【墓】 2年生 松本志信─病院・朝霞ちゃんと>>+60─ [窓の外を見つめたまま暫く経つ頃。 病室の外からかかる声にゆるりと振り向く。 朝霞ちゃんがそこに居て。 彼女が還る時、俺は透明になっていて、諸々の事情を全く知らない。 彼女の葛藤の末に得た恋心も。 その彼女に向けられていた津崎くんの想いも。] 、………。 [大丈夫かと聞かれたら笑って頷く。 体調に変わりは無い、声が出ないだけだから。 喋れるようになったら、分かったと頷く。 全くなんでこんな状態になっているのか分からないが、言葉が出ないのはもどかしいものだ。 困ったように眉を下げ、いつかの時みたいに顔の前に手を合わせる。 “ごめんな”って。] (+74) 2022/09/14(Wed) 20:41:19 |