
![]() | 【墓】 小粋な小旦那 躯川 茶弥「はあー? 私がバケモノなんて、ネタでもつまんないんですけどー??」 と、街の衆野次馬衆に真っ向から反論するのは、向かいの長屋の町娘、お雪。 長屋のアイリ婆のお孫さんで、いつも溌剌とした元気娘。 バケモノ、人外などとはにわかに信じがたい。 しかしてお雪さん、今にも街の衆に取り囲まれ、そのままお縄にかけられそうな勢いに御座います。 これはいけないと小旦那。 「待ちなさい皆の衆、これに取り出したるは、映したものの正体見破る水晶玉。これにてお雪さんの正体を詳らかにしようじゃあないですか」 ちょっと前まで水晶玉の効果に半信半疑だったのはどこへやら、意気揚々と水晶玉を、お雪さんの前に掲げます。 「ちょいとペテン臭くて胡散臭いです旦那」 「そういうときだけ冷静にツッコむんじゃないんだよハチ」 【雪は、人間】 「ほうら、ごらんなさい。お雪さんはバケモノなんかじゃありません」 「え、でも人外探しをしていたんじゃ」 「ハチ、いいから」 「だーから! 私は雪女なんかじゃないっていったでしょー!??」 「「へ?」」 (+15) 2025/08/11(Mon) 10:33:31 |