【墓】 書生 茅[青年はそれが何か、勿論知らず、知らぬまま、ちかちかと脳裏を占める白い光の中に揺蕩うように、全身を投げ出して、明け渡して、暫くは息も忘れたように、呆然としてしまう。 じわじわと、胎の奥に広げられた熱に呼び戻されるようにして、手足の感覚が戻ってくると、そ、と腹を撫でる。 新たに腹を汚す白は無かったが、それすら気づかぬままに、胎の内で脈打つ熱を、そ、と噛みしめるように、感じて。 漸く、深く深く息を吐いた。 じわじわ、じわじわ。 胎に注がれた毒を、青年の身体は貪欲に飲み込む。 甘い、甘い 蜜 のような毒 は、青年の身体を内側から 犯して 、侵して 、そうして青年の身体を巡る体液と混ざり合い、 青年の身体はそれを…… 受け入れた。 ] (+37) 2021/06/22(Tue) 0:41:38 |