【墓】 █▓[語り手たる歌姫はかの如く言い伝える。 宙に1点の虚が現れん。 黒羊達の支配者は、糜爛した様な昏い粒子と共に現れた。 何処より現れたのか、彼の人型を中心に時計廻りに宙を駆ける獣達。 羊に酷似したその姿。 その輪は次第に広がりて。 全てを喰らい後には何も残らない。 あるのは、空白という名の虚無のみだ。 星々を文明を、何も無かったかの様に彼らは呑んだ。 幾多の世界を存在を。 終焉では無く虚無へと還したのだ。 星を救う為にあまたの技術が生まれ、 そして一匹の黒羊を捕獲するに至り──同時、何事も起きなかったかのように災厄は通り過ぎていった] (+99) 2022/07/28(Thu) 19:43:31 |