![]() | 【墓】 中粋な小旦那 躯川 茶弥さて興が乗ったので、一つでっち上げの小噺でも致しましょうか。 古来より獣が人を化かす話は数ありますが、今からお話しますのは一風変わった化物語。 「てぇへんだ、てぇへんだ、中粋の小旦那」 「ハチもちょっとキャラブレしてないかい? しかし中粋ってわけがわからないねえ」 「そんなことはどうでもいいんですって。バケモノが出たんでさァ!」 今度などんなバケモノ騒ぎかと、ハチとのやりとりを巻きに巻いて出てみると、 「ごめんなさい〜悪気はないんです〜。私はただ、少しでも長く適当をやって、みんなが楽しく過ごせたらいいと思っただけなんです。騙そうだなんでそんなつもりは……」 と訴えるのはアズキと名乗るえらいべっぴんなお嬢さん。 しかしその頭にはひょこんとタヌキの耳がついてるじゃないですか。 「むー大陸とかこまりみ自演とか>>24、共地雷とか>>30、困っている人にあんなものやこんなものを投げ込んだ>>4:54のも、ひとえにみんなが適当に過ごせたらという思い、その一心で……ご慈悲を、ご慈悲を〜」 「あんたは人を取って食おうってぇバケモノじゃあない。ちょいといたずらが過ぎたかもしれないが、悪気はないってんなら、森におかえりよ。どうだい皆の衆、ここはちょいと情けを見せるが粋ってもんじゃあないかい?」 「はい! く、食おうなんでそんな」 さて中旦那、みなまで言うなとアズキを帰らせ、落着とするのでした。 懐に隠した水晶玉には 「アズキは人狼」 と出ているのをよそ目に……。 人を化かすタヌキに化けたる狼を逃がす。 まあ、噺の中でくらい、そういうことがあってもいいじゃあないですかねえ。 (+46) 2025/08/13(Wed) 3:31:20 |