【墓】 1年生 工藤美郷…………………。 [人が死ぬということ。それに涙を流せないこと。 いくら痛みが胸を突き刺そうとも、それが表面を揺らすことは無く。顔の下には膜があって、感情が表面化するのを阻んでいるかのよう。 朝霞さんとも、きっと共感はできないのだろう。 けれど、微動だにしない表情の、その下の心を慮る魔法を、彼女は持っている。] 私の人生に、朝霞さんは付き合いたいと思っている。 [工藤は繰り返した。そしてもう一度言った。「私の人生に、朝霞さんは付き合いたいと思っている。」 それは工藤にとって、全く理解ができない時にする癖のようなものだった。] (+102) 2022/09/13(Tue) 22:43:18 |