癒しに造詣が深いわけじゃなし、
適切な処置がされているならそれでいい。
自分を棚に上げて、他人ばかりを気にしている。

そちらの問い、表情を窺って、
何か考え込む様子を見せては、軽く息を吸った。

「……あたしね。わかってるの。
 なんで祝福を受けた皆が萎れていくのか。

 お話で嘉すべきとされる素敵な出来事が、
 どうして当事者の笑顔を枯らしていくのか」

「早く、この夢から醒めたかったのよね」

だいたいの人にとっては悪夢と呼ぶだろうが。
それこそが紛れもない現実として焼き付いてしまうのは、
耐えがたいことに違いない。魔女はなぞらえて。

「それでも……誇りたいと思ったから。
 どんな状況でもこうべを上げて咲くように。

 あたしは本当に、現実に置き忘れたもの沢山あるけど、
 それでもこの夢に精一杯生きて……
 夢見た魔女で居られて、とっても楽しかったの!」
(+14) backador 2024/02/10(Sat) 8:00:22