人狼物語 三日月国

246 幾星霜のメモワール


【墓】 栄枯 プリシラ

>>+13 >>+14 エリー

魔女は両手を合わせて、ただ微笑む。
能天気に何もかもを受け入れたわけじゃない。
苦悩して、譲歩して、その先に浮かんだ答がこれなのだ。

「だから、強く悲しんだりして否定したくなかった。
 ……誰かが祝福したからじゃない。

 あたしが皆の分までこの夢を望むから、
 光る痣を晒して、皆の為のパーティを開きたい」

誰も参加しなかろうと、ただ独りでもそこに立つだろう。
深い事情も知らぬままどこまでも独善的に咲き誇って、
現在を肯定して、いつか踏み出すための土壌を作る。

「なんであいつは平然と受け止められるんだって、
 痣を持った誰かから疎ましく思われるくらいでいい。

 ずっと先のいつか、他の皆の心がまた芽吹くとき、
 憎たらしい大魔女の姿を絶対に思い浮かばせるわ。

 それぐらい──綺麗なドレスを、あたしに纏わせて」

葉と蔦のストールを靡かせて、えらく抽象的なイメージを。
大魔女の希望することは、それだけの大きな野望だった。
(+15) backador 2024/02/10(Sat) 8:03:00