【墓】 客 タカノ[ 聞けば答えてくれた、自分のことも そうじゃないことも。けれど、己に比べれば 口数の多いほうでない彼が、零す言葉の数々に、 ああ、いつか。そんな風に言ってもらえる人を 見つけたかったのかもしれない、と思い当たる。 続けたいんじゃないかと思っていた>>+223 その言葉に、瞳を伏せた。 退院してからの日々、続けられなくなってしまった 現実と直面し、すぐに気持ちを切り替えられた わけではなかった。 諦めるのか、諦められるのか。 一度手にしたものは全て、こぼれおちて、 粉々になって、気づいたときには拾い集めたところで 元に戻る事はないほどの砂粒になっていた。 ] (+229) 2023/03/14(Tue) 3:52:49 |