【墓】 ■■■■ シトゥラ>>@4 メサ メサの足元が砕け落ちて行く。 彼女の周りを、亀裂が囲む。 「──いいえ。それは違いますよ、メサ。 重ねた時間が恋になるのなら、もうとっくに成っていたはずだ。 それが叶っていたなら、僕の隣にはアンタがいたはずでしょう。 僕は、アンタが僕を想ってたのを知っていました。 知っていて、はぐらかした。アンタの口を塞いだ。」 ……僕が、殺した。 そうだ、メサは、僕が殺したようなものだ。 いつか零した嘆きを、青年は語らない。 それを知る少女は、腕の中で瞳を閉じたまま。 真相は語られることなく、握り潰される。 「僕は、アンタたちを捨てた。 どうしようもなく貪欲で、餓えたこの獣を満たすには、 僕の持っていたものをすべて手放さなければならない。 僕は元々こう云う人間です。 欲しいものの為なら、他の何を捨ててでも。 蔑ろにして、踏み潰しても手に入れなければ気が済まない」 ⇒ (+39) chige_00 2021/04/25(Sun) 2:47:42 |